1. ゴジラ-1.0
《ネタバレ》 一度レビューを書いたあと、なぜこの映画が気に入らないのか理解できたのでレビューを書き直します わかりやすいのでシンゴジラと比較しますが、シンゴジラでは映画の中の人間は基本的にゴジラに関係する話しかしてません。ずっとゴジラにフォーカスしています。 しかしこの-1.0の方は、基本的にゴジラと関係ない話ばかりしています。赤ちゃんがどうの特攻隊がどうの銀座のモガはサザエさんカットだよね云々、ゴジラが出てないシーンは基本的にゴジラと関係ない話ばかりしています。てかもはやNHKの朝の連ドラです。 「NHKの朝の連ドラに劇中イベントみたいな感じでゴジラが絡んでくる」それがゴジラ-1.0。 そんなのゴジラ映画じゃありません。 ゴジラなんだからゴジラの話をしてくださいよ だってタイトル「ゴジラ」なんだよ? 関係ない内容がメインでどうするよ… という事でこの映画は個人的に大嫌いです。 アカデミー賞受賞はおめでとうございます。嫌いですけど。 [インターネット(邦画)] 3点(2024-05-03 16:25:10) |
2. 荒野のストレンジャー
大昔に確かに観た事はあるんだけれど内容を全く覚えてない…そんな映画は沢山あるわけですが、この映画もその1本。 アマプラで見かけたので、つい観てしまったわけです。 映画冒頭、名前を言わない主人公を見て「あぁマカロニの名無しの男を受けてるんだな」くらいに思ってたら、これがとんでもない引っ掛けです。まさかマカロニウエスタンの名作を釣りにつかってくるとは…まいりました。 名無しな事にちゃんと意味がある…というかそれがオチですから!と、とにかく普通の西部劇とは全く違う凝った(?)癖のある脚本が展開します。 一般的な西部劇というと日本の時代劇と同様「わかりやすい勧善懲悪」「撃ち合い(チャンバラ)シーンを楽しむもの」というシンプルな娯楽映画である事が身上なわけで、ほとんどの映画はそうなのですが、しかし1972年にこんなエッジの効いた脚本で西部劇を作ってしまうとは…イーストウッド恐るべし。 この映画を観たジョンウエインがイーストウッドに批判の手紙を送ったそうですが、そう、ジョンウエインのような王道西部劇の人からみればたまらなく醜悪な映画にしかみえないでしょうから、それもさもありなんです。 このシナリオそのままで2022年の今映画化してもきちんと成立するだろうな、と思えるくらいに現代レベルのシナリオなので、逆に当時の評価は賛否両論あったんだろうな、と思いますが、いや素直に面白かったです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-20 19:55:12) |
3. コンジアム
劇中、登場人物の鼻の穴がやたらと気になるのですが、鼻毛が一切見えません。 さすが美容大国、韓国の人はみんな鼻毛の手入れも完璧なんですね。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-09-01 01:24:47) |
4. ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
《ネタバレ》 地球環境を破壊する人類から地球を守るためのワクチン…なんて陳腐で古臭い設定や、身勝手で場当たり的な行動を繰り返してイライラさせる主人公達等、設定や人間ドラマ(笑)部分を評価すればゴミみたいな映画。 一方、そもそもこの映画に期待されているのは怪獣がダイナミックに暴れるシーンなわけで、ぶっちゃけそこさえちゃんとしてればドラマなんかどうでもいいとも言えます。 で、そういう観点で観ればさすがレジェンダリー。十分に満足できる…わけですが、人間ドラマ部のマイナス要素が脚をひっぱりすぎて残念ながらあまり楽しめません。 たとえば兵隊の人達、あのゴミみたいな家族一人を助けるために沢山死んだりしてるわけですが、その辺の死は完全にモブ扱い。 …いやおかしいでしょ、人間の命の価値の差って何なのよ、と。 そういう事がいちいち気になるまともな人は残念ながらこの映画に乗り切れないと思います。観てる途中ツッコミで忙しすぎますし。 逆にその安いドラマ部分を気にせず割り切れれば、十分に面白い映画なんでしょうが。 あと、どうしても気になるのが日本語吹き替え。 芦田愛菜の顔さえ忘れられれば意外と気にならない芦田愛菜なんかはいいんですが、問題は田中圭。 上手いとか下手とかいう前に「カイルチャンドラー」の顔から物理的にあの声は出ないでしょ。 声が若すぎるし軽すぎて、終始違和感しかありません。 こういうのって普通は最後まで観てればそれなりに慣れるものですが、この映画のすごいところは最後まで違和感が消えない事。 だってカイルチャンドラーだよ?どう考えてももっと中年で野太い感じの声でしょうよ! 吹き替えは上手いとか下手とかいう以前に「物理的におかし」かったらどうしようもありません。 それを証明しているのが実は渡辺謙。 渡辺謙の吹き替えは映画中の自分の口の動きとも全然あってない実はおかしな吹き替えなんですが、観ていて何の違和感もありません。 それは渡辺謙が渡辺謙の声でしゃべってるから。あまりにも当たり前の事なので吹き替えがどうだろうと違和感を感じないわけです。 まぁ主人公達は「いつ死んでもいい」としか思えないような映画なので声が不自然でもどうでもいいといえばいいんですが…それでもやっぱりこの映画は字幕で鑑賞する事をおすすめします。 吹き替えだと(ただでさえどうでもいい)話がますます頭に入ってきませんから。 怪獣部分が8点、シナリオや人間が2点。 (8+2)÷2で5点が妥当かな、と思います。 [地上波(吹替)] 5点(2021-05-30 00:40:12)(良:1票) |
5. この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説
テレビシリーズとして原作の4巻までがアニメ化されていて、その後の原作5巻をアニメ化したものがこの劇場版「紅伝説」。 昔からよくある「一見さんお断り」の劇場版アニメなわけだけど、同じ流れで製作された鬼滅があの謎の大ヒット。 それを考えれば、少なくともテレビシリーズだけ評価すれば「このすば>>鬼滅」(←個人の見解です)なこの劇場版が、日本映画史上に残る大ヒットになった可能性も…いやないだろうなぁ… とにかく良くも悪くも「このすば」 それ以上でもそれ以下でもありません。 でも個人的評価としては「このすば>>鬼滅」(←しかもかなり大差で)です、えぇ。 [インターネット(邦画)] 7点(2021-04-06 17:21:43) |
6. コレクター(1997)
《ネタバレ》 日本での知名度はそれほどでもないけど、アメリカでは大ベストセラー作家のジェームズパターソンの代表作、アレックスクロスシリーズの第一作の映画化。 パターソンがどれくらい売れてるかというと「スティーブンキングとジョングリシャムとダンブラウンの発行部数を足した数より売れてる」そうですから、そりゃもうね。 と、前フリはさておき、この映画を吹き替えで観ると、冒頭でまず池田秀一の犯人の独白が入ります。 「おお犯人役は池田秀一か」となるわけですが、開始から15分程で池田秀一の声の刑事が出てきちゃいます。 マジかよ! いくら声質を変えていても、なんせシャアですからね。誰でもわかってしまうこの惨劇。 この映画最大の惨劇はこのキャスティングにあると言って過言ではないでしょう。 [地上波(吹替)] 5点(2020-11-04 13:53:31)(良:1票) |
7. 告発のとき
この手の「地味な」事件の真相捜しものって観てる途中に興味を失うかどうか紙一重だと思うんです。 なんせ地味ですから。下手な撮り方だと興味失ってしまってもう大変。 幸いにしてこの映画は最後まで真剣に観る側の映画であり、それは監督の手腕なんでしょうが、その差が具体的にどこにあるのか、僕にはわかりません。 まぁこの映画をまじめにミステリとしてみると証拠が全部後出しなのでミステリとしては成立してないし、そもそも犯人もそこしかないというとこに落ち着くわけですが。 結局のところかつてベトナム戦争後にも作られたいわゆる「戦争の狂気」系のPTSD映画なわけですが、今にして不思議に思うのはおそらくもっとも過酷な体験だっただろう第2次世界大戦後には、そんなPTSDを扱った映画や小説がほとんどなく、そんな話題すら聞かないという事です。 それが時代のせいなのか今は平和ボケしてるからなのかわかりませんが、ベトナム以前には戦争にいった兵士のPTSDについてほとんど話題になった事がないのは不思議です。きっと沢山あったはずなのに。 あとシャーリーズセロンがめちゃめちゃはまり役だったんですが、このシナリオは当て書きだったんですね。 そりゃはまるわ。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-08-25 18:08:34) |
8. コンフィデンスマンJP
《ネタバレ》 基本的にテレビドラマは全く観ないので、この映画のようなテレビドラマ原作物を観る事はないんですが、今回は三浦春馬死去のニュース当日にたまたま出演作が放送されていたので観てみた次第です。 「詐欺物である」以外の事は知らずに観たんですが、搭乗人物等を知らなくても全く問題なく鑑賞できたのでとりあえず単独の映画として成立していると感じました。 内容的にはありふれたクライム物で、当然途中で(誰と誰がグルで…)と何パターンか予想して観るわけですが、最終的に一番ありそうなパターンでオチていたのでそういう意味では驚きもなにもない、逆に言えば安心して観られる娯楽映画に仕上がっていると思います。 「特に面白いわけじゃないけど退屈はしないから暇つぶしにちょうどいい」と一言で書ける、そんな映画です。 ところで先に書いた三浦春馬氏だけではなく、主演級の俳優2人もここ最近女性関係で問題を起こしていて、そういう意味では出演者にトラブルの多い(俗にいう呪われた)映画なんじゃないかな…とちょっと気になったわけですが、もうこれ以上そういうマイナスな話題がないといいですね。いやほんとに。 ※9/27追記※ …と書いていたわけですが、今度は竹内さん。本当にびっくりしました。あらためて書きますが、これ以上そういう事がないといいですね、いやほんとのほんとに。 [地上波(邦画)] 6点(2020-07-19 05:22:53)(良:1票) |
9. コロンビアーナ
なんだかんだで3回くらい観た映画なんですが、まだレビューを書いてなかったので。 とはいえこの映画については「リュックベッソン製作脚本」ですべてが説明できてしまう…で片付いてしまう映画であって特に語る事がありません。(僕の小鳥は戻る?という比喩会話はちょっとよかったですが) まぁ語る事がないからこそレビューを書いてなかったわけですが、しかし最近「家族を殺された少女が暗殺者になって復讐する」B級映画(リュックベッソン製作じゃない)を観たのです。 いかにもリュックベッソンぽい設定のその映画はしかしクソつまんなかったんですよ。 こんなの誰が作っても同じだろう…と思うわけですが、リュックベッソンが絡んでないその映画はほんとに駄作でした。 リュックベッソンってすごいのかも…その映画を観たとき私はそう思ったのです。 [地上波(吹替)] 6点(2020-05-20 15:41:58) |
10. 今夜、ロマンス劇場で
《ネタバレ》 何コレツッコミ待ち?という感じの映画。 最初に彼女が出てきたときに「あ、これ映画の中のキャラクターがそのまま出てくる設定なんだ」と思ったわけですが、すぐに違うとわかります。 自分が映画の中から出てきた事をちゃんと理解してるし、この現象自体についての知識等しっかりあるのです(人に触れられないとかね) もし映画の中の姫がそのまま出てきたのなら「ここはどこ?何が起きてるの?」となるはずなので、そうじゃない時点で映画の中のキャラクターではない。 一方で、もちろん中の人(女優)でもないわけで、じゃぁ「そもそもお前は何者なんだよ?」という事が気になってしょうがないのですが、しかしその回答はありません。 結局「映画の中でキャラクタを演じている映画の中の謎の存在」が出てきた…という事らしいんですが、え、それどういう事なの? 最初に白黒のまま動き回るシーンは本当に気持ちが悪かったんですが(この気持ち悪さは一種の不気味の谷現象なんでしょうか?)、わりとすぐ色をつけてしまうし、白黒であることを活かすようなエピソードもほとんどなし。 (赤だ青だ、と無意味な事をしゃべるくらい) だったら最初からカラーでいいんじゃね?と。白黒設定意味ないよ、と。 わざわざ白黒で出すならもっとそれを活かせよ、と、思うわけです。 映画から出てくる代償で好きな人に触れない、なんてのは、人魚姫以来伝統の代償系ですが「え、誰がその代償くれたのよ?」と。 昔の童話である人魚姫ですらそこはちゃんと術かけてくれる人が描かれていたわけですから、現代日本の映画でそこスルーはダメでしょ。 つか綾瀬はるかの服、高そうな服にポンポン着替えてるんですが、あれはどういう仕組みなの? とまぁツッコミどころの嵐なんですが、一番いけないのは「ハッピーエンドじゃないところ」 こんな適当なシナリオなんだからご都合主義のハッピーエンドでいいじゃん。 まぁシナリオとしてこういう方向でまとめたかったんだろうけど、それはこの映画を観る人が求めるところなの? 製作者サイドの自己満感を強く感じるラストの展開でした。 [地上波(邦画)] 4点(2020-05-16 23:16:22) |
11. 5時から7時の恋人カンケイ
あちらのレビューサイトや評論家の間ではまぁまぁ評価の高い映画だそうですが日本では劇場未公開。 この映画が小品でキャスト等が無名な事が理由でしょうが、それだけではなく恐らく不倫が(特にこの映画が全米公開された時期くらいから)日本の一部で猛烈に叩かれるようになってた事も理由の一つにあるのではないかと思います。 タイトルの「5時から7時」はフランス語では不倫を指す…と劇中で語られていますが、それが本当なのかどうかはフランス人に聞いてみないとわかりません。 でもまぁフランス人でなくても「5時から7時」と言われたら不倫?と誰でも思いますよね。 ラブコメに分類される映画ですが、コメディ要素は小粋な会話にあるくらいで基本的にはロマンス純愛要素強めの映画です。 個人的には中島みゆきが柏原芳恵に提供した「最愛」という歌の歌詞が頭に浮かぶそんな映画でした。 だって歌詞のまんまなんだもん。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-05-06 13:39:56) |
12. 高台家の人々
雰囲気と間で読ませる感の強い原作ですから映画化は難しいだろうなぁ…と思ったら案の定かなりがっかりの出来です。 原作とはいろいろと別物なので原作好きな人が観ると「ムムム…」となるんじゃないでしょうか? 少なくとも私はそうなりました。 こうなると原作というより「原案」に近いレベルですよね。 そもそも原作の雰囲気だとヒロインは上白石萌音とか田畑智子だと思うんです。 もちろんその2人だと年齢が合いませんが、キャラとしてそんなイメージ。 まぁこの映画の内容なら綾瀬はるかでもいいのかもしれません(何しろ別キャラですから) 原作を知らない人がどう評価するかは私にはわかりませんが、原作好きが原作の雰囲気を期待して観ると「コレジャナイ!」となるのは間違いありません。 [インターネット(邦画)] 4点(2020-04-23 17:01:12) |
13. 恋は雨上がりのように
《ネタバレ》 「アニメ版はクソだったのにこの映画版はとてもよかった」(←このレビューの要約を先に書いておきます) 漫画なり小説なりを別のメディアで展開する事は、それがアニメであれ実写映画であれ相当に難しく、スタッフの力量差が如実に現れるものです。 原作への無理解が悲惨な結果を生む事も多く、伊達に原作レイプという言葉があるわけではありません。 この「恋雨」のアニメ版もそうで、原作は女性ならではの視点で描かれた繊細な傑作なわけですが、それが見るも無残なおっさん思考の駄作に成り下がっていました。 私自身、原作が大好きだっただけにアニメ版放送時、最初の3分で「これはダメだろう」と怒りに震えていたのを思い出します。 最初の3分で「クソ」をわかるレベルってのも相当なものですが、こいつのアニメ版に関しては監督の原作への無理解が画面の隅々から滲み出ていて本当に一瞬でわかったわけです。 だって原作を理解していたら、そもそもあのオープニングがありえません。センスがないにもほどがあります。そんな話じゃないんだよ、と。 と、まぁアニメ版への怒りを書きだすと5万文字でも足りないのでおいとくとして、本題である映画版の話。 先に結論を書くと1時間50分という厳しい枠の中に、原作のエッセンスきちんと放り込み手堅くまとめていて、少女とおっさんそれぞれの挫折と再生の物語としてこの実写映画は成功していると思います。 まずキャスティング、原作の「俺が高校生だったらあんな目で見られたら泣いてらぁ」という長身スレンダーのキツイヒロインを演じるのは、現時点で小松菜奈しかないわけでここは最適のキャスティング。 その2000年代のモデル系美人の傍に置くのが、1970年代感漂う清野というのもキャラの対比という意味では成功だったのかな、と。(清野の演技は昭和40年かよ!と思う事もちょいちょいありましたが) 大泉もまぁ普通にキャスティングすりゃそうなるよね、って感じなわけでおおむねキャスティングはよかったと思います。(〇〇なのね松本さんの同僚役もよかったですし) シナリオはあの原作を1時間50分に収めるために大幅な改変が必要になるわけですが、原作のキモがしっかり押さえられていたため十分許容範囲で良くまとまっていたと思います。 (細かく観れば、たとえば、病院に連れて行ったとき足の傷を見られたくないんだと店長は誤解したけど実はネイルしてない指を見られたくないだけだった…という男性が思いつかない系女性視点小ネタはいれようがあったと思うしそれがある事でそのあとのチマメネタも生きるわけですが、でもまぁそういう事を言い出すとキリがない) まあそんな感じで、このサイト的に点数つけるとマイナス10点(そんな点ないよ)だったアニメ版と比べるとこの映画版は非常によくできていて、別のメディアに置き換えるときにスタッフの力量というのは如実に作品に反映するんだな、と改めて思う今日この頃なのです。 よくアニメ化されたものが「原作のまんま」なんて言われる事がありますが、「原作のまんま」作られている(ように見える)というのはじつは凄い事なんですよ。 [インターネット(邦画)] 8点(2019-12-13 10:45:55) |
14. この世界の片隅に(2016)
《ネタバレ》 一言で言えば「太平洋戦争前後を舞台にものすごく丁寧に描かれたサザエさん」 丁寧に丁寧に独特の空気感で描かれたこの映画が絶賛されるのはとてもよくわかります。 製作者の熱意が半端ない事が、観ていてこれだけ伝わる映画もそうそうありません。 私の父は、この映画のヒロインより少し年下のはずなのですが、映画中にもそういうシーンがあるように実際に学徒動員で兵隊にとられていて、ただそのときすでに昭和20年。 タイミング的にはすずさんの旦那さんが兵隊に転換になった時期くらいで、実際に戦場に出る前に戦争は終わりました。 (もう沖縄まで落ちてたわけで内地の人間は本土決戦に備えるしかない時期だったわけですから) そして父が戦場にいかなかったおかげで、今現在、私はこの世界の片隅ですごせているわけです。 映画中でも原爆のタイミングですずさんが呉にいたのか広島にいたのか…は本当に紙一重の運でしかありません。 そもそもすずさんがあの家に嫁入りしたこと自体、本当に子供の頃のただの偶然だし、時限信管の爆発に巻き込まれてしまうのも実は本当にささいな偶然です。 つらい事もあり楽しいこともある現在の自分の状況は、歴史の中で語られないレベルの本当にささいな偶然の連鎖の中で生まれたものにすぎないという事がとてもよくわかる映画だと思います。 で、そんな今の自分を前向きにとらえるか後ろ向きにとらえるか…それは全部自分自身で決める事なのです。 特別なヒーローなんかじゃない、この世界の片隅でほそぼそと生きている平凡で非力な人間に出来る事はそれくらいしかないわけですから、だったらせめてそこはポジティブに捉えた方が人生何かと幸せなんじゃないでしょうか。 [インターネット(邦画)] 9点(2019-05-17 15:38:38)(良:1票) |
15. 50回目のファースト・キス(2004)
恋愛映画の傑作として有名な本映画、日本でもおそらくこれにインスパイアされたと思われる「一週間フレンズ」という漫画が描かれたりしたわけです。 で一週間フレンズがアニメ化され映画化され、そしてなんと一週間フレンズの映画化の後にこの50回目のファーストキスが日本でリメイクされたわけですが、その感想をたまたま見ていた僕はびっくりしました。 「一週間フレンズのパクリじゃん!」と書いてる人が(複数)いたわけです。 普段邦画しか観ず、過去の映画やコミックやアニメも観ない、ネットで何かを調べたりもしない…という人の感想だとそうなるわけか!と。 さらに世の中にあふれてるそういう(間違った)個人の感想やツイート等、その人のバックグランドも知らずに読んでる人が多くいるというのは本当に怖いと思います。 …という前段を書いといて、さて肝心のこの映画の感想なんですが「アダムサンドラー」と「ドリューバリモア」というキャストがそもそも好きじゃないという個人的な好き嫌いが先にたつというのがつらいところで、話に入り込めません。 主人公の男がいけすかない奴で、ヒロインがかわいく見えない…その時点で恋愛映画として無理なのです。ストーリー以前の問題でひっかかるという。 そもそもドリューバリモアはちょいちょい恋愛映画のヒロインやってますが、あれアメリカ人的にはかわいいんでしょうか?そこが個人的にはよくわからないんですよね… [インターネット(字幕)] 5点(2019-04-02 11:07:06)(良:1票) |
16. コードネーム U.N.C.L.E.
《ネタバレ》 なぜか私、この映画を「それゆけスマート」の再映画化だと思い込んでまして、見始めてからすぐ思いました 「これナポレオンソロの方じゃん!!0086じゃなくて0011じゃん!」 まぁそれは私が間抜けなだけなのでとりあえず置いといて、さてこの手の「しゃれおつ系クライム映画」は個人的にはかなり苦手なジャンルです。 映画中に「おしゃれだろう?」とばかりに提示される数々の狙いすぎのシーンにしらけてしまう事がほとんどからなのですが、この映画はなぜか違います。 映画中の気の利いたシーンがいちいち面白いのです。 例えば、劇中「ヒロシですのテーマ」がかかる中での一連のシークェンス。 (いやあの曲はケ ヴォーレ クエスタ ムーズィカ スタセーラという曲なんですが、それはさておき) こういうシーンをみせられると他の映画だと鼻白むと思うんですが、この映画だと面白いんですよね。 要するにセンスが肌に合うって事なんでしょうが、シーンだけでなく映画中での会話やジョークのセンスがとにかく肌に合うから面白いんです…で思ったんですが、このイケメン2人が女1人を挟んで反発しながらも協力するバディ物、最近の日本の女性が好むアニメあたりにいかにもありそうな奴なんです。 そういう観点で見るとこの映画の会話の掛け合いやコメディシーンはいちいち日本的で、あぁそうか、この映画はなんか日本的だからすんなり肌に合うんだな、と妙に納得したわけです。 洋画のバディ物というと、それが48時間でもバッドボーイズ2バッドでもいいんですが、洋画だけあって日本人の乗りとは違うものがほとんどで「うーんあんまりおもしろくないな」って映画がほとんどなんですが、この映画はイケメン2人が女1人と…というそもそもの設定からしていかにも今の日本のアニメっぽいんですよ。 ぶっちゃけ「これってこのまま日本で(女性をターゲットにした)アニメに普通にできるよね」と思える内容なわけです。普通の洋画のバディ物ではそうはいきません。そのままアニメにしたらクソつまんないゴミのようなものができるだけでしょう。しかしこの映画はたぶんそこそこ見られる物に仕上がると思います。 思えば、オリジナルのナポレオンソロ自体、ソロが主人公でありながらコンビのイリヤに妙に人気が出た、言ってみれば最近の日本の(主に女性向け)アニメ作品にありがちな作品の嚆矢ともいえる作品なわけですから、それを今再映画化するなら、「まんま日本の(主に女性向け)アニメを映画化しました」的なものになって全く不思議はないわけで、そして実際作ってみたらそうなった、というただそれだけの事なんじゃないでしょうか、いや適当な事書いてるけど! [地上波(吹替)] 8点(2018-03-10 02:07:40) |
17. コララインとボタンの魔女
《ネタバレ》 CGでどんな映像でも撮れちゃう21世紀の映画、大概の映像ではもはや誰も驚かないわけだけど、そういうスレた現代の感覚をもってしてもこの映画が見せる映像はすごい。 なんと今どきストップモーションで作られた映画なのだ。 ストップモーションというと古い映画フアンはハリーハウゼンのあれをまず思いうかべるわけだけど、21世紀のコマ撮りはレベルがちがう。 50億の予算と4年の歳月をかけて作られたこの映画のそれは見たらわかる…というか見ないとわからないというか、これをいちいちコマ撮りして4年で作れるものなのか?と逆に心配になるレベルのとにかくすごい映像。 で、とにかく手間暇かけたストップモーションで魅せるその映像のすごさが逆に言えばこの映画のすべて。 ストーリー自体は、(SF小説の最高峰)ヒューゴー賞を受賞したベストセラー児童文学を原作にしているだけに大きな破綻はないものの、結局ありがちな「悪い子はいねーが」物。 ごくごく予定調和な展開で、とりたてて大きな感動などには残念ながらつながらない。 この映画はあくまでも「この映画は人形を使ってコマ撮りしたんだよ」という事にだけ意味があり、もっと言えば、映画中に沢山でてくるのが「人形」なわけだけど、この「劇中の人形」も「劇中の人間」も実は両方とも人形を使って撮られているところが(そして人間は人間に、人形は人形にちゃんと見えるところが)この映画の際立った皮肉な面白さでもあると言えるんじゃないかと思ったりするわけである。 [インターネット(吹替)] 7点(2018-02-24 20:32:53) |
18. 恋人までの距離(ディスタンス)
《ネタバレ》 恋愛映画の名作として有名な本作、恋愛映画好きな自分としてはいつか観たいなと思っていた一本なんです。 それをついに今回観たわけですが… 映画の序盤で彼が語る「ある人の一日をただ追いかけるだけのドキュメント」企画をほとんどそのまま映画にしたのがこれ。 序盤の夫婦喧嘩から出会いまでは面白かったし、期待させてくれました。 でも面白かったのはそこまで。ウィーンで降りてからはもうね… 旅行中たまたまであった2人の男女が時間限定のデートをしてキュンキュンするという、人によっては「あるある」系が描かれているわけですが、しかし、あまりにもそのままでドラマ性も何もありません。 ただひたすら(誰かよくわからない)二人の厨二感丸出しの会話を延々と聞かされるだけっていう。 途中で出てくる占い師とか詩人も痛い人だから、これは監督の趣味なんでしょうか。 そもそも旅先でのアバンチュールが盛り上がるのは誰でも知ってる事であって、「スキー場の恋は東京で再会してがっかり(スキー場→海でも可)」というのもこの手のアバンチュールあるあるなわけです。 つまり普通の出会いじゃ何も思わないような相手でも旅行先の偶然というシチュエーションだと相手が10倍素敵に見えちゃうってだけなんですよね。 それをそのまま映画という形にして(しかもしょーもない会話のやりとりだけを)延々とみせられても、ひたすら退屈だったとしか言えません。 ま、長々と書きましたけど、他の低得点の方と同じ事言ってるだけなんですが。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2018-01-30 22:46:58) |
19. ゴーストシップ
駄作B級ホラーとしてかなり有名な映画ですが、そこまで悪く言うほどの映画でもないんじゃないか、と個人的には思います。 多分、導入部のキャッチーさが問題で、そこで期待しすぎちゃうのがいかんのだと思います。 導入部から観客が期待しちゃう内容と、実際にそこから展開する映画の内容がずいぶん違いますからね。 一言で言えば「地味」、そして「ありがち」。 しかしよく言えばオーソドックスな内容なわけで、そこまで酷評される映画でもないのかな、と。 ある意味、冒頭の詐欺シーンが逆にマイナス評価を高めてしまってるのかな、と思います。 特にフランチェスカのエロボディの魅力は相当なもので、それだけでプラス1点できるほどではないか、と思うんですが、ど、どうでしょうか? [インターネット(字幕)] 6点(2017-12-28 01:49:39) |
20. 心が叫びたがってるんだ。(2015)
《ネタバレ》 この作品については個人的に食わず嫌いしていました。 柳の下に…的大人の事情で製作される作品にろくな物はないですし、アニメフアンに「もっとも脚本を書いてほしくない作家」アンケートを取れば1位を獲得すること確実の岡田脚本となれば、劇場に足を運びたくはならないしレンタルをする気も起きない…となるのはしょうがないところ。 そんな本作ですが今回実写版の公開に合わせてテレビ放送されたため鑑賞する事が出来ました・ で、結果としてはいい意味で裏切られたというのが率直な感想。 いろいろな作品でやらかした感のある岡田脚本ですが、本作のような本来の自分のテリトリーである秩父舞台のトラウマ物でシナリオを書けばちゃんとした物かけるんじゃん、と。まぁそう思ったわけです。(すんごい上から目線ですねw) この作品の基本プロットは、よくある若者の葛藤群像劇であり成長物語であり、個人的にこの手の青春群像物映画はハナにつくものばかりで苦手なのですが、この作品については登場人物が基本的に善人として描かれている上に映画全体が前向きなためか観ていていやな気分になりませんでした。 これは僕的にはとても珍しい事です。 もちろん現実の人間を見れば登場人物はいくらなんでも善人すぎるとも思うんですが、しかし現実で嫌な奴についてはさんざん見慣れている私達ですから、何も映画の中でまでそんな腐った人間や嫌な人間をわざわざ見なくてもいいんじゃない?とも思うわけです。 そういう意味ではちょっと善人すぎるくらいの登場人物が揃うこの映画のスタンスは個人的には嫌いではありません。 最後も、あまりはっきりとした決着をつけず主要人物が未来に向かって歩き出す形で終わっている点も好感が持てます。 途中で「これ絶対に大樹と順がくっつくだろう」と思っていただけに、そこも完全に想定通りでしたし。 この映画で惜しいのは終盤のクライマックスシーン。 ミュージカルシーンとたくみが順を探して説得するシーンが平行して進む構成で、アイデアとしてはいいと思うんですが、残念ながらわざわざ平行させている意味がほとんどありません。 こういう構成をとるならなんらかの形でこの2つのシーンを呼応させるような工夫を持たせて盛り上がるべきところだと思うんですが、そういう工夫が全く無く相互にぶつ切り状態。 本当にただ平行して描かれているだけ。これは本当にもったいないです。 しかも、高校生のミュージカルなんてせいぜい20分か長くても30分程度ですよね。 どう考えても探す方のシーンとの時間が合っていません。 あのラブホが学校のすぐ裏にでもあった等でなければ絶対ミュージカルが終わってますよね…とつい突っ込みをいれたくなります。 さらに惜しいのが順を説得するシーンで、「え、それで解決しちゃうの?」って感じで正直拍子抜け。 彼女のここまでのトラウマや現場放棄した罪悪感その他もろもろを考えると、もうちょっと解消するための何かがないと無理があり、よくわかんない言葉遊びを少ししただけで手打ちというのはあまりに安直ではないでしょうか? まぁそんな感じでクライマックスがやや残念という、コース料理で言えば「メインがイマイチ」という残念さがあるのですが、先に書いた通り映画全体のテイストが前向きで好感が持てるものであったため「メインは残念だったけど、コース全体としてはよかったよ」という感じの映画になっています。 クライマックスをもっとうまく組み上げてくれれば、かなりの名画になれた…と思うんですが、それは高望みというものでしょうか。 「あの花」にしても終盤の花火のくだりは微妙でしたからこのあたり製作陣の限界かもしれません。 とまぁ映画のベーシックな感想はここまでで、個人的に思った細かい事を2つ。 一つはメインの女性キャラの声優に水瀬いのりと雨宮天という20歳前後の若手女性声優の中でも特にルックス重視の選択が行われていた点。 おそらく映画が成功したときのイベントなどを考慮して「若くて可愛い子を」というビジネス的な配慮があっての起用だろうなと邪推してしまいます。 とはいえそこはプロの声優。演技に問題は全くなく、特に難しそうな順役を水瀬は好演していて(実際それで賞ももらってますし)、最近の劇場大作にありがちな「知名度の高い俳優女優を声優に使って違和感バリバリ」という悲惨な事故を起こしてないだけでもこの作品は評価できると思います。 もう一つは、たくみの父親の部屋にある大型スピーカー、あれはダイヤトーンのDS-3000ですね。 1984年発売ペア52万円。特に歴史に残る銘機等ではないのに一発でわかった自分はちょっとすごいな、と思いましたw [地上波(邦画)] 8点(2017-07-30 18:49:16)(良:1票) |