1. 北の零年
《ネタバレ》 実はこの映画の舞台になったのは私の住んでいる町なのです。ロケの段階からそりゃもう町を挙げての大騒ぎってかんじで、今はすっかり観光の売りになっています。で、そんなゆかりのあるこの映画の感想ですが、ひいき抜きで結構楽しめた。何より3時間近くの長さを飽きさせないんだから、それだけでも十分すごいでしょ。ただ、特にこの地に住む私たちにとっては本当に身近な史実を題材にしているぶん、ひっかかるところがけっこうあったりもした。とはいえ、私も勉強不足で「ここは違う」とはっきり突っ込めないのがお恥ずかしいのですが。ってことでそんな私が突っ込むのは「豊川悦司がアイヌ人に化けてるとき、倭人の言葉を話した時点で疑問に思えよ」「爺さん油かぶって火だるまになっといてあれは軽症すぎだろ」「ええじゃないかのタイミングおかしいって」「殿様何も夜のうちに帰んなくてもいいじゃん」「そもそもアイヌの人との交流がかかれなさすぎ。シャクシャインの登場を今か今かと待ちわびたこの思い、どうしてくれる」ってことで、何だよツッコミどころ満載だよ。それでもこの点です。いやほんと、ひいきめなしで。 [DVD(字幕)] 7点(2005-08-22 21:45:07) |
2. 銀河鉄道999
宇宙を走る蒸気機関車。この画だけで十分、感動。ゴダイゴの主題歌がまた素晴らしい。私の小学校の卒業式に使われた思い出もあってホントジーンとくる。1本の映画にまとめるにはチョット無理があったかなとも思えるが、大人になっても十分に楽しめる作品なので、この点に。 8点(2004-11-17 22:41:16) |
3. きょうのできごと a day on the planet
このキャスティングの豪華さにしてはどうなんだろうって感じの盛り上がりのなさで、正直退屈だった。特に女性三人の使い方、これは本当にもったいないでしょう。といってもこのキャストで「男女7人」やられてもまたそれも痛いことになってたんだろうけど。別にストーリーを盛り上げて欲しいのじゃなくて(私はもともとお話重視で映画を見ていない)それぞれのキャラを立たせた見せ方をして欲しいってこと。そういう意味で、同じく群像劇としての「パルプフィクション」はホントすごい映画だなと再確認した。このキャストでいっそテレビドラマを作ったらどうだろう、これだけそろえばキムタクにも負けないぞ、なんてかってな提案をTBSあたりに向けつつこの点で。でも恋愛ごたごたチックなのはやっぱやだな。 5点(2004-09-20 23:43:04) |
4. 木更津キャッツアイ 日本シリーズ
この映画を見た後、改めてテレビシリーズを見直し、また映画を見た。はまる。これははまるよ。何度見ても笑えるし、泣ける。ばかばかしい中に胸を締め付けられる瞬間が見事に挟み込まれ、実に満足。勿論映画としての出来は別の話である。ただ、この映画はもともと「木更津キャッツアイ」を愛する人たちに向けられ作られたものであり、そういう作り方を選んだスタッフやキャストの熱意が多くの人々の心に届いたのは間違いない事実なのだから、それはそれでいいんじゃないかと。とにかくおもしろい。そしてまた彼らの活躍が見たい。単純にそう思えるので、この点で。ps.やくざの子守唄の看板のコピー、「殺っても殺っても終わりゃしねえ」これ考えた人には100点あげます。最高。 9点(2004-08-05 22:00:50) |
5. CASSHERN
まず感じたのはキャシャーンと敵の一味との関係が「ブレードランナー」にかなり似通っているということ。唐沢ふんするボスがルドガーハウアーのポジションなのだろうが、いかんせんストーリーが弱すぎて彼の苦悩がなかなか伝わってこない。彼らの生まれたいきさつが衝撃の事実みたいな感じで明かされるけど、だから何?って思ってしまった。彼らにとって重要なのは「生まれたいきさつ」なんかじゃなくて「生きる意味」なんだと思うし、彼らのアイデンティティの探求こそ、この作品の求めた「戦う理由」の答えになるんじゃないのか。原作の設定をいかすためのテーマは間違っていないと思うが、その描き方に何か疑問を持ってしまった。話題になった映像に関しても、確かにすごいとは思うが映画としての見せ方とはチョット違う感じがした。ただ、これ1本で紀里谷監督を全否定してしまうのはチョットどうかとも思う。デビットフィンチャー監督の「エイリアン3」の例もあることだし。彼にはこれが1ステップに過ぎないと腹をくくってがんばって欲しいとあえてエールを送りつつこの点で。 5点(2004-05-06 00:21:32) |
6. キル・ビル Vol.2
前作とはがらっと雰囲気が変わっていて最初はかなり抵抗があったんだけど、見終わった後に「本来のタランティーノの作風に戻ったのかも」と思えた。今回は「1」のテイストを引き継いでいるのが、「鬼刑事アイアンサイドのテーマ(抜粋)」だけだったと感じるほど。前作が深作監督にささげたのなら、今回はたぶんセルジオレオーネにささげられたのだろう。完結編として納得のいく内容だったが、個人的には「1」のハチャメチャ加減のほうがツボだったので、1点下がってこの点です。 8点(2004-05-05 23:46:43) |
7. キル・ビル Vol.1(日本版)
この映画を見た後、タランティーノって今まで結構まともな映画を作ってたのね、なんて思ってしまった。それほどまでに今回はまともじゃない。映画としての完成度なんかを語るのがもったいないくらいイっちゃってる。そしてこれはあくまでもほめ言葉だ。「バトルロワイアル」に多大な影響を受けて作り上げたこれでもかの血みどろバイオレンス、私的には実にハマッタ。相変わらずの音楽のセンスも今回はかっこいいばかりでなくかなり笑える選曲も多かったし、何より栗山千明、サイコー!この映画のすごさって、「マトリックス」と比較するとよくわかるけど、向こうは仮想現実という設定を利用して何でもありを映画のリアリズムの中にぶち込んでたけど、タランティーノははなから映画そのものが何でもありだという発想ですき放題やりたいことやってる感じがする。じゃなきゃ日本刀もって飛行機になんか乗れないって。映画に対する愛情の前に、くだらないリアリズムなど無用、そんなタラが大好きです。でもワイヤーワークは、ありえなくない程度のとびで抑えてるところにこだわりが垣間見える、そんなタラがすごいです。ホントは満点にしたいところだけど、ゴーゴー夕張以外(ブライドも含め)そんなに強く見えなかったのでー1点でこの点にしときます。 9点(2004-04-26 21:46:33) |
8. 機動警察パトレイバー2 the Movie
この映画が作られてから10年、世界で起こるさまざまな出来事を思いながら改めて見直し、この映画のすごさとすばらしさを改めて感じた。テロリストが日本をも標的にしていることが報じられたときに、この映画のさまざまなシーンが頭をよぎって身震いした。DVDのリニューアル版は良くなったとこと違和感を感じたとこが半々ってとこ。これから見る人はやっぱりオリジナル版からがいいかと。1年に1回は見たい(冬に)日本映画史上最高の<戦争映画>にはやはり満点で。 10点(2004-01-02 17:23:42) |
9. Kids Return キッズ・リターン
これほど素晴らしいラストシーンはなかなかお目にかかれない。そして久石譲によるこれまた素晴らしい音楽。北野映画のみならず、日本映画史上に残る青春映画の傑作といえる作品だと思う。グラウンドで2ケツしながら笑う「あのばか」2人にこれから何が始まるのか、少し期待しつつ満点を。 10点(2003-12-05 22:41:12) |