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1.  鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
水木しげる先生のファンとしてはこの映画製作は嬉しかったが同時に不安でもあった。ちゃんとした水木ワールドとして描いてくれるのかどうか…全くの予備知識なしで鑑賞しました。 目玉の親父があの姿とか知らんかったんで途中で気づいてびっくり仰天!あんなイケメンかよ! 昭和の敗戦後の日本という舞台。妖怪とそれを利用する人間の醜さを横溝氏の世界観で見事表現。一番恐ろしい存在なのは人間なのさ。水木先生の時代では「戦争」という最も醜い愚行をからめてそれらを突き付けていたが、今の時代は「貪欲」にシフトしているのではないか、と感じた。 ラストの原作に描かれている「墓場の鬼太郎」とシンクロシーンは感動しすぎて涙腺決壊。 ただ個人的な思いなのだが水木先生が存命であったなら「水木」の書き方は違ったような気がする。 水木先生の「水木」はあくまで「地獄に落ちねばならない」人物としてとらえていた気がするのですよ。 戦場にいった水木先生は自分だけ生き残った事にいつも罪悪感を覚えていたから…
[映画館(邦画)] 8点(2024-06-02 15:54:45)
2.  キャロル(2015) 《ネタバレ》 
ずっと気になっていた映画でしたが、やっと鑑賞。二人の女優の圧巻の演技力を見せつけられました。誰もが認める大女優のすごいオーラ。それに飲みこまれない若女優もすごい。激しいやりとりがある訳ではないのに「退屈」なんで感じることがまったくない。ギリギリまで削り取ったかのような脚本も、二人の女優の演技力があったればこそでしょう。いや~すごいわ… 男性で「フェロモン垂れ流した」みたいな表現をする事がありますが、キャロルはまさにそれでした。女性であんなに気品あふれる魅力フェロモンムンムンな方初めてみたわ。そりゃ若いテレーズはイチコロでしょう(あんな美しい妻は旦那も手放したくないでしょう) 途中まで「友情か愛情がわからない感じで最後までいくのかな?」と思っていましたが甘かったです。そんな中途半端な映画じゃございませんでした。美術も隙がなく久しぶりにクオリティの高い真の恋愛映画を観た気分です。
[DVD(字幕)] 9点(2019-09-07 22:04:58)(良:1票)
3.  キングダム(2019)
原作未読。原作漫画は三国志や中国の時代劇文化・芸術が大好きな自分にとって、いつか読んでみたい作品ではあります。が、発行冊数にくじけてしまうので「完結してから…」とのばしのばしになっております。そんなところに邦画映画化。世界観を知るにはいいかな~と思いつつ観賞しましたが、予想通り「及第点」可もなく不可もなく。アクション歴史ロマンストーリーのお手本のような作品。アクションは申し分ないですが、やっぱりその分物語の「深み」はでなくなってしまいます(時間的にも予算的にも難しいところでしょうが)原作はこれだけの長編で支持されているなら、人間ドラマがしっかり描かれている筈。原作者が言うには「武力による統一は否定する」らしいので、原作の最後がどうなるのか興味があります(つまり、それまでの物語を全部否定するわけですから)それら原作の深さは映画には感じとれませんでしたかね。 そうは言ってもさほどレベルは低くなく、ベタなお話を観たいなら十分お薦めできるレベルです(終盤出てきたハルクばりの敵兵はいらんかったと思う)壮大なストーリーの序盤としての役割は十分果たしており、普通に続編を望んでしてしまいます。 お話だけなら7点つけたいところですが、音楽がちょっと…でしたので残念ながらマイナス1点; 山崎賢人君目当てで行きましたが観終わってみると吉沢亮君のファンになっていました。すまん…;
[映画館(邦画)] 6点(2019-05-02 17:18:24)
4.  CASSHERN 《ネタバレ》 
私はアニメ「キャシャーン」の大ファンです。だから観た時の「ハートブレイク衝撃」はかなり大きかった;(アニメ「キャシャーン」より、エヴァの方が近い気がする;)この映画は「キャシャーン」である必要はまったくなかった。むしろ足引っぱっていたと思う。宣伝はアニメ「キャシャーン」のイメージを意識して流していたから駄目。その方向で期待した人が多いのではないか?内容はアニメ「キャシャーン」とはまったく違う。孤独に戦う主人公を通して見る世界ではなく、様々な人々の苦しみと葛藤と欲望が渦巻く話であった。完璧な反戦映画であり、その部類の映画としては一級であると思う。渾沌とした独自の世界観、人間の醜さやむなしさ、狂気と不寛容さ、そして救いを描いていて素晴らしい。俳優の演技も良かった。だからこそ真っ向勝負して欲しかった。アニメ「キャシャーン」を意識した部分はすべて不要だったと思う。せめて「キャシャーン」をオマージュみたいな扱いにしてくれてたらな~;主人公にあそこで「キャシャーン」を名乗らせる意味はなかったし、変なコスチュームも、ロボット軍団と戦うシーンも無用だった。妙にアニメを意識して浮いているように感じた;初監督だから「原作」がないとGOサインが出なかったかもしれないけど、マジで「キャシャーン」使うの止めてくれ~と思った;私、このレビューで何回「キャシャーン」って言ってますかね?(^^;)本当に好きなんだよ~;その点だけ恨むぜ監督ぅぅ~だから、この点数です;ごめんなさい;(ちょっと思ったけど、R-12指定ぐらいにすべきじゃないかな?実験のシーンとか結構気持ち悪い;)
[映画館(邦画)] 5点(2009-06-13 16:36:29)
5.  危険な情事 《ネタバレ》 
何年か前にテレビで観た時はアレックスの狂気が怖くてたまりませんでした;バスルームで包丁振り降ろしてタイルにガン!など背筋が凍りました;「襲うなら悪い旦那襲ってくれ!」と思った覚えが;でも今みると「アレックスが痛々しくて可哀想」という印象です。グレン・ローズは「アレックスは過去に性的虐待を受けた可能性がある」という考えをもって演じていたようです。父親を失ってから母が再婚し、義父から性的虐待を受けていた、のはありえそう(母親は助けてくれなかった) ダンを死んだ父親(自分を守ってくれる人)とダブらせ、彼の妻は邪魔する人、と彼女の心は感じていたかも。ダンも「君は素晴らしい人だが私には妻がいる」なんて言ってますし;(妻を言い訳に使うなよ…;)しかし、彼女の行動は間違っていたと思います。車までは、責任のあるダンに攻撃が向かっていたので分かりますが、罪のない子供(うさぎ)や妻にいくのは駄目だろう、と。妊娠初期で精神不安定だったと思うけれど…(過去に流産してるし、不安な時に側にいてくれる親や友人はいないようだし) 変更前のラストの方が話としては納得出来るものでした。伏線も活かされてました。「アレックスが送ったテープの意味は?」と疑問だったのですが解けました。映画としては竜頭蛇尾?けれど、変更後のラストもやっぱり頂けません;ベスに罪を背負わせるのもどうかな~と。あの場合彼女は二人殺してます。最期は夫婦円満になったかに見えますが、これからあの夫婦を結びつけるのは「愛」ではなく「同じ罪を背負う共犯者」としてではないだろうか?と思いました。 『アレックスは無理心中をはかってダンを包丁で刺し、自らも首をかき切って死ぬ。が、ダンは奇跡的に助かり、病院のベッドで目覚めると心配そうに自分を見つめる妻と子供の姿が…』ってラストだったら… 「納得するラストってなんだろう?」と考えてみたのですが、こんなのしか思い浮かびませんでした;それに、ふと思ったのですが、バスルームの出来事は目撃者もいないから「夫婦で共謀して邪魔な愛人を殺して正当防衛にみせかけた」って出来るのでは?証拠もないし…なんて、トンデモ予想してみました;
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-19 11:58:20)
6.  記憶の棘 《ネタバレ》 
これは行間を読む物語というか、裏側を察する映画ではないだろうか、と思いました。終盤になっていろんな事が明らかにされていく。それは推理小説のような「謎」ではなく、人の心理。何故、この人はこんな行動をとっていたのか、という感情が明らかにされるので、そこを分かったうえでもう一度観賞すると奥深い。例えば、アナの母親が少年をうさんくさそうな目で始終見ているが、それは少年を疑っているのではなく、かつての婿が嫌いだったから、という理由が分かったりする。 ラストのアナのせつない感情の爆発が痛々しい。刺は決して抜ける事はないのだろう、と察せられる。彼は刺の刺さった彼女を愛さなければならないのだろう。自分では刺を抜く事は出来ないのだから。
[DVD(吹替)] 7点(2008-12-18 15:49:48)
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