1. 気狂いピエロ
「ゴダールは映画を壊した」とはよく言われることである。僕はほとんど彼の映画を観ていないが、既成概念を打ち破ったヌーヴェル・ヴァーグの中心人物であることくらいは知っている。しかし、残念なことに78年生まれの僕は、彼の打ち破る前の映画概念を知らないのである。だから、この作品に新しさを感じないし、革新的だとも思わない。僕は映画に哲学や思想を持ち込む必要性を(今のところ)持ち合わせていないようである。だから、この「気狂いピエロ」の評価も保留にしておこう。これからもっともっと映画を観てみたら、この作品の新しさがわかるようになるのか?楽しみでもあり、この著名な作品の面白さをついにわからなかったらということが恐ろしくもある。 6点(2004-02-24 21:34:03) |
2. ギプス
もやもやしますね、この作品は。なんとも佐伯日菜子が怖い!エコエコアザラクからも感じますが、この女優さんは笑えば笑うほど怖い。そして魅力的。観ている自分も虜にされそうな勢いです。そう美人なわけではないですが、眼でしょうか、魔力がありそうです。二胡を弾く姿は、本当に呪術かけられそうです。それに対して、尾野真千子は普通でいいですね。さらりと普通の女性を演じている。そして困惑や、怖気、嫉妬が上手く表現されていますね。萌の朱雀で河瀬監督はいい女優さんを発掘したと思います。 7点(2003-12-15 20:16:58)(良:1票) |
3. 傷ついた男
《ネタバレ》 ただの「ゲイ映画」と割り切れないところが、この映画の凄いところです。正直、「これきっついなぁ。」という印象なんですが、それでも高得点なのは俳優がマジで鬼気迫る演技をしているから。すごいです、あまり簡単にお薦めできる映画ではないのですが、きつい映画にも耐えられる方にのみお薦めします。同性愛系を考えると、ウォンカーワイ監督の『ブエノスアイレス』を思い浮かべるわけなんですが、あちらが同性愛を通して、普遍的な恋愛を著しているのに対して(つまりヘテロに近い描き方をしている)、『傷ついた男』はホモを通しての視点に徹しており、屈曲した愛の形を追い求めています。途中フェラチオシーンがあり、それはボカシを通して見てみると擬似で、「あれ?」と思うわけなんですが、それもきっちりと方向性を持っていて驚かされます。俳優陣の熱演と、暗くジクジクした映像で暗部に切り込む監督の力を考えれば、放置されるには惜しい作品です。 8点(2003-12-13 14:36:14) |
4. Kids Return キッズ・リターン
タイトルと俳優と音楽と演出と、と言い出したらキリがないだろうと思うのですが、いいですね。青臭さがいい感じに漂っています。最近、ちょっとバカっぽい高校生が自転車に二人のりしてると「あっ、キッズリターンだ!」と小さくつぶやいてしまうのは僕だけじゃないと思います。 8点(2003-12-08 13:58:09) |
5. 君が、嘘をついた。
ラブストーリーとしてはいいんじゃないかな?適当な感じに見て、適当にいいなと思いました。ストーリーも、普通にいいんだけど、ちょっとヒロインのディジーが映えないかな?もう少しスマートそうな、体型もスリムな人が良かった。(自分の好みだけど。)それにしても、失踪中のエピソードは素晴らしいですね。その回想シーンの女性がまた美しい。映画の中の、ストーリーじゃなくて、本当にその内容で映画を作って欲しかった。幻想的で、エロチックで、本編よりずっといい感じがする。あの、友人のプロデューサーが殺されるエピソードは中途半端のまま終わっちゃいましたね。もっと内容を絞ってくれれば良かったと思いました。 6点(2003-11-27 13:52:07) |
6. キリング・ゾーイ
《ネタバレ》 ジャンユーグが好きでこの映画観たけど、ちょっとひいてしまった。ジャンキーな役でかなり好演しているのだが、やはり長髪は気持悪い。なんで長髪にした映画はことごとく気持悪い男になってしまうのだろう?しかもそれが妙に似合ってハマってしまうのが悲しい。 それにしても無理な映画だな。薬を強要するシーンだとか、次の日に強盗に出る所とか、なんか無理矢理じゃないか?あれだけ急に薬やればその日にエリック死ぬぞ。次の日強盗無理なんじゃないか?と、ここまでは批判ばっかりなんですが、わくわくして楽しんで観てしまいました。銃撃シーンが熱いですね。もっと言えば、ジュリー・デルピーの娼婦姿がなんだか貧粗で悲しかったです。ベッドシーンもやるなら本格的に、色気もないシーンじゃ観てて冷めてしまう。 6点(2003-11-04 01:39:51) |