1. 結婚しようよ
《ネタバレ》 本作は「結婚」と「音楽 (吉田拓郎) 」という、二つの大きなテーマに絞ってコメントを。 まず、三宅パパが会社帰りに突然連れ帰ってきた、どちらかと言うと冴えない感じの青年に、美人長女が (なぜか) 一目惚れして、早々に結婚まで決めてしまう? ・・わからんでもないが、結婚するまでの過程は重要だし、もう少し説得力のある展開にしてほしいところ。それに、就職が決まっていながら、それを辞めてまで蕎麦屋に嫁入りする、という人生最大の決断をするにあたり、彼女の心境の変化とか、苦悩とか、絶対にあるはずなのに、どうしてそこを描かないのだろう。 三宅パパが頑なに家族全員でご飯を食べようとする理由、松方夫妻が不便でも田舎暮らしにこだわる理由、そのあたりも私には理解できませんし、色々と人物たちの掘り下げが足りなかったように思えます。全体的に、役者が熱演してはいますが、ストーリーとしては感動的なエピソードを羅列しているだけで、その脚本は杜撰である、と言わざるを得ません。 吉田拓郎さんの歌については、代表曲をたくさん聴くことができたし、これは満足でした。語り草となっている「つま恋2006」コンサートもよかったと思う。でも、本作最大のトピック (感動) が既存のライブ映像を流用したものでは、映画の作りとしてはちょっと残念な気がしますけど。 [DVD(邦画)] 4点(2022-12-22 21:26:23)(良:1票) |
2. 犬猿
《ネタバレ》 まず、四人の兄弟姉妹に対して、四人の役者たちが全く違和感なくハマっていて、とてもよいキャスティングだったと思えます。(これ重要) ちなみに私は兄と弟がいるけど、私の経験からして、ハッキリと言いたいことを言い合える、ってのは仲の良さの裏返しみたいなもんだ。本当に犬猿の仲なら、ほとんど口を聞かず目も合わせずお互いに干渉することすらないし。でも、こんなふうに吠え合って引っ搔き合うような関係、だからこそ「犬猿」なんでしょうけど。 問題児ばかりの本作ですが、登場人物たちの素行や性格については、割と温情的な描き方をしています。しかし、夢や希望を持つことには徹底的に現実的。どう見たって、この兄では、起業や商売は無理だろうし、この妹では、女優は難しいでしょう。そしてこの姉さんでは、彼とは不釣り合いな気がします。つまり、「分相応に生きろ、そして人に迷惑をかけるな」という、根は実にシンプルなテーマのお話。だから、(自分に近い) 誰かに感情移入するのもアリですが、唯一ご自分をよくわかっている弟さん、彼の目線で客観的に人間観察をしても面白い映画かもしれません。 個人的には、吉田大八監督「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を思い出す映画でしたが、ご自身のオリジナル脚本で良質な映画を撮り続ける吉田恵輔監督にこれからも注目したいと思います。 [インターネット(邦画)] 7点(2021-06-12 20:38:33) |
3. 県庁の星
意外と面白かった、けど。 残念なことに、主人公、野村聡の私生活がほとんど見えないんです。どうして、131分もありながら、彼の部屋での暮らしぶりを映そうとしないんでしょう? 彼、独身男性でしょう? 一人で自炊してたり、洗濯物を干していたり、いびきかいて爆睡してたり、そういう姿に人間味や生活感を感じるってものです。これだから、本当に「県庁」の人にしか見えないし、野村聡ではなくて織田裕二なんですよ。 まぁ、一般庶民の暮らしに放り込まれてみて、「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!!」てのは身に染みてわかったと思うけど。 [DVD(邦画)] 5点(2019-10-10 00:11:00) |
4. 劇場版TRICK トリック 霊能力者バトルロイヤル
このシリーズもマンネリぎみだな、、と感じてきた矢先にまさかのまんねり村。制作陣もよくわかっていらっしゃる(笑)。因みに、秘境のようなこの山奥深くにどうやってあの巨大クレーン車が入り込めたのか。大会参加者たちのトリックよりも気になる謎だが、こういうツッコミは野暮ってものだろう。 [DVD(邦画)] 4点(2015-01-09 00:48:39) |
5. 解夏
《ネタバレ》 目が見えるというのは本当に幸せな事だと痛感。次第に視力が弱り目が見えなくなる、というのは想像しただけでも怖いが、実際にこういう病気と闘っている人がいる事実も忘れてはならないと思いました。長崎の風景、それと難しい役を演じた柄本明さんが特に印象に残りました。 [映画館(邦画)] 6点(2013-11-15 21:58:13) |