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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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1.  劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re: 《ネタバレ》 
テレビアニメ8話分を92分という荒業でまとめた前編とは一転して、 残りの4話分を描いた後編はそこまで駆け足でもなく、日常パートをじっくり描いてから、 クライマックスの学園会の演奏を際立たせる構成を取っている。  結束バンドのメンバーそれぞれの欠点を補いつつ学園祭の演奏を成功させ、 キラキラしたギターヒーローになった大団円で終わるわけでもなく、 いつものライブハウスで演奏してバイトする、ただの日常に戻っていく。 どこか客観的で、どこか醒めている、前編とは違う空気を感じる。 テレビ版のラストを見たとき、ひとりは一つの殻を破ったと解釈できるが、 新規カットであるその先の幼少期のシーンにどこか不安を覚える。 "ぼっち"とさえ呼ばれていなかったあの頃みたいに戻ってしまうのではないかという不安。 成功譚をコミカルに描いた妄想が強ければ強いほどに。  映画としてはなかなか楽しめる作品であるけれど、78分でそこまで思い切った編集があるわけでもなく、 一本の映画として2時間半で一気に描いて欲しかった気持ちはある。 ただ、日常4コマギャグマンガから独立した"青春の翳り"を何倍も増幅させたのはアニメ版ならでは。
[映画館(邦画)] 7点(2024-08-10 00:33:01)
2.  劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:
TVシリーズは視聴済みでこちらが日常系ギャグアニメなら、 劇場総集編はひとりの成長譚とバンド結成の青春物語としての側面を強く押し出している。 ただのTVシリーズの総集編として描くことはせず、 オリジナルの8話分の内容を92分でコンパクトに収めてしまったのだから、 テンポ重視で潔くバッサリ編集してキチンと「映画」として仕上げていた。 自分が気付かないだけで地味に新規カットは多数含まれているだろう。  映画ではあえて描かないことによって登場人物の背景に深みを持たせており、 劇場版が初見の人には逆にTVアニメを見たくなる仕組み。 ひとりに焦点を当てている分、青山吉能の超絶技巧による奇人変人ワンマンショーが一層際立つ。 唯一の取り柄を持った欠点だらけの日陰者にスポットライトを当て、 Z世代ならではのドライな空気をほのかに感じさせる、新たな切り口の音楽映画だ。
[映画館(邦画)] 7点(2024-06-07 21:33:27)
3.  劇場版 SPY×FAMILY CODE: White 《ネタバレ》 
描かれている内容はいつものSPY✕FAMILYです。 劇場版のため、相応のスケールになっているものの脚本が大味すぎる気がする。  第一印象としては映画クレヨンしんちゃんを少々シリアスにスタイリッシュにしながらも適度にギャグ多めと。 『暗黒タマタマ大追跡』『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』ぽさが随所に見られる。 タイプFはともかく、スナイデルとドミニクとルカがボコられてそのまま退場は消化不良。 末路等もう少し掘り下げて欲しかったなと。 ロイドもヨルも立ち回りが凄すぎて、アーニャに隠す素振りも見せず、 三者三様、互いに正体がバレてもおかしくないのに。  ロイドの異動危機や浮気疑惑や伝統菓子がクーデターに絡むには弱めで、 早い段階で解決かあちらから自滅という形で収束。 フォージャー家以外の準レギュラーは顔見せ程度のちょっと台詞があるくらいで(フィオナはやや優遇)、 興行成績次第ではシリーズ化を見込めることも視野に、彼らの活躍は次回に持ち越しかもしれない。 そういう意味であえて腹八分目でこれからを手探りしているとも言える。  世界観とキャラクターの最低限の説明があるため、原作及びTVアニメ未見の人でも楽しめるだろうし、 一種のお祭り映画やファンムービーとして見ても作画もアクションもクオリティが高い。 とは言え、一本の映画として見るなら期待値を下げて見ることを勧める。
[映画館(邦画)] 6点(2023-12-22 20:26:58)
4.  劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 《ネタバレ》 
このアニメに関する知識はテレビ版の総集編と外伝を見た程度。 劇場版だけ見ると消化不良になるのは確実なので、最低でもテレビ放映分は抑える必要がある。  ヴァイオレットが行方不明になった恩人のギルベルトを探すエピソード。 余命いくばくもない少年の代筆を引き受けるエピソード。 50年間、誕生日に亡き母から手紙が届いた少女の孫娘が、ヴァイオレットの足跡を訪ねるエピソード。 3つのエピソードが同時進行で展開していき、 先の見える顛末を細かい描写の積み重ねで感動に導く巧さは流石といったところ。 特に死の直前の少年と友人のくだりは確実に止めを刺しに行くレベルに達している。  とは言え、その3つのエピソードが単独同然で終わり、一つに収束するにはあまりにも弱すぎる。 結局、どれをクライマックスにしたいの?という気持ちになる。 単純にヴァイオレットとギルベルトの話だけで良いのでは?  離れた想いを届ける手段が手っ取り早い電話に代わっていき、手紙は時代の流れで廃れていく。 それでも文字が、文体が人の心を震わせるのが手紙の魅力だろう。 多くの人の想いを届けたヴァイオレットは、ギルベルトへの想いが成就し、最後は"人形"から"人間"になれた。 そのシーンが素晴らしかっただけに、複雑な構成は要らないと思った。
[地上波(邦画)] 6点(2022-11-26 00:26:17)
5.  月世界旅行
着色版で視聴。 約120年前の月への憧れがこういうものだと思うと興味深い。 最初から最後まで荒唐無稽ながら、舞台ではできない演出に当時の人たちは驚いたのだろう。 歴史的価値を考えれば甘めの評価になるかもしれないが、短い上映時間で今見ても楽しめる。 SF映画の原点ですね。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-26 10:12:57)
6.  ゲーム(1997) 《ネタバレ》 
遠い昔に見たことあったが、『セブン』を絶賛した自分には「こんなオチあり?」と憤慨した(当初はバッドエンドだったらしい)。それからこの映画の内容を忘れた頃にネトフリで配信していたので再見したら・・・意外と面白かった。ツッコミどころ満載だし、あまりにも回りくどい最高クラスのドッキリを完投するの、さぞや大変だっただろう。そう思うとスタッフたちのドッキリ後のバカ騒ぎに清々しさすら感じる。主人公は人間不信になり一旦"死んで"、新たな自分に生まれ変わるまでを見つめていく。そういう楽しみ方で良いと思えてきた。できれば仕掛ける側の視点で見てみたい。予想外のアクシデントと悪戦苦闘の数々に笑ってしまうから。
[インターネット(字幕)] 7点(2018-11-12 23:13:47)
7.  ゲド戦記
作画レベルと背景美術の高さは流石ジブリだが、テレビスぺシャルで十分な出来。こじんまりとしていてダイナミックさがなく、クライマックスでさえ"活きてない"とすら感じる。生とか死とか心の闇とか世界の均衡とか深遠な台詞を呟いても、作品の土台が穴だらけで、空疎に通り過ぎるだけ。観客の想像に委ねるというより、ただただ説明不足で逆にいらない要素が多すぎる。行き当たりばったりで唐突な展開に???状態が続く。似たような作りでも宮崎駿なら一気になんとか見せられるが、ここまで覇気も生気も感じられない冒険ファンタジーに虚しいため息が漏れた。生があるからこそ死があるように、ジブリは一世一代のアニメスタジオとして潔く締めるべきだろう。
[地上波(邦画)] 3点(2018-01-19 19:42:41)(良:1票)
8.  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語 《ネタバレ》 
「引き際を見誤ってしまった」。これが第一印象。確かにビッグコンテンツになってしまったら、例え嫌でも重役の意向で作らざるを得ないだろう。そういう臭いが感じられる。そのため、ほむら以外の他の登場人物の心理描写が空虚であり、キュゥべえのネタばらしが押井守ばりの長セリフを延々と話すだけで、映像で語ることを放棄した演出が致命的。難解云々以前に商品になってしまった作品を無理に作っているから破綻している(公式の2次創作化)。だからこそのあのラストだろう。まどかを契約させない約束を果たせず、比較的マシな世界になっても諦めきれないのは理解できるが、本作で意思をハッキリさせる必要はあったか。もっとも、潔く完結させる権限を持てないから、このまま"延長戦"をずるずると続けていくのだろうが。一番の収穫は新キャラの百江なぎさの可愛いさくらいだろう。
[映画館(邦画)] 5点(2015-11-28 03:06:27)
9.  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編] 永遠の物語 《ネタバレ》 
テレビ版観賞済。8話分を前編130分で急ぎ足にまとめたわけだから(1話平均16分)、残り4話分を110分で描ける余裕がある。しかし、時間稼ぎ的な演出が目立って仕方なかった。挿入歌の『コネクト』がプロモーションビデオ的なのに違和感。しかも二度流す。新キャラを登場させるとか新たなエピソードを加えるとか何故差別化を図らないのか、ちょっと失望。分割したからこその良演出なのに。ただ内容自体は文句なし。全ての魔法少女ものへのオマージュであり、大風呂敷を広げながら放棄したセカイ系への決別である。契約した魔法少女が最期に救われるからと言って、希望の代償として死ぬまで戦い続けなければならないシビアな現実を忘れない、最後まで破綻しない脚本は見事だった。人生は戦いの連続だ。残酷で悲愴感溢れる世界だとしても、戦う価値はある。「絶望に負けないで。私がついているから」と、前向きに感じられる。これ以上の結末はないと思うので、後日談が不安でしかない。
[DVD(邦画)] 5点(2015-11-28 02:33:51)
10.  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語
リアルタイムでテレビ版を見ていた者です。例の3話で取り上げられる以前に「これはリリカルなのは以来の魔法少女もののフォーマットになるのではないか」と思っていただけにビッグコンテンツになったのは説明するまでもない。最後まで安堵させないホラー映画さながらの緊張感にユーモアを差し込む暇もなく、ただただダークな世界観と負の洪水に圧倒されるしかない。しかし、テレビ版を見ていたため、結末は知っている。つまり、わざわざ劇場版として総集編を見せるわけだから、大きく差別化しなければならない。作画改善と新規OP以外は大幅な変更はなく、既にテレビ版を観賞済みならそこまでして見る必要はありません。むしろ分割して小出しにすることで期待と不安を引き出していただけに、次は何を出してくるかというワクワク感があまりないと思った(テレビ版なら8点)。
[DVD(邦画)] 7点(2015-11-28 02:07:06)
11.  夏至
実際に行ってみたら失望してしまうんじゃないかと思うくらい、ベトナムの豊潤な湿度を保った映像が美しすぎて心地よい。 冒頭の剥げかかった壁をも美しく捉えるインテリアに、ハロン湾のどっしりとした雄大な自然に心奪われる。 ただ、ストーリーはどうしようもなく陳腐でさして覚えていない。 雰囲気だけを堪能する映画。
[DVD(字幕)] 5点(2015-11-26 23:11:54)
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