1. グランド・ホテル
《ネタバレ》 当時の豪華スター競演の話題性で、鳴り物入りで公開されたみたいですが、どうも今一つの感がぬぐえません。そもそも、おばあちゃん以前の時代の映画ですから、説明映像とかがないと、スターはガルボとクロフォードとジョン・バリモアの3人だけだと思っちゃいますよ。え、あの無能な社長もスターなの?って感じで。それともうひとつ、今一つに感じる理由は、スターに遠慮して、ガルボとクロフォードが直接競演しなかった結果、話の掘り下げが浅くなってしまったことです。ドラマとしてはいっそ、スターなんか使わない方が5人の主役を絡めてもっと面白い展開に出来たと思います。でもそれだと、看板のオールスター・キャストが消えちゃいますから、難しいところですね。 ただ、この映画が後の時代に与えた影響は大きいです。グランド・ホテルは今やシティ・ホテルと化して、世界中に散らばっているし、映画としても、オールスター・キャストと「グランド・ホテル形式」を確立した雛型ムービーになってます。ここまでになったのは、話題だけの薄っぺらな駄作にならずに、見せ場や構成を考えて、全体を品良くまとめたからだと思います。俳優はスター性は関係なく、バリモア兄弟とクロフォードがなかなかの好演でした。脇役のスゼットやシノヴィッツがいい味で、あとはやっぱり出て来るだけで、空気が一変してしまうグレタ・ガルボの美しさが特筆ものでしょう。ただ演技は少々オーバーアクションですが。 [DVD(字幕)] 6点(2004-06-19 12:46:32) |