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1.  清須会議
史実をなぞりながら、三谷風のギャグを入れてみせるという作りで、近頃ありがちな漫画的にデフォルメされすぎな人物造形といい、もう少し重厚に作れなかったかという嫌いはある。密室劇を得意とする三谷をして、デリケートな政治の駆け引きをしている最中に、中庭で響くような大声で自分の野望を語らせてるのはどうなのよ、という不満点もある。しかし清須会議という史実が面白いので、それをなぞっている限りそうそう変な出来にはならない。全体に浮ついた雰囲気を引き締めていたのは、唯一現実感のある存在だった丹羽長秀(本当にもうどこからどう見ても丹羽長秀!)で、彼がいることによって政治劇としてのリアリティにある程度説得力が生まれたと思う。なんだかんだ時計に目をやらず最後まで観ることができたのは、彼のおかげ。また勝家はやや漫画的すぎるとはいえ、秀吉と対比される近視眼な脳筋具合と、単純であるがゆえのある種の可愛らしさを両立できていたし、大泉洋は、中間管理職をやっているこの年代の秀吉には、適当な軽さがあって良い出来だったと思う。史実のハイライトであり、歴史の重要な転換点である、秀吉が三法師を抱いて現れるシーン。そこに描かれる秀吉と勝家、勝者と敗者の対比。そこで観ている自分は少なからず「おお」と思ったし、その時点でこの映画は成功していると思う(そこから先の蛇足感はご愛敬か)。役者の無言の演技で見せてほしいところまで言葉にしてしまったり、正直三谷は監督には向いてないと思うけれど、史実の面白さと役者の好演に支えられて、この映画についてはなかなか良くできたものに仕上がっていると思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-02-25 16:47:29)
2.  嫌われ松子の一生
「オブラートに包む」事の効用には限界があるんだな、と。  「古き良き時代のハリウッドミュージカル」的な味付けをされていても、連綿と見せつけられる松子の悲惨さは、いささかも色褪せない、というか見る側にとって軽減されない。  正直、見ていて吐き気がしたぐらい松子は悲惨だった。その悲惨の責任が、ほとんど全て彼女に帰しているという点でも。 それだけに大きなカタストロフが求められる終盤、正直、落とし所を間違っている気がしてならない。小綺麗に終わらせたくなかったのかも知れないが、観客が最もカタストロフを感じるであろうシーンの後に、さらに10数分も悲惨な話を続け、しかも視覚に訴えた虚構の解放を演出して強引に終わらせる、というのは、かなり違和感があった。 「良い所は?」と聞かれれば「中谷美紀」と「色彩の鮮やかさ」ぐらいしか思い浮かばないが、悪い所ならいくらでも挙げられる。 しかし、不思議と悪い評価をする気にはならない。というか、自分の中で「駄作だ!」という自分と「名作だ!」という自分がせめぎ合っている。これは、このままにしておこう。人生経験とともにこの映画に対する評価も定まるだろう。オススメはするけど、保証はしません。そんな感じ。
[映画館(字幕)] 8点(2006-07-05 04:30:22)
3.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
スピルバーグにしては、案外演出もよかったし、そこそこ楽しんではいたんだけどなぁ。なんかのめり込めなかったよ。久々に何で乗り切れないのかよく分からん映画だった。
7点(2003-11-15 19:13:39)
4.  機動警察パトレイバー2 the Movie
評価が高かったので期待せずに何気なく借りてみたら、思っていたより内容が濃かったのが驚き。パトレイバーも殆ど出てこなかったし。この間見た「宣戦布告」より余程考えさせるものがあった。日本のアニメはやっぱり凄いなあと感心しつつ「難しいテーマを、難しいまま描いて、難しい映画にしてしまう」という、日本の映画人の悪癖(と、個人的には思っている)をバッチリ見せ付けられた映画でもあった。この悪癖が、邦画の低迷に繋がっていると個人的には思う。
5点(2003-10-23 19:10:44)
5.  きけ、わだつみの声
やっぱりなんつーか・・・色々とダメ。気になったのが、織田祐二が「もうワントライでもいいから奪いたい」みたいなことを言ったけど、その精神は、当時の日本軍が「もうどうにもならない、しかし降伏はもう一度戦果を上げてから」っていってズルズルと原爆投下まで行っちゃったのと同じ事だと思うんだけど。仲村トオルと緒方直人は頑張ってたので4点。
4点(2003-09-30 03:52:56)
6.  ギルバート・グレイプ
全ての物は少しずつ変わっていく。この映画を観ての唯一の感想。薄暗い画面で、淡々として、つまらない映画だと思いながら見ていた。なのに、いくつかのシーンでボロボロ涙が出た。胸が詰まって、というんではなく、気付いたら泣いていた。こんな事は初めてです。
8点(2003-09-24 18:34:35)(良:1票)
7.  君がいた夏
ジョディ・フォスターが殺人的に綺麗で魅力的。多分、彼女が一番美しい時期の作品でしょう。いや、今でも綺麗だけど。恋人でも何でもないケイティーを、ビリーにとっての「一生忘れられない人」にするだけの説得力が、彼女にはある。淡々と進んでいく映画だけど、それがかえってイイ感じの爽やかさを演出している。ケイティー以外のキャラも魅力的だし、デヴィッド・フォスターの音楽も映画によくマッチしていた。
8点(2003-09-12 23:10:25)
8.  金融腐蝕列島[呪縛]
腐ってるぜJAPAN。堅い内容をテンポの良さとカッコイイ音楽で見やすくしている。ただ、テンポ良すぎて話が飛びすぎるところがあったり、椎名桔平の演技が個人的になんかムカついた。全体的には素晴らしい作品だと思う。
7点(2003-07-08 07:30:25)
9.  キッド(1921)
サイレント映画で一番好き。最初に見たとき、自分の中で「街の灯」とゴッチャになっていた事に気付いた。いや、どちらも素晴らしい映画です。
7点(2002-10-13 12:21:15)
10.  キャッツ&ドッグス
まあ、典型的なハリウッドのお子様向け映画でした。もう少し猫に高級なCGを使って頂いていればもっと楽しめたんだけど。最後、もしあそこで殺してたら有無をいわさず0点だったけど、まあ子供向けでそれはないか。猫好きはムカつくだろうなぁ。
4点(2002-10-11 12:00:28)
11.  Kids Return キッズ・リターン
「アーティスティックな北野武」を敬遠している人に、この作品を見てもらいたい。エンターテイメント性と芸術性が高いレベルで見事に融合した邦画の傑作。メインテーマも最高にカッコ良い。「俺達もう終わっちゃったのかなぁ」「まだ始まっちゃいねぇよ」これに尽きる。
8点(2002-09-21 13:22:25)
12.  キッド(2000)
悪くないけど、ちょっと、すーっと流れすぎる気がする。もうちょっとフックが欲しい。何かしながらでも観られる感じだね。
6点(2002-09-20 08:32:43)
13.  菊次郎の夏
すごく評価に困る映画。とりあえず、チャプター立てしている所なんかはタランティーノの「フォー・ルームス」みたい。「映画」としての部分は名作だと思うけど、コント化してしまってからがなぁ・・・いや、映画としての部分も、あの子供の夢の部分がムダだと思う。もしDVDでチャプターが付いてればDVD買っても良いけどなぁ。無駄なとこ飛ばせるから。「久石映画」と言っても良いくらい音楽は絶品。
6点(2002-09-19 05:26:58)
14.  CUBE
《ネタバレあり》息苦しい。胃が痛くなった。金をかけんでも良い映画は作れるという典型。最後警官が出てくるのはイカンかったね、落とした時点でトラップで殺す設定で良かったのに。そして白痴が生き残ったと。聖書か何かでそういうのがあった。
9点(2002-09-06 08:00:01)
15.  岸和田少年愚連隊
テンポと勢い。それだけの映画なんだけど、軽妙な関西ノリが絶妙な面白さを醸し出す。2時間の漫才って感じですね。
8点(2002-07-09 00:40:58)
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