1. ガンジー
「ガンジーを演じる」というあり得ないムチャ振りを、見事にやってのけたベン・キングズレーの神々しい演技に圧倒される。ガンジーを知るきっかけとしては、最高の歴史映画だと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2010-12-11 15:25:36) |
2. 勝手にしやがれ
映画ファンとしてゴダールは押さえておかないとならないと思い、初ゴダールです。 とりあえず59年にこの映像感覚は凄い、というのが第一印象でした。 ただ初回鑑賞時は斬新な演出以外に本作に面白みを見出せず、正直退屈でした。 しかし、映画の内容を把握した2回目以降の鑑賞では、驚くほど自然に内容を受け入れる事が出来、この世界に浸ることが出来ました。 初回鑑賞時はこの映画を「理解」しようと努めすぎていたのかもしれません。 台詞の言葉ひとつひとつ、映像ひとつに意味を、いちいち見出そうとしていたのかもしれません。 ストーリーはとてもシンプルで、悪く言えば中身の無いストーリー。 台詞もクセはあるが中身の無い、会話というよりは投げっ放しの言葉がそのまま宙に浮かぶようなもの。 ただその映画全体に漂う「投げっ放し感」は、どうしようもないダメ男ミシェルが放つ雰囲気そのままに、どこか不思議な魅力を感じずにはいられません。 映像、台詞回し、パトリシアとミシェルというキャラクター、音楽など、映画を構成するもの全てが個性的で、そのアナーキーで洒落た感覚は今見ても古さを感じませんでした。 むしろ新しいものを、今更この59年作モノクロ映画から与えられた気がします。 [DVD(字幕)] 6点(2010-09-17 18:49:57) |
3. 崖の上のポニョ
あくまで子供向け映画と割り切って鑑賞したが、さすがに本作のエンディングの強引さ、雑さ加減には閉口・・。 ストーリー全体を見ても、環境破壊などのメッセージがやたら押し付けがましく感じられた。押し付けがましいといっても、子供に伝わるぐらいの強烈さや親切な分かりやすさも無く、何だか消化不良な感じは否めない。 「ナウシカ」や「もののけ姫」は、メッセージが散漫としておらず力強いものであったから、子供にも充分理解できるし大人にも楽しめる深みを持った作品だった。 それといちいち盛大に音楽を流しすぎ。 とにかく全体を通して、過去のジブリ映画中一番感情移入出来ない作品だった。 色んな意味で、もっとピュアなものを期待していたのだけれど・・。 手書きのみのアニメーションは今見ると逆に新鮮味を感じられ、迫力もあって良かったことと、宗介とポニョと赤ちゃんポニョの可愛さに3点。 [DVD(邦画)] 3点(2010-08-13 16:17:19) |
4. 影武者
まずオープニング、闇に浮かぶ3人のシーンでいきなり引き込まれる。 他にも画的に素晴らしい、さすが黒澤明と思わされるシーンはたくさんあった。 ここでは評判が悪いが仲代達也の2者を演じ分ける演技は素晴らしかったし、山崎努も良かった。 ただ肝心なのはストーリー。 厳粛な雰囲気はいいのだが、起伏が無く、ただ冗長に感じてしまった。 それと、電撃ネットワークの人はどこに出ていたのだろう???? [DVD(字幕)] 6点(2010-02-06 14:56:46) |
5. 監督・ばんざい!
あくまで映画ファン、さらに言うなら北野映画ファンにしかおそらく楽しめないであろう本作。 最近のいわゆる売れ、評価されている映画の傾向と、監督・北野武につきまとうイメージにウンザリし、北野監督はこの映画で一度自分の映画をサラ地にしようとした。 「みんな~やってるか!」でも同じような試みがされているかと思うが、それに比べて本作は何だかぶっ壊しが中途半端。 ナレーションも入り、「監督壊し」がより分かり易くは描かれているのだけれど、単純にギャグやぶっ飛び方にキレが感じられない。 前半は映画好きが観たら笑える箇所がいくつもあるけれど、後半どうせならもっとぶっ壊れてほしかった。 ラストシーンで映像的にはちゃんとサラ地にしているが、観ている側はなんだかモヤモヤが残る。 「みんな~」の時は、完全に悪い意味で客を裏切る事に成功した監督だからこそ、もっとアウトローな作品にどうせなら仕上げてほしかった。 まぁ監督自身がこの映画で自分にある種のケリをつけて完全に再スタート出来る状態になっているのであれば、ファンとして今後の作品に期待したいです。 [DVD(邦画)] 2点(2010-01-27 01:37:53)(良:1票) |
6. 悲しみが乾くまで
手持ちカメラなど、多少ドキュメントタッチも取り入れ、過剰な演出を極力抑えリアリティを打ち出す手法は共感出来る。しかし、この作品に僕が全くリアリティを感じず、感情移入出来なかったのはなぜか。 ひとつは、台詞ひとつひとつに重みを持たせようとしすぎて、ただただわざとらしく感じてしまったこと。美しさを強調する台詞がやたらと多すぎる。 もうひとつは、深いテーマを扱っているにもかかわらず、本当に心が苦しくなるようなシーンは麻薬中毒で苦しむ場面だけ、他のシーンは何だかんだ汚い部分を見せていないし、予定調和な展開が多すぎたように感じる。 映像や音楽は美しいし、デルトロを始めキャストの演技は素晴らしい。 しかしこの映画の主題でもある「悲しみ」からの再生が、ほぼ全編美しくしか表現されていないために、何だか薄っぺらさを感じてしまった。 [DVD(字幕)] 3点(2009-08-04 01:34:02) |
7. かもめ食堂
主演3人の作り出す雰囲気と映像の美しさで、心地よい気分で観賞できた。 時々ポッと出るシュールな笑いも良かった。 言ってしまえば、ヤマ場も無い、深みもない映画なのだが、その軽さが忙しい日常を忘れさせてくれた。 日本食がとても美味しそうに撮られていましたね~。 僕はこの映画結構ツボです。 バグダッド・カフェを観た感覚に少し似てるかな。 優しい気分になれる映画ですね。 [DVD(邦画)] 8点(2009-03-21 04:23:50) |
8. 隠し砦の三悪人
黒澤映画の中でも個人的にあまりグッとこなかった作品。 無駄に長く引っ張りすぎな場面が多かったところ、雪姫の存在感は素晴らしいが演技が・・・ 素晴らしいアクションシーンあり笑いあり、とてもよく出来たエンターテイメント作品に仕上がっているのは確かなのだが、黒澤映画にはどうもそれ以上のものを期待してしまう・・ [DVD(邦画)] 5点(2009-03-14 13:33:09) |
9. カンパニー・マン
《ネタバレ》 ヴィンチェンゾ・ナタリの作品ということで期待しすぎた。映像や音楽のこの監督独特の冷たい雰囲気は素晴らしい。若干中だるみ、オチが読めてしまう点でこの点数。CUBEは非現実の中にも妙に現実が感じられ、心に残る一本だったが、本作はちょっとあまりに非現実的すぎるかな。。 心に残る一本には至らなかった。 [DVD(字幕)] 2点(2009-01-22 10:16:30)(良:1票) |
10. カルネ
全体を通して流れる「血」の臭い・・・・。大胆かつ効果的な展開。短編映画だが、内容は濃すぎるぐらい濃い。かなりエグいシーンはあったが、こんな映画今まで観たことが無かったため、感動に似た衝撃があった。「カノン」でも書いたが、万人に勧められる映画ではないよね。 [DVD(字幕)] 8点(2009-01-22 09:57:25) |
11. カノン
ギャスパー・ノエの作品はとことん濃いですなぁ。僕はモノローグ中心で進むこの手法はむしろ新鮮で、堕ちた男の心の渦をそのままえぐり出していて見応えがありました。まぁ好き嫌いは人によってはっきり分かれる映画でしょうね。 [DVD(字幕)] 9点(2009-01-17 12:02:36) |
12. カッコーの巣の上で
俳優達の迫真の演技で、何回観ても心打たれ、涙してしまう。 特にビリーの吃音や目で訴える演技は特に素晴らしかった。 全俳優の演技力が素晴らしく、本当に何回観た事か。 かなり昔に見た映画だが、自分の中で本作を越える作品に未だ出会っていません。 文句なしの100点です。 [DVD(字幕)] 10点(2008-12-13 15:37:10) |