1. ゴスフォード・パーク
この時代になって、雉撃ちのシーンを撮ったのは良い悪いは別として天晴れだろう(いろいろ抗議をしてくる団体があると推察する)。撃ち落とされた雉がまとめて戦利品としてぶら下げられていたが、貴族にとっては、雉を撃ち落とすのも、メイドを猟色するのも、ほとんど同じようなものだという前振りになっていたようなのが哀しい。確かに登場人物は多く、誰が誰だかわからないまま観ていくことになるが、最後のほうになるにつれ、だんだん主要な人物が誰で、どういう役回りかがわかるようなつくりになっている。全員を区別できるようになったわけではないが、十分堪能できた。使用人同士の間でも、微妙な序列があるらしいのが面白かった。 8点(2004-12-07 22:02:11) |
2. 恋人よ帰れ!わが胸に
《ネタバレ》 保険金事件というと、最近の現実では殺人がからむのが当たり前のようになってきているので、そんな感じをもってはいけないと思いながらも、この映画の保険金事件は、なんかほのぼのとしたものを覚えてしまう。弁護士の机の上の汚さはまるで自分の机のようで、身につまされつつも、共感する。自分の欠点や、だらしのないところが共通する登場人物って、ストーリーの細かい部分を忘れてしまっても、長く印象に残っているものだ。 7点(2004-05-28 23:24:34) |
3. コーラスライン
どう考えたってフェアではない選考過程なのにだれも異を唱えないのは、それだけ演出家が絶対的な存在ということなのだろう。落とす立場と、落とされる立場と、どっちがしんどいのか。落とす立場の方が、しんどいのではないかとも思うが、それは自分が落とされる側にいるからで、そんなことは毛ほども感じず、平気で「お疲れ様」を言える者でないと、落とす立場には回れないのかもしれない。 7点(2004-05-06 17:20:53) |
4. 恋人たちの食卓
《ネタバレ》 女房と死に別れた、年老いた台湾料理の凄腕の料理人の父親と、一緒に住んでいる独身三人姉妹の物語。長女は30歳前後で、学校の化学の先生でクリスチャン、次女は航空会社のやり手キャリアウーマンで翔んでる女でありながら料理の腕もなかなか、三女は料理人の娘のくせになぜかファースフードの店で働いている、という人物設定。誰が最後まで父親の面倒をみるのか、という重い命題を抱え、お互いに牽制し合いながら、一人、また一人と軽いノリで結婚して家を出て行くのである。そして最後に残ったのは、、、。さすがこの父親、一流の料理人だけあって、最高の「食わせ者」だった。料理のシーン、台湾茶の喫茶シーンなど、自国の文化に誇りを持っているのが感じられる映画は、みていてすがすがしい。 8点(2004-04-08 12:07:50)(良:2票) |
5. 荒野の決闘
私はカウンターバーが好きだ。居酒屋や、スナックや、ほかのどんな酒場よりもカウンターバーに断然多く通っている。その性向に一番影響している西部劇はこの作品なんだと思う。ウイスキーが注がれたショットグラスを、カウンターの端から端まで滑らせるシーンがもの凄くカッコよく映ったんだっけ。昨日再見したが、こどものころ、なんでこの作品に入れこんだのかよくわからない。それを思い出すために、今夜もまたカウンターバーへ繰り出すのだ。 6点(2004-04-06 23:27:01) |
6. 恋するための3つのルール
ヒューの出演作はこれを含め4本しか観ていないので、確としたことはいえないのですが、イギリスが舞台で、市井の普通の人々が脇役で出ていないとこの役者は活きないのかな、という気がしてしまいました。主人公がオークション会社の雇われで、その婚約者がマフィア関係者の娘という設定は悪くはないのですが、面白いとは感じられませんでした。多分、主人公の役柄がそんなに優柔不断でないところがそう思わせる原因なのかもしれません。 4点(2004-03-29 03:06:38) |
7. ゴシカ
幽霊モノとしては、結構オーソドックス(怨みを晴らすために幽霊が出てくる、という意味)な展開なので、思っていたよりも見られる映画だった。しかし、幽霊が出てくる場所やタイミングの必然性が全くといっていいほど考えられていないのが、潔いといえば潔いのだが、やっぱりもうちょっと考えて作ってほしい。女の人が車を運転するシーンが妙に記憶に焼きついてしまう私としては今日からしばらく寝床でうなされて、観たのを後悔することになるかもしれない。 5点(2004-03-23 19:33:09) |
8. ゴースト/ニューヨークの幻
《ネタバレ》 主人公の二人が幸せな同棲生活を送っているのを説明している最初のほうで、デミが陶芸のろくろを回しているシーンは悪趣味(そう見える私が悪趣味です、スイマセン)。ゴーストが物を動かせるようになったあと、結局、自分では直接手を下さず、赤の他人を引き込む形(トラックの運転手)で決着がつき、自分は天国にいくのは、ちょっと都合がよすぎないかという気がします。 4点(2004-03-13 18:19:09)(笑:1票) |
9. 恋におちて
見直すたびに良いところが発見できる「待ち合わせ映画」の決定版。携帯電話が普及した今となってはもうこのような作品は作れない。「泥棒成金」とか「トップガン」とか女の人が車を運転するシーンが妙に記憶に焼きつく私としては、土砂降りの雨のなか遮断機が降りてくる踏切で急ブレーキをかけたメリル・ストリープが忘れられない。あそこで止まったということは、つまりは「踏切」れなかったということ。の、はずだったんだけど、、、。 9点(2003-12-26 19:31:48) |