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1.  君がいた夏 《ネタバレ》 
「セント・エルモス・ファイアー」でも聴いたような、心地よい音楽だなと思ったら やっぱりデビット・フォスターが作曲していたんですね。初恋の人の自殺・主人公と友達の初体験・青春時代と今のギャップを感じながらそれでも健気に友情や家族、恋人を身近に感じて生きていく、といった、観ていて予想を裏切らない、だからこそ気持ちが柔らかくまた暖かくなる映画でした。 おそらく若い人より、もっと年のいった方が御覧になるほうが、より共感を生む映画かなと感じます。若かりしジョディー・フォスターの自然な笑顔や潮風に吹かれる髪が印象的でした。 でも、ジョディーの遺灰を主人公が海にまくために桟橋を通るのだけれど、あそこは走っていくよりも、二人の想い出の桟橋をゆっくり踏みしめながら歩いて海にむかってしっかりまいた方がよかったのではないでしょうか(投げ方が失敗したのか、風があったのか海まで遺灰が届きませんでした。)それと遺灰の入った坪を海に投げるのはどうかなのでしょうか。坪は波に押し戻されて桟橋の下に流れ着いてしまいます。そのまま坪を捨て置くのはジョディーが好きな主人公としてできないだろうし、拾って帰るくらいなら映画としてもかっこわるい話だし・・・ などと、青春・ノスタルジーといったコンセプトが主人公に安易に坪を投げさせてしまった感じがして、ちょっと主人公に感情移入していた自分としてはいただけないなあ~と思いました。 
[DVD(字幕)] 7点(2009-07-05 14:11:03)
2.  ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発 《ネタバレ》 
 子どもの頃、怪獣が大好きでギララの映画も観たし、この怪獣のプラモデルが欲しくてマンガ雑誌の広告を何度も眺めていたことを覚えています。そんな訳でビデオレンタルショップでこの映画を見つけたとき迷わずゲットしました。  環境破壊の象徴がギララで、それをG8諸国が倒す手段を講じる中で、各国の首脳のキャラクター・お国柄さらには日本の先進諸国における立場等々パロッていて面白いのだけれど、それはあくまで日本という身内の感性で観た場合に言えること。  この映画は外国映画祭でも上映されたそうですが、「日本とはこういう感じでございます的に露悪した、卑下した感じ」がして上演して本当に好評だったのか、他の国の人が観て不愉快に思わなかったのか気になってしまう。  ギララを倒す神様も、あのキャラクターを使う必然性がまったく感じられず、パロディーだからそう難しく考えなくてもいじゃないという一言ではちょっとすまされないのではないかと思う。加藤あいが「ネチコマ、ネチコマ・・・・」と踊る姿もあわれでした。なんというか松竹映画唯一の怪獣キャラクターだから、同じパロディーでも政治を題材とするのではなく、SF系のストーリーで登場してほしかったというのが正直なところです。伊福部昭調の音楽を聴かせてくれたのはよかったけれど・・・ 
[DVD(邦画)] 5点(2009-05-06 09:00:48)
3.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
 松子の境遇は、本当に不条理に満ちていて、この感想は映画を観てから一日おいて書いているのだけれども、いまだに松子が緊張するときの顔の表情が思い浮かんできて、 愛おしさと胸苦しさを覚えます。それほど、松子役の中谷美紀が素晴らしかった。  ストーリーは薄幸な女性の転落のきっかけから死に至るまでのお話し。男運に恵まれず、巡り会うたびにどんどん転落していくのだけれど、それでも松子はひたむきに人を 信じて愛することを選択するといった、ある種マリア的とも思えるような位置づけを十分意識したシナリオでした。このように書くとよくある映画のようですが、ミュージカル仕立てでテンポが良く、個性的なキャラクター・俳優が小気味よく出演し、所々でコミカルな部分もあり、十分楽しめますが、自分には「楽しい」というよりも、やはりテーマが重いだけに「良くできた映画」だなという感じがします。 「薄幸の女性・人を殺める・ミュージカル」ということであれば「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を私は思い浮かべてしまいましたが、別に比べる必要はないのでしょうけど、私は「救い」という点で「松子の生涯」の方がいいなあと思います。  ただ、映画のラストで、松子の魂が家に帰るという帰結はよくわかるのですが、そのシーンが長すぎる。欲を言えば、他の終わらせかたもできたのではなかったかなと思った点が残念。ただ映画館で観ていれば、もっとジーンときてやや長めのラスト部分で、目がウルウル状態で逆に満足だったかも知れませんが・・・ 
[DVD(邦画)] 7点(2008-04-13 17:10:22)
4.  キサラギ 《ネタバレ》 
この種の映画は、古くは「12人の怒れる男」、また邦画ではそのパロディー版とも言える「12人の優しい日本人」等で観ているので、目新し感はなく、やはり脚本の善し悪しとキャスティングが気になる所。若い2人の演技・しゃべりは少しやかまし感はあるけれど、香川照之はよいキャラしてました。画面に出るだけで何かやってくれそう感があります。小気味よいストーリもそれなりに楽しめて、出演者全員がキサラギと生前に何らかの関係があったりする所はおもしろかった。だけど改めて振り返ってみるとやはり先が読めてしまって、多少の意外感はあるけれど観ている最中に大きな驚き・ワクワク感を誘発するものではなく、その点が少し残念。  
[DVD(吹替)] 7点(2008-02-10 20:54:07)
5.  恐竜グワンジ 《ネタバレ》 
レイ・ハリーハウゼンは主に「ファンタジーもの」と「アドベンチャー恐竜もの」に 分かれると個人的に思っているのだけれど、「恐竜グワンジ」は後者の中でも特に面白い映画ではないかと思います。(恐竜百万年よりも好きです・・・ラクエル・ウェルチは別ですが・・)ダイナメーションの恐竜の動きは、今のCGより味わいがあるし、愛着がわきます。また人間とグワンジ、スティラコサウルスとグワンジの戦い、更には象とグワンジの戦いと見所もタップリですし、ラストシーンで寺院の中にグワンジが入り込むシーンも秀逸です。もともと西部劇と恐竜ものが結びつかないし恐竜と寺院も「?」という感じですが、結びつかないからこそ意外な展開を感じるわけで非常に楽しむことができます。今後、CGではなく、ダイナメーションを使ってのスケール・予算の大きいSFかファンタジー映画ってもう製作されないのでしょうか。このような「古典」的映画を大切に、鑑賞していきたいと感じますが、それらへのオマージュとして手法も踏襲して製作されたものも見たい人は結構いるように思います。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-07-08 18:05:24)(良:1票)
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