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プロフィール
コメント数 43
性別 女性
年齢 59歳

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1.  彼女はパートタイムトラベラー 《ネタバレ》 
人はみな、自分の人生には意味があると思いたい。自分が生きてきたこと、やってきたことを誰かに認めてほしい、そう願うもんなんじゃないだろうか。 「とある任務」を果たすために過去に戻ろうとしている男と、彼が出した「過去への同行者募集」広告に応募してきた女。女は雑誌社のインターン学生で、この広告主を取材するためにやってきたのだが、この変わり者の男と共に行動するうちに、だんだん彼に惹かれていく。 タイムトラベルというSF世界の話でありながら、やってることは野山を駆け回っての基礎訓練だの研究所に忍び込んでの材料集めだのって、“日常生活”の延長線上が延々と続く。 まぁタイムトラベルはマクガフィンで、メインは風変わりなラブストーリーの方なんでしょう。でも、この「男の純情」はなかなか泣かせるし、コイツは単なる妄想狂なのか?ってハラハラさせられて、最後に見事なカタルシスを与えてくれる脚本には感心した。ラストは、ひゃっほー!です。 思うに、これって別に一人で行けばいいじゃんって話を、わざわざパートナーを探すのがミソで、やっぱり彼はね、自分がやってることを誰かに理解してほしいって願いがあったんじゃないかと思う。「自分だけが真実を知っている」なんて、恐ろしく孤独なことですからね。 このナイーヴな世界感がヘタレな自分にはツボでした。
[DVD(字幕)] 8点(2017-07-29 13:11:52)
2.  カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 
舞台となっている精神病院は私たちが生きている“社会”の一部を象徴している。社会の中で生きる事は、あらゆるルールに縛られること。でも、ルールは自分たちを守ってくれてもいる。そういう中で「自由に生きる」「自分らしく生きる」ってどういうことなんだろう、という普遍的な問いかけになっている。 「体制と自由」、「集団と個」の問題ですね。  主人公マクマーフィーを演じるジャック・ニコルソンの演技が圧巻。こんな人が身近にいたら、乙女座・A型のわたしゃ耐えられません。秩序を乱す人はノーサンキュー、あああ、そんな乱痴気騒ぎで、その汚れた壁、散らかった床は誰が掃除するのぉぉぉッ!きぃぃぃ~ッ!っとパニックを起してしまいそうです。 それに女の扱いもヒドイ。ちょっとアタマの足りなそうな女の子を、ものすごく都合よく利用しているのが、やや不快。  うん、書いてて思ったけど私は完全にラチェット婦長派の人間でした。マクマーフィーのような男は自分の半径100m以内に近寄ってほしくない。…だからこそ、彼が病院の仲間たちをあれほど魅了しイキイキと再生させていく様子が、妬ましくも許しがたかった婦長の気持ちが分かる。彼女だってちゃんと患者たちのことを考えていると思う。彼らが心穏やかに過ごしてくれるようケアをしていたと思う。ただ、彼女の経験値からは、あのルーティンワークが最善としか考えられなかった。あれが彼女の限界だったってだけ。  脱走するつもりだったマクマーフィーが、ビリーのためにほんの少しだけ出発を先延ばしにしたことが運命を狂わせる。開け放たれた窓のすぐ横で、椅子に座ってボンヤリと考えを巡らせている表情のJ・ニコルソンが素晴らしい。マクマーフィーがマクマーフィーでいられた最後の姿をカメラは不自然なほど長くとらえている。窓の外には自由が待っている。それはもうすぐそこ、目の前にある。彼はあのとき何を思っていたのだろうか。  そして、ラストのカタルシスは言葉では表わせない。心が解放される、というのを実存レベルで実感できる名シーンだ。婦長派の自分も「まいりました」の自由讃歌です。  多くの人に見てほしい名作。
[DVD(字幕)] 10点(2017-07-23 16:10:57)(良:2票)
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