1. 空気人形
《ネタバレ》 最初は少しかったるいかと思っていたのですが、主人公が幸せモードになったアタリから巻き込まれてしまいました。私でも少々どぎつい印象を持ったのでまずは好き嫌いが別れる映画だと思います。ピノキオに始まってブレードランナー、T2やAIなどこの手のテーマは多いですがここまで生々しく描いた映画もそう無いように思います。ゴミためのような街でゴミような人々がそれでも生きているという事を「空気人形」を通して切々描きながら、ドキュメンタリー出身の監督さんだからかリアルながらも綺麗な映像で撮っています。群像映画的な要素もあるのですが細かい要素をうまく拾ってまとめているように思えました。最後に女性が「きれい」と言う光景は「きれい」というにはあまりに切なく悲しい光景でエンドロールが始まっても劇場内の空気がしーんと止まっていたのを憶えています。「何で空気人形が韓国人なんだ?」(設定も韓国人ぽい)とも思うのですが観ているうちに絶妙の設定に思えてきます。ペ・ドゥナが見事、絶妙な映画です。 [映画館(邦画)] 8点(2009-10-01 19:07:11) |