1. カラフル(2010)
《ネタバレ》 んまぁ、「悪くはない」んだけど「良くもない」かなぁ。 「河童のクゥ」のような深さがなく、確かに「中学生日記」みたいな感じ。 「クゥ」でチカラを入れすぎてタケが長くなった反省なのかな・・アッサリしすぎている気がする。 あと、「クレしん」「クゥ」まではあった「ユーモア」がなく、真面目一辺倒。 登場人物はみんな個性はあるが、真っ直ぐに真面目で、息苦しい。 今年は中島哲也の「告白」という中学生を描いた傑作があるので このテーマもそうそう、珍しくも感じないのは原監督には不運ではあるかも。 次回作では、少し余裕のある映画作りを期待します。 この作品は少々、窮屈です。 [映画館(邦画)] 5点(2010-09-05 22:20:11)(笑:1票) (良:1票) |
2. 海角七号/君想う、国境の南
《ネタバレ》 うーん・・前半は面白かったし、結構、期待感があったものの・・バンドが始動し始めると「ダメか・・?」となり、全てがすべっていった感じがする。結局、手紙と映画も繋がらなかったし・・。ただ、戦争直後の手紙の構造が「男性:日本人・女性:台湾人」であるのに対して現在部分が「男性:台湾人・女性:日本人」と入れ替わっていることに日本のアジアでの絶対的な優位が崩れた現実も感じた。メロドラマ的には「優位な国:男性・下位に置かれる国・女性」という構造で映画の脚本は描かれるものなので。戦前の「満映」の映画が「日本男性と李香蘭が演じる中国女性」とのメロドラマばかりだったことが象徴するように・・。中国人男性と日本人女性とのメロドラマは一本もないはず。 [DVD(字幕)] 3点(2010-07-24 21:22:05) |
3. カティンの森
《ネタバレ》 最初の避難民が橋の中央で、両方から来た群衆が混ざり合い 「こっから先はソ連がいる!逃げてきたんだ!」「俺たちはナチから逃げてきたんだ!」と混乱するシーンに改めて「ポーランドの悲劇」を実感させられた。 両方から挟み撃ちにされ動物のように追い立てられる。この恐ろしさ。 最期の20分は呆然と見る感じでしたが、歴史的にも意義のある映画です。 ポーランド大統領の追悼集会への出席を強行し専用機が墜落。 ポーランド大統領夫妻を含めたポーランド政府の主要閣僚が亡くなられました。 この映画を観ると、大統領が悪天候でも出席を強行しようとした背景も理解できます。 しかし、60年以上経っても、ポーランドという国に「カティンの森」が亡霊のように悲劇をもたらしている。 さらに大統領を含めた被害者の国葬はアイスランド噴火の影響で、国賓がほとんど列席できない寂しいものだったという・・。 この国の歴史、運命・・。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-08 01:16:27) |
4. 風が強く吹いている
毎年、母校が箱根を走っていてくれているし、箱根駅伝は大好き。当然、原作も読んで観に行きました。もちろん、原作とは違う部分もあるけど、日テレ・読売新聞・SAPPORO・PASCO・HONDAもちろん、関東学生陸連とホンモノの駅伝を支えるチームが作ったら臨場感あるなぁ・・。中継の映像も出身高校の表示もホンモノと同じだぁ・・と関心しちゃった。感動は原作の方が大きいかな・・でも・・この映像・再現力はすばらしい。俳優さんたちもフォームが綺麗で関心しました。映画が良かった方々、是非、原作も読んでね。 (1点、我がままなんだけど「ネヴァーエンディング・ストリー」の飛翔の曲で映画を〆ていただけたら、良かったのなぁーと思っちゃいました) [映画館(邦画)] 8点(2010-01-11 22:15:41) |
5. 歓喜の歌
のんびりと楽しむのに適した映画ですね。「今日は映画みるぞ!」というより、「ちょっと難しい映画は疲れた・・」と思うような日に見るといい感じです。あくまで「小林薫の映画」であって、女性達があまり深く描かれていない。それぞれの女性達が生活を守り奮闘する様子がとても良かったので残念でした。映画らしい部分・松岡監督らしい部分は、このがんばる中年女性たちの表現部分かな?松岡監督は「東京タワー オカンとボクと時々、オトン」でもダメ男と、苦労しても笑顔でがんばる母親的女性を描いてましたね。「男性から見た♪母性映画2連作」と言う感じです(そーいえば小林薫がオトンだった・・)。 [DVD(邦画)] 5点(2008-09-12 18:13:21) |
6. 母べえ
「いまいち、」という評判でしたが、やっぱり山田洋次はいいな。吉永小百合さんも40代は無理があると言われてましたが、この時代にこんなに苦労するんだからこれぐらいだわ。子供たち2人も本当にかわいらしくて健気でした。いい映画だ。 (ただ、やはり病院のシーンのセリフは要らなかったなぁ・・最後の父べぇの手紙で十分だったと思う) [DVD(邦画)] 7点(2008-07-31 01:05:23) |
7. 怪談(2007)
「松竹大歌舞伎・映画版」という感じです。 菊乃助さんの着物でのちょっとした動作が美しく、きちんとされているので、逆に女優さんたちの方がゴツイというか、粗雑にも見えてしまうほどでした(特に瀬戸さん・・)。 大道具・小道具もさすがに「松竹さん」で江戸の情緒がタップリ。 菊乃助さんは「出会う女性を狂わせるほどの絶世の美男」とまでは思えないけど、日本語が美しく、箒で庭を掃いても美しく、紫陽花を切っても手元きちんとされていて、魅力的でした。 なんかホラー部分より、前半の江戸情緒を味わうほうが楽しかった。 この調子で溝口映画みたいな美しい江戸歌舞伎な世界を撮って欲しいです・松竹さん。 [DVD(邦画)] 6点(2008-04-01 19:24:14) |
8. 河童のクゥと夏休み
《ネタバレ》 クゥちゃんが妙にカワイイので、珍しくアニメを劇場鑑賞。「アメリカのCGアニメと違って顔が雑だわ~」ぐらいの気持ちで観始めたのですが・・。笑ったり泣いたりでしたが、後半はクゥが何か言うと泣き、クゥが泣くと泣き・・とボロボロでしたわ・私。何で自分がこんなにボロボロと泣いてしまうのか、映画を観ながらも不思議だったのですが、帰りにクルマを運転していて気づいた・・。クゥがおびえるクルマもTVや雑誌もネットも「私のモノ」なんですよ。「私」がクゥの生きる場所を奪っている「何か」の一部なんです。醜い行動を繰り返すマスコミもネットも支えている愚民がいてこそ、凶暴化する・・。そうやって生きる場所を失った人や存在がいることをどこかで意識しているんだけど、それをこの映画で突きつけられて涙が止まらなかった・・。 ごめんね、くう。 [映画館(邦画)] 10点(2007-08-09 20:09:12)(良:1票) |