1. 嫌われ松子の一生
人物造詣やストーリーなんてものはこの映画にとっては些細なことなんじゃないだろうか。松子が不幸だからかわいそうなんてこれぽっちも思わない。ポイントは幸・不幸のその落差、非常にテンポの良いローラーコースターに乗っているようにスリリング且つ軽快。また、じっとり湿った暗い話をコメディやおとぎ話のようにアレンジしてしまう映像のセンスは素晴らしい。テンポの良さが薄れてくる後半は普通の二時間ドラマ染みてきて、退屈。しかし、後半の退屈さを差っ引いてもそれでもなお傑作といえる素晴らしさがこの映画にはある。監督の監督による監督のための商業映画。まるで気まぐれな神が映画を作って終いの方で飽きてしまったかのような出来映えである。 [映画館(邦画)] 9点(2006-11-24 00:06:22) |
2. キャスト・アウェイ
『十五少年』や『ロビンソン』など無人島ものが好きなんで楽しめました。一言で言ったら、非常にセンチメンタルな映画。ボールを擬人化することで自らが人間であることを保つ、こういう設定はぐっとくる。全体の筋自体はありがちだけれど、細部がうまい。漂流物の利用に無駄がない、こいつぁ見習うべきですな。 8点(2005-02-01 23:59:32) |
3. キング・イズ・アライヴ
《ネタバレ》 あのような極限状態にも拘らず女性を犯すおっさんの精力にびびる。極限状態での醜悪な人間の姿が描かれているが、もちろん気持ちの良いものであるわけはない。 4点(2004-07-28 10:28:31) |
4. 菊次郎の夏
キャスティングの妙。麿赤児の使い方が良い。コメディーに関してはいつも通り。ラストのような照れ笑い、素の笑いがとても優しい。久石譲の音楽よかです。 6点(2004-07-21 05:19:29) |
5. 奇跡が降る街
《ネタバレ》 冒頭で宝くじが当たったのに不幸がる男という図には「えっ、どうしたの?」と単純に引き込まれる。芝生に固執する父親という人物像は魅力的である。『素晴らしき哉、人生!』ばりのハッピーエンドのラスト?も悪くない。 6点(2004-06-05 01:20:11) |
6. 奇人たちの晩餐会
海外コメディに関しては生理的に合わないと思っていましたが、これは素直に見れました。一種落語のような人間らしさが描かれていたからだと思います。急ぎ過ぎていない所が良い。 7点(2004-06-05 01:10:17) |