1. 君の名は。(2016)
《ネタバレ》 うーん…世間の評価が凄いので期待していたのですが、僕には肩透かしという感じでした^^; 昔からある「男女入れ替わりネタ」(主人公の乳揉みは大林宣彦の「転校生」を思い出して苦笑)に、これまたよくある 「自分だけが知っているカタストロフから、それを知らない無理解な人々をいかに救うか」というサスペンス。 今作はそこに「三年間のタイムラグ」という一ひねりが加わっていますが、それはそれで 「入れ替わり中スマホやらテレビやらカレンダーやらで”今”が何年なのか気付くチャンスがなかったのか」とか 「日本中を騒がせた大ニュースと入れ替わり先の地名の関係についてなぜ人に言われるまで思い至らなかったのか」とか 色々な不合理を生み出す要因になったり… 劇中で頻繁にかかる透明感のある男性ボーカルの挿入歌や、登場人物の過剰な叫びは、 「どうぞここで感動してください!」という作り手の押しつけに感じられて妙に興ざめ。 トレースによる緻密な背景は健在ですが、過去の新海作品を見慣れた人間としてはさすがに初期ほどの感動はありません。 やはり実写には及ばず、かといって「美術監督のセンス」というフィルターを通した「味がある風景」でもなく… (超ローアングルの引き戸や自動ドアのショットは最初「おおっ」という新鮮さを感じましたが、あまりに多用され過ぎて ここでも「見ろ見ろ、わしの作品は他のと違って風景の切り口も独特やろ!」と言わんばかりの ”作り手の押しつけ”を感じてしまいました) あと声ですが…やはり、アニメには本職の声優さんを使って欲しいです。声優ヲタというわけではないのですが やはり「生身の演技」と「声だけの演技」は違うので、やり慣れていない人の”声の演技”は洋画吹き替えにしろアニメの声にしろ どこかぎこちなく感じられます。 (なんでしょうね…”一般認知度が高い男優女優やタレント”が声を演じてないと、アニメ作品はやはり アニメオタクや子供向けの”マンガ映画”として一段低くみられるのでしょうか?) 色々勝手な事を書いてしまいましたが、もちろん、悪い作品ではありません。 ただ、個人的に「素晴らしい映画かどうか」の線引きは 「観ている途中ですでに映像ソフト購入を決意する」「二度以上劇場で観たくなる」の二点なのですが 残念ながらこの作品はそのラインに達しませんでした… [映画館(邦画)] 5点(2016-09-01 20:50:23)(良:3票) |