1. クラッシュ(2004)
《ネタバレ》 自由の国アメリカが抱える闇の部分を全部並べて見せたようなこの映画、もちろん見てて心地いいワケはないんだけど…案の定、かなりホロ苦な後味で。 もちろん終盤にかけて「良心」もちゃんと描かれてて希望もわずかに感じられはするんだけど、実際長くロサンゼルスに住んでたアタシとしては、あんなもんじゃ到底ホンワカした気分にはなれないわ…。 怒りや憎しみは感染力の強い病気みたいなもの、世の中にはイヤなことも理不尽なこともたくさんあるけど、だからってみんなが憎しみをバラ撒いてたら…みんな感染しちゃってサンドラ・ブロックが言ってたように「毎朝、起き抜けから機嫌が悪い」ってことになっちゃう。 映画の中では善意の伝播も描かれてるけど(TVプロデューサーが車泥棒の黒人少年をかばう→黒人少年が密入国したアジア人を解放する)、いかんせん善意は憎しみほど感染力が強くないのよね…。 いいことあったから皆さんにおすそわけ!ってより、ムカつくことあって八つ当たりしちゃった…ってことのほうが断然多いもの(アタシだけ??)。 …聖人のように清く正しくってわけにはなかなかいかないけど、あんまり人にイジワルしてたらバチが当たるから自重しなきゃね。 憎しみの連鎖を積極的に断ち切ろう!とは言わないけど、蔓延のお手伝いだけは避けたいわ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-11-13 18:03:42) |
2. 紅の豚
《ネタバレ》 ポルコ・ロッソがひたすら渋い!! オトコはやっぱ顔じゃなくて中身よねー。 ダンディズム満載のこういう映画って、ともすると単なるオトコの自己満足に終わっちゃうもんだけど、この映画は主人公がブタさんっていうひねりのおかげか、アタシも最後まで置いてけぼり食らわずにすんだわ。 とは言ってもアタシはやっぱり終始マダム・ジーナ目線で「ホント男っていつまでもガキよねー」みたいな感じだったけど。 でもそのマダム・ジーナも結局ポルコ・ロッソの少年性に惹かれてるんだろうから…男と女は堂堂巡りね。 それにしてもブタさんの声の渋いこと! この映画は森山周一郎のダンディなお声ナシでは考えられないわ。 そしておトキさんの艶やかな歌声! アドリア海の至宝、誰もが惚れる大人のイイ女マダム・ジーナの声をアノ加藤登紀子がやるってのもある意味斬新だけど、しっとりした歌声はさすが! とってもステキだったわー。 …観客に想像の余地を残したラストだけど、元に戻ったブタさんのお顔もアタシはちょっぴり見てみたかったなー。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-08-31 15:23:39) |
3. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
《ネタバレ》 当時フランスの高校生たちが大熱狂して社会現象にまでなったというこの映画だけど…アタシがあんまり入り込めなかったのはやっぱり年齢のせいかしら?? 夢とロマンに生きる海の男たち(ジャックとエンゾ)に惹かれつつもイマイチ理解しきれない女(ジョアンナ)がラストで一生懸命振り絞った一言「Go and see my love.」はとっても切なかったけど…結局ジョアンナは海という共通項で結ばれたジャックとエンゾの強い絆には勝てなかったってことなのかしら? 男の世界は女にはわからん!ってピシャリと言われたようで、アタシとしてはなんとも遣り切れないっていうか。 でもオンナが妊娠したって言ってるのに自殺するオトコってどうなの? しかもそんなエンディングの映画をアンヌ・パリローとの娘ジュリエットに捧げるリュック・ベッソンって…。 やっぱりフランス人って筋金入りの超個人主義なのね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-04-23 15:44:52) |
4. グリーン・カード
《ネタバレ》 かなり前に見たときはそうも思わなかったんだけど、今回再見してみて上品ぶってる割にエゴの塊みたいなブロンティのイヤなオンナっぷりにビックリ! こんなに最低なオンナだったっけ!?みたいな。 でも…そんな堅物オンナが人生を謳歌してるジョージに触発されて少しずつ可愛げのある女性に変わっていく過程がステキ! 温室付マンションのためだけに偽装結婚した植物オンナが最後には「温室なんかどうでもいい!」って言い切っちゃうんだから…フランス男の手練手管はスゴイわねー。なんちゃって。 それにしてもブロンティはフィルなんか選ばなくて良かったわね。 好きで活動してるくせに自分は立派だと勘違いしてるああいうナルシスト系はタチ悪いわよ。 PETAとかシーシェパードとかさ。 話がそれちゃったけど…今度こそブロンティとジョージがうまくいくといいわね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-04 15:51:35)(良:1票) |
5. グランド・ホテル
《ネタバレ》 主要キャラが5人もいると収拾つかなくなっちゃうんじゃ…って最初は思ったけど、全然そんなことなかったわ。 頑張らなくても5人それぞれのストーリーがすんなり追えたってことは、やっぱり映画自体の作り方が上手なんでしょうね。 アタシは今回が初グレタ・ガルボだったんだけど、やっぱりスゴイのね、オーラが。 情緒不安定で精神的に脆そうなグルジンスカヤの「大スター!だけどオンナ…」みたいな雰囲気…アガルわー。 これでもかってほど掛けられた紗も「往年の大女優」って感じでステキだったし。 あと現実的だけど根は優しいマテリアル・ガールのフレムヘン役がとってもよくはまってたジョーン・クロフォードも良かったし、紳士的なコソ泥男爵も、瀕死だけど豪遊中の帳簿係のオッチャンも、お猪口の裏並みに器が小さい社長さんも、それぞれちゃんとキャラが立ってて。 …すべての登場人物がほかを邪魔しない程度にちゃんと目立ってるってことが群像劇では大事なんでしょうね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-07 16:26:29) |
6. グッドモーニング,ベトナム
《ネタバレ》 これは…英語がわからないと価値半減どころか1/3くらいになっちゃうわね…。 ロサンゼルスで育ったエセ日本人のアタシは『オズの魔法使』のパロディとか懐かしくって大笑いしちゃったけど、一緒に見てた友達は「何が面白いの??」って感じだったし。 …ベトナム戦争を扱った「異色作」なわけだけど、アタシはベトコンであることをクロンナウアに隠してた少年トワンの涙ながらの訴えがこの映画のすべてな気がするわ。 結局はアメリカ人の善意の押しつけが元凶なのよね…。 現地の人々や文化をまるで無視した「俺サマの言うとおりにしろ」的なアメリカの外交・軍事介入の稚拙さ・強引さを、ロビン・ウィリアムズのキワどいDJっぷりの影でチクリと批判してみせたこの映画…アタシはけっこうスゴイと思うわ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-01 15:44:04)(良:1票) |
7. クレイジー・イン・アラバマ
60年代のアメリカ南部を舞台に、弱者である女性と黒人それぞれにとっての自由を並行して描いているわけだけど…若干ちぐはぐな印象はどうしても否めないような気がするわ。 とってもコケティッシュなメラニーのほうは、毒気のあるユーモアたっぷりでとっても楽しいし、黒人差別問題のほうは重くて考えさせられる内容で、どっちも単独で見たら良いんだとは思うんだけど…二つのテーマをわざわざ混ぜる必要があったのか、と。 もちろん二つを同時に見せることでドギツサとか重さを中和してる部分もあるだろうし、その奇妙なギャップが興味深いとも言えるんだろうけど…アタシはやっぱりどうしても不謹慎に感じちゃったわ。 それにしても、メラニーかわいい!! やっぱり彼女はこういう役をやらせたらピカイチね。 [地上波(字幕)] 6点(2005-06-21 18:52:10) |
8. クレージーモンキー/笑拳
ホント元気いいわねえ。 ってコメントもどうかと思うけど。 ホホ。 でもこの時代のジャッキー流香港カンフー映画って独特の雰囲気があってけっこう好きなの、アタシ。 安心感があるっていうか。 でもこの作品ではおじいちゃんが死んじゃうのでけっこうビックリしちゃったわ。 だってこのシリーズ、いっつも死ぬ人あんまりいないじゃない? ところでジャッキーの女装、けっこうかわいかったわね。 あんなに筋肉隆々な割にほんとに女っぽかったし。 あ、アタシも「八本足のキリン」は不思議に思ったわ。 これといって説明ないまま終わるし。 誰か教えてー。 [地上波(字幕)] 6点(2004-06-17 20:19:41) |
9. クリスマスに雪はふるの?
なんて男なの!!!!! サイッテーね!! ほんと憎らしいわ。 こんな男、さっさと見限って夜逃げでもなんでもすればいいのに。 って言いたいところだけど、フランスの田舎ってほんとなんにもないじゃない? 野垂れ死にしても一年ぐらい発見してもらえなそうな、ほんとに淋しいところがいくらでもあるから、おいそれとあの男から離れられないんでしょうね。 しかも母親は孤児だからおそらくしっかりした教育も受けてないだろうし、第一7人の子供を抱えて暮らしていくなんて、女手ひとつでできることじゃないわ。 そこにつけこんで好き放題してるあの男が、それにつけても本っ当に憎たらしいわ。 あんなヤツはどうせロクな死に方しないわよっ! …最後のささやかな奇跡はほんとにステキだったわ。 彼女はきっと一生あの日の雪に感謝するわよね。 …あー、また泣けてきちゃったわ。 愛情あふれるステキなお母さんと7人の子供たちが、これから先もたくましく生き抜いていくことを心から祈るわ。 [地上波(字幕)] 8点(2004-06-12 20:53:29) |
10. グレート・ウォリアーズ/欲望の剣
なんだかすごかったわ。 あの女も修道院で育った生娘にしちゃあ色気たっぷりだし、都合に合わせて男を裏切りまくるし…あの男も助けてくれたら助けてやるなんて誓っていながらあっさり裏切るし…中世の人って節操なかったのね。 動物的っていうか。 でも事の発端はアーノルフィニーなのに、っていうかヤツが一番悪いはずなのに、死んだのかと思ってたら生きてるし、最後はアーノルフィニー側の勝利だし…なんだかスゴイわね。 唯一アタシが同情したのはアーノルフィニーの息子のスティーブン。 彼はただ一人マトモな人だけど、他はみんな悪者だと思うわ。 …中世に生まれてなくてホントよかったわ。 ホホ。 [地上波(字幕)] 6点(2004-05-08 16:46:36) |
11. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!栄光のヤキニクロード
《ネタバレ》 アタシ、はじめてクレヨンしんちゃんの映画見たんだけど、けっこうおもしろいのね。 意外にもかなり笑えたわ。 アタシのツボだったのは、みさえがバタフライで海から登場するとことか、ヒッチハイクのひろし&みさえとか…。 けっこうピンポイントかしら? 噂に聞く感動的な前作も見てみたいけど、こういうおバカなのもまたいいわね。 それにしても冒頭に出てくるパックのお肉、おいしそうだったわー。 焼肉食べたくなっちゃったわ。 ホホ。 [地上波(邦画)] 7点(2004-03-27 21:03:35) |
12. グロリア(1999)
《ネタバレ》 アタシ、ジーナ・ローランズ版は見てないんだけど、どうやらこっちが先で良かったみたいね。 いい方を先に見ちゃうと、どうしても比較しちゃって評価が厳しくなっちゃうし。 アタシ、シャロンの外見は大好きなんだけど、なんかシャロンはどんな役やってもシャロンでしかないっていうか…本人の印象が強すぎるのかしら? それとも演技ベタ…やだ、アタシったらなにげに誰よりもキツイこと言ってる? でもアタシ、ニッキーを取り戻した後のモーテルのベッドでの二人の会話はすごく好きよ。 あそこは自然でとっても微笑ましかったわ。 他は…それなりに楽しんだわ。 ホホ。 今度はぜひジーナ・ローランズ版を見てみるわ。 [地上波(字幕)] 5点(2004-03-03 20:37:16) |
13. クリビアにおまかせ!
《ネタバレ》 アタシすごく好きよ、こういう映画。 なんか、ほんとの悪人は一人もいなくて、とってもハッピーで。 衣装もかわいいし歌も踊りもステキ。 アタシ、引っ込み思案なイェットのアヤシイ動きとか、すごくツボだったんだけど。 盗み癖のあるヘリットのブリーフ姿(キャー)もかわいかったし、エルトン・ジョンみたいなワウターにも笑ったわ。 でも…一時間でいいかもね。 オランダ本国ではもともとTVドラマだったらしいけど、それぐらいの扱いのほうがいいのかも、と思ったわ。 でもとにかく、まったく頭を使わずにアホみたいに笑って見ていられて、しかも見終わったら幸せで優しい気持ちになれる映画なんて最近なかなかないし、アタシはとっても好きでした。 [映画館(字幕)] 8点(2004-02-14 17:32:30) |
14. クイーン・オブ・エジプト<TVM>
《ネタバレ》 今をときめくハル・ベリーがかつて出たTV映画らしいわ。 ビデオ屋で偶然見つけたんだけど、まあ…TV映画ね、って感じ。 話も淡々と進むし。 アタシはタイトルからいかにも古代エジプトっぽい、もっと豪華な感じの、ハル・ベリーの美しさがもっと際立つ感じのゴージャスな映画を予想してたんだけど、いつまでたってもエジプトが出てきやしねえのよ。 おかしいわね?って思ってたら、原題は『SOLOMON&SHEVA』。 シバってのは現在のエチオピアからイエメンの辺りなはずだから、シバの女王は「クイーン・オブ・エジプト」ではないわ。 エジプトが出てこないはずよっ! こんなふうに邦題が完全に間違ってるのって…アリなのかしら? タイトルが間違ってなければもう少し素直に楽しめたかも。 でもタイトルが原題どおりだったら借りなかったかもしれないわね。 ってことはアタシがまんまとしてやられたってこと? …今度からビデオを借りるときはもっと内容を吟味してからにするわ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2003-12-14 14:57:21) |
15. クレオパトラ(1963)
《ネタバレ》 なんてステキな世界! アタシはエジプトが大好きなもんで、最高に楽しんだわ。 舞台美術と衣装デザインは、だけど。 映画としてはみんなが言ってるように、ひたすら長いし…内容も可もなく不可もなくって感じ。 なぜかしら?と考えてみたんだけど、それはこの映画には感情移入できる登場人物が一人もいないという事実のせいだとアタシは思うの。 クレオパトラも悪女になるならそれに徹してくれればカッコイイのに、なんか中途半端だし、アントニーなんてどこまでも煮え切らない、どこがいいのか全然わからない男だし…。 でもね、考えてみればアタシに古代エジプトの女王や古代ローマの武将の気持ちがわかるはずがないのよ。 というわけで無理矢理納得することにするわ。 ホホ。 でも登場人物の心理がもっとわかりやすく表現されてたら、もっとよかったかもしれないわね。 この点数はすばらしい舞台美術と衣装デザイン、そしてエリザベス・テイラーのあの古めかしい美しさ(特に鼻のラインがとってもキレイなの!)に献上よ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2003-12-07 20:28:14) |