1. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
やはりスティーブン・スピルバーグは単純な脚本ほど力を発揮する。追うもの、追われるものという解りやすい図式、未成年の天才とちょっと詰めの甘いFBI捜査官などなど面白い材料が豊富。ある意味これだけの材料が揃って面白くない方がおかしいかも。お互い孤独でクリスマス・イヴに欠かさず会話するといったエピソードはどちらも憎めないといった印象を与え、一風変わった友情物語に花を添える。 8点(2004-02-23 08:30:33) |
2. 記憶の扉
深く心に染みるサスペンスだ。たしかに最後にどんでん返しがあるのだが、謎が解けた瞬間から署長のオノフへの尋問がすべて感動的要素へと変化する。監督業でも実績のある署長役のロマン・ポランスキーも素晴らしい、ふたりの言い争いの緊迫感、いろいろ伏線を張り巡らせ、視聴者を悩ませる。単なるオチありき映画と思う事なかれ、サスペンスに彩られた深いテーマ、「ニュー・シネマ・パラダイス」オンリーではないぞ、この監督は。 9点(2003-05-17 17:21:36) |
3. 禁じられた遊び(1952)
子供二人が拾い集めたり、盗んだ十字架を水車小屋にたてるシーンがただ繰り返される、いたってシンプルな話なんだけど、それが余計子供の純粋さが強調され泣けてくる。そして最後の少年の名前を連呼するシーン、印象的な音楽とともに深く心に染みる。 7点(2003-04-21 22:56:28) |
4. 奇跡の海
重い、あまりに重い、それ故二度と見たいとは思わない。愛する男に命令され、知らない男に身を捧げるシーンはなんとも痛々しい。驚きは難しい役どころを体当たりで演じきったエミリー・ワトソン。彼女の作品はいくつか見ているが、毎回神懸かりな演技を見せている。後味の悪い映画ではあるが、宗教観に縛られながら、純粋に愛する姿に感動させられるはず。 6点(2003-03-16 22:33:48) |
5. キャリー(1976)
究極のストレス発散映画。虐げられ続けたキャリーが舞踏会で幸せを掴んだ瞬間、頭上から大量の豚の血を浴びブチッと切れる。その後の展開はキャリーに感情移入していれば実に気分爽快に見られる。他にも若かりし頃のジョン・トラボルタ、息が止まりそうに怖いラストの墓場のシーンなど見所が多し。 7点(2003-03-13 12:29:17) |
6. ギター弾きの恋
実在しないギターリストをあたかも実在したかのように、ドキュメントタッチ描くあたりウディ・アレンらしい。過去の作品と照らし合わせると、主演のギターリストはウディ・アレンでも良さそうだが、実際見てみると納得。ショーン・ペン 光ってます。恋愛下手だけならウディでもつとまるが、理想となるあこがれも兼ね備えるとなると、ショーン・ペン はまさに適役。ホント彼は懐の深い俳優だ。 9点(2003-02-24 23:59:23) |
7. 霧の中の風景
冒頭の汽車を待つ姉弟、雪が降るシーンで時間が止まったように、動かない人達など多数の印象深いシーンがある。また、手の石像をヘリコプターで引き上げるシーンは話の展開上なんら意味を持たないが、なぜか悲しく、とても必要なシーンに思えてくる。そこら辺が映像美学の奥深さだろう。それでも監督が映像に込めたメッセージをすべて理解することは到底出来ない。だが、この映像に触れれば、何かしらの感動を憶え、いにしえぬ力を肌に感じることだろう。悲しくも残酷な運命をたどった姉弟は、映像が心の言葉を代弁しているように語りかけている。 10点(2003-02-24 19:58:00) |
8. ギルバート・グレイプ
間違いなくラッセ・ハルストレムの最高傑作。人間のもつ、優しさ、心の痛みを丁寧に描く。ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオなど、のちの売れっ子俳優も素晴らしい演技を見せる。監督の力量が余すことなく発揮された作品。 10点(2003-02-20 20:02:35) |
9. キング・オブ・コメディ(1982)
肝心の漫談シーンなどが日米の文化の違いか、ちっとも笑えない。唯一笑えたのはパプキンの名前を間違えるところぐらい。そのためコメディアンとして一旗揚げたい故、狂気に走るパプキンの心情が理解できず、映画に入り込めなかった。 4点(2003-02-15 23:34:10) |
10. 奇跡の人(1962)
ヘレン・ケラーに関しては、目が見えない、耳が聞こえないため心も閉ざしてしまったなど彼女の苦悩は良く知られている。だが、この映画はヘレン・ケラーの無教育故のわがままで凶暴な面を表現し、教育をまかされたサリバン先生の壮絶な教育を描いた点が優れている。いままでの「可愛そう・・・」といった陳腐な感想はこの映画を見た後は出てこない。教育をしないことの残酷さ、サリバン先生の親ではない故の苦悩、本当のヘレン・ケラー物語はこの映画である。 10点(2003-02-09 23:32:54)(良:2票) |