1. ギター弾きの恋
この映画のショーン・ペンはある意味「ミスティック・リバー」よりもオスカーが妥当だと思う。あのだらしない天才ギタリストの役をいやみなく、完璧に演じていると思う。サマンサ・モートンも同じく。この2人の完璧な演技と、心地よいギターの音楽、そしてウッディ・アレンの仕掛けもからんで、結構スパイスの効いた佳作になっていると思う。 ラストのギターを叩き壊すシーンは、「道」のラスト、浜辺でジェルソミーナの死を嘆き哀しむザンパノの姿を彷彿させて、人生は欲望と後悔の繰り返しなのかなと考えさせられる。 8点(2005-02-20 21:03:26)(良:1票) |
2. キル・ビル Vol.2
1作目が何でもありのようなはちゃめちゃな作品だったので、その連続かと思いきやなんか趣が違う作品でした。でも私的には1作目よりかなり好きです。 悪役のそれぞれのキャラが素晴らしいのと、独特のセリフ回しが復活しているからです! 最初の白黒の教会シーンでほとんど謎が氷解してしまうのと、最期のビルとの対決がちょっと物足りなかったのが少し残念。 それにしてもダリル・ハンナ演じるエル。かなり魅力的です。女座頭市みたいになって、続編でも登場しないかな~。 8点(2004-12-17 23:58:57) |
3. 吸血鬼ドラキュラ
最新作「ヴァン・ヘルシング」を見てヘルシング教授の名を再認識したのですが、こっちがやっぱり本家。理知的で冷静な教授に惚れてしまいました。 子供の頃に見たときはとにかく夜も眠れないほど怖かった記憶があるのですが、さすがに今見直すと結構笑ってしまうシーンもあり。地下室に隠れようと戻ってきたドラキュラが中に教授がいるのを見てぎゃ~と逃げたり、気絶したように見せかけて逆襲するヘルシング教授もお茶目。そしてカーテンに向かってジャ~ンプ!あんなに日光に弱いならさっさと昼間に退治しろよと思ってしまったのは私だけでしょうか。 でも外で旦那が見張ってるにもかかわらず奥さんの部屋に忍び込むドラキュラのシーンはなんともいえないエロティックな雰囲気も感じました。これは子供の頃には絶対味わえなかった感覚です。 8点(2004-09-28 20:35:16) |
4. 危険な遊び(1993)
あの狂犬のような犬をやっつけた時までは逆に「やったね~」という感じだったが、だんだんと悪さがエスカレートしてくるのが、正攻法だけどすっきりしなかった。最初から両親の人間像を殺したくなるような人物設定にした方が面白かったかもしれない。少年犯罪者にはやはり何らかの精神的な理由があって犯罪を犯すはずであり、この少年の環境の何がそうさせたのかが描ききれてないのが残念な気がする。 ミステリーの古典の短編傑作に「ある殺人者の肖像」という作品があり、あの雰囲気で映画化されたらもっと味わい深い作品になったのではないかなあと思っています。それにしても主演少年2人の演技はさすがに素晴らしいと思う。 7点(2004-05-16 21:52:24) |
5. 疑惑の影(1943)
先日のアカデミー賞授賞式でテレサ・ライトが出席していました。すっかりおばあちゃんになってしまいましたが、この作品では生き生きとした清潔感のある娘役がピッタリで、陰のあるチャーリー叔父さんとの関係がとてもうまくドラマに生かされていたと思う。無邪気な妹、弟や、何も知らない人のいい両親や父親の友人など、人物像や会話にもヒッチコック特有のブラックユーモアというべき皮肉な会話やシーンが盛り込まれていて、素晴らしい。何度でも見たくなるヒッチ作品の一つ。 9点(2003-05-25 22:23:18) |
6. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
実話の映画化ということでどこまでが本当の話かわからないけど、確かにこの映画ではディカプリオの魅力がとても生かされていたと思う。高校生というのはちょっとムリがあったような気がするけど、あの屈託のない口八丁の明るくて知的な感じのハンサムぶりが、誰でもコロッとだまされてしまうというのに妙にナットク。人はやっぱりどうしても外見でその人のレベルをまず判断してしまう事が多いと思う。父親のヤンキースが何故強いかという話から、その極意を超一流の詐欺に使った彼の能力はある意味尊敬。すごく心に残る作品ではないけど、平均点以上の映画という感じです。 8点(2003-05-15 23:11:08) |