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プロフィール
コメント数 116
性別 男性
自己紹介  2014年12月に投稿を始めてから9年が過ぎました。

 「映画評論家になれるのでは?!」と思える素晴らしい言葉を綴られる先輩レビュアーさん達に憧れつつも、私には、あのような文章を書けそうもありません。私の場合、少年時代に気に入り、DVDなどで観直しても好きであり続けている映画を中心に、まだピュアだった(?)少年時代の気持ちや、当時の状況を思い出しながら書きたいと思います。大人になってから観た映画も少しずつ追加しています。

 レビューの文面は長くなりがちですが…最後まで私の拙文を読んで下さる皆様に感謝申し上げます。

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1.  怪竜大決戦 《ネタバレ》 
 TVシリーズ【仮面の忍者 赤影:1967~1968年】を成功させた監督・倉田準二さんと、脚本家の伊上勝さんのコンビによる【恐竜・怪鳥の伝説:1977年】の再見に対し、複雑な気持ちになったため、その埋め合わせのために鑑賞。この目的で最初にレンタル店で取り寄せてもらった【大忍術映画 ワタリ:1966年】は、残念ながら私にとって【赤影】のような作品にはならず、続けて観たのが当作品です。  当作品の脚本は【赤影】と同じ伊上勝さん。監督は倉田準二さんと共に【赤影】を支えた山内鉄也さん。実は、小学生のとき、当作品をTVで2回ほど観たことがあります。ただ、当時の私は【怪獣映画】の視点から「ゴジラや大魔神に比べるとちょっとな…」という認識に留まっていました。しかし【恐竜・怪鳥の…】と【ワタリ】で引きずったやり場のない気持ちはどうしようもなく、再見へと駆り立てられたのでした。さて、結果は…   良い意味で【子供向けの忍者映画】として「こんなに面白かったとは!これぞ赤影に通じる作品だ!」と感激しました。ノスタルジックな主題歌を始め、当時のワイヤーアクションや合成技術を交えた忍術シーンの数々は「これぞ昭和だ!当時の男の子達を忍者ごっこへ駆り立てたトリック映像だ!」とワクワクしました。怪竜(大ガマと竜)の場面も、意外に(失礼…)良かったです。怪竜達の造形は、眼が電灯のように光るなど作り物めいていますが、皮膚感は良好な印象を受けました。城のミニチュアも精巧で壊れっぷりの見事さに感心しました。東宝や大映と違って特撮監督がおらず、山内監督達で試行錯誤して撮ったそうですから、そのことを考えれば素晴らしい出来栄えと思われます。   感激したのはこれだけではありません。  まず、主人公二人がいい!。自雷也ことイカヅチ丸を演じた松方弘樹さんは清々しく、ヒロイン・ツナデを演じた小川知子さんは初々しく…というように、お二人のその後のキャリアを知っているだけに、とても新鮮な気持ちになれました。  次に、悪役もいい!。【赤影】に出演した天津敏さん扮するユウキ・ダイジョウは勿論ですが、それ以上に、オロチ丸を演じた大友柳太朗さんが印象に残りました。大友さんは【ワタリ】にも出演されていましたが、当作品のほうがアクションが多く、最後の負けっぷりも威風堂々としていて、久しぶりに悪役らしい悪役を観た思いです。  また、トリック以外の【絵作り】もいい!。例えば【ツナデと、その祖母・蜘蛛ババが別れの言葉を交わすシーン】は、山の陰影をバックに、二人を際立たせるように撮影した様子が伺えます。子供向けでも手を抜かない作り手の皆さんの誠実な姿勢に感じ入りました。  さらに、時代劇としてもいい!。内容は【仇うち/悪の道に堕ち、師匠を殺めた兄弟子と、それに立ち向かう若き弟子との宿命の対決/悪役である父と、主人公との板挟みに苦しむヒロイン】…と、時代劇の【お約束】がてんこ盛りです。監督の山内鉄也さんは、後年、TVシリーズ【水戸黄門】を手掛けたそうですが、元々【お約束に基づく物語運び】の演出に長けておられたのかもしれません。最後は一騎打ちで勝敗を決っしますが、これは【時代劇の東映】としての誇りのなせるシーンかもしれません。   ところで【大人目線】で考えれば「元・尾形家の領土にもう城は無い。あるのは、これからお前たち領民が創る美しい野や畑だ。健やかに育ち、いい土地を創るのだぞ」というイカヅチ丸の締めの台詞は、↓の【くるきまき】さんのおっしゃる通り、現実的ではないかな…と思われます。きっと隣国の領主が侵攻して来るか、たとえ領民による自治が実現しても様々な意見・利害対立が生じ、それを統制する権力的な存在が現れることでしょう。ただ、当時は、高度経済成長を背景に【国や大手企業による開発で、故郷の野や畑から追いやられた人々のこと/開発の結果としての公害】が社会問題になっていました。その意味では「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」という【昔話の締め括りのフレーズ】と同様に『現実にはあり得ないにしても、こうであってほしい』という願いが込められた台詞として受けとめていいのかもしれません。   さて、採点ですが【恐竜・怪鳥…】の反動で、再見当初の感激は10点でした。冷静に考えて①あくまで子供向けであり、大人の鑑賞に堪える同時期の【大魔神三部作:1966年】に比べると…、②オロチ丸が悪の道に堕ちた理由も描かれていれば、アメリカの某スペース・ファンタジー映画シリーズに負けない見応えになっていたかも(笑)…という2点を差し引き、8点とさせていただきます。いずれにせよ、私には嬉しい作品になりました。きっかけを作ってくれたとも言える【恐竜・怪鳥…】を、ようやく肯定的に胸にしまっておけそうです。
[DVD(邦画)] 8点(2018-08-16 21:58:40)
2.  怪獣大戦争 《ネタバレ》 
 【三大怪獣 地球最大の決戦:1964年】と共にDVDで観たので投稿します。  私が当作品を初めて観たのは小学生のとき。その頃は夏休みの夕方にフジテレビで、往年の特撮映画を放送していました。【三大怪獣 地球最大の決戦:1964年】の放送の翌日もしくは翌週に観たと思います。その後も放送されるたびに観ましたが、私の中では【三大怪獣…:以下、前作と表記します】とセットになって覚えている作品です。   以下、小学生当時に印象に残っていた場面と今回の再見での感想をお伝えします。  まず、オープニングのテーマ曲は、小学生当時から印象に残っていました。ずっと当作品用のオリジナル音楽だと思っていたのですが…後年に第1作目のゴジラ(1954年)を観て、↓の【アンドレ・タカシさん】と同じように、実は1作目で使われていた曲だと知りました。しかし、多くの方々がこの曲を聞いたとき、当作品を想起するのでは…と思います。そして「ボリュームを最大に上げて鳴らしていただきたいのです」という緊急放送と共に始まるクライマックスで、再び、この曲が流れます。小学生当時からワクワクしたものですが…それだけに【シン・ゴジラ:2016年】のクライマックスで、この曲が流れたときには、グッとこみあげるものがありました。今回の再見でこの曲を聞いたときは【ワクワク】と【グッ】の両方を体感させていただきました。  次に、エックス星で、ゴジラ・ラドン・ギドラが戦い、最後にゴジラが【シェーッ】をする有名な場面について。かつて、私は【シェーッ】を知らず、単に『ヘヘッどんなもんだい!』と得意になっているポーズだとばかり思っていました。後年に知り、ようやく今回の再見で「確かにシェーッだったんだ!」と、記憶と知識を整合できて良かったです。  その次は、正体を明かした波川女史が、ネガフィルムのように変化して消滅してしまう場面について。小学生当時から衝撃的でしたが、今回の再見で、まさに【存在を消し去る】という意味で、流血を伴うよりもセンスのある映像表現だと思いました。そして「あなたの監視役を続けているうちに、あなたは計算(機)以外の人になったのです」と言わしめる波川女史とグレンとの温かい交流が、映画の前半にもう少し描かれていれば、一層、この場面が、悲恋の名シーンとして盛り上がったのに…と思ったりもしました。  さらに統制官の「我々は未来に向かって脱出する!まだ見ぬ未来に向かってな…」は、小学生当時から強烈に刻み込まれていたのですが、他のレビュアーさん達にとっても、良くも悪くも印象深いようで…やはり名(迷)台詞なのかもしれません。  最後に、後半の怪獣登場のシーンについて。かつては気づきませんでしたが、【前作】には、日本の怪獣映画の定番ともいうべき自衛隊と怪獣との攻防シーンがありませんでした。それを盛り込んだ当作品は頑張っている!と思った一方、突風で建物や車が吹き飛ばされる場面には、他のレビュアーさん達もご指摘のように、【空の大怪獣ラドン:1956年】や【モスラ:1961年】からのカットが流用されていました。手抜きと言えばそれまでですが、同じような場面をゼロから作る手間を考えれば、これも一つの方法論と言えるかも…と思いました。ちょっと、ひいき目すぎるかもしれませんが…。    さて、採点ですが…冒頭でお伝えしたように、私にとっては【前作】とセットでインプットされている作品なので、悪い印象は持っていません。ただし、大人の視点で観ると、他のレビュアーさん達もおっしゃる通り「ギドラを操るほどの科学力があるなら、最初から地球に来てゴジラとラドンを操ってしまえば良かったのでは?」とも思えます。ギドラ自体も“操られていた”という設定だと、【前作】の「金星を滅ぼした凶悪無比の宇宙怪獣」というステイタスが揺らいでしまうかな…ということで、【前作】よりも1点を減じて9点とさせていただきます。  それでも、今回の再見で【前作】と同様、私の中に眠っていた【無邪気なガキの心】を蘇らせてもらい、少し元気になれたように思います。さ~て、今年も頑張ろう!。
[DVD(邦画)] 9点(2018-01-11 21:36:41)(良:1票)
3.  ガリバーの大冒険 《ネタバレ》 
 押入れの整理をしていたら、10年ほど前に録画したビデオテープを見つけたため、あらためて再見してみました。感想は10年前と殆ど変わりませんが、当時、我が家にはインターネットが無く、当サイトに投稿出来なかったので、この機会に明記します。   当作品は、シンバッド七回目の航海(1958年)における【小人化したパリサ姫】で披露した特殊撮影を、ハリーハウゼン氏がふんだんに導入し【ガリバーと小人族/ガリバーと巨人族】をワンフレーム内に違和感なくおさめることに成功していると思います。特撮と台詞を交えた各カットのつながりも大変スムーズで編集の緻密さにも感心させられます。【自由に切り貼りや、やり直しが可能なCG】とは異なり、当時の技術は【フィルムが現像されるまで意図通りに仕上がっているかわからない】というものだったことや、かつ、必ずしも恵まれた予算の作品ではなかった点を考えれば、驚異的だと思います。おそらく、現代のCGに慣れてしまっている若いレビュアーさん達がご覧になると、特段、驚きは無いかもしれませんが、考えようによっては、驚きが無いほど自然に表現されていることが“驚き”かもしれません。余談ながら、主なロケ地は上述のシンバッド七回目の航海と同じだったようで、似たような(否、そっくりかも…)海岸・林・岩場が出てくるのも興味深かったです。  また、単に特殊技術だけが売りではなく、原作の【風刺作品】としての持ち味もしっかりと表現されていると思います。【恋人・エリザベスとの交流】という映画独自の脚色により、舞台が小人族の世界から巨人族の世界へと話が進むにつれて原作と異なってきます。しかし全体を通じて【権力者の身勝手さや自己保身/戦争の本質/一般の人々にとっての幸せとは何か】といったエッセンスは、十分、伝わってきました。基本的にはファミリー層向けの映画であり、巨人族の少女・グラムダルクリッチぐらいの年齢のお子さん(10~12歳ぐらいでしょうか?)と親御さんが一緒に観るとちょうどいいのかな…と思いました。おそらく、イギリスでの公開当時は、観終わった後に、上述のエッセンスについて語り合った親子が多かったのでは…と想像したりしています。  なお、難点を挙げるなら①【ハリーハウゼン作品=モデルアニメのモンスターがたくさん出てくる作品】というイメージとは異なり、モデルアニメのキャラクターは巨人族の場面でわずかに【リス/ワニ】が登場するだけです。しかし、日本の円谷作品だって全てが怪獣主体というわけではないので、こういうのもありかな…と思います。また②小人や巨人は普通の速さの動きで撮られており、スローモーションで巨大感を表現するといったことはしていません。バーナード・ハーマン作曲のBGMが、小人らしさ・巨人らしさを巧みに表現していると思ったので映像と音楽との間にちょっと違和感がありましたが…当人達は「普通の人間」と思っているわけですし、だからこそ、やりとりの中の【風刺】が際立っていると言えるかもしれません。  さて、採点ですが…私にとっては【ハリーハウゼン作品】の範疇を越え【優れた風刺映画の古典】として印象に残っている作品です。当時、日本未公開だったのは残念ですし、展開が単調と言えば単調ですが、敢えて10点をつけさせていただきます。ガリバー旅行記を単なる童話と思っている人達が、原作を読もうというきっかけにもなり得たら嬉しいです。
[ビデオ(字幕)] 10点(2017-08-12 21:49:55)
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