1. クローバーフィールド/HAKAISHA
《ネタバレ》 アイディアひとつで随分新鮮に見られるものだということには感心する。しかし、わざとかと思うほど突っ込みどころが多い。何があっても壊れないビデオカメラとか、何があってもちゃんとビデオを廻し続けるとか、さっきまで瀕死だった女が全速力で走ってる(これには寧ろ爆笑だったが)とか、その他にも多々、誰でも突っ込みたくなる箇所の多いこと。序盤が延々と結婚パーティーかなにかで、あいつとやったとかやらないとか下品な話が続くのもたるい。もっとさっさと怪物を登場させても良かったんじゃないのか。怪物の全身像をはっきり出してしまったのもちょっとがっかり。出さないほうが得体の知れないままで良かった。その得体知れないものに為す術も無く攻撃され続けるところに独特の恐ろしさがあったはずなのにもったいない。地下に潜ったら、いきなり普通のエイリアンものになってしまうのもハリウッドの想像力の貧困さを感じる。発想は良かったけど、完全に生かしきるには到らず、明らかに粗い。まあそれでもアイディア賞で6点。 [DVD(字幕)] 6点(2009-09-01 05:00:34) |
2. グエムル/漢江の怪物
《ネタバレ》 化け物の登場シーンが素晴らしい。電車の窓からの視点による化け物の襲撃シーンなどの挿入が、なんと利いていることか。この勢いで面白くなるかと思いきや、妙なおふざけが緊張感を根こそぎ削ってしまう。つっこみどころ多数。リアリティ度もどんどん落ちていく。まあそれは措いても、やはり悪ふざけが前面に出すぎて、娘が攫われたという緊張感が無いに等しいという点がどうにも受け入れ難い。娘の結末には自分的には納得がいったし、ふざけないでいてさえくれれば普通に楽しめたんだがね。惜しいとこ。鑑賞後、「殺人の追憶」の監督さんだと知って納得。あれも無駄なコメディタッチが緊張感を裂く出来だった。これがこの監督のカラーということなんだろう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-05-31 17:45:24) |
3. クレオパトラ(1963)
お金は掛かってるのは判るが、前半も後半も特別引き付けられるものがない。これじゃぁコケても止む無し。クレオパトラが何を求めていたのかも明確に見えてこない。ある程度男を焚き付けてはいるが、そんなに権力欲があったようにも描かれず、なんか中途半端でぼやけ気味。その時々で目指すものが違うような。最後はメロドラマで綺麗に終わるけど、なんだかね。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-04-20 18:11:42) |
4. 孔雀 我が家の風景
《ネタバレ》 ひとつの家庭の三人兄弟の今思えば幸せだった昔を弟が振り返るという感じの映画。まずは姉パート、兄パート、そして自分パートと、三分割してそれぞれの生活を描くという構成。正直これが失敗。殆ど意味がない。素直に同時進行させて描いた方がわかりやすくまだ面白くなるだろうと思える。中途半端に計算高いだけで、いまいちバイタリティに欠ける姉など、人物の魅力が根本的に欠如している。彼等の歩む人生も魅力的とは言い難く、ただただ長いだけだった。どうでも良い奴等のどうでもいい人生など本当にどうでもいいのである。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2008-04-18 03:10:42) |
5. クィーン
《ネタバレ》 もっとエリザベス女王におべんちゃら気味の映画かと思っていたが、思ったほどでもない。終盤は結構べんちゃら気味ではあるけれど。ダイアナに擦り寄ったかと思えば女王に擦り寄るお忙しいブレアが象徴的な、あっちもこっちにも良い顔をしようとしたような作り。これでは主張がぼけるのも当然だ。もっとエリザベス女王の功績や人間性のみに目を向けた映画なら観る価値はあったかもしれないが、下手にダイアナ事故を扱ったがために今更感と嘘っぽさが強くなってしまいました。 [DVD(字幕)] 5点(2008-04-18 02:53:31) |
6. クライシス・オブ・アメリカ
《ネタバレ》 「影なき狙撃者」のリメイク。チップによって催眠を施すというアイディアはなんとも現代的。チップでどうこうするにはちょっと大げさすぎる気もするが。オリジナルにあった母親の復讐心という隠し味は確か今回はなかったものの、母親の存在感は圧倒的。というかメリル・ストリープが圧巻。それにしてもオリジナルでも思ったことだが、大統領にしようという男にわざわざ殺人を犯させるのはリスクが高すぎだろう。目撃されない保証は無いんだから。 [映画館(字幕)] 6点(2008-02-29 19:57:20) |
7. グッドナイト&グッドラック
《ネタバレ》 赤狩りという方がインパクトがあるせいか、鑑賞前は赤狩りがテーマの映画かと思ったが、観てみると報道やジャーナリストの姿勢を問うた映画だった。主人公のジャーナリズムに関する演説は非常に重みがあって良い。ただ、実際に面と向かって直接議論を交わすということがあるわけでもなく、迫力や盛り上がり感は乏しい。実に淡々と論理展開だけが続く感じ。映画としてはなんとも微妙で評価が難しい。当時のフィルムを多用しているようだが、新しく撮った部分とでは映像の鮮明度に差がありすぎる感じ。もう少し鮮明度を落とすべきかと。また、主人公を信奉するもう1人のジャーナリストの存在やその愚かな行動がどうも余分に感じられてならず、感覚に水を差される。 [DVD(字幕)] 5点(2007-08-27 22:35:08) |
8. 狂った果実(1956)
《ネタバレ》 アンビヴァレンスさは十分伝わってくるし、北原三枝の裏のある悪女っぷりも良い。しかし殆どの出演者の演技が学芸会レベルで冷める。豪快なラストの展開も昔の映画ならでは。現代でこんな演技と展開組んだら叩かれそうだ。演技力の低さにマイナス1点。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-08-21 23:07:26) |
9. 草を刈る娘
《ネタバレ》 キャラクターもそれぞれ生き生きと描かれているし、爽やかでなかなか楽しめる青春コメディ映画。ライターをうんこの匂いを頼りに探すというのは凄い話だ。「外国の女はうんこの匂いを頼りにライターをさがしてなどくれないぞ」という台詞はまさにそりゃそうだが、日本人でもそうそう探してはくれません。狼だ豚だとそこらじゅうで喧嘩が始まる展開も面白かった。殺人事件はちょっとやりすぎの気もするし、そこから急展開過ぎるという感じは受ける。二人が初めから好意を持ちすぎているので恋愛の展開としての面白さにも欠ける。しかし成り行きを楽しむのではなくそのやり取りを楽しもうとして観ればこれはこれで面白い。前述の「糞の匂いを頼りにライター探し」とか湯中りして倒れたばあ様をテントまで運んでる最中に実はばあさましょんべん漏らしていたりして、ちょっと下品なネタもあるがこれもこれで楽しい。妙な歌が何度も流れたり、多角経営だとか子供の数を管理するとかそんな話などに時代性を感じます。それでも馬草刈りといういつの時代だかよくわからんような設定の話と相まって、その違和感もかえって楽しい。なんだか良く判らない。それが楽しい。こういったものを始めてみたので、日本的なのどかさが新鮮だった。老後はタバコを吸うんだというヒロインの夢も凄い夢ですな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-17 22:37:12) |
10. 九龍の眼/クーロンズ・アイ
続編物らしく、前作を見ていると楽しめるシーンもちらちら。アクションも当然頑張っているものの、やり過ぎ感の強い主人公にどうしても馴染めず仕舞い。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-05-07 18:48:26) |
11. グランド・ホテル
人物の個性や背景の見せ方の作りは中々上手。エピソードのいくつかに魅力は感じるものの、正直期待以上の面白味は感じません。期待が高すぎました。終盤の急展開は流れ的に無理をしすぎかと。 [DVD(字幕)] 6点(2007-02-03 21:44:44) |
12. 熊座の淡き星影
《ネタバレ》 ヒロインはなんとも妖艶で、そりゃあ関係も疑われるだろうし、何があっても不思議じゃありません。結局のところ色々な謎は謎のままで、どれが真実なのかはぼかしまくり。これだけひとつとしてはっきり解明されないままなのに、そういったところに妙に不満が残らないのは、やはり映画として優れているからなんでしょう。オープニング付近の婚約者と二人で実家を訪れるまでの道のりを車の後ろからずっとフォローする長回しは見ごたえがありました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-25 21:49:47) |
13. くまのプーさん 完全保存版
《ネタバレ》 三本のオムニバス物。本の中を歩き回ったり、「何ページから何ページまで」とか「何ページの下の方では」とか本を生かした何気ない演出やコメントが小気味いい。最初の「プーさんとはちみつ」はプーさんが意地汚すぎて嫌な感じがするが、そのあとの二本はプーさんが結構哲学的だったりで楽しい。ぬくもりを感じるアニメ的な楽しさが随所に見られる良作。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-13 22:23:53) |
14. 暗くなるまで待って
普通にサスペンスとして面白い。細々とした伏線が後半効いてくるし、盲目ということがしっかり作品に生かされているところがなにより良いです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-12 23:45:43) |
15. グッドフェローズ
《ネタバレ》 マフィアに憧れ、その世界に入り、さんざやりたい放題やった男が、命の危険を感じて仲間を売るまでの話を男の独白とその妻の独白も交えて、軽快に描いた映画。しかし所詮は悪党が改心したわけでもなく、単に自分の命惜しさに仲間を売って自分は罪を償う訳でもなくのうのうと生きていることを考えると、この軽快さに寧ろ腹が立つ。軽快な割りに冗長で間延びしている印象も同時に受けてしまうも奇妙だ。この程度のネタで二時間半は長いってことなんだろう。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2006-12-17 20:48:41) |
16. 空中ぶらんこ
《ネタバレ》 弟子入りしようと必死に付きまとい、工事の足場でくるくると鉄棒技を見せる様が何気に凄い。女の自分が目立つためには仲間も平気で裏切る様など悪女っぷりが見事だったが、中盤以降、恋が絡むとどんどん普通の女になってしまい、結局は普通にラブストーリーになってしまったのがちょっと残念。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-11-05 17:28:29) |
17. 雲のむこう、約束の場所
《ネタバレ》 まあストーリーはめちゃくちゃ適当。世界観を描ききれて無いというより、描こうという姿勢すら感じないため、どれほどセンチメタリズムに語られても、シチュエーションに対して感情移入のしようもない。ひたすら感傷的な独白に、ギャルゲー的過ぎる会話と設定。ここまでいくとさすがに聞いてて気持ち悪くなる。 [DVD(字幕)] 0点(2006-07-27 20:07:58) |
18. クール・ランニング
笑いのセンスが良いし、テンポも上々。人間性の成長、シリアスな人情面との混ぜ合わせ加減も程良い。実話が元でも、内容は殆どがフィクションくさいが、仮に全部がフィクションでもこれは良い。 [DVD(字幕)] 8点(2006-07-17 14:30:06) |
19. クローサー(2004)
どろどろじめっとした下品な下ネタ話で埋まってる映画。話自体も無理があり、そんな無理な世界でどうでもいい奴のどうでもいい下話を延々聞かされても困ります。 [DVD(字幕)] 1点(2006-07-10 19:56:17) |
20. 黒い瞳
《ネタバレ》 意外とコミカル。いい加減で調子がいいだけの主人公に観る側が感じる不満を、話を聞いていた誠実な男が指摘してくれるので、多少気分は救われます。これがあるとないとでは大違い。鑑賞後、誰かとラストシーンの後どうなるのかを話したくなる終わり方は○。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-07-07 18:06:03) |