1. 刑事コロンボ/策謀の結末<TVM>
《ネタバレ》 旧シリーズ最終作にして最大のスケールの事件。コロンボのプジョーがハイウェイを疾走するは、沿岸警備隊はおろかFBI(姿見えず)は出てくるは、コロンボじゃないみたいです。さて今回の犯人は北アイルランド援護協会の会員。この協会、人道的援助をうたい文句にしていますが実は武器を密輸するとんでもないヤツらです。我らが警部はそこに単身乗り込み「ウチのカミサンがね・・」「あとひとつだけ・・」といつもの調子で、チクチクと嫌がらせ捜査を開始します。犯人のほうも武器密輸の件があるので、コロンボに付けこまれるわけにいかず比較的丁寧に相手します。酒場でのダーツや詩のやりとりが見所です。そうした中、コロンボは証拠を見つけられず四苦八苦、武器の密輸も気になる。さぁどうするコロンボ!ラストはちょっとあっけないですがコロンボの「ここまで、これを過ぎず」のセリフと、なんともいえない笑顔が魅力的です。・・・私的ではありますが本作で旧シリーズ45作全てのレビューをしたことになります。昨年の10月末にこのサイトを知ってから通算145レビューにしてコロンボが45本。我ながらコロンボが好きなんだなぁとしみじみ思います。ここまでこれたのは、まずこのサイトを運営して下さっている管理人様、そして盛り上げてくださっているレビュワーの皆様のおかげです。また、コロンボ旧シリーズをDVD化してくれたソニーさん、そしてそのDVDを全て置いてくださったレンタルビデオ屋さんにも感謝。そして何より、このシリーズをここまで製作してくれたピーター・フォーク様はじめ全ての関係者に感謝感謝です。全45作で特に私のお気に入りは・・色々あります。見事な余韻を残す『別れのワイン』、あっ!と驚くラストの『二枚のドガの絵』、厳格な舞台で淡々としたストーリーが魅力の『祝砲の挽歌』、コロンボの観察眼が事件を解決に導く『自縛の紐』、コロンボ唯一の未解決事件『忘れられたスター』、最初のパイロット版2作も素晴らしい、・・・やっぱり1本は選べないです。それだけ素晴らしいこのシリーズ。これからも多くの人がレビューされることでしょう。No1は、それぞれの胸に秘めておくことにいたしましょう。・・コロンボ警部、お疲れ様でした! 7点(2004-04-18 21:27:56)(良:2票) |
2. 刑事コロンボ/攻撃命令<TVM>
《ネタバレ》 5時30分の目撃者と並んで、殺害方法が最も異色な作品。犬を使うところなんざアイデアとしては悪くない。でもねぇ、それだけじゃこのシリーズのクオリティを高められないですね。たとえばゲストハウスの女子大生。彼女の存在の意味が分からない。事件の発見者?ノンノン、不要です。事件の発見者はDrメースンその人でよかったのでは?電話中にチャーリーの悲鳴が聞こえたとか言って・・。そうすりゃ、コロンボにいきなり目をつけられることもなかったかも。警部、奥さんは空手習ってますか? 6点(2004-04-18 16:46:43) |
3. 刑事コロンボ/秒読みの殺人<TVM>
《ネタバレ》 映画のフィルム交換の方法を世に知らしめた作品。犯人の女性があらかじめ録音しておいたカウントダウンが、否が応でも盛り上げる。まさに「秒読みの殺人」。しかし犯人の女性は、野心が強いと言うか勝気と言うか、凄く強い女性でした。おそらくコロンボ史上ある意味最強の犯人でしょう。グウの音も出ないほど叩きのめされた後に、逮捕されたにも関わらず「私負けないわ。必ず這い上がってみせる」てなこと、普通言えません。もしかしたら裁判で無罪を勝ち取ってたりして・・。余談ですが、ロス市警もリストラがあったようで、コロンボとともに多くの事件を解決してきたジョージ・クルーニー刑事がテレビの修理屋に転職しておられました。警部、テレビ買ってやってくださいよ。 7点(2004-04-18 14:59:49)(笑:1票) |
4. 刑事コロンボ/美食の報酬<TVM>
昨今のグルメブームをかなり以前に先取りした作品。次から次へと美味そうな料理が出てきます。キャビア、フグ等々、一流レストランのシェフたちが、「犯人逮捕まで警部にひもじい思いはさせません!」と言って、行く先々でご馳走してくれるもんだから、そりゃもう大変。いつも腹空かしてる警部が今回ばかりは、満ち足りて捜査してます。でも、一番美味そうだったのは、どのシェフが作った料理より最後に警部が作った子牛のステーキですね。オリーブオイルを入れるタイミングがポイント。まぁ犯人はマヌケでしたけどね。状況証拠があれだけ揃えば、証拠が無くても十分逮捕できると思いますが。警部、まさか美味いもん食べたいから逮捕を引き伸ばしたんじゃないでしょうね?違う、こりゃ失敬。 5点(2004-04-18 12:30:19) |
5. 刑事コロンボ/死者のメッセージ<TVM>
《ネタバレ》 殺人を犯すまでのプロセスが丹念に描かれている。それゆえ自然に犯人に感情移入してしまう。つまり判りきっているのに殺人が成就することを期待してしまうのだ。さて今回の犯人は推理小説の女流作家。正にミステリーの女王、アガサ・クリスティを彷彿とさせる。言うなれば「殺しのプロ」である。姪を殺した?男を殺すのだが、殺害方法が良く言えば「凝ってる」、悪く言えば「んな、アホな!」である。密室を利用して窒息させるのであるが、この窒息させるという方法は『別れのワイン』以来2度目か。まぁ私は、この方法は無理があると思うが、トリックや謎解きだけが評価の対象にならないところがコロンボの魅力なのだ。警部、ロールス・ロイスの乗り心地はいかがでした? 7点(2004-04-17 23:53:49) |
6. 刑事コロンボ/殺しの序曲<TVM>
《ネタバレ》 動機もあり、機会もあり、方法も判った。しかし決定的な証拠が無い。傘の中の爆竹だけじゃ危うい。さてどうしようか。もちろんコロンボは最後のブラントが思わず口走ったトリックも分かっていたはずで、後は如何に自供させるかです。昔から美人ほど容姿を気にする、といいますが、どうやら天才も同じのようです。彼にもう少し自制心があれば、コロンボの罠にはまることもなかったでしょうが。まぁもっとも、そんな自制心があれば、殺人など犯しませんが・・。ねっ警部! 7点(2004-04-11 18:41:43) |
7. 刑事コロンボ/黄金のバックル<TVM>
《ネタバレ》 やっと、自分で登録した作品をレビューする運びとなりました。さて、この作品は世間の評価は余り高くないんですが、私は嫌いじゃありません。確かに、コロンボらしさが余り発揮されておらず、オチもあっさりしています。しかしこの話は、「コロンボが事件を解決する」話ではなく、「ルースが姉に復讐する」話として考えた場合どうでしょうか?そうなのです!ルースは昔婚約者を姉に取られた恨みを、20数年経って、果たしたのです。正に復讐という料理は冷めたころが一番うまいってやつですよ。まず、弟を殺すことによってリットン家の名誉に傷を付ける。弟が強盗と殺しあったと結論されれば、それでもよし。名家ってやつはスキャンダルを嫌いますからね。次に犯人はほかにいるとなると姪に罪を被せようとする。当然、姉は大ショックですよ。そして、最後に自分が逮捕される。弟もルースもいなくなれば、警察と聞いただけで気絶するような、姉はとても生きちゃぁいけませんからね!最後『殿方のエスコートがなければどこにもいけない』という姉に当てつけるようにコロンボの腕を借りて出て行くルース。このとき彼女は20数年の溜飲が下がったに違いない!って深読みしすぎですかね、警部? 6点(2004-04-11 17:56:50)(良:1票) |
8. 刑事コロンボ/ルーサン警部の犯罪<TVM>
《ネタバレ》 カーク船長が犯人です。テレビの人気ドラマシリーズ『刑事ルーサン』のルーサン警部役で登場します。彼はまるで、自分が犯人役を演じるかのように、実生活で殺人を犯します。正直言って、どうって事無い話なんですが、最後にコロンボの怒りが爆発します。まるでゲームのように語るルーサンによほど腹が立ったのでしょう。警部、ルーサン警部なんか、目じゃないですよね。 5点(2004-04-04 19:49:32) |
9. 刑事コロンボ/さらば提督<TVM>
《ネタバレ》 本作にて完結となる予定だったため従来のように犯人が最初にわかりません。またマックなる若い刑事が登場し、いかにも最終作のように物語が進みます。後半関係者全員を集めて謎解きをするのですが、その際若手に進行役を任せます。ところがここでまず、『コロンボ引退』に叛旗を翻すことになります。関係者の一人に「若い者に、やらせてみたんですがねぇ・・」。そして事件解決後、「まだまだ、やめられませんよ。もう少し、やらせてもらいますからね!」と。実は、このセリフは禁煙していたのに、吸ってしまったことを注意された時に言うんですが、どう考えても意味深です。この作品、そろそろ大団円を考えていた製作サイドに、コロンボが叩きつけた挑戦状と私は見ました。警部、引退するには、まだ早いです。 6点(2004-04-04 19:22:33)(良:2票) |
10. 刑事コロンボ/魔術師の幻想<TVM>
《ネタバレ》 久々にウィルソン刑事が登場!彼が古畑における今泉の役割であることが良く分かります。気が回る割には余り役に断たないのですが、何気ない一言がコロンボを時として事件解決に導くところなんて正にソックリ。髪が薄いところも!今回のお話では鍵が文字通りカギとなります。コロンボがサンティーニに観客の目の前で無理やり手錠を掛け、それを開けさせるのですが、サンティーニが手錠を開けたときのコロンボのひとこと、『思った通りでした』とラストの『完全犯罪なんて無いんだよ!』が印象的でした。警部、カミサンのコートはどうなりました? 7点(2004-04-04 13:40:38)(良:1票) |
11. 刑事コロンボ/闘牛士の栄光<TVM>
《ネタバレ》 『ロンドンの傘』『歌声の消えた海』に続く旅先バージョン第3弾。ふとした事から、またもや事件に巻き込まれてしまいます。いくら刑事とはいえ、行く先々で殺人事件が起こるやなんて財前直美、水野真紀、木村佳乃らスチュワーデス刑事や市原悦子(家政婦)並みです。さて、今回はメキシコの元スターマタドールののお話。過去の栄光が忘れられないおっさんが、みっともない姿を見られたというだけで殺人を犯します。まぁラストを含めてかなり無理があるように思います。無理があるといえばロスからメキシコまであのボロ車、いや失敬、古いけどまだまだ良く走る車で、よく行けたもんだと思い調べたらロスとメキシコは案外近いんですな。メキシコの北のほうと仮定してやけど。警部、運転はくれぐれも慎重に。 6点(2004-04-04 00:11:15)(良:1票) |
12. 刑事コロンボ/仮面の男<TVM>
《ネタバレ》 他作品とは一風かわってハードボイルドタッチで楽しませてくれます。なんと言ってもCIAが出てきます。コロンボの家も盗聴されてしまいます。これによりカミサンが蝶々婦人のファンであることが分かります。ラストはあっけないですが時事問題を巧く活用し、まぁ及第点でしょう。疑問が二つ。ラストのジョークと、CIAの部長が『奥様は魔女』のラリーと同一人物なのかということです。警部、教えてください。 7点(2004-03-28 19:12:09) |
13. 刑事コロンボ/ハッサン・サラーの反逆<TVM>
《ネタバレ》 ハッサン・サラーも良く頑張った。まぁコロンボの方が一枚も二枚も役者が上。何といっても国王を味方に付けるんやから!最後の外交官特権を逆手に取った作戦もお見事。しかしコロンボはホンマに第三者にはモテますな。警部、フルーツポンチはお嫌いですか? 6点(2004-03-28 16:10:15) |
14. 刑事コロンボ/忘れられたスター<TVM>
《ネタバレ》 コロンボ唯一の未解決事件。ドラマとして秀逸です。特に最後のダイヤモンド氏の「2ヶ月間は頑張ってみせる」に対しコロンボが「それがいいでしょうね」とグレースをチラッと見ながら言うところは、観ているこっちも「そうしてよ。警部」と頷いてしまいます。この作品、古畑でもコピーされていましたが、それだけ印象深いということでしょう。警部、見逃してくれてありがとう。 7点(2004-03-28 14:13:51)(良:1票) |
15. 刑事コロンボ/5時30分の目撃者<TVM>
皆さん仰る通りラストは強引ですね。まぁラストはコロンボが犯人を屈服させるための演出でしょう。実際にはヴァルビタールの出所をきっちり調べて証拠固めしてたんでしょう。しかし真冬やのにクルージングしたり、プールに水が張ってあったり流石ロスですね。警部、ロスは住みやすいですか? 6点(2004-03-28 12:06:37) |
16. 刑事コロンボ/ビデオテープの証言<TVM>
《ネタバレ》 被害者の娘であり、加害者の妻である女性のちょっとした一言が、事件解決の突破口となります。彼女がつぶやいた何気ない一言。『いすの上に***が見えた』普通なら聞き流してしまう一言を元に犯人を逮捕するコロンボは、やはり優秀な刑事でした。最後、悪あがきする犯人は正に***でした。警部、芸術って難しいですね。 6点(2004-02-22 20:02:18) |
17. 刑事コロンボ/歌声の消えた海<TVM>
ファーストシーンからコロンボが登場する珍しいパターン。カミサンが抽選で当てたメキシコへの船旅に参加します。いよいよミセスコロンボの登場かと思いきや、案の定はぐれてしまい次回のお楽しみって所です。さて今回のコロンボの見所は様々なファッションです。パジャマ、アロハと普段見られない姿を披露してくれます。警部、ヨレヨレのレインコート以外も似合うじゃないですか! 6点(2004-02-22 19:38:19) |
18. 刑事コロンボ/野望の果て<TVM>
《ネタバレ》 『あなたを逮捕します』コロンボのこのセリフで終わる作品を長年捜し求めていました。以前テレビ放送で観たのですが、どの作品か忘れてしまっていたのです。それをついに発見。いやぁ長年の胸のつかえが取れました。作品の出来としては上の下ぐらいでしょうか。ラストは溜飲が下がるのですが、殺人直後の電話がどこから掛けられたものか、もっとはっきりと分かるような気がするのが減点材料ですかね。警部、愛車の調子は良くなりましたか? 7点(2004-02-21 22:02:39) |
19. 刑事コロンボ/毒のある花<TVM>
《ネタバレ》 女王陛下と陰口を叩かれる、化粧品会社の社長が犯人。彼女には十分に人間的魅了があります。コロンボとのやり取りは面白く、彼女が嫌がっている様子も窺え、また主任研究員や産業スパイの女等、脇を固める人物の表現もしっかりしていて秀作となりえるはずなんですが、この点数。これは彼女の往生際の良さにありますね。女王陛下と揶揄されるような人が、あれくらいで観念してはいけません。何のかんのと、白を切りとおさないと、コロンボの活躍が半減です。まぁ、あれだけへばりつかれたら、犯人じゃなくても「ワテがやりましてん」と言ってしまいそうですけどね。警部、かぶれは治りましたか? 6点(2004-02-15 14:46:35) |
20. 刑事コロンボ/二つの顔<TVM>
《ネタバレ》 旧シリーズのセカンドシーズン最終作。パイロット版から通算すると17話目にあたる。コロンボ作品では珍しい犯人が複数います。途中で殺される”協力者”ではなく主犯が一人でないのは、今作と『ロンドンの傘』ぐらいでしょうか。その2作ともセカンドシーズンで作られているのは興味深いところです。やっぱり製作サイドに多少、マンネリに対する意識があったのでしょか?さて本作は犯人に魅力が乏しいです。コロンボの面白さはある意味、犯人の魅力よるところが大きいと思います。いい人であれ、往生際の悪い奴であれ、犯人の人間性がはっきり見えてこないと、それを追い詰めるコロンボも生きてきません。そういう意味では5点でもよかったのですが、使用人のペックさんに怒られてアタフタするコロンボに+1して6点とします。警部、やっぱり他人の家の床に葉巻の灰を落としたらマズイですよ。 6点(2004-02-15 12:50:47) |