1. グラン・トリノ
きっと,この作品はイーストウッドの遺書なのでしょう。アメリカンスピリットの象徴たるグラントリノを引き継ぐ者は,アメリカ出身・白人でなくとも,血がつながっていなくても構わない。イーストウッド評価で「魂のあるヤツ」が,後継者ってわけですね。ラストシーンの独唱。役柄を超えて,イーストウッド本人が「俺のバトンを受け取ったか?後はよろしく。じゃあな」って言ってるように聞こえて,ちょっと寂しかったですね。 [映画館(字幕)] 7点(2010-02-23 17:37:50)(良:1票) |
2. ぐるりのこと。
妻が好き夫が好き子供が好き母が好き父が好き兄が好き妹が好き同僚が好き絵が好き人間が好き・・・孤独の連帯があり、絶望に希望がある。ひとはひとを大切に想う。「そうしなければならない」からではなく、「好き」だから。これから何人のひとを好きになれるのだろう。カナオや翔子のようになれるだろうか。 [映画館(字幕)] 9点(2009-02-15 09:54:00) |
3. クライマーズ・ハイ(2008)
山をめぐる死と生を共通項として,「夏,昭和,濃いキャラ,喧騒と熱気,迫力,対立,スピード」という要素と,「静寂,孤独,現代,枯れたキャラ,融和,スロー」といった反対要素のコントラストで描くという狙いはわかるのですが,監督の演出や気合が空回りしている部分,不親切な箇所,不要と思われるエピソードなどが散見され,そこで観るほうの勢いというか集中力が落ちてしまうのが気にかかりました。ただ,役者さんの演技をはじめ全体としては良く,最後まで見せきる強烈なパワーを持った作品だと思いました。面白かったです。 [映画館(字幕)] 8点(2008-08-08 11:49:16) |
4. クラッシュ(1996)
「いろんな人に警告したい映画」以外の何物でもない。事故ったついでに頭もクラッシュしてしまった人達。一体オマエら何考えとるんじゃ? [映画館(字幕)] 2点(2004-02-17 18:40:20) |
5. グッバイガール
この手の映画は大好きなはずなのに、話に入り込めなかったのが自分でも意外だった。大人2人のかけあいはよいとしても、ルーシーが絡んでくると引いてしまう。そもそも子供で観客の気を引く手法が好きでないのに加えて、こんな洒落た会話できるわけないじゃん!余計なこと言うな!と感じる場面が多かったように感じる。「今から観れば」という限定符つきだが、要するに彼女のオトナコドモのステレオタイプが余りに古臭く、「洒落っ気のある会話」というより「洒落っ気を出そうとしている会話」に聞こえてしょうがないのだ。ただでさえ田舎臭い2人をさらに田舎臭くするような演出では、せっかくの洒落たセリフも台無しである。確かにあの子がいると、2人の関係がはっきりするし妙味も加わるのかも知れないが、洒落た雰囲気を作るなら、ルーシーがもうちょっと引いた存在であっても良かったのではないかと思う。 6点(2004-02-17 13:11:56) |
6. グリズリー
クマがショボかったのは、当時の私にもわかった。「これは怖いんだ大きいんだ」と無理やり自分に言い聞かせながら観た。 3点(2004-02-13 13:54:29)(笑:1票) |
7. グレムリン
このへんから「製作総指揮スピルバーグ!」みたいな売り方がされるようになった気がするが,20年経った今でも,未だにその神通力があるかのように思われているのは正直驚く。当時の感想としては「なんかグロい」みたいなビミョーな感じであったが,それはジョー・ダンテだったからか。なるほど。 4点(2004-02-10 19:40:37) |
8. グッドモーニング,ベトナム
「ベトナム戦争帰還兵に対するオマージュ」というぐるぐるさんの観方 に賛成。話芸は重要だが,この映画のキーではないと私も感じた。また,それとは別の視点からこの映画を切り取ったanemomeさんのレビューがユニークだと思うのでちょっと一言。氏の文脈で言えば,この映画以降,戦争モノのテーマは「第二次大戦悲話」にシフトしていったと私は思う。品のない言い方だが,この映画は「ネタ」という意味では行き着くとこまで行った作品で,私は映画の良し悪しよりも,新鮮なネタを探していかなければならない商業映画の業みたいなものが気になった。第二次大戦ブームも一段楽した今,スタンスは違えど「笑い+戦争」というくくりでは同じといえる「ライフ・イズ・ビューティフル」のような映画が出現するのも当然なのかも知れない。 7点(2004-02-10 12:49:04)(良:1票) |
9. グリーンマイル
つまらん。主人公をキリストにでもなぞらえたつもりだろうか?私は「よい映画出たがり」トム・ハンクスが嫌いだが,この映画で「よい映画作りたがり」ダラボンも嫌いだということが良くわかった。私はどうも,自分のやっていることが良いこと・正しいことだと純粋に思い込んで疑わない,いわゆるPTAタイプが嫌いらしい。ところで,ダラボン3部作が皆揃って3時間というのはナニかの決まりだろうか?っていうか,3部でホントに完結するのか? 3点(2004-01-25 09:45:06)(笑:1票) |
10. 紅の豚
《ネタバレ》 第一次大戦が終わり,ファシズムが台頭するまでのそのつかの間の間,飛行機は飛行機らしく,飛行機乗りはひたすら飛行機乗りらしかった。そんな時代への愛情とノスタルジーに満ち溢れた世界。宮崎監督は,少年時代に見た一枚の飛行艇の写真の記憶だけでこの作品を作り上げたそうだが,たった一枚の写真からこれだけの世界を創る彼の想像力の豊かさに驚かざるをえない。この映画は「あの飛行機を飛ばしたい」という宮崎少年の夢なのだ。ラスト近くに魔法が解けて豚が人間に戻るシーンがあるが,これはそんな夢みがちな少年が憧れる時代が終わり,これから不幸な時代に突入していくことの隠喩である。「飛べない豚はただの豚」かも知れないが,彼はもう豚ですらないのだ。何かと問題になっている牧歌的なラストも同様で,これ以降飛行機が殺人機械に成り下がっていくことへの彼なりの反対表明であると思う。また,重要なことなのに何故か見落とされがちだが,この映画では人は死なない(私の記憶では)のである。それ故,私はその後にたどった歴史の残酷さを思い,さらにそれを感じさせまいと全編牧歌的なトーンで描いた監督の心中をも察し,胸が痛くなるのだ。マッキM33(赤飛行艇)の手作りの造形美,アドリア海の美しさ,「飛行機乗り」達の爽やかさと嫌味のない男らしさといったものが存在しえた古きよき時代を,そしてそれらが失われていく哀しみを味わう作品である。 9点(2004-01-16 10:52:56)(良:4票) |
11. グリーン・カード
《ネタバレ》 一言で言うと地味。いや、地味というより抑えて作った良質のラブストーリーという感じだ。前半、物語は淡々と進んでいくのだが、だからと言って対照的な2人の性格や考え方の描写に手抜きはない。ピアノのシーンでは爆笑するが同時に胸が痛くなる。ドパルデューはがさつで品がないかも知れないが、根っからの嘘つきではないことが分かるから。お互いを思いやる面接のシーンも泣ける。せつないラスト!はこれまで観た映画の中で最高の「結婚式」だった。あのラスト一発、ドパルデュー一発で「結婚は形ではない」というメッセージがひしひしと伝わってくる。 8点(2004-01-13 11:47:38) |
12. グーニーズ
私も子供の頃に観たが,何か作り物っぽくてこの世界に入り込めなかった。我ながら嫌な子供だと思う。 4点(2004-01-08 16:16:12) |
13. グロリア(1980)
7点(2004-01-08 16:02:52) |
14. グローリー
マシューについては賛否両論あるみたいだけれど,私はどちらかというと「否」派。グールド?大佐役は難役で,こなしきれてない印象を受けたから。ただし,その演技で作品がダメになるほど酷いというわけではなく,彼は頑張ってギリギリのところで踏ん張っていたと思う。作品自体は正攻法のソツない演出で手堅くまとまっており,見て損はない良作。特にケチをつけるところもないのだが,傑作か?と聞かれると素直にウンと言えないのは何故だろう?。優等生過ぎるんだろうか(私のズウィック評は全てなんかこんな感じ。ファンの方ごめんなさい)。 8点(2003-12-25 10:57:48) |