2. きみにしか聞こえない
成海璃子は美しく、また一方の舞台である長野の風景もまたとてもいいのだけど、全体として中途半端な感じが否めませんでした。岩井俊二のようなスピード感、あるいはせつなさがなく、大林宣彦のようなセンチメンタリズム、あるいはファンタジー性も感じられない。登場人物のキャラや役割設定もやや中途半端な感じ(例えば片瀬奈那さん)がして、面白い題材を活かし切れていない感じがします。だいたいいくら精神的に不安定気味な思春期とはいえ、(自分がかわいいか否かが価値観のかなりの部分を占めるはずのあの年頃で)成海璃子のあの容貌で自分に自信が持てないといわれても説得力が…。ちなみにイルマーレとの類似点は微妙ですが、そのイルマーレもジャック・フィニィの「愛の手紙」にプロットが酷似しているので何ともいえません。 [DVD(邦画)] 4点(2008-04-09 11:30:13) |