1. キトキト!
後味の爽やかな、いい映画だったと思います。新人監督のデビュー作として特に傑出してるとか、オリジナリティーがあるわけではないし、人物描写など物足りないところもあったし、ストーリー展開もズルいっちゃズルいんだけど(ラストの○○○○の使い方とか)、思うにこの映画の監督さんは、非常に「性善説」な人なんじゃないかなーと。それが青臭いといえば青臭いし、クリエイターが「いい人」で良いのか?と思ったりもするのだけれど、ま、良いじゃん。大竹しのぶ演じる「母ちゃん」は素敵でした(余談だけど、「フラガール」もこの作品も「女は強ええな~」な映画ですね)。シネカノンの「ちょいベタ路線」映画(「お父さんのバックドロップ」とか)が好きな方にはオススメ。 [映画館(字幕)] 8点(2007-04-09 20:48:28) |
2. 奇蹟のイレブン-1966年北朝鮮VSイタリア戦の真実-
《ネタバレ》 実はワタクシ、この作品をW杯決勝戦をやってる真っ最中に鑑賞してました(わざとじゃなくて、たまたま)。何つーか、こーゆー世の中が緊迫してる時期に、こーゆー作品を観るって事自体、ゴダール的(?)というか、オツですな・・・なんて冗談が冗談に聞こえないかもしんないので、本題。■かの「パッチギ!」には、朝高生チェドキが「ワールドカップは、泣けたぞお」という台詞が出てくるのだけれど、これは正にそのチェドキが泣いたW杯のドキュメンタリー。'66年当時、西側の国々にとって未知の国であり、またサッカー後進国でもあった北朝鮮。しかし強国相手に果敢に立ち向かう姿に、イギリスの人々は次第に魅了され、熱烈なサポーターとなり、やがて北朝鮮選手との間に堅い友情が生まれる・・・弱小国である北朝鮮が強豪イタリアに勝利した、という事実以上の“奇蹟"が、ここにはある。映画の終盤、当時代表選手の一人だったパク・トゥイルはこう語る。「英国の人々が私たちを好きになってくれ、私たちも彼らが好きになりました。サッカーはただ単に試合の勝敗を決めるだけじゃないんです。どこの国へ行って試合をしても、その国の人々と仲良くなる。それが基本ではないかと思います」・・・「スポーツを通じて平和を!」なんて一昔前のアントニオ猪木みたいな考えは甘っちょろい、かもしれない。実際いくらW杯やオリンピックが行われようと、戦争や紛争は世界で絶えないし、かの国が日本に対して卑劣な行為をした事だって、勿論忘れてはいない。でもさ、そーゆー絶望的な状況だからこそ、過去にこういう「奇蹟」があった、という事実は希望の灯になり得るのだ!と僕は思う(・・・我ながら、青臭いっすね。そろそろ加齢臭も気にしなくちゃいけないお年頃なのに、臭ブレンドしてどーする)。<2006.7.23追記・お詫びと訂正>↑「朝高生チェドキが~」と書きましたが、正しくは「朝高生バンホーが~」の誤りでした~スビバセン・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2006-07-16 20:37:09)(良:1票) |
3. 恐竜100万年
んんー、僕はより「文明的」なのが金髪族で、より野蛮人的なのが黒髪族ってところに、ちょっと引っかかるものを感じてしまったんだけど、それは考え過ぎか。それにつけてもラクエル・ウェル乳じゃなかった、ラクエル・ウェルチ。あの「原始人ビキニ」は、ドンキホーテとかに売ってんのか? [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-07-12 18:11:43)(笑:1票) |
4. 君も出世ができる
これも「幻の湖」のオールナイト上映で観ました。この作品が最後の上映で、確か夜中の三時から四時半くらいだったので、かなーり眠かったのですが、結構面白かった。50年代のアメリカ製ミュージカルを模倣したスタイルですが、単なる真似っこでなく、ちゃんと消化して「和魂洋才(?)」してて、数少ない和製ミュージカルの成功例と言って良いのではないでしょうか。内容は、東京オリンピックを控えて景気も上向きの時代を背景に、ハリキリ社員のフランキー堺とマイペース型の高島忠夫が恋でも仕事でも成功を収める、というノー天気な作品ですが(まぁでも、ミュージカルだしね)、ダンスも歌も楽しくて良かったです。社長の二号(←って死語だよねえ・・・愛人のことです)役の浜美江が小悪魔的な魅力を放っていてとても可愛かった。ただ、今度観る時は、睡眠を充分取った状態で観たいなあ(笑)。 [映画館(字幕)] 7点(2006-01-11 15:34:23) |
5. 喜劇 女は度胸
さあ困ったぞ。登録した以上はレビューを書かなきゃいかんが、サテどう語れば良いものか・・・「その作品が作風から『怒劇』とも評される森崎東の監督デビュー作」とか、別に僕がゆわなくたって良い事だしねえ。いわゆる、下町を舞台にした、一見いかにも一昔前の松竹っぽい人情喜劇といえばそれまでなのだけれど、クライマックスの口論のシーンが凄い。主人公の誤解から始まったトラブル。主人公一家と息子たちのそれぞれの恋人(倍賞美津子・沖山秀子)が一同に介し、それぞれの胸の思いをぶちまけ合う。その怒号を通して見えてくる、人生の哀しさや不条理。そしてすっかり人生を達観(諦観)しているように見えた母親(清川虹子の、人生を滲ませた演技が良い)が、ダメ親父に淡々と真情を吐露する姿は、何かグッと来る。「こんな家、何度も飛び出してやろうと思った」と言う彼女が、それでも夫に見せる、ささやかな愛情。夫のかつての姿に思いを馳せる様子が、ほんの数秒のシーンで表現(どんな風に表現されてるかは、ナイショ)されてて、凄い。洗濯物のパンツの後ろを飛行機が斜めに飛んでいくラストシーンが、とっても印象的でした。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-02 18:23:42)(良:1票) |
6. きいてほしいの、あたしのこと ウィン・ディキシーのいた夏
こういう子供と動物のお話は、嫌いじゃないんですけどね・・・きっと原作は、なかなか良い児童文学なのだと思います。でもなあ・・・僕にはこの作品から「映画ならではの感動」があんまり味わえなかったのです。イジワルな言い方をすれば、ただ役者たちにお話通りに芝居をさせて、それをカメラで撮りました、みたいな。例えばミヒャエル・エンデ原作の映画「モモ」は、やっぱり原作を読んだときのドキドキ感には勝てないなあ、という面もありつつ、冒頭に出てくる「幸福な空間」としての街(とそこに住む人々)がとっても魅力的だったんですが・・・。犬の演技が良かっただけにちょっと残念。頑張れ、ウェイン・ワン! [DVD(字幕)] 6点(2005-11-02 17:54:39) |
7. 逆境ナイン
んんー、途中で突然落下してくる「自業自得」のモノリスとか、ギャグは結構面白かったです。原作は読んでいないけれど、島本和彦テイストは十分出てるんじゃないのかな。ただ・・・自分とはちょびっと周波数が合わなかった感じ。最後の112対0の点差をひっくり返すウラ技の所は良かったんだけど(何だか文章の歯切れが悪くてゴミンナサイ)。そういえば、この作品の宣伝写真を初めて見た時「へぇー、ついに主演か、トータス松本」とマジで思ってて、後で玉川鉄二と知ってびっくり。ああいういわゆる二枚目俳優さんがあんな「ガッツだぜ」な表情で演じてるのは偉いなーと思いました。 [映画館(字幕)] 6点(2005-07-08 18:23:06) |
8. キッスで殺せ!
《ネタバレ》 うにゃあ、僕はリンチの事は良く分からないけど、異様な迫力のある映画でしたねー(僕も、あの階段のシーンは印象的でした)。あの放射性物質についての描写は、多分科学的に見たらデタラメなんだと思うけれど、この頃(冷戦が始まり、ソ連でも原爆が開発され、人々が核の恐怖に打ち震えていた頃。この辺は「アトミック・カフェ」を観ると良く分かります)の「核」というのは、世間的には「何か得体の知れないもの」だった訳で、これは、そういう「得体の知れないもの」に対する不安と恐怖を描いた作品なのだと思いました(つまり「アレ」は隠喩でもあり直喩でもあったんだな、きっと)。俳優さん達も、僕の知らない人ばっかだったけど良かったな(特に被害者の友達のリリー役の女優さん、怖ぇ~)。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-06-08 22:32:13) |
9. 岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇
あ、そーいえば三池監督作ってこれが観るの初めてだった。でも良かったです、これ。井筒版「岸和田~」とはまた違ったテンポ・リズムで、どっちかというとこっちの方が青春モノとして単純明快かな(や、悪い意味じゃなく)。鈴木紗理奈もバラエティで観るより可愛らしく写ってるし、あと千原兄弟のお兄さんの方がいー味出してはる。彼はいわゆる「ぶさいくキャラ」として認知されてるかもしれないけど、何つうか、「オットコ前なぶさいく」って感じ。分度器のエピソードも良かった。しかし、途中唐突に出てくるフラメンコのシーン、あれがいわゆる「三池テイスト」なんでしょうかねえ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-18 19:55:23) |
10. 金魂巻
これの原作(というより元ネタ)「金魂巻」は1984年のベストセラーだそうな。この本が出た頃僕は小学生で、それについては全く記憶が無いのだが、(金)・(ビ)(マルキン・マルビと読む)という流行語は微かに覚えている。今考えるとこの頃は「一億総中流化」てな事が言われて、尚且つ日本がバブル経済の階段を上り始めた頃。つまり日本がやっとこさっとこ「貧乏」から脱出して経済的には均一的になる中、人々が何らかの形で他者に対する優位性を見出そうとした時代だった、と思う(つまり、経済格差がなくなってきた中で「でも自分は他の奴とは違うんだよ!」と思いたがってたって事。そー言えば「ネクラ・ネアカ」「ナウい・ダサい」という言い方が流行ってきたのも確かこの頃だ)。景気の方向は正反対ではあるけれど、「勝ち組・負け組」なんて言葉が蔓延する現在(2005年)に、相通ずる所もある気がする。で、この作品(おそらく製作側が流行に便乗しようとした、極めて志の低い企画モノだと思うのだけれど)、はっきり言って面白くないとか完成度が低いとか言う前に、全編笑えないギャグ・下ネタのオンパレードで、文字通り見ていて苦しい=見苦しい。もしこれが井筒作品でなかったとしたら途中で鑑賞を止めていたと思うのだが、観ていくうちにふとフェレーリの「最後の晩餐」を思い出した。あの作品も登場人物が「食って出して、ヤッて死ぬ」という、ひたすら下品な描写で世間を風刺した作品だった。思うにこの最低の企画を持ちかけられた若き日の井筒監督は、当時の世間の下品さを過剰にディフォルメして描く事で世の中に異議申し立てをしようとしたのではないか。つまり劇中で主人公がソープランドにバキュームカーで襲撃したように「ウルァ!こぉのクソッタレ共がぁ!これがお前らのクソじゃああ!」と言いたかったのでは、と思えてきた。そういう意味で、この作品は正しい意味で「クソ映画」だと思う。ちなみに、同じく「クソッタレの世界」への異議申し立てを掲げた日本を代表するパンクバンド、ザ・ブルーハーツが結成されたのも、この作品の公開と同じ1985年のことであった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-05-09 20:11:55) |
11. キャンプ
あり、一人目かあ、困ったなあ、うーんうーん・・・。オルタネイティヴな青春モノと聞いて期待してたんですけどねー、人物の描き方やエピソードがちょっと弱い感じ。てか、群像劇ってやっぱ難しいんだなーと改めて思いました。設定はとても面白いんだけどね・・・劇中で歌われるナンバーは素晴らしかったけど、ミュージカルについての教養があればもっと楽しめたかな。でもエレン役の女の子が可愛かったので、ちょっとオマケ。 6点(2005-03-10 19:07:38) |
12. キューポラのある街
良くも悪くも「戦後」と「戦後民主主義」を感じさせる作品。んでもってやっぱしワタクシはヒネクレ者なので、いかにも文部省(当時)推薦な感じは鼻につくし、「労働者の団結」ってなことに対して無邪気に希望を抱ける時代でもないよな、とか思ったりもするけど、与えられた状況の中(生まれる環境は選べないからね)でやれる事を精一杯やって生きる、というのはいつの時代も共通だけんね。今は当時と違う意味で暗い時代なのかもしんないけど、ただニヒリストぶっててはいかんな、と思いました。 7点(2005-02-10 18:32:55) |
13. 機関車先生(2004)
《ネタバレ》 「いいお話」では、あると思う。子供たちや脇役の演技も良かった。しかし肝心の主役であるはずの機関車先生。彼は剣道の試合の事故で声を失い、教職から去ろうと考えている。また、臨時教員として赴任した島は、両親が家出のように飛び出した場所でもある、筈なのに、その彼の苦悩とか葛藤とかが映像からほとんど伝わってこない(一応ナレーションや台詞で“説明”はされるけど)。そもそも「口がきけない人間」が主人公であるというのは、往年のサイレント映画でなされたような「微妙な表情やしぐさで心情を表現する」という手法が存分に発揮できるということで、映画作家にとってはいわばチャンスである筈。なのに、この作品ではそうした試みがほとんど見られないどころか、肝心な所で坂口憲二の表情を捉えていないし(一番象徴的なのは主人公が島の若者に因縁をつけられるシーン。ここでは若者に「何ニヤニヤしてんだよ」という台詞を言わせているが、映像は後ろ姿、しかも引いた絵なのだ)、主人公が身振りでコミュニケーションするシーンでは、わざわざ周りの人物に彼の言葉を「解説」させている。これは、坂口憲二の演技があまりにも○○だったのか、それとも監督にあまりやる気がなかったのか、それとも両方か?最後に主人公が子供たちに残す手紙の言葉に「言葉では伝えられない勇気」を貰った、みたいなのがあったけど、「言葉で伝えられないもの」を映像で表現するのが「映画」なんじゃねえのかい!と、思わず画面にツッ込んでしまった。ホントにもお、頼みますよ。 6点(2005-01-07 19:02:00)(良:2票) |
14. 喜劇 女売り出します
森崎東監督作品は数本しか観ていないのだけれど、何とも不思議な作風。別に難解とかではないのだけれど、どこか起承転結のツボを外す、というか意図的な「違和感」を余韻として残すような感じがする。で、この作品はストリッパー斡旋の芸能会社を舞台にしたシリーズもので、僕はこれしか観ていないのだけれど、何つったら良いのかなあ、ドバーッと泣ける、というのではなくしみじみ、ジワジワ泣ける。「母さん」役の市原悦子の肝っ玉母さんぶりや、スケベで面倒臭がりだけど陰で母さんを支える森繁も良いけど、個人的には少しの出番で強い印象を残す西村晃が良かったです。 7点(2004-12-15 21:43:17) |
15. 昨日・今日・明日
ヴィットリオ・デ・シーカって「自転車泥棒」や「ひまわり」みたいな真面目ーな映画、あるいは壮大な愛のドラマ、みたいなのばっかなのかと思っていたら、こーんなおおらかで楽しくて優しい映画も撮ってたんですねー。三話目のスケベで情けない(でも憎めない)金持ちのボンボンを演じるマストロヤンニも良かったけど、やっぱし一話目の「肝っ玉母さん」を演じるソフィア・ローレンが素敵でした(二話目は短いのもあって、何だかよく分からんうちに終わってしまった)。後半、近所の人たちがカンパを集めるとこなんか、フランク・キャプラみたいだし。でも、刑務所入りから逃れるためにバンバン子作りしてる二人がだんだん「トラック野郎」の春川ますみと愛川欽也に見えてしまったのは僕だけでしょうか。 7点(2004-10-24 18:02:13) |
16. 金魚の一生
犬童監督が会社勤めをしている頃(確かCM制作会社かなんか)、映画を作る時間がないので「アニメ+実写」というアイデアを思いついたのだそうな。子供の頃のペットに対する愛情、だけでなく子供の残酷さや命のはかなさをノスタルジックに描いた、可愛らしい作品です。何度も入る小松政夫の「でも、金魚なのでよく分かりませんでした」というナレーションが良いです。 7点(2004-10-22 18:23:20) |
17. 金髪の草原
犬童一心監督初の長編商業映画である本作(多分)は、確かに技術的な面などで未熟な点も多いのかもしれない。しかしぼくは、あの、ピンク色のクレープ屋の車が洋風の屋敷に突如現れるシーンに象徴される「日常にファンタジーを“割り込ませる”」犬童監督の感性が、たまらなく好きだ(この感性は、「ジョゼと虎と魚たち」におけるジョゼの登場シーンにも現れている)。一方で彼はささやかな“日常”も、実に丹念に描く(なりすが日暮里の家に持ち込むぬか漬けが、その良い例だ)。ファンタジーを単なる逃避的な夢物語として扱うのではなく、且つ日常をただの退屈なものとして扱うのでもなく、両者を絶妙なバランスで調和させるその手腕はもっと評価されてしかるべきなのだ!とぼくは信じてやまない。そして忘れちゃならないのが、ヒロインを演じる池脇千鶴。不幸にも(?)普通の意味で「可愛い」彼女は、ともすれば「アイドル」的に見られがちだが、そのフィルモグラフィーを見れば、彼女が単なる「カワイイ女のコ」ではなく、しっかり「女優」としての道を歩んでいるのは明白。彼女はひょっとして「21世紀の夏目雅子」たりうる存在なんじゃないか・・・とぼくは本気で思っています。 8点(2004-09-29 19:37:48)(良:1票) |
18. 教習所 どッキリ・レッスン
んおおお~、のーみそがトロットロに溶けてバターになってしまいそうになるくらい、くぅ~だらないっ。いや分かってはいたけど。一応登録の際、ジャンルを「エロティック」としたけど、こりゃそんな高級なものじゃございません、「お色気」映画。そう、「♪しゃばだばしゃばだば~」な「11PM」とか「トゥナイト」とか、キル・ビルの元ネタとしてお馴染みの「ウィークエンダー」再現フィルム(違うだろ)とか、かつてアダルトビデオなんてものがなかった時代、おぢ様たち(あと早熟なマセガキ)の胸やら何やらを熱くさせた「お色気」。「巨乳」ではなく「ボイン」、「風俗」ではなく「ピンク」。嗚呼懐かしや、懐かしや。はっきし言ってこれを観てえろ~い気分になることは、まずないと思うけれど、その代わり平和な気分には、なれます。考えてみれば、中途半端な正義感から戦争起こすより、この映画の登場人物みたいに始終発情していたほうが、世の中平和なのかも・・・という意味で、これは立派な「反戦映画」なのである・・・というのは、いくらなんでもコジツケだな、やっぱし。 5点(2004-09-28 19:06:31)(笑:1票) |
19. きょうのできごと a day on the planet
行定監督がこの作品に関するインタヴューで、自分の作品を「A面」と「B面」という風に分類して語っていた。(注:以下、うろ覚えで自分の解釈も入ってるので原文とは違うかもしんないです)つまり、「GO」とか「世界の中心で~」など、ある程度ヒットが運命づけられている(義務づけられている?)メジャーな作品が「A面」とするならば、その「A面」作品に関わる事で得たチャンスを生かして自分のやりたい事を実現するのが「B面」である、ということらしい。んで僕は行定監督の「B面」作品である「ロックンロールミシン」が大好きだったので、同じく「B面」である(と思われる)この作品が大いに楽しみだったのだけれど・・・結論から言うと、物足りなかったです。いや、劇的な事が起こらない、淡々とした作品、というのは分かっていたし、そこには文句はないのです。ただ、この作品で描かれている若者たち(ワオ!)の人間関係が、「薄い」ように感じてしまったのです。なんつーか、人物同士の葛藤とかぶつかり合いとかもないし(対立らしきものは確かにあるけど、単に先輩が後輩に対して「お前だけモテるなんてずるい!」ってキレてるだけだし)、田中麗奈・妻夫木聡のカップルの関係も、何だか全然付き合ってるように見えないし(あ、山本太郎の演じてた胡散臭いヤツは、唯一リアリティが感じられた)・・・と思っているうちに、様々な演出やストーリー展開もあざといように思えてしまって・・・。そりゃま、人間関係が濃密でさえあれば良いってもんじゃないし、「これが今の若者の『リアル』なんだよ」と言われてしまえば、もはや若者でないおぢさんは「あぁ~・・・そうなの」と下向いてつぶやくしかないのだけれど・・・。なんだろなあ。 5点(2004-09-05 21:19:26) |
20. 気まぐれ天使
ある日ふらっと現れた不思議な人が、人々を幸せにして去っていく・・・というストーリーはちょっと「メリー・ポピンズ」を彷彿(ほうふつ)とさせますね。天使が単なる幸せをもたらす存在ではなく、自身は永遠に放浪の身で、人々から忘れ去られてしまう悲しい存在である、というストーリーは、後の「ベルリン・天使の詩」が生まれるモチーフの一つなのかな、とちょっと思いました。それにしてもロレッタ・ヤング、原節子みたいで素敵。キラキラしてるね。 7点(2004-08-31 17:45:28) |