1. キッド(1921)
名作を知らずに死ぬのは勿体無いと思い、チャップリンとヒッチコックを見ています。基本的に彼らの映画には大きなハズレはなく、本作「キッド」も一定以上のレベル(実際かなり高いレベル)に達しています。これが100年以上も前の作品だというのだから本当に驚きます。1921年にこのクオリティで映画を撮ったチャップリンは極めて偉大で、一世紀後の現代人が見ても十二分に納得感が得られるというのは、やはり凄いとしかいいようがありません。 無声映画で最も注意すべきは登場人物の態度と表情だと思いますが、これをチャップリン本人が意識的に演技するのはまあ当たり前にしても、7歳の子役(役どころでは5歳)であるジャッキー・クーガンが存分に演じていることに驚きます。とにかく表情豊かでしゃっちょこばった雰囲気もなく、自由にのびのびと演じています。 このジャッキー・クーガンという人物を調べてみると子役スターの第一人者でもあり、高額な子役の報酬を本人に代わって守るための法律「クーガン法」が制定される切っ掛けになった人物だそうです。当時300万ドルともいわれる多額の報酬を母親が無断で使い込んだそうで問題になったようです。Wikiによると(クーガン法(クーガンほう)は、子役が稼いだ収益の一部を子役自身のために残すことを義務つけたカリフォルニア州の法律(州法)。英語表記は「California Child Actor's Bill」。) 映画の内容としては非常にシンプルなもので、チャップリンが演じていなかったら面白くもなんともない題材だと思います。ただし、面白くないといっても人種を超えて動物の本能である”親子が互いを愛する物語”なので普遍的かつ決して色褪せない鉄板の題材でもあります。ここでひねりが効いているのが、、この親子が実は全く血縁ではないということ。パンケーキを数えて分け与えたり、寝ている最中に同じタイミングでビクついたりと・・ なんだか奥深くてホロっとさせられちゃいます。 ラストが物足りないという意見も見られますが、序盤に見られたような宗教色やら贖罪色やら強調されてもお寒いだけだったと思われます。真摯に子供の願いを聞き入れ、育ての親を呼び寄せるラストカットだけでもう十分に幸せな余韻に浸らせてくれる素晴らしい結末だったと思います。「やっぱりチャップリンは面白かった。。」これに尽きます。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-11-03 17:17:59)(良:1票) |
2. CUBE ZERO<OV>
《ネタバレ》 レビューの為に三作品(Cube/Cube2/Cube Zero)一気見しました。パート1の前日譚である本作ですが、こちらもなかなか酷い有様でした。ただし、前作パート2にあったような根本的な理屈・物理・システムの破綻等は無く、そういった意味では一応見られる作品にはなっていました。 ただ、ジャックス(マイケル・ライリー)の風体は完全に厨二病。その部下たちがコンピューターのキーボードを操る仕草も激しく厨二病。厨二病という言葉を安易に使いたくはありませんが、これらには厨二病という言葉以外に思いつかないほど酷いシーンでした。あと素朴な疑問でしたが、パート1、パート2、パート3共にキューブ内部のデザインが異なりますが、普通ならあれほど大掛かりな公共?施設であれば同じ装置を使いまわすのが基本です。部屋の壁紙じゃないんだからお手軽過ぎるだろ?と、この点は激しく違和感でした。 ラストもあのようにパート1につなげたいのであれば、せめて名前や人種の肌の色くらいは合わせろよといった感じでした。パート2よりはいくらか映画の体を成していましたが本作もたいがいでした。。南無。 [インターネット(字幕)] 3点(2022-09-13 12:07:50) |
3. CUBE2
《ネタバレ》 レビューの為に三作品(Cube/Cube2/Cube Zero)一気見中です。私は厳しめに書くことはあっても点数のほうは意外と優しめに評価してきました。しかしこの作品はなかなか酷いです。明らかに、ヒットした一作目におんぶに抱っこ状態で、更に一作目の評価をもドブに投げ捨てようとしているレベルの完成度の低さなのです。まさしく「酷すぎる」という言葉がぴったりです。 そもそも設定自体があまりにも突飛すぎて頂けません。テッセラクトとかハイパーキューブ(超立方体)とか全く理解できないし、物理的に無理でしょ。それらの映像表現もぶっ飛びすぎて半笑い状態です。有名な伝説のハッカーがまさかのあの人だったとか、、アレは絶対にギャグです。盲目なのに超凄腕のパソコンハッカーとかあり得ないのですよ。 ラストも何が何やら・・ まさしく「酷すぎる」という言葉でしか表現できない稀に見る稀代の映画でした。これはいくら温厚な私でも点数のつけようがありませんでした。。南無。 [インターネット(字幕)] 2点(2022-09-13 11:51:47) |
4. CUBE
《ネタバレ》 レビューの為に三作品(Cube/Cube2/Cube Zero)一気見しました。シチュエーションだけに絞ればパート1はとてもよく出来た作品で、人間の本質的な部分が鋭く描かれていました。しかしそもそも論としてあの装置は一体何なのか?理由も目的も一切語られないので、そういった意味では不親切極まりない映画だったし、そこが気になってしまうと全く不出来な作品であったと位置づけることも可能です。 よく考えたらどんな理由があるにせよ、人間が人間を惨殺してよい理由など絶対にありません。実験だとしてもあまりにも倫理観に反するし、陰謀だったとしてもあまりにも悪趣味です。そういった部分が気になりだした途端にこの映画は成り立たなくなります。この映画を楽しむには、あくまでそういった部分を無視することから始めなくてはなりません。 この映画をシチュエーションのみで考えた場合、人間の本質自体はとても良く描かれています。生き残るには倫理観が強いだけではダメ、数学的な頭脳を持っているだけではダメ、結局は周りを力で支配する脳筋野郎や、若い女性、ずる賢さを備えつつ社会性を持った人間らが最後まで生き残るというドライな結果が示されます。カザン(アンドリュー・ミラー)は絶対的な社会的弱者でしたが、たまたまその特殊な能力が認められ周りに利用されただけのことで、本来なら速攻で脱落するはずの人物でした。 でもやっぱりルービックキューブの構造を思い起こすと、この映画の理屈の通りにはこのcubeという部屋は動かないような気がして物語に集中できない私なのでした。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-09-13 11:41:47) |
5. キラー・エリート(2011)
なんというか・・ 監督の力量の無さが目立った作品だったと思います。大物出演者を集めてもこんな惨劇になっちゃうんですよという、お手本のようなものでしょうか。実話に基づいて重厚にしたいのならもう少し落ち着いたカメラワーク&作風のほうが合っているし、アクションエンタメに振るならもうちょっと単純で爽快にしてほしいものです。(ヨーロッパ風の格調的な雰囲気は少しだけ評価したいが) もう開始5分で嫌な予感です。ダニーの「1年後」とかのシーンとか要る?ぶっちゃけデニーロパートは全カットで良かったと思います。極めつけは何ですか、あの、、何とかの会の爺さんの集いは?あの爺さんたちは出てくる必要性があったのかって話です。終盤の旅行会社関連の裏切りやちょくちょく入る族長の息子のシーンなども全体的に話が冗長でもたつくだけなので、これらも基本的に全カットでも良かったかもしれません。ドミニク・パーセル(プリズンブレイクの兄)はくどい役回りで雰囲気が良くてちょっと良い味が出来ていましたが、なんだか少し浮いてて微妙な感じに仕上がっているのが惜しいです。クライヴ・オーウェンも好きな俳優ですがちょっと軽いんですよね。個人的には彼にはもっと深くて渋い、哀愁ある役柄をやっていただきたかったところです。 地上波で見られる無料の映画に色々求めはしませんが、これは群を抜いてつまらん映画でした。俳優陣がやたら豪華な割に全く面白くない作品、ぶっちゃけジェイソンステイサムの映画は嫌いですよ、私しゃ。 [地上波(字幕)] 3点(2022-07-06 17:14:47)(良:1票) |
6. ギルバート・グレイプ
ギルバート(ジョニー・デップ)の人生がいかに「詰んで」いるのか、彼の心情がよく描かれている作品です。しかし映画として暗くなりすぎていないのは監督の手腕、そしてディカプリオ他、出演陣のおかげでしょうか。目立って素晴らしい映画だとは感じませんでしたが、ギルバートの状況が理解できる人には深く刺さる作品かもしれません。 私は過去に統合失調症の姉を持つ女性と真剣に結婚を考え、そして破談になった経験があります。これら精神的な(脳および心の)病を持った家族を持つということは、とてつもなく多岐&長期に及ぶ影響を考えないといけません。自分の子が結婚しようとした時にどんな問題が起きうるのか?両家の両親が高齢期を迎えたら?そもそも自分自身の人生は?世間の目は? 綺麗ごとでは済まない問題が山積みですが、、当然ながら制作サイドはそれらをよくよく理解した上でこの映画を作ったと思います。その思いが重くなり過ぎないギリギリのラインで仕上げられているのは見事です。ラストの描写が大変素晴らしく、今後も変わることがないであろうギルバートの「詰んだ」人生ですが、彼がそれとどう向き合うつもりなのかがよく理解できます。よき伴侶を迎えて一生を背負う覚悟ができたであろう彼の笑顔が素敵でした。 なお、終盤が唐突過ぎるという意見が多いですが、長いこと習慣化していたある行為を突然変えた時、血栓などが流れることがあったりします。映画のようなケースは十分あり得ること、自然なことではないかと思いました。 [地上波(字幕)] 7点(2022-04-28 13:22:40) |
7. キックス
昔は漠然とアメリカへの憧れがあったものですが、アメリカの現実を見せられると軟弱な日本人(若者)には耐えられないほど厳しい世界であることが理解できます。BTTF等でも描かれていますが、今も昔もアメリカといえば=ジャイアン系の理不尽がまかり通る弱肉強食の世界なのです。(そういえば日本でも30年も昔にボンタン狩り、皮ジャン狩り、ナイキ盗難などが流行りましたよね) この作品は「ムーンライト」や「ウォールフラワー」系譜の作品だと思いますが、それらよりは大分見やすく作られています。アメリカのティーンの現状、特にブラック系は圧倒的「力」の世界なわけですが、その中で弱い人間なりにいかに自分のプライドとアイデンティティを維持するかがよく描かれています。主人公の心情が宇宙飛行士として表現されていて、ブラックじゃない人間にも彼の気持ちが理解できるよう判り易く作られていた点も高評価&情緒的で素晴らしかったと思います。(その他ちょっとした描写や風景の数々も情緒的でとても素晴らしく、監督の力量が高いことが伺えます) ラスト、結局、街は何も変わっていないのも良かったですし、冷静に考えたら主人公自身かなりのクズなのも感慨深いです。コレ系(ブラック寄り)の音楽はあまり好きではありませんが、アクターの皆さんも素晴らしくマイナー系(ミニシアター系)の作品の中ではかなり良質な映画ではないでしょうか!アメリカのアフリカ系とか中高生の日常ってこんな感じなんだろうなというのが垣間見れます。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-10-22 16:12:54) |
8. きみに読む物語
《ネタバレ》 映画通にはだいぶ物足りない内容かもしれませんが恋愛映画の王道でした。寡黙で一途な男の代名詞=ライアン・コリングスがとてもハマり役で違和感なく世界観にマッチしています。 内容的にはほとんど何も書くことが無いほどベタベタな恋愛映画ですが、実は今後世界中で問題になるであろう老年期の痴呆問題がなかなかリアルに描かれている作品でもあります。(まあ、あくまで表面的ではありますが) そういった意味では感動に包まれるだけで終わったらまずいんじゃない?という気持ちも芽生えてしまう作品で、特に終盤、彼女が一度思い出してからすぐに忘れる流れは別の意味で涙が出る名シーンだったと思います。個人的にはこの流れで老老介護の痴呆問題に話がシフトすれば良かったです。 過去の話ですが、、私もアリーのような女性に振り回された経験があり(振られる側)、彼女の心境はある程度は理解できるもののやはり身勝手なものだとも感じます。実際問題、ロンや母親の状況を考えると綺麗ごとだけでは済まない厳しい側面も多く含まれていることは明白です。そういった意味では非常に生ぬるい恋愛映画だったと見ることもできます。 他の方もおっしゃるようにオープニングから画面の美しさが際立ちます。途中頻繁に素晴らしい風景が差し込まれ、これだけで映画の質を一段も二段もUPさせています。当事者二人にだけ感情移入ができて、かつ、老年期の痴呆問題をとりあえず置いておくことができれば、、とても美しく素晴らしい恋愛映画体験が約束されています。エンタメとしてなら見て損のない映画ですが、リアル志向で考えると穴だらけの作品です。素敵な絵が多いので少し甘めの点数で。 [インターネット(字幕)] 6点(2018-11-02 17:00:50) |
9. キングダム/見えざる敵
《ネタバレ》 なかなかの拾い物でした。いつまでたってもドイツ=悪者と同じ構図で中東=テロとして描き続けるのもどうかとは思いますが、歴史上それだけ大きな事件が何度か起きていますので仕方がないところでしょうか。(平和な市民には気の毒ですが) 結局動物は全て自分本位な生き物です。私は無神論者ですが、宗教というものは基本的に自分の心の中でのみ育て敬うものであるべきです。これをどんな形であっても他人に押し付けてはいけません。あくまで自身の心の支えとして宗教があるべきで、世界の人たちがこれを忠実に実践できればこの映画のような不幸で不毛な争いは起きないはずです。 全体的な緊張感や臨場感はなかなか凄かったです。特に序盤のテロシーンのリアル感は凄いです。ただ中盤のサスペンスパートが簡単に解決しすぎで、若干緊張感に欠けたシーンになってしまってます。【ネタバレ】終盤誰が死亡するか判らないギリギリの緊張感は素晴らしかったです。サウジの警官だけ死亡するのはご都合主義満載でしたが、しかしサウジが助かりアメリカが死亡してもそれはそれで偽善だとか色々叩かれそうで、難しい判断だったと思います。(エンタメ作品としては今作のラストでベターかとは思いますが、子供との握手は不愉快では?) 総じてこのテンポの良さと緊張感、誰が敵が見えない怖さはなかなかGOODです。メッセージ性があるようでない感じもライト層向きで、ラストの決めセリフも双方ともよくハマっていました。エンタメ&ちょっと社会派として見て損のない作品だと思います! [インターネット(字幕)] 8点(2018-10-19 11:46:01)(良:1票) |
10. キャロル(2015)
二人の内面がとてもよく表現されていて非常に深い映画です。オープニングとラストではテーブルで向かい合っている二人の見え方が全く違うのも、なかなか趣があって素晴らしいです。(リリーのすべて も同じようなオープニングとエンディングでしたね) しかし、自分が若い時に若い側の気持ちで見たい映画でした。私は年齢的に大人なのでキャロルの側として感情移入しながら見た訳ですが、正直ちょっと計算が見えてしまって微妙な印象も受けました。大人なりの行動原理や説明は見られるものの、やはりあざとさも感じられる流れです。結局は年下の側を傷つけただけのように見えつつ、ラストのあの展開をズルいと考えるか真剣と考えるかで賛否ありそうですね。(映画の流れとしては純粋なものとして描かれているようですが・・) そもそも、同性愛がタブーとされていた時代なので全体的に暗くてうんざりするほど重い空気が終始流れているのが疲れます。あえて絶望感を狙っているのかもしれませんが、できればもう少し若くポップで明るい雰囲気作りでもあれば、エンタメとしてもっと見やすかったように感じます。近年まれにみる非常に良い映画ですがとにかく受け取り方一つで評価が大きく分かれそうな映画です。まずは主演二人の演技目当てで見てみるのもアリかもしれませんね。 [インターネット(字幕)] 6点(2018-06-18 18:19:04) |
11. キック・オーバー
メルギブ復活後、話題になった割にコケた映画ですね。本作もそうですが「復讐捜査線」などもかなりきちんと作られた作品ですが復活後はどうにもパッとしません。私はメルギブ世代なのでリーサル・ウエポンやブレイブ・ハートなども大好きですが、今作は見たつもりで今まで見ていなかったという体たらく具合です。 パッとしない理由としては、メルギブお得意の不遇な運命の後にアクション大爆発的な演出がないせいでしょうか?まあ年齢的にも爆発的なアクションは辛いと思いますし、、ある意味仕方がないところでしょうか。 今作はなかなかよく作りこまれていて100分の短い尺に上手に収めてあります。少し出来すぎ&軽すぎ感はありますが、母親ネタ、臓器ネタ、大金ネタ、裏切りネタ、刑務所トラブル、ガンアクション等々、全て過不足なく描かれています。「見たら忘れる系」よりは大分マシな「何年か経っても何となく覚えている系」の、サクッと観られるアクション作品。難しいことを考えずに手堅くアクション映画を楽しみたい方には王道の作品ですよ! [インターネット(字幕)] 7点(2017-04-16 17:06:02) |
12. ギフト(2000)
《ネタバレ》 ケイト・ブランシェットの演技がリアルで良い。南部の田舎町特有の保守的な人間関係が見ていてキツイのと、やたらと暗い絵作りに気持ちも沈みますが、出演陣はやたらと豪華です。サスペンス風ですが結構ユルユルなので、どちらかというと小さなコミュニティ内部でのヒューマンドラマといった感じで話は進みます。 ラストの真犯人&助っ人は結構心地よく、暗い雰囲気とは裏腹に気分良くエンディングが迎えられます。意外と良い映画ですが何度も見たいとは感じませんでした。他の方も指摘しているように、若干あちこちやり残したシーンが多いので少し散漫な印象も受けます。ちなみに、この映画が好みだった方は「黙秘(原題:Dolores Claiborne)」もお勧めだと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2015-11-04 21:38:04)(良:1票) |
13. キャリー(2013)
《ネタバレ》 たまたま見る機会がありました。皆さん記載の通りオリジナルに忠実なリメイク。細かな演出面では結構違っていますが、違いのつけ方が稚拙というかチャチいのが多いので結果的に少しシラける要因にもなってしまっています。(フロントガラスに顔だけ突き出して、ゆっくりお亡くなりになるとか全然要らない) 言いたい放題言っちゃうと例えば壇上の彼がバケツで死亡せず、上からエグいくらいにライトが落下してきて壮絶な死を演出していれば高得点だったと思います。更に、助けた先生も中途半端に助けずに無慈悲に身体を引きちぎられて無残にお亡くなりになるような壮絶な演出があれば高得点だったと思います。ついでに言っちゃうと悪の首謀者たちの赤い車、、アレもあんなにのらりくらりとやらず、最初の一撃で一気にフロントガラスを突き破って二人とも首が折れてお亡くなりになれば高得点・・ とにかく全体的にもっと思いっきりやって頂きたかったです。 妄想が全て取り入れられていたらたぶん8点つけても良かったと思います。。CGなどはとても綺麗なのでホント残念ですし、そもそもクロエちゃんが綺麗すぎるのも致命的としか言いようがないです。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2015-08-29 01:07:33) |
14. キック・アス ジャスティス・フォーエバー
続編はコケるジンクスが存在しますが、、本作ももれなくそんな感じです。まあ、前作同様キャストは非常に豪華ですね。話をアチコチに振っているのに意外とまとまった本筋も結構見事です。。 他の方もおっしゃっているようにヒットガールの年齢がいってしまっていることは残念ですが仕方がないことです。あわせてキックアスがマッチョになっているのも、、前作の流れから考えたら仕方がないことだと思いますが少々残念でした。 三部作にしたいらしいので今作のラストは何とも微妙な感じでしたが、B級変態映画としてはこんな風に引き伸ばすのが正解だと思います。完結編ではぜひとも大人の色気があるヒットガールが見たいものです。そういう意味では三作目が楽しみです(笑) [ブルーレイ(字幕)] 4点(2014-12-29 10:30:22) |
15. 96時間
「結構面白いっす。」 そんな軽い感想が残るお手軽映画でした。スタイリッシュでサクサク進みますし、電話の一件などカッコいいパートもあります。でもなんだか軽いんですよね。。ストーリーも予定調和で、ラストもまるで定番時代劇のようなお手軽具合でした。TVで放送されていたら観ても損はありませんが、裏を返せばその程度かも。。 【2024/2 追記】 TV放送が録画されていたので久しぶりに見ました。皆さんおっしゃるようにとてもよく出来ていて、軽快で無駄をそぎ落としたスピーディーな展開は見ていて気持ちが良い。しかし初鑑賞時同様、、ご都合主義過ぎる展開が悪い意味での”軽さ”に繋がってしまっていて残念です。 特に気になるのがやはり娘キム(マギー・グレイス)と母親(ファムケ・ヤンセン)のバカさ加減。17歳であれば引退したパパ(旦那)の以前の仕事が何であったのかはある程度察しがついているハズだし、誘拐直後にサム(リーランド・オーサー)との電話に普通に割り込む母親の雰囲気からは、どう考えても彼女は元旦那の以前の仕事内容をかなり知っていたようなそぶり。むしろ母親のほうこそ17才の一人娘の海外旅行にはより慎重にならないと変ですよね。元旦那が親として、またプロとして苦言を呈している時は過剰に煙たがっておいて、誘拐されたとたんに「必ず連れ戻して!」はちょっと虫が良すぎます。 また、せっかくの「96時間」が上手く生かされておらず、できれば「24」のようにタイマーを設置するとかして猶予時間を煽って欲しかったですね。それから、他の娘さんたちは速攻で売春宿かシャブ漬けなのにキムだけ無傷なのもちょっと都合よすぎでした。ハイティーンでバージンってのは寧ろブスの可能性も捨てきれず・・ 色々ご都合主義が目立った惜しい作品です。ブライアン(リーアム・ニーソン)は本作でも文句なしの素晴らしさでした。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-09-25 15:37:09) |
16. キングダム・オブ・ヘブン
この映画は期待して鑑賞したのでガッカリ感が強かったです。全体的に迫力もあって雰囲気も良かったのですが、主人公ありきで進む予定調和なストーリーが全くもって全然ダメでした。 突然現れた息子バリアンが強くてカリスマ性もあってと、何から何まで都合良過ぎる感が強いのが違和感あり過ぎです。そんな強引に持ってゆかずに、無理せずオヤジさんの「ゴッドフリーの伝記」として映画を組み立てたほうがずっと自然だったと思います。その点が悔やみきれないくらいに残念でした。いくら息子が熱弁を振るっても終始説得力を感じることはありませんでしたね。(だってどこの戦地に行ってもゴッドフリーの武勇伝が轟いているのだもの) 余談ですがエドワード・ノートンの使い方が凄すぎます。(あの役は助監督さんあたりが適当に入っていても別に問題なかったのでは?) [ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-09-23 17:34:29) |
17. キャスト・アウェイ
難破・サバイバル物という典型的プロットを安定のトム・ハンクス一人芝居で映画化された作品です。前半はリアルすぎて怖くなるくらいの完成度で非常に素晴らしい映画でした。 救出されるまでを描くとありきたりな作品になりそうなのを知ってか知らずか、救出後にきちんと続きがあったのは良かったです。ただ他の方も書いてらっしゃるように、さらにもっと続きが観たかったところです。きっと観客は十字路のその先が観たかったハズですが、、監督の意図としては「十字路の選択はあなたたちに委ねますね~、それが大人ですから~」といったところでしょうか。個人的にはその先の新しい人生に踏み込むまでをきちんと描いてくれていたらもう1点追加だったかもしれません。 題材やプロットは素晴らしかったのに全体的には予定調和的すぎて、どうなるか判ってしまうあたりがありきたり感を醸し出してしまったかもしれません。救出後もイマイチ中途半端に感じたので少々厳しめの点数です。あと個人的な意見ではありますが、トム・ハンクスの演技力は誰もが認めるところですが、ちょっとあざとすぎるというか鼻につくというか・・ 役になり切って自然に見えるようにやってます感が強過ぎてなんか嫌です。そういった個人的な感情からも少々低めの点数になってしまっています。 [DVD(字幕)] 6点(2014-09-23 17:12:56) |
18. キャプテン・フィリップス
リアル志向で迫力もあり、緊張感は凄まじかったです。しかし裏を返せば、まるで某TV番組の再現ドラマを見ているようでもありました。不謹慎なのかもしれませんが、単にもう少しエンターテイメント性(遊びの部分)が欲しかったところです。 また、フィリップス船長(トム・ハンクス)の演技があざとすぎて嫌悪感すら感じました。個人的な見解ですが、彼の役へのアプローチは素晴らしいとは思いますが、2000年くらいから後はちょっとわざとらし過ぎて嫌いです。1999年のグリーンマイルや2000年のキャストアウェイくらいで私の中ではトム・ハンクスは終わりました。 本作でも救出された後のシーンがあまりにもあざとすぎて見ていられないくらい嫌悪感を感じました。あのシーンなんて明らかにカットすべきシーンなのに、おそらくハンクスの意向なのか判りませんが、無理やりねじ込んであるように感じてしまいました。 アブディワリ・ムセ(バーカッド・アブディ)ら海賊側の演技は本当に迫真でリアルでしたが、トム・ハンクスのせいでこの点数に落ち着きました。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-09-22 11:50:25)(良:1票) |
19. キック・アス
パッケージから興味無しとスルーしていましたので大分遅れて鑑賞しました。子供にここまでやらせていいのかという議論はごもっともですが、、だからこそ面白かったとも感じます。ラリった不良は画面に登場させてもOKで、正義の味方として若いヒットガール(クロエ・グレース・モレッツ)が銃を撃つのはNGというのはやはりちょっと理不尽でしょうか。 キックアス(アーロン・テイラー=ジョンソン)の思想はなかなかの失笑もんですが、ボッコボコにやられるので思ったよりリアル路線で描かれています。身体に金属が入ってDCコミックみたいだと喜ぶ彼はなかなか痛い人物なのが見てとれます。また、ヒットガール親子(クロエ / ニコラス・ケイジ)の口の悪さもなかなかアレですが、、普段の彼らがインテリで結構まともそうなのも笑いどころです。フランク・ダミーコ(マーク・ストロング)とレッド・ミスト(クリストファー・ミンツ=プラッセ)親子の物語も結構面白く、シニカルでドギツイ感じがなかなかの恐怖感を醸し出しています。徹底的にリアル路線で描かれたキックアス側と比較してヒットガール側とマフィア側はマンガチックに描かれていて軽めの演出だったのは意味があるのかないのか。 キックアス陣営、ヒットガール陣営、マフィア陣営、それぞれの温度差も一つの見せ場になっていて、映画としては思ったよりもずっと深い作りになっています。ボコられるシーンがYouTubeで人気になったり、TVゲームを意識した見せ方、ロリ的な可愛さを強調したり過激な殺陣のシーンなど色々とツボを心得た作りになっています。また、死体処理のシーンなどもリアルにしっかり描かれていて、この監督さん、意図的に色々やってる感じがあってなかなかの曲者です。助手席にキックアスで運転席にヒットガールというのも、この映画の立場関係を物語っているようで意味深です。またリアル路線のキックアスにラストの善悪を考えさせるのにも何か意味があるのかないのか・・ 単純に面白いのはもちろんですが、色んな部分で問題提起された映画だったと思います。興味本位でも構いませんので是非一度お試しください。音楽の使い方もオシャレでポップです♪ [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-09-05 13:44:09)(良:1票) |
20. キャリー(1976)
キャリー'76は昔から知っていましたが、ホラーが嫌いだったのでパスして生きてきました。結果的に初見は2010年代になってからですが、今まで見なかったことを後悔するレベルの素晴らしさでした。この映画を一言で表すなら「青春映画」、当時はホラーだったハズですが今見ると全然ホラーじゃなくてむしろ学園物といった雰囲気です。 皆さん書いてらっしゃる通りキャリー・ホワイト(シシー・スペイセク)の演技が圧巻です。おどおどした感じだったり喜びを表現したりと異常なくらいリアル志向で役にハマっています。母親(パイパー・ローリー)の設定にかなり無理がありますが当時のアメリカでしたらあり得たかもしれません。惜しいのは血のりを被った後のアクションと体育館内の表現がショボい点です。時代もありますが何となくドリフのコントの様相を呈していて、もう少し何とかならなかったの?という残念な感じに仕上がっています。自宅に帰ってからはそんなにショボくないので体育館のシーンは本当に惜しいです。 主人公母子が気の毒なほど変人として描かれていますが、これも時代背景があるので致し方ないでしょうか。驚いたのはデ・パルマが監督だということです。当時すでに監督としてのテクニックが確立されていることにも驚きますが、彼自身まだ36歳です。色々驚きの多い作品でした。 [ビデオ(字幕)] 7点(2014-05-03 15:17:05) |