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コメント数 45
性別 男性
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1.  彼女が消えた浜辺 《ネタバレ》 
私はこの映画を同監督の「別離」と二本立てで見たので、この映画だけを見た場合よりも若干理解できたと思っている。西側(日本人)と大して変らない休日の過ごしからだんだんとイスラムの戒律が日常に影響してくることが良く分る。ハンディカメラで手ぶりしまくりの映像は映像酔いをしそうだが、それが逆に臨場感を出している。
[映画館(字幕)] 8点(2013-05-03 10:15:00)
2.  隠し砦の三悪人 《ネタバレ》 
橋本忍が「複眼の映像 」で、七人の侍までは共同脚本を作る際に、小国英雄は一切執筆をせずに黒澤や橋本が書いたものを精査し、全体の流れを作る司令塔的な役割を果たしという。だから、七人の侍のような長大なシナリオでも、滞るなく流れるように話が進んだという。しかし、それ以降小国が自分も書くようになり、交通整理をする人がいなくなってしまった。その煽りを受けたのがこの作品であろう。出発までに1時間も掛けてしまったのは、いかにも長過ぎる。その序盤も七人の侍のように面白ければいいけど、それほど面白くもなかった。4人で脚本を書いたけど、整理を出来なかった例がこの作品に前半に出ている。しかし、その1時間を我慢すれば、至福のときが待っている。隠し砦を出発してからの逃走劇は黒澤映画の中でも屈指の面白さといえよう。見所はいくらでもあるが、やはり最後の関所の場面で、三船が村娘を馬に乗せるシーンは、アメリカの西部劇でも滅多に見ることができないだろう。元々黒澤は馬にはこだわりがあるようだが、これだけ馬を効果的に使った映画は、ジョン・フォードの「駅馬車」くらいだろうと言いたくなるほどの出来だ。作る手のプライドに感服してしまう。
[映画館(邦画)] 9点(2008-05-14 22:46:52)
3.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
たいしたストーリーもなく淡々と流れていくというのは、小津的なものを感じるが、それを踏襲して成功した例はあまり多くはない。まあ、それでも結構謎は多い映画なのだが、主人公3人の今までの人生をお互い詮索しないで、かえって謎のままで終わらせたところも良かった。それにしても小林聡美は決して美人とは言えないが、独特のオーラを持ち始めたように思える。彼女が画面に映っているだけで、なにか楽しいとい感じがする。好き嫌いはあると思うが、独特の雰囲気を持った愛すべき作品だった。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2008-05-14 21:45:53)
4.  隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS 《ネタバレ》 
オリジナルの黒澤作品と比べることが、そもそも間違いかもしれないが、黒澤のこの作品も荒唐無稽なストーリーではあったが、確固たる時代考証や設定があったので楽しめたのだが、時代考証や設定までも荒唐無稽だと無残な形になってしまう。現在の山田洋次の時代劇を見ると、しっかり考証を行っているようなので、黒澤の冠がついているものにそのくらいの配慮は行っていると思ったが、今の東宝にそれを求めるほうが間違いだった。突っ込むところはいくらでもあるのでいちいち挙げるのも野暮だが、いくら戦国時代とはいえ、(山名)が自国の領民や村落を虐殺したりはしないだろう。しかも戦争中に敵国(山名)の領民を敵側(秋川)の姫が助けるなんていうことは、まずありえない。味方の侍大将が同じ侍大将を些細なことで、家来の前で殺すなんてこともあり得ないし(信長配下の時代に柴田勝家が羽柴秀吉を殺すなんて考えられるか?)、まあ時代考証というより、歴史に対する基本的認識が全く欠けているとしか言い様がない。東宝は、こうやって過去の立派な遺産をお子様ランチで汚していくのかという感じがした。黒澤作品のリメイクというより、「あずみ」などの流れの映画と考えればいいだろうが、まあ私は当分東宝時代劇を見ることは無さそうである。 
[映画館(邦画)] 1点(2008-05-12 20:04:10)
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