1. コンテイジョン
《ネタバレ》 テンポよく切り替わるシーン、たたみ掛けるような数カットで、圧倒的なリアリズムをものの見事に表現し、観客に訴えかけてくる。過剰な説明を排した客観的な演出は見事である。 妻や子供を失い父娘2人だけなった家族、危険な任務につくことを余儀なくされた職員やまたその上司、ワクチン開発に執念を燃やす研究者やワクチンを待つ貧困層など。ほぼ全員主人公であり、多角的な目線で捉えることにより各々の苦悩や人間味を様々に感じ取れるのも俯瞰した視点での演出力が大きい。特に、ドラマパートとしては、ウイルスに立ち向かう職員や研究員を、観てる側の英雄譚として描いてる点も興味深い。惹きつけられるわけだ。 また編集も洒落てるんですよね。感染経路を解き明かすために見ているシーン、その録画VTRへのカットの切り替わり方がイケてる。ほぼブツ切りといえる場面転換にもみえるんですが、その前のシーンとの繋がりやファーストカットの持ってきかたに至るまで全て計算づくだから凄い。ラストシーンのウイルスの発生元を知った瞬間にも現実的な怖さがしみじみと伝わってきたけど、そういった警鐘だけで終わらせず、プロムナイトで娘とボーイフレンドが久しぶりに再会できた喜びやそれをそっと見つめる父親の姿が微笑ましかった。泣ける。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-04-11 00:50:03)(良:3票) |
2. GO(2001・行定勲監督作品)
《ネタバレ》 非常に完成度の高い作品。 「薔薇と呼ばれるその花は、名前をかえても 美しい香りはそのまま」 親友が無くなって、その親友が愛読していた本の 一説をみて涙流すシーンがあるが、やっぱり何度観ても 共感してしまい貰い泣きするんだよなぁ。 社会的メッセージや人の尊厳などなど様々な テーマを抱えているけど決して敷居は高くなく とても観やすい。 こういう感覚って作り手としてはとても重要なんだと思う。 ロマンチストな方の心をくすぐります。 [DVD(邦画)] 10点(2010-10-17 23:56:43)(良:1票) |
3. 告白(2010)
《ネタバレ》 大賞受賞に偽り無し!面白すぎて一気に読破してしまった湊かなえの原作。 ベストセラーの低脳映画化などよくある事、不安過多で鑑賞したが、この作品の出来栄えは想像を遥かに超えていた。この作品のもつ“あの”異様な空気が存在し続け、鑑賞時間があっという間に感じてしまったほど。 既に内容など分かってるのにここまで面白いと思ったのは稀ですし、この監督と自分はシンクロしてたのかと思うほど想像どおりの映像化なのが怖い。。面白いと一概に言うのは語弊があるけども素晴らしい作品。今後は「告白」の監督と宣伝文句決定か!?(笑) 物語は原作同様に登場人物の告白、各々の主観形式で進んでゆく。それ故、序盤から非常に台詞が多いのも特徴だが、その台詞ひとつひとつがシークエンスとなってる点も興味深い。「人間の失敗作だよ」ではなかったのはアレですが、一語一句に至るまでもほぼ忠実。映画なりに脚本はコンパクトに纏まられているが、全体が青白いトーンであったり、モノローグの挿入方法やカメラの目線や高さがどうしてあの位置なのかなど、映像化への昇華、演出が見事というしかない。 先生の告白で始まるファーストシーンは特に象徴的であり、これから語られる作品の異様さがにじみ出ている。学級崩壊寸前の雰囲気の中、淡々と冷静に淡白に語る先生。そして生徒が興味を惹くキーワードを小出しに話していくにつれ、静まり返っていく教室内。このあたりはホント背筋の凍る怖さを感じました。松たか子のキャスティングは良かったがウェルテルはちょっとイメージ違ったかな。 賛否両論のクライマックス、逆周り時計のエピソードがあんな形ででてくるとは驚き。後味良くないと思われつつも「ドッカーン」で気分スッキリしたのは自分です…なんてね! [映画館(邦画)] 10点(2010-06-13 12:24:17) |
4. GOEMON
《ネタバレ》 世界に誇示できる新世代の日本映画誕生とだけ言わせてもらいます。前作「CASSHERN」は結果こそよくなかったですが、作品に込められたメッセージに泣き、また、監督のチャレンジ精神溢れるものづくりの姿勢に感銘を受けました。そして今回の「GOEMON」はその前作以上の熱意を感じました。紀里谷監督の映像センスは流石ですね、なかなかここまで想像を具現化できる監督もいないですよ。ハリウッドみたいに莫大な予算があるわけでもないので、すべてロケセットでできるわけもない。そこをCGをふんだんに用いイマジネーション溢れる世界観を構築したのは見事です。多少、自分の世界に陶酔しちゃってるかなぁと思う節もありますけどね(笑)。馴染みのある登場人物は多数でるけど物語は全くの別物と割り切ってみればエンタテイメントとして思う存分楽しめます。クライマックスかなぁと思った才蔵の釜茹で後の展開が少々長く感じちゃったのと、茶々役の広末涼子の良さがあまり引き出せていなかった点でマイナスかなって所。 この作品のメイキングはDVDでじっくり拝見してみたい。 [映画館(邦画)] 8点(2009-05-01 20:14:53) |
5. 恋する惑星
《ネタバレ》 ウォン・カーワァイ監督のオリジナリティーが前面に出た素晴らしい作品。撮影のクリストファー・ドイルとの相性も抜群。冒頭の雑踏シーンもその相乗効果が如実に表現されてるし、大好きなシーンです。また、この作品でカーウァイ監督の大きな功績といえば、歌姫フェイ・ウォンの起用だと思いますね。彼女なくしてこの作品は成り立たないと言っても過言ではない。劇中の彼女は、天真爛漫な雰囲気であり、自由奔放でリズミカル。そして自然な表情を自然体で演じている。監督の演技指導の賜物かどうか別として、ポップな作風にすごくピッタリである。曲の挿入タイミングも見事だし、あの「カリフォルニア・ドリーミング」がすごく耳に焼き付いている。失恋話だけど感傷気分になるというより、金城武が腹いっぱいにパイナップルを食べるが如く、むしろポジティブになれる元気を与えてくれる唯一無二の映画です。 [映画館(字幕)] 10点(2008-01-17 19:51:30)(良:1票) |
6. ゴーストライダー
《ネタバレ》 ヘルバイクに跨るゴーストライダー!それだけでカッコイイ映画でした。初めてライダーへ変貌するシーンが見所。「ワハハハッ」と高笑いしながら凶暴な性格になる悪魔姿は、これから始まる悪魔との戦いに興奮しました。話の展開も筋もショボイんですが、スポーンのようなダークヒーローものは好きな方にはお勧めです。 [DVD(字幕)] 4点(2007-08-24 13:02:01) |