1. きみの鳥はうたえる
《ネタバレ》 登場人物全員の目が死んでいる青春映画。見ていて奇妙な心地よさを感じました。 [DVD(邦画)] 7点(2019-09-08 10:58:49) |
2. 希望のかなた
現在の欧州の社会状況を風景画のように描いた作品。 前作のような寓話すら既に作れなくなるような難しい状況に陥っていることがわかります [DVD(吹替)] 6点(2019-06-02 09:36:48) |
3. 岸和田少年愚連隊
《ネタバレ》 笑いと暴力のインパクトは強烈ですが、それだけではなく、「人生は空虚である」という諦念にも似たドライな空気を感じ、そして、「お前らそんでどうするんや!」と井筒監督から熱く問いかけられているような・・・・そんな作品でした。 [地上波(邦画)] 7点(2018-01-19 00:00:40) |
4. 君の名は。(2016)
新海誠という人は、本当に人生の美しさと儚さを描くのが上手い。いろいろ粗もあるけれど、素直に素晴らしい作品だと思います。とにかく、観客を本気で楽しませようとしてくれるプロの姿勢に感服しました。 [DVD(邦画)] 10点(2017-11-19 02:06:43) |
5. 清須会議
《ネタバレ》 歴史上の人物、出来事を我々の等身大に落とし込んで描かれており、人間ドラマとして楽しめる作品でした。 各武将のキャラクターや織田家での立ち位置、その微妙な人間関係が分かりやすく描かれており、「その後」の展開についても暗示している作りになっているのも興味深かったです。 [地上波(邦画)] 8点(2016-04-09 09:42:22)(良:1票) |
6. 喜劇 とんかつ一代
《ネタバレ》 「とんかつが食えなくなったら死んでしまいたい~♪」のフレーズが頭から離れません。そして、とんかつが無性に食べたくなってくる作品でした。 とんかつ屋を舞台の中心とした人情喜劇ですが、脂に滲んだベタベタさは無く、カラッとした仕上がりになっています。もっと劇的な演出にもできそうなところを、一歩引いた視点で撮っているところが川島雄三監督ならではなのかなと感じました。カメラワークも凝っていました。 あと、冒頭に豚供養のシーンを持ってくるなど、私達が美味しいとんかつを食べられるのも豚の生命の犠牲があってこそであるということを、笑いの中で描いているのも興味深かったです。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-06-20 12:26:38)(良:2票) |
7. 奇跡(2011)
《ネタバレ》 子供の持つ「力」の凄さを教えてくれる作品 九州新幹線開通にあたっての企画物映画ではありますが、宣伝色を感じさせないドラマを作りつつ、九州の魅力を映し出しているのはさすが是枝監督という感じです。 [地上波(邦画)] 8点(2014-06-07 00:35:18) |
8. きっと ここが帰る場所
《ネタバレ》 「大人に反抗する子供」のまま年齢を重ねた男が実はもう反抗する相手などいないのだと気づくまでの過程を追った物語 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-03 23:57:31) |
9. 気球クラブ、その後
《ネタバレ》 何というか、園子温らしくないというか、園子温が岩井俊二風に映画を作るとこうなるというような異色の作品です。ただ、これが予想外に良いですね。ローリング・ストーンズで言えば「サタニック・マジェスティーズ」のような位置づけですね。 学生サークルの「浅く広い」人間関係の微妙な部分を巧く描いていて中々面白かったですね。ただ、それだけだと、よくある低予算の青春映画で終わってしまうのですが、そこに永作博美の切ない物語を絡めることによって、ワンランク上の仕上がりになっていますね。演技の上手い下手を超えた、彼女の「格の違い」がこの作品に深みを与えてくれています。 [地上波(邦画)] 8点(2014-01-26 23:51:13) |
10. 桐島、部活やめるってよ
《ネタバレ》 学校の暗黙の階級関係を描いている作品ということで興味深く観賞しました。アメリカなんかはこのテーマでコメディやらドラマやらいろいろ映画を作っていますが、日本も今はそういう感じなんですかね? 自分が通ってた学校が男子校ということもあってスクールカースト的なものがあまりなかったので、どうしてもリアルさを感じることがあまり無かったのですが、それでも橋本愛の役柄のリアルさには、「あるある」と思わされましたね・・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2013-10-05 01:23:04) |
11. ギリギリの女たち
《ネタバレ》 ストーリー的には普遍的な家族ドラマで、特筆するようなものはありません。ただ、3.11の被災地に住居を構え生活していた小林政広監督だからこそ描ける被災地の状況は非常に興味深かったです。 今後も被災地住民のリアルな感情を描く作品を撮ってもらいたいですね。 [DVD(邦画)] 7点(2012-12-16 23:51:17) |
12. キング・オブ・コメディ(1982)
《ネタバレ》 現実と作り事が入り混じったショー・ビジネスの世界、そして波のように送られてくる情報に溺れ、現実と妄想の区別が付かなくなってしまっている現代人を皮肉な笑いで描いた作品です。 ロバート・デ・ニーロがニートのお笑いマニアを見事に演じています。「タクシードライバー」もそうですが、こういうかすかな狂気を帯びた孤独な人間像を演じきってしまう力量は見事ですね。 ストーリーも現実と妄想が入り混じりながら進行していくので、結末を見終わった後もこれは現実なのか妄想なのか考えさせられますね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2012-04-08 22:51:55) |
13. 帰郷(1978)
《ネタバレ》 結局戦争なんてものは人殺しであり破壊行為であるわけですから、いくら大義名分やヒロイズムで誤魔化そうとしても中々上手くいくものではないということなんでしょうね。しかも国のために戦った英雄といくら国が讃えても、実際は自分の国を守るわけではなく、他国の内戦に介入しているだけですからね。 そんな戦争がもたらす闇の部分を一人の将校の妻を通じてリアルに描きだした作品でしたね。あえてドラマチックに持っていかず、現実的な展開でストーリーを進めていくところがまた切なさを際立たせていましたね。 ローリング・ストーンズやビートルズ等の名曲をふんだんに使った音楽も非常に良かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-23 22:13:55) |
14. キャタピラー
《ネタバレ》 「お国のため」「軍神」というキレイな言葉で、醜い傷やドロドロとした感情・トラウマ、そして己を現在の姿にしたものへの疑問・恨み等々が外に溢れ出ないよう包み隠し、泣き寝入りを強いる全体主義的な社会の恐ろしさを描いた作品です。 非常に考えさせられる作品でした。 [DVD(邦画)] 7点(2011-06-17 00:27:33)(良:1票) |
15. キック・アス
《ネタバレ》 エグいし、イカれてるし、病んでるけれども何故か爽快なヒーロー映画でした。特にヒット・ガールのアクションシーンは凄いです、衝撃的です。 [映画館(字幕)] 8点(2011-02-06 11:56:44) |
16. 君を想って海をゆく
《ネタバレ》 サルコジ政権下のフランスの移民政策がいかに非人道的であるかを告発する作品です(サルコジも一瞬テレビの画面で登場していたような・・・)。ただ、決して堅苦しい作品ではありません。大人の恋愛、スポーツドラマ、コメディ、人情等々いろいろなエッセンスが詰め込まれた非常に見ごたえのある社会派人間ドラマです。 まあ、不法移民が留まりたがらないくらいですからフランスのやり方は徹底しています。店で買い物もさせない、炊き出しもダメ、それだけでなく不法移民にかかわっただけで犯罪・・・・・(日本もかなり厳しいですけどね)。 不法移民の問題は本当に難しいですね。ミクロの視点で見れば同情的になりますけど、マクロの視点で見れば非情にならざるを得ないわけですから・・・・・。この作品を観ている最中も、その2つの見方が頭の中で葛藤していました。そしていまだに決着は付いていません。 [映画館(字幕)] 8点(2010-12-28 22:28:04)(良:1票) |
17. 京義線(キョンイセン)
《ネタバレ》 タイトルなどを観ているとラブストーリーのように見えますが、衝撃的な出来事に出くわし傷ついた男と女のロードムービー的なヒューマンストーリーです。のどかなローカル線のように地味な作品ではありますが、こういう「人間交差点」的な物語は好きですね。 かつては南北朝鮮を結んでいて、国の分断に伴い分断された京義線がまるで衝撃的な出来事により愛する者と分断されてしまった主人公たちを象徴するかのようでした。京義線やソウルの地下鉄といった鉄道の使い方が巧かったですね。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-09 00:18:45) |
18. キャピタリズム~マネーは踊る~
《ネタバレ》 「アメリカは本当に大丈夫なのか?」 資本主義がおかしいというよりも、利潤獲得のためには手段を問わない金融機関と金融機関に金で取り込まれやりたい放題やらせてしまっているアメリカという国家がおかしいとしか思えません。 作品中に出てくる欲望の権化のような人間たちの醜さは本当に見るに耐えないものでした。まあ、マイケル・ムーアが巧くユーモアで中和してくれているので最後までしっかり観ましたけど。 [DVD(吹替)] 8点(2010-07-26 00:03:11) |
19. 金日成のパレード ~東欧の見た"赤い王朝"~
《ネタバレ》 パレードやマスゲームのすさまじいまでの完成度、徹底的に神格化された個人崇拝の雨あられ・・・。これが独裁恐怖政治国家の完成系なのかと感心するとともに、こんな国家が日本のすぐ隣に存在することに恐ろしさを感じましたね。 [ビデオ(吹替)] 8点(2009-10-06 10:01:28) |
20. 禁じられた遊び(1952)
《ネタバレ》 テーマ曲は本当に哀愁に満ちていて素晴らしいです。ただ、映画の内容としては戦争孤児となった少女の哀しい姿を追いかけた話なのですが、正直感情移入がしづらいキャラクター(周囲を破滅させるタイプ)で評価するのが難しい作品でしたね。邦題にもなっている「禁じられた遊び」自体も遊びで済まされるような行為ではないですし、これを戦争や子供の純粋さと結び付けるのもどうかと思いました。 主人公たちよりもむしろ少女を受け入れた家族とその隣に住む家族との争いの様子が、戦争、そして戦争を引き起こしてしまう人間という生き物の愚かな実体を示しているように感じました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-08-23 00:44:36)(良:1票) |