1. グランド・ホテル
ある特定の空間に複数の人物を登場させ、人生の縮図を描き出す「グランド・ホテル形式」という手法を確立させた記念すべき作品であるため、その完成度はまさに完璧といえる。経営不振の大実業家、落ち目のバレリーナ、死の宣告をされた経理マン、早記者、紳士の心をもつ偽男爵(泥棒)の5人それぞれが少しずつ絡み合いながら織り成す人生の縮図はただただ凄いとしか言いようがない。特に感銘を受けるのが、第一に雇い主である大実業家に虐げられた経理マンが初めて心の内をぶちまける場面、第2に、その経理マンの財布を盗もうとした男爵が、(本当に)人生に絶望した彼の心の叫びを聞き、情けから財布を返す場面。思えばこの物語の中で最も過酷な運命を背負っているのは彼なはずなのに、一番光り輝いていたのもまた彼であった。死期を知るまでは本当の人生ではない、限りある命と知って初めて人生は光り輝くのだ。その人生のあり方をこの映画は見事に表現した。そしてまた“一番親しむ者”の死によって人生に浄化の効果を与え、彼を救ったのだ。これを傑作と呼ばずしてなんと呼ぼう? [DVD(字幕)] 9点(2004-04-16 21:07:00) |
2. クリスマスドラマ 天使とジャンプ<TVM>
《ネタバレ》 ※完全にファン目線でしか書いてないので無視してください。 曲りなりにもあかりん(早見あかり)脱退を体験している身なので、劇中ゆずりんが脱退してからのメンバーの動向云々完全にももクロとシンクロしてしまいます。 おそらくそれを狙ってるんでしょうがこれは反則です。 脚本や設定の粗なんていくつもあるし演技もももドラよりも良くなってるとはいえ、まだまだ本業の俳優に比べれば全然ですが、それを差し引いても彼女たちのひたむきな姿や時折見せる笑顔などにはやっぱり心動かされるものがあります。 そしてラストのJUMP!!!!。ミュージカルのような掛け合いやメンバーの決意の場面との対比など演出は常套的でしょうがとにかく楽しい、そして心躍る場面でした。振付がないという理由でライブでの披露が半分封印されているような曲ですが(この前の某番組で初めてアコースティックバージョンとして披露されました)、曲の躍動感やら楽しさ、完成度共々ぜひとももっと日の目を当ててほしい曲だと思います。 それだけ思い入れの強い作品ということで今回ばかりはこの点数で行きたいと思います。 [地上波(邦画)] 8点(2014-11-06 16:16:38) |
3. 蜘蛛巣城
《ネタバレ》 どんなに誉れ高き人でも、所詮、己の欲望には勝てない、それを見事な演技とカメラ・ワーク等で描ききった傑作。徐々に私欲にとりつかれていく主人公の三船敏郎、後半、狂気にとりつかれついに発狂してしまう山田五十鈴の演技は並みの役者では演じられないと思う。そして後半、矢が雨霰と飛んできて、次々に三船先生に刺さるシーン…ここまで壮絶なシーンはそうはないと思う。 8点(2005-03-20 23:44:55) |
4. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ
《ネタバレ》 話とかは普通だし、相変わらず荒唐無稽だし、ギャグも以前と比べてそれほど面白いわけでもない。だけど、つばきちゃんは可愛いし、なんと言ってもアニメとはいえ“あの七人”が見られただけで、充分満足であります。 8点(2004-11-29 03:16:18) |
5. クール・ランニング
《ネタバレ》 一度も雪を見たことないジャマイカ人がいきなりボブスレーっていうのは物凄いことなんですけど、それが人々に教えてくれた事ってのは「やる事の意義」ではないでしょうか。国民の気体を一一身に背負い、最後まで自分たちを捨てなかった彼らには非常に共感できる。それにゴールする事ではなく完走する事、参加する事に意義があるというラストも一般的なサクセスストーリーなんかよりも遥かに良い。 8点(2004-04-16 19:13:24) |
6. 黒い太陽七三一/戦慄!石井七三一細菌部隊の全貌
《ネタバレ》 「正視できない!しかし、見なければならない!」…あ、すいません、普通に正視してました。勘違いしちゃいけないのが、↓の皆さんも既に言ってますが、これは“告発映画”なんぞという崇高なものなんかじゃありません。ただの悪趣味スプラッたです。告発に、生きてる猫を殺したり本物の死体を解剖したりといった常識を駕すような残虐描写はいりません。悪趣味スプラッタとしてはかなりの不快指数のある作品なのでそういう視点で観ると8点ほどです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2004-03-22 22:55:19) |
7. グラディエーター
“ベン・ハ-”チックな話だったから、これは…もしや??と思い切って見て見たら、やはり期待通り面白かった。戦闘シーンとかカッコよかったし、コロッセオの戦闘シーンなどは“べン・ハ-”の戦車戦を思い出した。個人的にはラストも納得。 8点(2003-07-30 21:35:03) |
8. クレオパトラ(1963)
見終わった後の正直な感想は、とにかく長い、ひたすら長い。恐らく世界史に興味のない人は見ないだろうし、例え見たとしても4時間以上退屈な時間を過ごす羽目になるだろう。しかし、俺は幸いにもこの類の映画、特に古代ローマ史あたりが好きなので、取り分けてつまらないとは思わなかった。いや、むしろ面白かった。この作品の凄い所は何と言っても、↓前記の通り十戒、ベン・ハ-などと肩を並べるほどの壮大なセットを使い、途方もないエキストラを起用した点。映画が映画たる所以の壮大さがものすごく出ている。クレオパトラの辿った軌跡も、一般的な世界史の教科書や歴史書に載ってる有名なエピソードから細かなことまでを丁寧に映像化されていて良いし、時代に翻弄されながらも3人の男を愛した女として描かれているのも良い(実際のクレオパトラは、確かに美人だったにせよ、絶世の美人だとか、世界の支配者を次々と手玉に取った妖婦のような女性などではではない)なので、この作品は、好きなジャンルであることと、映画としての面白みや壮大さがちゃんとあるので、今回は8点を献上しようと思う。 8点(2003-07-20 15:23:01) |
9. クロウ/飛翔伝説
以前に深夜にやっているのを見て、この映画の虜になった。とにかくカッコいい!世界観も暗いけどそれもまたカッコいい!特に、この世界に蘇って、クロウメイクを施し、自分の家から外の世界を復讐心に満ちた面持ちで眺めているところに、雷の光がエリックの顔を映し出すところがカッコいい!!「人を殺せば、そいつも殺される」…一時期口癖になった 8点(2003-04-30 00:04:35) |
10. グーニーズ
小さい頃何回も見ましたよ!そしてその度に心躍らせまいたよ!!慣れ親しんだ故郷を守るため、そして、固い友情で結ばれた友と離れぬため、彼らは海賊ウィリーの宝を目指し冒険に出かける。とてもいい映画ですよ。マジで!! [地上波(吹替)] 8点(2003-02-24 02:08:37)(良:1票) |
11. クロスロード(1986)
《ネタバレ》 こういう一見判っているようでいて実は頭の悪い映画って結構好きです。 話自体は有名な(今はどうだか知らないが)クロスロードの伝説をモチーフに、「ベスト・キッド」にてミヤギ流カラテを会得した我らがダニエルさんが今度は伝説のブルース・マンとともに求めて幻のブルースを求め放浪する…という、一種の青春ロード・ムービー。 スライドの名手として知られるライ・クーダーの吹き替えらしいギターもまた最高だが、やはり最後の我らが変態ギタリストことスティーヴ・ヴァイとのギター合戦…もとい速弾き合戦は必見。 もちろん、ブルースの映画でクラシックってのはどーかと思うし、序盤にジュリアートの教授が言ってた「横道にそれてはいかん」等の言葉から、実はブルースを馬鹿にしてんじゃね?と思ってしまいますけど、「同じ悪魔なら今度はパガニーニだッ!」という悪魔繋がりであれになった、ということであえてスルーします。 ということで、映画自体は6点くらいですが、スティーヴ・ヴァイの“悪魔に魂を売ったギタリスト”があまりにもはまり役なので、おまけして7点です。 [DVD(字幕)] 7点(2007-11-23 04:15:35) |
12. クローン
《ネタバレ》 お!なにやらこの手の映画にしちゃ点が結構高い。といいつつ自分も楽しんだクチです。設定とかは良くある“近未来の全体主義国家でどーのこーの”ってな感じですが、意外に見せてくれる脚本とか、普通のストリート・ファイトにすれば良いものをあえてカンフー映画の如くバック転蹴りや飛び後ろ回し蹴り等サービス精神旺盛のファイト・シーン、敵をおびき寄せる(かく乱させる)為の作戦とかスリルがあって良かったと思います。僕も初めのうちはハサウェイ少佐が怪しいなぁと睨んでたんですが、冒頭で“オーラム”という苗字だけで名前が表示されていない事が伏線になってると知った時はやられたぁって思いました。初めから予想すれば出来なくもないエンディングですが、それでも予定調和に終わらせなかった事が大いにプラスの方向に働いてると思います。久しぶりにラストで「お~そう来るかぁ」と思わず唸ってしまった(良い意味で)ので、今回は7点を献上したいと思います。 7点(2004-11-04 23:21:49) |
13. グリース
あらすじも何も知らないで見たので、いきなり唄いだしたときは何事かと思ったけれども、あぁなるほどこういう映画かと思ってそのまま見ましたけど、とても面白かったです。オリビア・ニュートン・ジョンといったらジョン・デンバーの【カントリー・ロード】をカヴァーした歌手だと思ってたんで、出演してる事を知った時は「あれ、女優だったの?」と思ってしまいました。アメリカの高校生って、こんなに明るいものなんでしょうかねぇ。それはそうと、こういう時代の作品に登場するワルは今と違ってある種の“仁義”というものをきちんと持ってるような気がするんですけど、気のせいですかね。 7点(2003-12-06 02:47:20) |
14. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
うわぁ!点数高!!しかし同時に「あぁ、これが良いなぁと思ったのはやっぱり俺だけじゃなかったんだ」とも思った。相も変わらず下品だけど、なんか結構良い事言ってるんですけど…。ひろしが正気に戻るシーン、良いシーンだなぁ…。それに「家族のいる幸せをアンタにも分けてやりたいぜ!」良い事言うなぁ…そう、確かに取りようによっては21世紀を生きる人々の忘れてしまった夢や希望を取り戻したいともいえるけど、やはり、懐かしさは思い出として大切に取っておくべきですよ。そして未来とはいつの時代でも希望に満ちているものですよ。“イエスタディ”・ワンス・モア?じゃあ俺は“21世紀”の精神異常者になってやるぜ! 7点(2003-10-20 03:32:07) |
15. 黒い家(1999)
ホラー…ではないですね、これは。サイコ・サスペンスです。そもそもサスペンスとは精神的恐怖を、ホラーは生理的恐怖を表すらしいんで、人間の狂気によって徐々に主人公が追い詰められていくという形態をとるこの作品は立派にサイコ・サスペンスです。平均点が少し低めなんで、あまり期待していなかったけれど、結構質はいいと思う。後半、犯人の家に忍び込むシーンでも、極力人工的な光をカットし、わざと見えにくくしているところも恐怖心をあおるし、度々入るノイズ音も一層不快感を増す効果を生み出していていいと思う。ただ、個人的にいうと西村さんの演技が納得いかなかったのと、大竹しのぶのしゃべり方が無性に腹が立ったのが微妙なところ。なので、この作品を通していえることは、俺はやはり大竹しのぶが嫌いなんだな、と… 7点(2003-10-16 00:02:51) |
16. グレムリン
ギズモから生まれた連中が蛹になったシーンで、親に気持ち悪いから止めてといわれた(マック食いながら見てた)。さすがにそのシーンはグロいなと思ったけど、とても面白かった。あとギズモ可愛すぎ!! 7点(2003-04-29 23:43:38) |
17. クレールの膝
《ネタバレ》 湖畔や山々などのロケーションはとにかく綺麗で、観ているだけで癒やされると言っても過言ではないのですが、主人公の髭おっさんがとにかく自分なりの恋愛哲学のもと、年端も行かない少女に言いよる姿と膝に性的魅力を感じて色々とあれするのが(変態的な描写がないにしても)非常に「キモっ!!」と思ってしまい、それだけで情景の美しさを半減させていたのが残念でした。 ただ、結局主人公の勘違いっぷりが露呈するラストはいかにも「教訓物語」という感じで、そこだけはよかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-03-04 20:43:50) |
18. クラッシュ(2004)
《ネタバレ》 結局人間とは本質的に他者を否定しながらでないと生きてはいけないわけで、そう云うところは良く描けていると思います。 人と触れ合う事がなくなってしまったからこそ、互いを求め合う。求め合いたいが故に、衝突を繰り返すというある種の逆説的なことを見事に映像化していると思います。 ただ、殆どの連中がどーでもいい事で争っていると言うのも興味深い。 例えば 「ドアを直さなけりゃ錠は直らないですよ」 「じゃあドアを直してくれ」 「ドア職人に言ってくださいよ」 「じゃ錠を直せよッ!」と物凄く見当違いな問答。 それも伏線ではあるんですけど、結局のところ、人種差別ってのはただの取っ掛かりで、人間てのはそんなどーでも良いような事ですぐ争う愚かな生き物なんだっていうある種の皮肉のようなものを感じました。 [DVD(字幕)] 6点(2006-10-21 07:02:56) |
19. 孔雀王
「孔雀王/アシュラ伝説」を先に見てしまったため、他の人とは違ってどうも三上博史の孔雀は微妙なる違和感が少々あったけれども、最近のCGバリバリとは違った独特のおどろおどろしさをもつストップ・モーション・アニメーションやら何やらB級感ありありで個人的にはなかなか楽しませてもらいました。ストーリーの方は取るに足らないようなものなんですが、後半のユン・ピョウ対リュー・チャーフィの2大カンフースターの熱きバトルが物凄く嬉しかったです。 6点(2004-07-09 19:13:03) |
20. クンフー・マスター 洪熙官
洪熙官(ハン・カーロ)とは清朝に実在した武術家で、かの黄飛鴻(ウォン・フェイホン)が師事した南派少林寺・洪家拳の始祖の事…な~んて歴史的考証なんかまったく気にせず見られるカンフー映画です。とにかく圧巻なのは洪熙官ことドニー・イェンの動きの速さ!百烈脚(?)やら無影脚(?)やらをつかってのとにかく速いカンフー・ファイトが楽しめます。しかし…格好良く撮ろうとしてるのは判るんですが、どうも時たま挟まれるスロー・モーションや不自然なカット割り等でもう一息というところで興ざめになってしまうのが痛い。まあ、それ(とチープな映像)さえ気にしなければなかなか面白い作品です。それにしても…まさかこれにも出て来るとは思わなかった…空飛ぶギロチン!(笑) 6点(2004-05-10 05:09:49) |