1. 拳銃と目玉焼
《ネタバレ》 「8万円のカメラと750円のライトで撮った」という予告編を視聴後に見ましたが、言われなければ気づかない。腕のあるチームが作ったのだろうことが、忍ばれます。■ほんとうに寡黙で地味な主人公のことが、すごく気になる。気持ちを入れ込んじゃう。本作のために出てきた人かとおもいきや、かなりキャリアのある役者さんだったのね。■ハーレーで彼女の元に彼を連れて戻った主人公が、「正義のためでなく、~○○~」と言い切ったシーンが、最後まで弱ヨワのシローだったからこそ胸に響く。そうだよ。そんなもの(正義)のためになんかに、必死にはなれない。■あそこでバスッと切ったエンディングにはシビれましたが、エンドロール後もありますんで、そこ見ないでこのサイト見ている方は、一応チェックおすすめです。 [DVD(字幕)] 7点(2024-10-14 13:15:30)(良:1票) |
2. 劇場版 センキョナンデス
《ネタバレ》 人間にはいろんな属性があるが、選挙の候補者であるというそれは、かなり社会的には不自由な属性になるのではないか。初代デジタル大臣が、むしろ選挙で小川淳也に負けた落選者(比例で救われるけど)になったときの方がまだ「みていられる」ということからもそう思う(おおげさ)。そんな不自由な人間にカメラを回し、聞かれたくないことを聞く本作が面白くない訳がなく、またそんな立場だからこそ聴衆の心をうつメッセージを発する候補者に感心するのだ。ニセモノは、言葉でこそある程度ごまかすことはできるけど、支援者も含めたその振る舞いでは、きっと後ろぐらさを隠せないこともよくわかる。■プチ鹿嶋さんは、文字媒体でしか接したことがなかったのだが、もう少し冷静なひとかと思ったが、熱血漢。これも、選挙の現場に接した高揚によるものか。ヒトは妙な感じで行き詰まったりしたときは、やっぱりそれぞれのジャンルの現場(最前線)に立つべきだよね、と本作とは直接関係ないことを思ったりもしてました。■面白い。続編期待。 [映画館(邦画)] 8点(2023-04-06 16:01:04) |
3. 刑事コロンボ/自縛の紐<TVM>
《ネタバレ》 自分で編み込んだトリックに縛られた犯人と、決め手にもなった犯人により縛られた靴紐のことがかかって、(原題とは似てもにつかぬ)邦題「自縛の紐」が生まれたのだと思います。もしかするとタイトルでネタバレ?とも思いますが、コロンボシリーズの邦題は、すべからく原題とは似てもにつかぬものであり、邦題をつけた人が愛着を持ってつけたんだろうなあと思えるものばかりです。そんな中でも、本作の「自爆の紐」は味わい深いものだと思っています。 [DVD(吹替)] 8点(2023-03-27 19:27:03) |
4. 決戦は日曜日
《ネタバレ》 ■前半、公示日の前までのくだり。新人候補・川島有美の不慣れな感じや空回りするシーンが展開されるのだが、音楽を抑えた演出だからか、ドキュメンタリー的でよりいたたまれない。■しかし、物語が進むほど、本作の登場人物のなかで、政治家にふさわしいのは川島有美氏しかいないと気づくのだ。■本作の「選挙指導」のスタッフである渡辺強氏は、選挙コンサルタント等として20年以上の実績をもち、公職選挙法違反の逮捕歴もある強者。■リベラル候補の選挙活動や泡沫候補のそれはさまざまな映画(ドキュメンタリーだけど)で見てきたが、与党候補のものは初めて見たな。■毎度、なんでこんな選挙結果になるのってのがよく分かる(フィクション)映画です。■勝手知ったる魑魅魍魎がもうすぐその扉をあける、というところで終幕したのはカッコいい。シビれた。■観終わって時間が経つにつれ、だんだんこれは、相当いいぞ。 [DVD(邦画)] 9点(2022-11-28 15:10:49)(良:1票) |
5. 原子力戦争 Lost Love
《ネタバレ》 うーん。俺たち、スキャンダラスなのを撮っているんだからねって、盛り上がっているだけの映画。原田芳雄の原発の守衛所突入がそのピーク。原田芳雄にしろ山口小夜子にしろ、なんでこんなにかっこつけているんだろう。Lost Loveってなんだよ。どういう理由でつけなきゃならなかったのか。あえて映画の内容を分かりにくくしてる?変な映画。 [DVD(邦画)] 2点(2022-03-16 20:47:10) |
6. 刑事コロンボ/攻撃命令<TVM>
《ネタバレ》 犯人とコロンボが初めて会った時。電話のくだりでもう勝負がついていたのに、ダラダラ引っ張ったって感じがします。神出鬼没でどんなところにもノックもしないで入っていくコロンボと、あのゲストハウスのお姉さんにデレデレしているコロンボが少し嫌いでした。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2021-03-11 20:59:05) |
7. 刑事コロンボ/黄金のバックル<TVM>
《ネタバレ》 これは好きですね。それはひとえに、犯人役のジョイス・ヴァン・パタンがカッコいいから。■一方、コロンボはまるで、金田一耕助よろしく、昔の愛憎事件のこと掘り返したりして、確証もなく犯人揺さぶるネタに使ったりしてひどいヤツだよ。■①受話器が外れてないとおかしいと気付かせておいて(一安心させて)、まんまと電気を切ってしまうくだり、②カバンに目を向けさせて、実は灰皿(バックル)への反応を見てたくだりとか、好きでした。■40年以上前の作品ですが、他の出演者はともかく、コロンボ本人のキャラクターは古びないなあと思っています。だから、散髪に行ったらいきなり古臭くなってびっくりしました。■脚本家が、犯人もやっている珍しい(?)回。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2021-02-03 21:06:19) |
8. 刑事コロンボ/ルーサン警部の犯罪<TVM>
《ネタバレ》 「どこでも、私が顔を出すと、皆さん調子がおかしくなっちゃう。」とコロンボ警部が言うわけです。それ、ホントによくわかるわ。■とにかくよく喋る犯人なワケです。コロンボじゃなくとも怪しいと思うよ。こんなに喋って、いったいどんだけ後ろめたいんだ。それをまたコロンボが、太鼓持ちよろしく、どんどん持ち上げるもんだから、ずーっと墓穴掘っている人を眺めているようなイヤなドラマ運びでした。しかし、そんな気の毒な有り様と、やがて明らかになる気の毒な動機と最後涙目になっている犯人。物語初めの「同情される殺人者」の役っていう伏線をまんまと回収したなって、そこは上手かったと思いますよ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-01-26 20:28:29)(良:1票) |
9. 競輪上人行状記
《ネタバレ》 ああ、イヤだ。頑迷な父親、考えるのを放棄した嫂、犬の肉を出す焼き鳥屋、貧乏、ギャンブル、ノミ屋。物語が悪い方向に転がりっぱなしだ。ATG映画みたいだ。ラストシーンは、なるほどこの映画はこういう風に落とすのねとちょっと感心するのだけれど、それもそれまでただただ陰鬱な物語を見せられてたからで。ちっともコメディじゃないじゃんと言いたいのと、もしかしてこれがコメディとして捉えられていた世の中があったのかという迷いがあったり。うーん、日曜日の夜に見るもんじゃなかったですよ。【追記】これは、どうしようもない巡り合わせになったときには、墜ちて落ちて落ちきってから立ち上がれというような、坂口安吾の堕落論的なお話なんだなと思い至りました。それであったら、なおさらちゃんとコメディにしてもらわないと。ラストシーンの小沢昭一的なトコロがやっぱり輝いてたと思いますので。 [インターネット(邦画)] 4点(2021-01-24 21:48:10) |
10. 権力に告ぐ
《ネタバレ》 渥美清みたいな主人公が、植木等のようなバイタリティで難局を乗り切る話なんだけど、コメディではない(シリアス)。…、なんかしっくりこない。とにかく、主人公のヤン検事がいいんですよ。昔、同級生にこんな正義漢がいたようなあというような。また、最後までセクハラ疑惑を気にしていたのねというところも。まあ、面白かったです。しかし、係争中の裁判に関わる事案なのに、やっぱ韓国の人は血が濃いよなあと思いました。作中アメリカ人に「韓国人は理不尽な主張が得意だからね」と言わせるとかなあ。 [DVD(字幕)] 6点(2021-01-17 23:37:06) |
11. 刑事コロンボ/闘牛士の栄光<TVM>
《ネタバレ》 これは、いかがなものか。闘牛士としての誇りが動機だったという皮肉を描きたかったのだろうとは思いますが、逆に言えば、それしか趣向のない脚本ですもんね、犯行は雑だし、にわかに罪を認めちゃうし。脚本家に丸投げされたコロンボが、無理矢理お話のつじつまを合わせているような本作でした。 [CS・衛星(吹替)] 3点(2021-01-09 09:05:51) |
12. 刑事コロンボ/仮面の男<TVM>
《ネタバレ》 ラストシーンの冗談の日本語訳がテキトー過ぎて、なんだかコロンボが物語の最後に気の利いたことを言おうとして、スベってるみたいになってて気の毒でした。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2020-12-23 22:43:14) |
13. 刑事コロンボ/5時30分の目撃者<TVM>
《ネタバレ》 犯人自身が目撃者って話の持っていき方はすごい好き。なので終幕の鮮やかさはあリます。しかし、医者でしか使えない薬物を使って、催眠術で遠隔殺人って、精神科医である犯人のこと、脚本家がバカにしすぎてないですか。ボーデン医師に「(あなたに)殺人事件について質問しているんですよ!」とキッパリ言ったコロンボは地味にカッコ良かったです。【追記】狐狸庵先生って言ってるみたいじゃなかったですか? [地上波(吹替)] 6点(2020-11-27 20:00:44) |
14. 刑事コロンボ/ハッサン・サラーの反逆<TVM>
《ネタバレ》 「これ、公式の詫び状」って、ついでみたいに渡してるコロンボがかっこいい。サラーに負ける気が全くないのですね。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-11-13 09:43:21) |
15. 刑事コロンボ/白鳥の歌<TVM>
《ネタバレ》 物語終盤。魔法瓶の捜索話から、空港でのやり取り、そしてラストまでが気持ちよくハマるので、観終わった直後は気分がいいんだけど。改めて、ここでコメント書くのに思い出してみると、殺しの手口も雑で(魔法瓶の中身捨てないでポイとか、パラシュートの隠し方が行き当たりバッタリとか)、証言も雑(航空カバンの中身が吸い出されたとか)。トニー・ブラウン、なんでこんなに、自信満々なんだ。大物歌手のおもてなし企画だったからなんでしょうね。あと、とても自首するタマには思えません。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2020-09-14 21:50:59) |
16. 刑事コロンボ/第三の終章<TVM>
《ネタバレ》 まず自分が重要参考人になる作戦、は確かに面白い。しかも、マロリー氏の新作の元ネタはエディが書いていたってなると、なんか作り込みがすごくて、どこかで破綻しそうな犯人のこの作戦。でも、グリーンリーフ氏はうまくやってたと思うなあ。優秀な犯人じゃないですか。こんな犯人の最初の綻びが、「彼ら」って言っちゃたのだとすると、やっぱりコロンボすごいですよ。ていうか、つまりいいエピソードです。【追記】マロリーさんって、「マロニーちゃん」って言いたくなりませんでした? [CS・衛星(吹替)] 8点(2020-09-06 21:54:49) |
17. 刑事コロンボ/野望の果て<TVM>
《ネタバレ》 これは、すごいいいんじゃないですか。笑ってるのか、泣いているのか、他の表情なのかわからない、議員候補の犯人がいい。ほとんどノーミスでコロンボをあしらうんだけど、選挙プロモーションビデオの撮影の際に少しスキを見せるのがいい。人生を掛けた大きな目標に届こうとしている(有利な選挙戦を終えようとしている)時に、また小細工をするのが好き。いい犯人じゃないですか。コロンボも解決パートは出来過ぎなような気がしますが、歯医者パートや車の検問パートとか好き。「別れのワイン」、「2枚のドガの絵」と同点で、ワタシのコロンボ作品第2位にします。【追記①】2位が多いな。【追記②】夏に見るとコロンボは暑苦しいな(コート)。熱中症に気をつけてね。 [CS・衛星(吹替)] 9点(2020-08-21 19:29:03) |
18. 刑事コロンボ/毒のある花<TVM>
《ネタバレ》 なんか、ヘンな話だなあとは思ってはいました。ダイエット学校の風景とか、朴訥としたチャーミングな秘書がヘビースモーカーでゆすり屋で、とかね。いきなり終わっちゃうサゲ。間合いの取りにくい作品だったと思います。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2020-08-11 10:59:14) |
19. 刑事コロンボ/二つの顔<TVM>
《ネタバレ》 本作において、おもしろ担当だと思っていたペック夫人。彼女にとってこんな救いようのない話はないでしょう。気の毒。そんな残酷な趣向がおもしろい本作と思っていますが(非道い?)。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2020-07-25 16:18:08) |
20. 刑事コロンボ/断たれた音<TVM>
《ネタバレ》 コロンボ自身が知らなかったように、犯人がこのゴミ処理装置の操作を知らなかったとすれば、近くに操作盤があったとしても、それをいじることはしないでしょう。クスリの件もしかり。ネタが、ワタシ子供の頃好きだった、推理クイズの域を出ていないような気がします。が、しかし。難聴のチェスの名人っていう犯人の設定。冷静でいようと努めるんだけど、感情の高まりを抑えられない。R・ハーヴェイの演技。共感得られないだろうと思いつつ、ワタシ、「マルサの女」の権堂、つまり山崎努を思い出しながら見てました(なんだ、それ)。コロンボの顔が魅力的なシーンが多かったとも思います。ワタシは、好きなエピソードです。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2020-07-18 05:05:38) |