1. 機関車先生(2004)
《ネタバレ》 声を失いながら教壇に立った主人公だが、殆ど彼の人間性が見えてこない。まるで人格すらないひとのようだ。なんだかお飾り的に存在しているようで悲しい。彼が何かをするたびに誰かが彼の言わんとすることをいちいち解説するので、尚のことそう思えてくる。これではコミュニケーションと呼べないし、心が通じたとも思えない。彼に難癖をつけるチンピラも殆ど無理矢理突っかかって行っていて、なんだそりゃだ。彼が何か行動を起こして、それに対して因縁をつけるというようにしないと。突然「いい気になってんじゃねぇ」では何のことだか判らない。単によそ者が気に入らないというのであれば、それをちゃんと描いて欲しいもんだ。「にやにやしてんじゃねえ」とボコボコにするが、これまた何故か主人公の顔は見えず。本当にニヤニヤしてたのかしてないのかもわからないってどういうことよ。剣道大会に優勝出来ると聞いて網元が彼を出場させようと画策して、周りの人間も子供達の期待に応えてやってと嫌がる主人公を大会に無理矢理出場させようとするのも疑問。主人公の心情に対して誰一人顧慮しないとは身勝手過ぎる。そして、その大会で相手が強いから主人公が負けるかも知れんと網元を脅して、誰々の借金を棒引きにすれば勝てると、何の根拠もない話をふっかけて何故か網元はそれを信じた様子。なんのこっちゃ。大体、普通なら、大会に勝てば主人公を島においてやってくれとまず頼むんじゃないか?何故島を離れて、北海道の学校で教えることが彼の挑戦になるのか。島の子供達はどうでもいいのか?そして大ラスは子供達の手話でのありがとう。いつの間に手話覚えたんだよ。感動させるために突如出現した設定に興醒め甚だしい。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2008-03-09 18:38:27)(良:1票) |
2. 恐怖の報酬(1953)
《ネタバレ》 大物的な顔をしてたジョーの変貌があまりにも激しい。もう少し徐々に追い詰められて変貌するならともかく、初っ端からビビリまくり。まったくビビリすぎ。ニトロ運ぶことは初めから判ってたことじゃんか。他の三人が殆ど怖がっていないこともあって、際立って見える。振動だけで爆発危険があるとしながら、出発のときからビール運搬車並みに揺れているニトロに唖然とする。それは時代の技術的に詰められなかったと大目に見るにしても、ブレーキをかけた途端に爆発だとか言いながら、思いっきり急ブレーキかけていたりするはちょっと許せない甘さ。どうにも冷める。トラックのドアにしてもかなりバンバンと勢い良く閉めているし、そういうところはもう少しどうにかなるだろう。道中も口先では危険を語りながら無茶なことばっかりしている。いつ爆発するかわからないニトロの恐怖を喧伝しながら、そういう詰めの甘さが緊張感を殺ぐ。また序盤が無駄に長すぎる。だらだらと人物説明に時間を使いすぎ。だから二時間半もの長い映画になってしまうんだよ。良いところとしては、ルイジのトラックが前置きもなくいきなり爆発したということが遠景で語られることくらいか。なんら説明もされずあっさり消えてなくなるということが、逆にニトロの恐ろしさを感じさせてくれて、この点は良かった。直前までルイジたちを写すとか妙な説明を入れていないところが良い。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-03-09 18:25:38) |
3. 奇跡(1955)
《ネタバレ》 もろ宗教的なお話。人の信心を描いた作品ながら、奇跡に対してなんら根拠が示されず、結局神によって奇跡は起こったんだからOKOKというような感じになっている。ならば錯乱していた息子が正気に戻る必要もない。彼がまるで奇跡を呼んだようになっていることがおかしい。直接的に宗教映画なので、あまり心が惹かれない。これをキリスト教信者が観ればやっぱり信じることが重要なのよねっていう感想を持てるんでしょうかねぇ。しかし部外者からすれば、所詮宗教ってそんなもんって思われかねない内容だと思いますが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-03-09 18:02:13) |
4. 銀色の髪のアギト
《ネタバレ》 誰でも気付くだろう香り立つ宮崎駿の亜流臭。しかも微妙に歪んでいる。そこらにあるアニメの寄せ集めだ借り物だと言われているのが大いに納得できる。世界観が世界観として完成していなく、説明すると行動に矛盾が出来てしまうという体たらく。どのキャラクターも魅力がなく描きこみも足りない。感情表現も稚拙。悪役の男の理屈も理念もまったく共感を呼ぶものでないためにタダの我が儘悪い奴。なんの重みもない。ミンカとがいうアギトの幼馴染のキャラクターは知能指数幼稚園児レベルで、喋り方から行動まで全て苛つく。アギトが戦士になる下りも妙に唐突だ。やけに光沢のある3DCGのメカと2Dの融合も、それは「青の6号」で十分やったんだから、もういいじゃない。やるならやるで今度はいかに違和感なく融合させるかに焦点を当てるべきだったんじゃないのかね。発色がわざとらしすぎます。声優陣は最近の流れよろしく俳優さんが多くやられているが、ちょっと演技力不足の人が多いか。まあ言うほど悪くはないが、ここではもう少し声量が欲しいとか、ちょこちょこ思った。これは監督がもうちゃんと要求して声を撮れば解決する程度の問題という気もする。喋れればそれで良いという感じでOKを出したんじゃないかと疑いたくなる。声質が今の声優さんにないタイプの人もいてそれは良かった。最近は声に特徴のある声優さん少ないもんなぁ。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2008-02-29 18:56:56) |
5. ギルバート・グレイプ
《ネタバレ》 ディカプリオがとても印象的。母親の急死はちょっと強引過ぎる気もするが、家ごとの火葬はギルバートを縛り付けていたものが実は母親ではなく、この家そのものだったのだということの表現にも思えて良かった。設定もストーリーもやや破天荒気味だが、感じるものはある映画。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-29 18:34:55) |
6. 危険がいっぱい
《ネタバレ》 出だしは面白げだったが、結構その後がもっさりしている。プレイボーイの男が何故あんな年増の女に夢中になるのか謎。金を狙っているのか、逃げる口実なのかと思ったがそうでもないらしい。よう判らん。途中ギャングの存在がないような行動が見られたり、女の計画もそこまで上手く行くようなものでもなかったり、ややご都合感が感じられる。皮肉な結末は古き良きサスペンスらしくて良かったけど、全体としてちょっと緩かった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-01-13 17:20:52) |
7. 逆転
ノーベル賞授賞式が舞台というのはなかなか変わっていて良い。しかしサスペンスとしてはかなり緩く、詰めもつっ込みも甘い。ヒッチコック作品の劣化版のようなイメージ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-08-27 22:50:58) |
8. キス★キス★バン★バン
《ネタバレ》 粗はあれど、それを補うだけの魅力がある。細かいこと言わずに楽しみたい映画。それだけにやはりあの死がちょっと傷になってしまっている感じはする。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-08-27 22:19:59) |
9. キリクと魔女
《ネタバレ》 民話調の会話やストーリー展開が実に心地良い。キャスティングや喋りのトーンなど含めてこの心地良さがあるので、高畑さんの功績は大きい。キリクが山の賢者に会いに行こうという冒険辺りからエピソードが長くなるが、長くなった分ちょっとダレた感じを受けるのが残念。終盤の展開は正直びっくりだが、非常に味のある良い映画でした。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2007-08-21 23:49:23) |
10. 君とボクの虹色の世界
出てくる人間、みんなどこか頭がおかしい人間ばかり。なんじゃそりゃの連発。まあ薄っぺらいこと限りなし。全てにおいて鬱陶しい。ああ、感想書くことすら鬱陶しい。 [CS・衛星(字幕)] 0点(2007-05-29 20:15:49)(笑:1票) |
11. 祇園の姉妹(1936)
《ネタバレ》 妹の立ち回りっぷりが見事なものでそれだけで面白い。男は皆軽薄だったりして、ちょっとした様子が喜劇的に映ります。姉妹が互いに心配し合い、互いが相手が心配したとおりになってしまうという決着の付け方も端的で良く、号泣でありながら哀れみよりも逞しさを感じさせてくれるラストは絶妙なものがありました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-04-15 21:32:26) |
12. キスキス,バンバン
内輪ネタ満載のお気楽サスペンス。内輪ネタは嫌いではないけど、これはあまり面白くない。どうも全体に鬱陶しさが勝ってしまった感じ。 [DVD(字幕)] 2点(2007-03-21 21:54:55) |
13. Kids Return キッズ・リターン
《ネタバレ》 北野作品にしてはバイオレンスは若干控えめだったり、他の作品とは一味違う。青春の儚さがとても良く出ています。馬鹿な男は常に馬鹿ばかりして、親友は常にその友達に流される。友達が居なくなると、今度は悪い先輩に流されて、自分を持てずに実にフラフラとしている。しかしこのどうしようもないところが良い。脇の小さな話も様々な面からしっかりと映画を支えています。そしてやはり最期の台詞が良い。この台詞が膨らんで一本の映画が出来たのだと思わせてくれます。 [DVD(邦画)] 8点(2007-03-13 18:30:32)(良:1票) |
14. キリング・フィールド
《ネタバレ》 虐殺の背景などは殆ど説明されないので、多少の予備知識は必要に思える。気楽で適当な外人記者達の軽薄さなど、恐らく製作者が意図したものではないだろうものは感じることは出来るが、アメリカに対しての批判性は弱め。まるでアメリカ人の美談のような作り方には嫌悪感を感じます。しかしラストシーンの短い会話は、二人にしか判らない信頼関係が存在しているのだということが強く伝わってくる良いセリフでした。また、通訳が「元気か?」と寧ろ記者の方を気遣う辺りがこの人物の人間性をあらわしていて良いです。それらも全て、ディス・プラン役のハイン・S・ニョールの素晴らしさがあってこそではありますが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-25 21:37:48) |
15. 菊次郎の夏
たけしのいつもの笑えないコメディだが、他に比べれば笑える部類かもしれない。しかし長い。明らかに後半が無駄。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2007-01-20 19:14:21) |
16. 虚栄のかがり火
《ネタバレ》 こういうのがアメリカ人は好きなのかなというような内容。アメリカ人には分かるんだろうネタらしきものがちょこちょこ見られて、何気に文化の違いを感じます。記者の語りで進行するが、主人公を「切っても切れない存在になる男」などと言う割りに二人の距離感がまったく遠い。最後まで二人に大した進展も無く結びつきも薄いままだし、第一、記者自体の影が薄い。これでは、この男に語り部の役割をさせてもマイナス要素にしかなりません。終盤のM・フリーマンの演説への持って行きかたも、ちと強引。演説でもさせなきゃ締まらんと思ったのかもしれないが、したところで締まるもんじゃありません。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2007-01-08 22:16:28) |
17. 木更津キャッツアイ 日本シリーズ
TVそのまんまで映画的なグレードアップ感はあまり感じられず。TV版が好きだったら楽しめるだろうけど、そうでもないなら退屈だろう。ストーリーはかなりいい加減で特に後半はグダグダの嵐。これは厳しい。 [DVD(邦画)] 3点(2006-12-17 21:29:39) |
18. キッズキャッスル
どんどん発想が広がっていく感じが本当に子供の頭の中を覗いてるようで、とても面白い。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-11-17 23:22:06) |
19. キッチン・ストーリー
妙な伏線が色々あったりして、それも含めて独特なユーモアに満ちている不思議な映画。観るその日その日で評価が変わりそうだけど、嫌いじゃないです、この感覚。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-11-11 22:07:44) |
20. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
《ネタバレ》 主人公の親父が途中で自殺でもするんじゃないかと思って観ていたが、死ぬことは無く最後までなんとも堅実でポジティブだったりするのは気持ちがいい。演じている役者さん役者さんなだけに、てっきり親父も詐欺師かと序盤疑って見てしまったよ。テンポもいいし、主人公の精神面の描かれ方、最後の締め方、特に不満もなく、普通に面白い。 [DVD(字幕)] 8点(2006-10-07 20:43:47) |