1. 御法度
《ネタバレ》 面白かった。衣装も映像も殺陣もよかったし、配役も。特に、トミーズ雅と坂上二郎のリリーフぶりは絶妙だった。松田龍平も、特に美貌というわけではないが品があり、あの役をこなせるだけの妖気もあって、なかなかの逸材だと思った。男色映画としても楽しめたが、謎解きの部分が特に面白かった。湯沢を殺したのは誰か?山崎を襲ったのは?惣三郎の「願」とは?最後にはいったい何が起こったのか?などなど。これらをつなぎ合わせて考えようとすると、意外にも、沖田総司の存在が不気味に疑わしく浮かび上がってくる。ひたすら「(男色は)嫌いです」「私にその気はありませんよ」を繰り返しつつ、随所随所でちらりと見せる妖しげな色気や中途半端な含み笑い。とりわけ、『雨月物語』について、ねっとりと熱く語る終盤の見せ場は、圧巻。これらがすべて、物語全体を支配する、「なにか不可解なもの」の伏線に思えてくる。演じた武田真治という役者を見直した。 [DVD(字幕)] 8点(2006-04-23 04:26:56) |