1. コードギアス 復活のルルーシュ
《ネタバレ》 佳作。【ネタバレ注意】(スピンオフはともかく)続編がなさそうな感じでキレイに終わったテレビシリーズの展開を変えてまで……というより「死体を生き返らせて」無理やり話をつなげようとしたわりに、設定の範囲でなんとかストーリーを作り上げた点は評価できる(失敗作も多いと思う)。その部分だけで前半を費やしたのはどうかという気もするが、平和な世界だからこそ仕事にあぶれる人たちが出てきて……というのも許容範囲。最後が、ちょっと考えるのをあきらめたような急展開にも見えたが、全体としては及第点だと思う。 ただ、テレビシリーズが4クールかけて、ほとんどムダなく構成された群像劇だったことを思うと、総集編3部作は端折った感じがするし、シャーリーの顛末もなかったことにしてまで取り入れるものだった感じはない(というより、ほとんど空気だった)。やはりテレビシリーズこそが至高であり、あくまで余興。見なくてはならないような作品ではない。その意味では点数は微妙だが、最後のシャーリーの笑顔で7点にしておく。 [映画館(邦画)] 7点(2019-03-19 11:17:11) |
2. GODZILLA 星を喰う者
《ネタバレ》 駄作。「作品を見ずに批判はできない」という思いから、駄作かどうかを確認するための作業のように鑑賞したが、予想をまったく裏切ることはなかった。評価「2点」の基準が「年に一度あるかないかのはずれ映画」という点では、この2年間で他にも2作あるのだが、それらは本シリーズの過去2作なので問題ないだろう。よくこの脚本で制作がゴーサイン出したな、と思うような内容だった。【ネタバレ注意】まず、前半が退屈な会話劇。過去作でもそうなのだが、せっかく3DCGを使っている作品なのに“魅せるアクション”が少ない。今回はとくに後半になっても、戦闘機戦のようなものがほとんどないせいかスピーディーな映像があまりなく、爽快感がなかった。そして、ストーリー。時系列がおかしいとか、物理法則が合わないとか、そういう“とんでもないことが起きてる”ことを表現しようとしてデタラメなことを叫んでみても、デタラメなだけで映像とも他のエピソードとも何のつながりもないので感情移入するどころか苦笑いするしかない。「私たちもう死んでるの」は北斗の拳を思い出して笑うほどだった。そして、宗教じみた説教でゴジラを倒すためにギドラを呼ぶ(しかも、その過程で犠牲が出る)。なんで、そいつが“味方”だと思ったんだよ。しかも、ギドラが迷惑な存在かつゴジラよりも強そうと分かったら、今度は「ゴジラにギドラを倒してもらおう」とか、どこのコントだよ。ギドラを倒したらゴジラは暴れるのをやめるわけじゃないよね。最後に突っ込んでいったけど、あれでどうにかなったわけ? [映画館(邦画)] 2点(2018-11-10 22:28:14) |
3. 恋は雨上がりのように
《ネタバレ》 傑作。原作コミックから読んでいて、高校生がオジサンに恋をするというファンタジーな設定ながらも、なかなか惹かれるストーリーだった。アニメ化された作品もよく、流行りとはいえ実写映画はどうだろうと思っていたが、バッサリ捨てるところは捨てながらも、原作のエッセンスを損なうことなく、端折っているような印象もなく、単独の作品としてうまく再構成されていた。もともと“大感動作”ではないけれど、映像化に恵まれた作品だと思う。それにキャスティング。小松菜奈と大泉洋という組み合わせはもとより、脇役も原作キャラを彷彿させる人たちばかりだった。あえて気になる人を挙げるなら喜屋武はるか役の清野菜名くらいだけど許容範囲。コミックやアニメでは不自然な部分があっても“画”からの想像で補完してしまうところがあるのに対し、実写映画ではどうしてもリアリティを考えなければならないことはあるけれど、そういう不自然さも感じなかった。【ネタバレ注意】小松菜奈が疾走するシーン、ホンモノの陸上選手ではないけれど、ちゃんと疾走している印象があったのもよい。ファミレス「ガーデン」も、よく原作の雰囲気を損なわない店構えのロケーションがあったものだと思う(わざわざ建てたわけじゃないよね?) ラストも、状況が違っているけど、ちゃんと原作のセリフだったのはよかった。考えたんだろうな。 [映画館(邦画)] 8点(2018-06-30 01:33:43)(良:2票) |
4. GODZILLA 怪獣惑星
《ネタバレ》 酷い映画だった。実写版「進撃の巨人(前編)」以来の衝撃。後半の映像がよかったという意味では進撃ほどではなかったが、それは「シドニアの騎士」「BLAME!」のポリゴンピクチュアズを思えば意外性があるわけではない。【ネタバレ注意】3部作とは知らなかったが、とにかく脚本がゴミ。決して長い映画ではないが、地球に降り立つまでに半分の時間を使い、そこまでが退屈極まりない。事細かく設定を説明してくれるのだが、あまりに退屈で聞き逃しそうになる。もっとも、それでも、たいして問題はない。地球に降り立ち、刃物すら折れてしまう植物。ゴジラの影響で思わぬ方向に進化したことを示しているのかもしれないが、「注意しろ」って、どうしてそんなことがわかったの? そもそも全人類からすればごくわずかな人しか地球を脱出できなかったのに、残った大勢の人たちで倒せなかったものを戻ってきた人がやっつけられるという設定がナンセンス。その宇宙船に、どれだけ攻撃を進化させる研究材料を積んでいたんだ。そんなの移住する星を探すのに必要ないんだから、もっと食料を積み込んでおけよ。物語的には、やっつけないわけにいかないから、やっつけるのだが、あの状況で主人公が生き残るのは苦笑するしかない。だいたい戦闘経験もない“地球から逃げ出した”人々が、ゴジラにやられてもなおビビらず突っ込んで散っていくというのは心理描写が安易すぎる。せっかく「シドニアの騎士」をアニメ化したんだから、それくらい考えてほしかった。 [映画館(邦画)] 2点(2017-11-17 22:30:30) |
5. 心が叫びたがってるんだ。(2015)
《ネタバレ》 佳作だと思うがストーリーが地味。『とらドラ!』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『あの夏で待ってる』など、好きなテレビアニメシリーズの長井龍雪監督の青春群像劇というので制作発表があった頃から期待していた。特製前売券なども買い、初日舞台挨拶も見に行ったクチだが、予告を見ても、特番を見てもあまりワクワクする感じがなく、結局その印象のままの映画だった。少なくとも本作品に対する周囲の期待は大きいはずで、同監督の過去作(『あの花』)の実写ドラマが作られたり、本作の声優がカメオ出演していた。そもそも深夜アニメのキャラにありがちな赤い髪や青い髪は封印され、みな黒髪になっていたことから、コアなアニメファンだけでなく一般向けアニメを狙っていることがわかる。それでもなお、ちゃんとプロの声優を使っていて(テーマ曲はアイドルソングになってしまったが)、成功を願っていた。フジテレビとしても、あわよくば本作品をアニメ大作としてヒットさせたかったんだと思う。だが難しそうだ。【超ネタバレ注意】(ゴールデンタイムに放送して家族で見られるかはともかく、少なくとも映画館で見る分には)導入部はよかったと思う。だが、4人の主人公たちがそんなに“いい奴”じゃない。だからってリアルな印象もないから感情移入しにくい。とくに最後、あんな逃げ方したらダメだろうし、どう考えても間に合わないよ。告白もやりすぎ。そこまでのハッピーエンドは要らん。お互い、別の相手に声を掛けたばかりじゃないか。せいぜい、振られて落ち込んでいる者どうしが、たまたま気持ちが落ち着いたところで互いの存在に気が付きハッとする、程度で抑えておくべきだろう。 [映画館(邦画)] 6点(2015-09-24 00:54:14) |
6. コンテイジョン
《ネタバレ》 佳作。まったく事前情報を知らずに見たけれど、意外にキャストが豪華でストーリーも面白かった。【ネタバレ注意】とくに BGM を使わず淡々と感染の恐怖を描写していくさまはリアリティを感じさせるのに貢献していた。キャストが豪華だからか、この人は死なないだろうという予想も外れやすかった。また、マット・デイモン扮する父親の行動が娘を思うがゆえの行動であり、決して「理解が無い」わけではないところなど、各人物がうまく描写されていたと思う。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-30 00:10:43)(良:3票) |
7. ゴリラ
《ネタバレ》 主演がアーノルド・シュワルツェネッガーじゃなければ、安っぽいテレビドラマにしか見えないだろう。タイトルを見て「見た覚えがないから、一応見ておこうか」と思っていたのに、実際に見たら見覚えがあった。つまり見たことを忘れるくらいの内容だったということで、とくだん不合理を感じる場面があるということでもないけれど、ただただ物足りない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-05-25 22:00:02) |
8. (500)日のサマー
《ネタバレ》 佳作。ゾーイ・デシャネルがいい。話の作り方もいい。なんだか「友達以上、恋人未満」という言葉を思い出した。【ネタバレ注意】「ラブストーリーじゃない」と断ってくるので、最後は割と予想できてしまうのだけど、あそこはチョイ役の人ではなく、もっと大物の女優とか、飛び切り魅力的な人を持ってきてほしかった。途中で織り込まれる“幸運の女神”としてのサマーが、もっと明確に主人公に影響してほしかった。しかし、冒頭で bitch 呼ばわりされた彼女は、リアルの人なんだね。 [映画館(字幕)] 7点(2011-02-26 01:55:41) |
9. 告白(2010)
《ネタバレ》 傑作。脚本がよくできているし、演技も素晴らしい。面白い邦画は、本当に面白いと思わせてくれる。たしかに現実離れしている点は感じるが、これは映画。私は気にしない。【ネタバレ注意】いきなり冒頭からタイトル通りの展開なのかと思ったが、その後の作り方がうまい。おそらく、(この映画の中での)森口悠子は、血液も混入させていないし、最後の爆弾も解除したままなのではないか。あくまで脅迫。後者は、対象者や巻き添えも含め不確定要素が多すぎるし、銅線を切断して解除した後の描写がない。個人的には、R15+指定になったスプラッターな演出は、もう少し抑えてもよかったと思う(スローモーションの多用も)。 [DVD(邦画)] 8点(2011-02-08 23:05:59) |
10. GOEMON
《ネタバレ》 「CASSHERN」の映像に圧倒されたので期待して見に行った。その意味では、映像は同等レベルだったと思うが、できればもっと新しい切り口を見せてほしかった(まあ、あそこまでやるのは大変だっただろうけれども)。また、脚本は王道パターンを持ち込んでいるのと、変に複雑な人間関係を持ち込まず、よかった。あえて苦言を呈するなら、その脚本と映像の凄さがミスマッチで「感情移入できる映画」にはならなかったというところか。【ネタバレ注意】この手の映画で、史実との違いとか、人間離れした動きとか、コレールみたいな皿で飯食うなよ、という文句を言うつもりはない。とくに「五右衛門だから、きっと最後は釜ゆでだろう」と思っていたのが裏切られたのは心地よい。許せなかったのは才蔵の最期の場面で五右衛門が人混みをかき分けていたところ。それまでのシーンを考えたら、ここは「跳んで行けよ」と思うし、直後の子供も「飛び道具で掴み取ってやれよ」と思わずにはいられない。それをしないなら、もう少し「それができない」場面づくりをしてほしかったところだ。それと才蔵が五右衛門に助けられた後、襲われた才蔵の子供がすんなり秀吉のもとに渡っていたこと。あの時点で、あれが才蔵だと分かっていたのは、光成だけなんだから、才蔵の素性を知られないよう光成がこっそり手元に置いておくべきで、秀吉に渡しちゃいかんだろう。オマケで、広末涼子は声質が雰囲気に合っていなかったと思う。 [映画館(邦画)] 7点(2009-05-22 02:26:16)(笑:1票) |
11. ゴースト&ダークネス
《ネタバレ》 凡作。前半は多少期待させてくれるものの、後半の展開があっさりしすぎ。実話ベースだそうだが、だとしたら「実話の限界」がそのまま出てしまっているのかもしれない。映像からは、ライオンの恐怖も、あまり伝わってこない。 [DVD(字幕)] 5点(2008-10-26 01:01:26) |
12. コン・エアー
《ネタバレ》 ハリウッドは、どうしても間抜けな捜査官を用意しなきゃいかんのかと思うところではある(もはやお約束?)。冒頭の設定部分に、やや無理を感じるものの、ジョン・キューザックの“切れ者”感やアクションがよい。スティーブ・ブシェミの使い方が、少しもったいなかった気がする。もっとも、現実にあんなラストになったら、ただでは済まないと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-02 02:10:29) |
13. コンタクト
《ネタバレ》 絵に描いたような恋愛、絵に描いたような挫折、絵に描いたようなハプニング、絵に描いたような役割分担、絵に描いたような成功……って、映画という絵を描いているわけですが、もう少しひねりがほしいところです。最後の「記録時間」についても、エリーの証人喚問(←これも目的が不明)の間に誰も気づかなかったというのが不自然に思いますし、“物的証拠”が判明した以上、後に続く動きが出るはず。いくらなんでも一発勝負(というか二発勝負?)だけのために5000億ドルの出費は「ない」でしょう。たんに、ジョディ・フォスター(の出る映画)は、性に合わないのかもしれません。 [DVD(字幕)] 5点(2008-01-09 02:09:23)(良:1票) |
14. 交渉人 真下正義
《ネタバレ》 駄作。ユースケ・サンタマリアは悪い俳優ではないと思うが、脚本がダメ。冷静沈着な交渉人をあれだけ演じさせておいて(しかし内容は凡庸)、最後の決断が「勘」だとは。後半まで犯人を推理する手がかりが何も出てこない(それどころか死人らしい)ところで、どんな奴が犯人でも厳しいと思ったが、それすら爆破させておしまいにするとは。邦画は面白くなっていると思うけれど、こういうものがそこそこの興収を達成してしまうというのは、いかがなものかと思う。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-01-06 22:58:17) |