1. 君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956
《ネタバレ》 保身の為に情報を流すチームメイトとか、コーチが選手にかける思い。叔父さんと母親の考え方の違い、幼い弟の感じ方。とにかく色々なものが詰まってて、一つ一つの描写、それぞれの立場や思想の違い、そういったものの描写が上手いです。この人は今どう思ってるのか?例えばそれが主人公にしても、状況的に仕方なかったとはいえ、自らの手で人を殺めてしまった瞬間の表情とか、決して言葉に頼る事無く、観客に読ませ、考えさせる演出がバツグンに上手い。ラストもそうですけど、これこそが映画ってものでしょう。愛を説こうとした神父さんなんかも、若干滑稽に映るかもしれないけど、多分それが彼なりの生き方だったんだろうし、誰がそれを笑えるものか。私が映画に求めるものがギッシリ詰まってました。 [映画館(字幕)] 10点(2008-05-03 17:43:59)(良:1票) |
2. 傷だらけの男たち
《ネタバレ》 愛ではなく、哀。トニー・レオン演じる男にシャア・アズナブルの幻影を見た。彼が復讐の果てに得たものは何だったのだろう。「インファナル~」ほどではなかったけど、そこそこには楽しめました。サスペンスじゃなくって、己の人生の全てを復讐に捧げた一人の男の哀愁、みたいなものかと。 [映画館(字幕)] 6点(2007-07-25 22:36:44) |
3. 君とボクの虹色の世界
非常に独創性が溢れるオリジナリティーの高い逸品。不器用な人たちが繰り広げる、不器用な日常のひとコマが鮮やかに描き出される。路線としては「アメリ」なんかにも近いのだが、アメリからファンタジー色を抜いた感じ。アメリほど可愛くは無い。けれどそこがまた愛らしく感じてしまうという不思議な作品。 [映画館(字幕)] 8点(2007-05-13 13:18:58) |
4. キャットウーマン
突然ですが問題です。「バットマン・ビギンズ」に渡辺謙が出演する事が話題になっていますが、「キャットウーマン」にはケンはケンでも、研ナオコが出演している。YESかNOか?・・・答えは劇場で。 5点(2004-11-13 01:30:13) |
5. CUBE
《ネタバレ》 ロメロのゾンビトリロジー等「極限状態でこそ見える人間の本質」というのは別に珍しくは無いし、短編「エレベイテッド」と共通する部分である。が、そこの一歩上をついたのが本作の評価したい所。作中でもセリフがあるように舞台となっているキューブ=システム=社会or世界というメタファーなわけだ。世の中を体力にまかせて強引に乗り切るような人もいれば(警官ね)きちんと物事を理解して困難を克服する人も居る(数学少女)。なにより、社会というシステムに最も反している存在だからこそ一番最初に殺されるのが脱獄犯という犯罪者なのがその象徴だろう。その辺りの隠喩が非常に面白い。最後に生き延びた痴呆の彼は、純粋だから生き残れた、等という事ではなく、そもそも彼にとっては元々不条理な世界に生きているので閉じ込められようが外に出ようが同じ事なのだろう。いやあるいはシステム=世の中の一番外側に居る、という事なのだとも読める。やはりキューブとは、世の中の縮図なのだろう。架空の物語に現実のメタファーを籠めて真理を描くというのはSF等の手段として定番なのだし。アイディア先行であるのは確かだが、それをきちんとテーマとして盛り込んである手腕は凄いと思う。その辺を読めるかどうかによって評価に差が出るかな?絵的には退屈ですし(笑) 10点(2003-08-24 01:34:02) |