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1.  ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣 《ネタバレ》 
人類を滅ぼして地球征服を企むアメーバ型知的宇宙生物の無謀な侵略物語。 探査ロケットに憑りついて進路を変えることができるが、その方法については詳細不明である。電子頭脳を操れるのだろう。 宇宙線の飛び交う宇宙空間で生息しているのに、超音波に弱いという奇妙な性質がある。その為、イルカと蝙蝠を極度に恐れる。生物に憑りついて、宿主を巨大化させて操ることができるが、巨大化した生物は総じて腑甲斐ない。 ゲゾラはガソリンの炎であえなく焼死。ガニメは誤まって崖から転落し、弾薬庫の爆破で爆死。カメーバは蝙蝠の超音波で錯乱し、同じく錯乱したもう一匹のガニメと同士討ちをしたあげく、偶々爆発した火山の噴火口に飛び込んで落命。 宇宙生物は人間にも憑りつけるが、完全に脳を管理することができず、宿主の人間が溶融した溶岩に飛び込んで運命を共にした。 尚宇宙船が帰還したのにどうして専門家が気づかないのか、島の原住民がどうして将来出現するゲゾラを伝説として予知していたのか、ゲゾラの体温はどうして零下なのか、蝙蝠はどうしてカメーバとガニメを襲ったのか、人間はどうして巨大化しなかったのか等の謎は残る。最も奇妙に感じたのは、島の娘が、ゲゾラに襲われて記憶を無くして正気でない男と急に結婚をすると宣言したことだ。たとえ婚約者であったとしても、男の回復を待つべきだし、正気を失くしている状態では男の両親が承知するとも思えない。怪物がいつ襲ってくるかもしれない中で、即島をあげての祝宴会というのも解せない展開だ。 宇宙生物に助言するとすれば、イカ、カニ、カメなどの小動物ではなく、ゴジラやキングギドラ等の巨大生物に憑りついて、それらを更に巨大化させなさいということ。それなら地球征服の可能性はあったろう。 怪獣造形はガメラ、エビラの劣化版で、火口に飛び込んで終るのは「フランケンシュタイン対地底怪獣」の二番煎じ。特撮はゲゾラの場面の出来は卓抜だが、残りは凡庸。絶品なのは音楽で、音楽だけでも鑑賞する価値がある。
[インターネット(字幕)] 6点(2014-08-26 21:32:48)
2.  ゲッタウェイ(1972) 《ネタバレ》 
犯罪ロード・ムービーの形を借りているが、本質的には、妻が不貞で夫婦中に亀裂の入った夫婦が、再び絆を取り戻してゆく話。妻が不貞を働いたのは、裏取引で夫を刑務所から出すための方便。頭では理解できるが、心では消化できずに妻を愛しているが許せない夫の感情の揺れが主題。カットバックを多用した刑務所での息苦しいまでの抑圧された場面、刑務所を出て、あまりの自由さにとまどい、自分を取り戻すまでの場面が丁寧に描かれるのもそのため。逃走の緊張と夫婦間の緊張の相乗効果が、映画を魅力的にしている。ゴミ収集車に閉じ込められるというアイデアは秀逸。二人は自分たちをゴミのようにしか感じられないところまで転落したが、落ちるところまで落ちたことで今度は上昇に転じる。汚れたことで心の虚飾が払われ、歩み寄ることができたのだ。妻の傷を気遣う夫の姿はけなげだ。「傷は浅い、跡は残らない」は夫婦の絆の傷のことでもある。映画の常道をわざとはずした意表を突く展開には目を見張る。監督は「人生はささいないこと、小さな偶然によって大きく影響される」という人生観の持ち主に違いない。コイン・ロッカー詐欺師が札束を一つ胸ポケットに入れたことから、巡り巡ってドクの人相が警察に知れる。カー・ラジオが故障したことから、ラジオ店の主人に素性を見破られ、警察がやってくる。また観客を驚かすことが多い。最たるものが悪者に脅されて同道を余儀なくされた獣医の妻が夫を裏切り、悪者に寝返るところ。大した意味はないのに、ドク夫婦のパロディのようにつきまとい並列展開する意外さ。獣医は耐えきれず自死するが、おばか妻はそれを歯牙にもかけない。悪者もドクに撃たれた時、とどめまで刺されているので誰もが死んだと思ったが、生きていた。防弾チョッキを着ないと思わせた伏線が効いているのだ。この男がボスに連絡すると思いきや単独でドクを追う。ドクもドクで、どこにでも逃げればよいのに、律義に計画通りにエルパソという国境の町に向かう。案の定そこには敵の手下が待っている。最後のシーンも面白い。「一万ドルで車を売れ」「二万にしてくれ」「三万でどう」この掛け合いで夫婦の仲が完全に修復されたことがわかる。男はひょんなことで三万ドルを手に入れた。こんな事があるから人生は面白いし、いつでもやり直せる。監督のそんな声が聞こえてきそうだ。
[DVD(字幕)] 8点(2012-07-01 07:49:12)(良:3票)
3.  刑事コロンボ/忘れられたスター<TVM> 《ネタバレ》 
刑事が鬼の首を取ったように断言する「フィルムが切れたせいで映写時間が伸び、犯人のアリバイが成立しない件」は、本人が意図的に巻き戻したとすれば説明がつく。例えば、再び見たい部分があったとか、トイレに行っていたとか、うとうとしていたとか、言い訳はいくらでも可能。詰めにキレが無い、というかバカバカしいほどだ。裁判で一蹴されること請合いである。物証なら硝煙反応のついた犯人の手袋。 ◆犯人は認知症なので、責任能力はなく、逮捕しても起訴は不可能。記憶を喪失する病気で、余命二ケ月となれば万人の同情を買う事必死である。友人がかばって犯人の名乗りを上げるのはわかるが、寄り添ってあげた方が親切かもしれない。◆犯人の夫はいつ妻グレースの病気、動脈瘤のことを知ったのか?知っていたのなら医者なのだし、当然治療に専念させるべき。知人たちにも内内に話し、妻がゆめゆめ舞台復帰など本気で考えないように差し向けるべきではなかったか。少なくとも妻のパートナーには打ち明けるべきでしょう。又本人に告知するという選択もあった。世界一周の旅を計画していたそうだが、病気のことを思えば論外で、妻の舞台復帰をやめさせるための方便と推量される。それにしても妻が重篤というのに、ユーモア冒険譚「マクトウィグ夫人の変身」をわざわざ求めて読むなんて、どういう神経をしているのか。◆グレースは帰宅してすぐに睡眠薬をくすね、運動しやすい黒服に着替えた。その時すでに夫殺害の意志があったのは確実。それならあらかじめ車庫から拳銃を持ちだしておけばよかった。これも脳障害の影響?◆犯行動機は表面上「舞台復帰を反対する夫を殺害し、資金を調達するため」だが、認知症のためどこまでが本気で、どこまでが妄想なのか判断できない。しいて動機を忖度すれば、スターだった若く輝かしい日々への過度の憧憬と脳の病気が重なり、自己中心的な考えに憑りつかれたというところか。それで愛する夫を殺害してしまったのだから、悲劇である。翻って犯行はアリバイ考察、拳銃による自殺偽装と非の打ちどころがなく、用意周到さを窺わせる。このあたり脚本の矛盾を感じる。咄嗟的で幼稚な犯罪だったが偶然の産物により、プロと見まがう犯行に見えるようになったとする展開ならリアリティが増しただろう。◆二ヶ月は持ちこたえてみせる⇒三日程度。◆木を伝うシーンは二人ともスタントマンが行っている。残念。 
[地上波(吹替)] 6点(2011-07-31 21:27:16)
4.  刑事コロンボ/ロンドンの傘<TVM> 《ネタバレ》 
妻の色仕掛けでプロデューサーを籠絡し、マクベス公演を実現させるとはさもしい俳優夫婦です。相当おちぶれていたのでしょうね。その割には良い暮らしぶりですが。 ◆被害者であるプロデューサーは明日初演の公演を中止させるとわめくが、それならこそこそ誰にも見られずに楽屋裏からやってくる必要はないと思う。 ◆女優の投げたクリーム瓶があたっただけで死ぬのは不自然。心臓発作か? ◆楽屋番の男は、女優の楽屋に置いてあった被害者の高級傘を何故自分のものと間違えたのか?女優の楽屋に自分の傘を置いておいたのか?それに傘は入口の傘立てに置くものと思うが、あのホールには傘立ては無いのか?イギリスでは部屋の中に傘を持ち込む習慣があるのか?刑事はどうして傘が部屋にあったと考えたのか? ◆被害者はどういう方法でホールまでやってきたのか?歩きでは無理な距離。車は家に置いたまま。タクシーを利用したのか?それならタクシー運転手が名乗り出ると思うが?執事の話では被害者宅付近では雨は一滴も降らなかった。が、車には雨の跡があった。勘案すると被害者は自分で車を運転したことになる。そして車は犯人が元に戻した?細かいことを言えば、車体に雨の跡があったというが、それは埃などがつもった車体の話であり、毎日洗っている車に雨の跡など付かないと思うがどうだろうか? ◆階段から転落したと思われる被害者のポケットの老眼鏡が壊れていなかったことが事故死を疑うきっかけとなったが、老眼鏡はそんなに簡単に壊れるものではないだろう。死体は仰向けに倒れているのだし。 ◆なぜ長年脇役専門だった俳優夫妻の蝋人形ができてるの?さんざんモデルをやらされたと女優が言っているが、舞台で主役を務めたのはつい数日前。舞台の影響はそんなに大きいのか? ◆被害者の蝋人形は何故傘を持っているの? ◆最もロンドンらしいと感じたのは、パブの中が中流階級用と労働者階級用とに仕切られていたこと。そして上流階級の憩うクラブ。高級感あふれる室内、天井は高いし、ティーセットは豪華。階級社会を垣間見た。 ◆執事が夫婦を恐喝するのは絶対にコロンボの仕込みと思ったが違った。長年仕えた主人を殺した犯人に仕える気分はどうだろう? ◆刑事のスーツケースが一週間も経ってから見つかるのはなぜ? ◆刑事の傘のトリックは自白を引き出すためのご愛嬌。二人も殺しているのだから仕方が無い?
[地上波(吹替)] 6点(2011-07-31 11:50:06)
5.  刑事コロンボ/美食の報酬<TVM> 《ネタバレ》 
事件のあったレストランで、コロンボが犯人と初対面する場面でゴッド・ファーザーのパロディをしている。遊んでますね。◆あの魚は河豚じゃなくてハリセンボンで毒は無い。◆被害者があのワインを飲むとは限らない。犯行方法が杜撰。◆犯人は有名人で金はあったはず。レストランを脅してまで金を取る必要があるのか?◆警察は組織で動いているので、刑事を殺しても意味はないと思うが、どうだろうか?刑事の態度と風貌のせいで、たった一人でぼんやり捜査しているように見えてしまうのだろうか。状況証拠のみで物証がないのに、わざわざ物証を持って出かけてゆく心理がわかりません。◆被害者が厨房の引き出しをバタンバタン開け閉めしたのは何故だろうか?小切手の控のありかを知らせているのなら締める必要はないはずだが。あんな場所に無造作に置いておくのも無造作すぎる。◆犯人は最後の対決シーンでワインの栓抜きを取り替えた。抜け目なく栓抜きに印をつけておいたコロンボにバレてしまったのだが、どうしてすぐに栓抜きを元に戻さなかったのだろうか?いくらでも隙はあったはずである。それにあの場合栓抜きなど使う必要もなく、直接ワインに毒を仕込むことも可能だった。◆栓抜き(ワインオープナー)はガス噴射式のものだろう。針がコルクを貫通して、ガスを送り込み、内側からコルクを持ち上げるもの。その知識がないとトリックがわからない。「CSI」だとCGを駆使して微に入り細に入り説明するが、コロンボシリーズでは口頭で説明するだけ。◆刑事はカートリッジが怪しいと睨み、鑑識に検査を依頼する。でもどうして針を検査しないのか?そもそも机の上にあった料理に関係するものは全て持ち帰り、鑑識に通すのが常道である。それなのに料理を作った調理人は容疑を晴らすため料理を食べまくり、コロンボも食べる。ワインオープナーは持ち帰らない。こんな杜撰な捜査がありますか?だから犯人は翌日やってきて栓抜きを交換できた。◆刑事は犯人が警察から被害者が毒で死んだと聞いて、医者にも行かず、まっすぐ店にかけつけてきたので怪しいと気づいたと高言する。しかし警察から詳細を聞かされているはずもなく、1時間以上も経過しており、それで体に異常がなければ医者になどいかなくて普通だろう。料理評論家であれば普通の人より中毒などの知識、経験も豊富であるはずだ。◆何故銀行員が刑事にケーキを出すんだ。
[DVD(吹替)] 6点(2011-07-31 00:47:02)
6.  刑事コロンボ/自縛の紐<TVM> 《ネタバレ》 
被害者の紳士靴が紐を結んだままロッカーにあり、 運動靴には誰かに結ばれたとわかる結び目。 これが被害者が何者かにより運動着に着替えさせられた動かぬ証拠であり、犯人しか知りえない秘密。 何故なら被害者はたった一人でオフィスに遅くまで残っていたのだから。 一方で犯人のアリバイ工作。 犯行後自宅に戻った犯人は、被害者の録音テープを使って自宅の別の電話にかけ、電話に出た秘書にその時点で被害者は生きているとみせかける。だかここで犯人は決定的なミスをおかす。「運動着に着かえてトレーニングしているそうだ」などと、客に余計な一言を加える。 捜査により、被害者が何者かによって運動着に着替えさせられた事実が判明した時点で、犯人が明らかになる。鮮やかで爽快感のあるエンディング。 犯人は墓穴を掘ったわけだが、被害者も墓穴を掘っているようにみえる。 まだ不正経理の調査が終わってないのに犯人に内容をぶちまけ、罵詈雑言を浴びせ、集団告訴すると脅している。そして今日から会社にたった一人残って調査を続けるとも。これじゃあ殺してくれと頼んでいるようなもの。普段には電話の会話を録音させている用心さはどこへいったのやら。 それにそんな調査は専門家にまかせればよいのに。後悔先に立たずである。 性急な行動が死につながった典型的な例。 原題「an exercise in fatality」は「死のエクササイズ」。これは「exercise in futility」(無益な行い、徒労)の語呂合わせだろうか。「無益な行い」は被害者にあてはまりそうだ。 ミステリーとしてはシンプル、1ボディ(死体)、2トリック。大部分は刑事のコミックショー。
[地上波(吹替)] 6点(2011-07-30 19:12:47)
7.  刑事コロンボ/パイルD-3の壁<TVM> 《ネタバレ》 
これは典型的な「死体無き殺人事件」。 トリックは無きに等しく、せいぜい空港に被害者の自動車を運んだだけ。 これは乗客名簿や監視カメラを調べればすぐにばれるもの。 このせいで、第三者の介在が証明され、殺人事件の様相を呈することになった。 愚策弄するに価わずである。 犯人にとっての正解は車も隠しておくことだった。 捜査の焦点は死体がどこにあるのかの一点のみ。 シンプルなだけに捜査は難航する。 死体があるかどうかも不明であれば、捜査の士気も上がらない。 犯人は隠し場所を刑事の「大きなビルの下に死体を埋めこんでおけば百年経っても見つからんでしょう」という言葉からヒントを得る。 ところでパイルなんていくらでもあるのだから、犯人は一度掘り起こされたパイルに固執する 必要はなかった。適当な時期に適当なパイルに放り込んでおけばよかった。もっとも死体も腐敗してくるから、急ぐ必要はあったが。 最後に「わからなことが一つだけあった。死体はどこに隠していたんだ?」って刑事は訊くけど、 そもそも探してないじゃないか。警察が被害者の関係各所を徹底的に家宅捜査して、犯人を精神的にあぶりだす展開であればよりリアリティがでた。 【疑問点】 ①失踪事件は、殺人課の刑事が担当することじゃない ②建築家は、実業家(資金提供者)に内緒で勝手に都市計画を実行しようとしているが、ありえないことだ。ヨーロッパに居たからといって、電話くらいはできただろうに。実業家の妻に建築計画のに対しての何の権限もないのは明らか。犯行動機にあたるこのあたりの描写が弱い。建築家の不用意と思える行為に必然性を持たせる必要がある。妻がどうしてもやりたい計画だったとか、建築家に何らかの野心があったとか。 ③夫から何日も連絡がないのに妻が心配しないのは不自然。まして夫は長期に渡るヨーロッパ滞在から戻ってきたばかり。文化の違いだろうか。 ④元妻が警察に捜索願いの電話をして、警察が勘違いして現妻に事情を聴きにやってくる。捜索願いには書類が必要で、元妻が警察に出かける展開の筈。 ⑤パイル(杭)を掘り出して、コンクリートを掘削しているが、その必要はなく、パイルが露出した段階で、レーダースキャンすればよい。 ⑥現妻より、元妻の方が美人で被害者のことを心から案じている。これは新鮮な演出だった。
[DVD(字幕)] 7点(2011-07-30 11:51:32)
8.  刑事コロンボ/逆転の構図<TVM> 《ネタバレ》 
ユーモア・ミステリーとして秀逸。ユーモアは、教会の救済所で浮浪者に間違えられたり、灰皿がなくて葉巻の灰をポケットに落とすところなど傑作。 【疑問】 ①「良く練られた計画殺人」の筈なのに、事件当日に奥さんを待たせて、暗室で1時間もかけて脅迫文を作っていたのは何故だろう?わざと奥さんを怒らせているとしか思えないのだが。 ②そもそも殺人動機が不明確。性格の不一致で離婚すれば済むのに。それに夫婦不和は、犯人の浮気が原因では? ③犯人は共犯者の借りているモーテルの鍵をどうやって入手したのか? ④モーテルで共犯者のカメラを盗んだのは犯人。そのカメラで誘拐写真を撮る必要があったから。でもそんな手のこんだことをする必要はないだろう。普通に返してもらえば良いのだから。 ⑤犯人がモーテルに入ったときの鞄は黒だったのに、廃車場では茶色に変わっている。鞄の中には紙幣も入っており、代える理由が不明。 ⑥犯人は共犯者との約束の時刻にどうして30分も遅れたのか? ⑦犯人は共犯者に脅迫状を見せて巧妙に指紋をつけさせるが、元となった新聞にはつけていない。少し考えれば脅迫状に指紋をつける犯人などいないのだから、逆にすべきだったのだ。カメラには共犯者の指紋がついている筈で、これは正解。 ⑧刑事が共犯者の周囲を洗わないのはどうしてか?洗えば、簡単に犯人と交友関係が出てくる筈。また金の出どころも洗わないのはどうしてか?農場など買えるお金がある筈もないのだから。それに農家を買うお金があれば誘拐など行う必要がないので不自然さに気づくはず。農家を買ったのにモーテルに住んでいるのも変である。死体を始末しないで放置するのも不自然。普通は隠す筈。 ⑨殺害部屋は太陽光が差し込んでいるので影で時間のトリックが判明すると思う。 ⑩刑務所の写真集なんてあるの?肖像権の問題があるはずだが。 ⑪最大の欠点は死体がすぐに発見されるように仕組んだこと。どこかに隠せば、死体無き殺人で、捜査は困難を極める。 ⑫刑事の仕掛けたトラップは証拠としては弱い。プロカメラマンであれば、印画紙からそれを撮影したのはどのカメラか、ある程度察しがつくのではないか?あのカメラは特殊で、その場で印画できるタイプであり、メーカーも限られているだろう。
[DVD(吹替)] 6点(2011-07-28 01:25:41)
9.  刑事コロンボ/別れのワイン<TVM> 《ネタバレ》 
原題の "Any Old Port in a Storm" は、慣用句「Any Port in a Storm(嵐の中の港=窮余の策)」と「Old Port(古いポルトガルワイン)」をかけたもの。オールド・ポルトは具体的には、刑事がレストランで一芝居打ったときに使用したオールド・ヴィンテージ・ポルトのこと。つまりここでの窮余の策とは、刑事が捜査に行き詰まって用いた策のこと。又「結婚の申し込みに困っての窮余の策(犯行自白)」という皮肉な意味にもとれる絶妙な題名になっている。 【犯行】 刑事が犯人のデリケートな舌を使って確認したのは、ワイン蔵の空調が止まり、蔵の温度が40度以上になったことがあるという事実。無類のワイン愛好家である犯人にとってワイン蔵の空調をとめるなどあるえない行為。にも関わらず、そうせざるを得なかったのは余程の非常事態が発生したと推量される。例えば殺人など。犯人は空調をとめたことを秘密にしていた。それは駄目になったワインをこっそり捨てていたことからも窺える。何故秘密にするのか?それは何か秘密にしなければならない出来事があったからだ。それ故に種々の状況証拠と合わせて勘案すると、秘密の暴露は犯人の自白に等しい。 ところで「蔵の空調を切ったら窒息死するのか?」という疑問がある。高度に密閉されているわけではないので、窒息はしないだろう。この事件の場合、偶然に部屋の温度が45度以上になったことにより、熱中症にかかり、窒息死したのだと思う。死体現場の様子からして、被害者は一度は意識を回復したようだ。少し暴れた様子が見て取れる。  犯人の意図は一週間水・食料なしで衰弱死させることだった。 初見では「空調を切ったのではなく、電源を切った」だった。電源を切れば扉が開かなくなり、閉じ込められると考えた。これは見直して間違いと判明。 【犯人と刑事の関係】 たいていの犯人は刑事を小馬鹿にするか毛嫌いする。だが今回の犯人は、刑事がワインを勉強をしていることで、それなりの敬意を払っている。レストランのシーンで刑事のワイン知識をほめているが、あれは本心からだ。刑事も犯人に悪意は抱いていない。犯人の事情に同情し、ワインに対する熱意、デリケートな感覚を理解しているからだ。だからわざわざ別れのワインを用意した。最高のデザートワインで別れにふさわしいもの。ワインの芳香が漂ってくるような余韻の残るエンディングに乾杯。
[DVD(吹替)] 7点(2011-07-27 19:53:47)
10.  刑事コロンボ/秒読みの殺人<TVM> 《ネタバレ》 
殺人に関して。時間がなかったとはいえ、ミスが目立つ。関係者しか入れない、テレビ局の重役室で拳銃をぶっ放せば、まず内部犯行が疑われる。かつ手袋を映写室に置きっぱなし、拳銃をエレベーターの天井に置きっぱなしはいただけません。けどテープの時間を聞きながらの部分はサスペンス感がありました。肝になるアリバイトリック「フィルムの パンチ」は目新しく感心しました。警部が遠近両方メガネから殺人犯は知り合いだとする推理は見事と思いました。ここで内部犯行説が決定。アリバイトリックを見抜いたのは、映写技師が戻ってきた直後の場面を覚えていたから。近頃のテレビは暴力シーンが多いと嘆く伏線がちゃんとあり、脚本みごと。犯人を騙すニセ拳銃トリックはずるいです。ニセ拳銃を回収したからといって犯人とは限りませんしね。裁判では証拠にならないでしょう。もっとも感心したのは、犯人ケイの人生を鮮やかに浮かびあがらせていること。小さな家に生まれ、強い上昇志向を持ち、男性社会の象徴ともいうべきテレビ局で男と対等に渡りあい、成り上がろうとした。恋人である上司が昇進して、成功も恋も両方手に入れたと思った瞬間、別れ話となり、昇進の見込みもなくなる。それに逆上しての犯行。だが感情は抑えて、キャリアウーマンらしい冷静な殺人。一見動機としては不十分に思えるのですが、あの上司がいる限り昇進はありえないことを考慮すれば十分だったと考えていいでしょう。この女性ケイの過去を知っているので、ついつい感情移入してしまう。観る側は警部ではなく、ケイの立場になり、警部の行動にいらついたり、はらはらしたりする。丹精込めて作成した作品「プロフェッショナル」が、不本意な形で放映され、それの責任をとらされてクビに。さらにその放映がきっかけでアリバイトリックがばれる。切ない展開ですね。その一方でこんな自己中心的な女ははやく捕まってしまえとも思う。アンビバレントな感情を起こさせる強力な個性の持ち主です。犯行がばれても「私は負けないわ」と強気で言い放つケイにどんな人生が待ち受けているのか。そのとき出される「パンチ」。ケイのこれからの人生の暗示ですね。
[DVD(吹替)] 7点(2009-09-22 13:27:51)(良:1票)
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