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1.  影武者 《ネタバレ》 
映像美は申し分なく堪能できる。最も美しい場面は開始20分35秒の夕日を背に退却する兵の列。戦国時代の戦乱を描いた大作として十分楽しめるが、のめり込むほどではない。信長、家康の役者の芝居が一ランク落ちる。「違う、これはおじじではない。」「もはやこれまで、わしは信玄ではない」等、良い場面は多いが、随所に間延びや綻びが目立つ。信長の幸若舞やワインの場面は不要だろう。幸若舞は桶狭間の戦いの場面と決まっている。冒頭三人の「こんなにも似ている」と驚く場面で、カメラが引きに固形され、顔のアップがない。伝達兵が城内を駆け抜ける場面が長々映るが、続く場面はのんびりしたもの。素晴らしい映像なのにもったいない。退却を知らせる朝倉の書状に激怒する信玄を山県がたしなめるが、これは逆でなければならない。信玄の人間性、度量の大きさに触れて、盗人が影武者を引き受けるのを申し出るのだから。最後の戦闘場面で討ち死の様子を一切映さないが、戦いの非情さ、悲惨さを表現するのに必要だろう。それ以前の戦闘場面はリアルに表現されているので肩透かしである。影武者が討ち死にする場面で感情移入、感動できるかどうかが成功の鍵を握る。影武者が信玄の人間性に感銘を受け、影武者の役を買って出たのは理解できる。その大役を果たすため、艱難辛苦を味わってきたのも理解できる。影として生きる人間の悲哀は十分出ている。だが影武者の人物像がいまひとつ把握できない。流れ者で、50歳代で泥棒稼業。感情移入するには高齢すぎる。家族はいるか?城内で大甕を割るが、あれに財宝があると思われない、また財宝があったとして、どうやって脱出するつもりだったのか?乗馬禁止の暴れ馬にどうして乗ったのか?あえて討ち死にするほど武田家へ恩顧を感じていたか?石をもて追われたではないか。彼を守って戦士した近習達への罪ほろぼしか。尊敬する信玄は既に死んでいる。と、いろいろと疑問が湧く。想像すれば影武者は天涯孤独の身、影武者を務めること生き甲斐を感じていたが、戦乱の悲惨さを目の当たりするなど精根を使い果たし 既に生きる屍となっていたのだろう。生きる気力はなく、ただ信玄の幻影に惹かれ、亡霊のように戦場に附いてきてしまったのだ。最後に脚本でうまいと思ったのを紹介。冒頭の三人の場面で信玄が「冷えると古傷が痛む」と去るところ。”古傷”という伏線が早い時期に提示されている。
[DVD(字幕)] 8点(2012-07-12 23:28:19)
2.  陽炎座 《ネタバレ》 
男に弄ばれた女の魂の怨念をこの世とあの世、現実と幻想、生と死が表裏一体、万華鏡のように入り混じる世界として描く。◆品子は老婆から死女の魂入りの鬼灯を買う。山崎は縁あってそれを引取る。二人は死者が見えるようになり、二人に絆が生じる。品子の亭主玉脇は遊びの限りを尽し、生きる興味を半ば失い、いつ魂を抜かれても不思議でない状態。妻に飽きた玉脇は妻と山崎に心中させようと企む。二人は、男女の契りを結ぶ。◆松崎は品子そっくりの女イネに会う。玉脇の前妻でドイツ人。髪と眼の色を変え、和装して夫の好みに合わせる。玉脇にとってイネは月光で変化する姿を愛でる人形でしかなかった。松崎が会ったとき、イネは既に死んでいた。◆品子から恋文を貰った松崎は金沢へ向かう。舟に乗る品子とイネを目撃。玉脇は二人を心中させようとするが山崎の拒否に会い失敗。山崎は和田という男に不思議な人形を見せられ、人形の裏に死後の世界があることを知る。◆品子とイネは不思議な友情で結ばれ、表裏一体の関係。品子の恋にイネは嫉妬し、山崎に迫る。恋文を送ったのはイネ。玉脇から幻扱いしかされず、山崎と情交し、もう一度生きてみたいと願う。死者と交わった山崎はあの世へ近づく。◆山崎は陽炎座という芝居小屋に入る。玉脇も品子もいる。そこの狂言方(脚本家)は魂入りの鬼灯で、魂の半生を役者に演じさせていた。イネの魂が現れ、苦悩と怨念の半生を演じる。玉脇は堪らず鉄砲を撃って退席するが、その鉄砲にはイネの灯籠が付いていた。芝居は続き、イネは生き返った。品子は芝居の先が知りたくなったが、今度は品子が演ずる番だという。品子は夫への復讐心から不義をしたと告白。死んで決着つけると言う。愛憎の一念が小屋を崩壊させ、品子は棺桶で怨念の鬼灯を吐き出す。その頃現実の世界で玉脇と品子は心中した。夢の世界が現世を変えた。「うたたねに恋しき人を見てしより夢てふものは頼みそめてき」は復讐の和歌だった。精神崩壊した山崎は万華鏡の先に死後の世界の自分と品子の姿を見る。ドッペルゲンガーを見た山崎は死期が近いことを悟る。◆鬼灯を売る老婆、品子の髪を掴む老婆、芝居小屋の老婆が脚本家であり、現実世界での脚本家でもあった。○△□は現世で表現不能なあの世文字。品子が帳面に書き、人形の中の女が男の背中に描き、万華鏡の中の品子が山崎の背に描き、山崎の最後の言葉。美しいが残虐絵が不快だった。
[ビデオ(邦画)] 7点(2011-09-28 17:24:01)
3.  カラーパープル(1985) 《ネタバレ》 
【違和感】①苦労知らずの白人男性監督が昔の黒人女性の過酷な人生を描く。②手紙が届かないというが、義父や親類や知人に頼めばいい。学校の先生や友達もいるでしょうに。教会宛に事情を説明して出せば、手渡しで届けてくれると思う。そうしなくともアフリカに立つ前に一度は訪ねなさい。比較的恵まれた生活をしているのだから。③主人公セリーの夫がネティの手紙を後生大事にしまっておくのは何故?焼き捨てるでしょ。④夫のキャラが、美人歌手シャグが登場してから別人のように変化してしまう。虐待キャラから憎めない男に変身。⑤セリーの子供をネティが育てるなんて、偶然が過ぎる。⑥自立した筈なのに実父の遺産が転がり込んで商売を始める。その商売がズボン店で、それまでの彼女と縁が無い。良い話が台無し。⑦セリーは父に強姦されて子供を産んだと思っていたが、実の父では無く義父だった。彼女は妹と子供と再会し、遺産を受け取る。シャグは神父の父と和解する。強い女ソフィアは夫と元の鞘に戻る。セリーの夫は改心してセリーと妹の再会を助ける。何もかもうまく収まり過ぎ。余韻が残らない。【感想】描く対象が絞り切れず、締まりが無い。単純な女一代ものにすればいいのに、他の女性の人生や時代を描こうとして冗長的。一本の映画で描ける内容は限られている。クライマックスが手紙を読むところなので、その余韻で家を出、再会させてすぐに終わればすっきりした。ゴスペル場面など不要。◆骨子は、父や夫によって人権を無視され、教育も受けず、虐待され続けた女が、自立した女性と出会うことにより、魂が目覚め、生きる喜びを知り、自立すること。映画では夫に対する怒りが協調され、女の成長過程が十分描けていない。刃物を突きつけ、罵り、他人に頼って家出するのが自立だろうか。感動が薄いのはこのため。再会が感動のクライマックスとしてもそれは成長した結果の神様からのご褒美ようなもの。原作は感動的、監督は天才、映像は詩的、演技は文句なし、でも脚本の出来が悪ければ、良い映画にならない好例。原作の矛盾点を改善し、無駄なキャラを削り、ラストも改変するくらいでないと成功しない。小説と映画は別物だからだ。小説では自由に表現できる心理描写も映画では科白と映像で表現しなければならない。おのずと構成に違いが出てくる。極端な話、シャグを主人公にすればもっと起伏にとんだ物語になったろう。
[DVD(字幕)] 7点(2011-01-20 06:15:27)
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