1. 嫌われ松子の一生
《ネタバレ》 好き嫌いが分かれる作品だと思います。「観たら鬱になるよ」と聞きつつ、人によっては評価も高い作品だと心して鑑賞。私はすごく感動してしまいました。救いがないとか後味が悪い、あそこまで不幸にしなくてもと感じる人がいるのもとてもよく分かります。でも龍との物語は(彼がさせていた事は良くないですが)かなり救いはあったような気がします。ただお互いに弱く、不器用で。松子を神とまで言った龍の気持ちは松子からは結果逃げてしまいましたが、そこは彼の弱さと若さだったのかな。少しの勇気と忍耐があれば2人はある意味幸せになれたのかなって思うと胸が苦しくなりました。理髪店の彼が松子を大切にしたという意味では人として一番良かったかもしれないけれど私が繰り返し観たシーンは龍と松子のエピソードでした。龍の出所時、殴られても諦めなければ良かったのに。何年も待てるほどの忍耐力があるのにここぞという時にそれが出ない。「愛されてる」という思いは確かに女性を強くするけれど「愛する」事に固執しているようでしていなかったのが彼女だったのでしょう。現実離れした彼女の一生ですが松子のような女性は確かに存在します。 [DVD(邦画)] 7点(2006-12-15 21:53:22) |