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1.  古都(1963) 《ネタバレ》 
近代化によって変化する京の伝統や町屋の風景など、「失われゆく美」に対する愛惜の情を数奇な運命を辿る双子に託して表現している。 美を象徴するのは双子姉妹。別々に育った二人だが、共に実の両親を知らない。これは切れた凧のように運命に抗うことができないことを意味している。 千重子は呉服問屋の一人娘として両親の寵愛を受け、何不自由なく育った。自分が捨て子だったのを知り、両親の云う事には何でも従う覚悟がある。父親から幼馴染の真一の兄・竜介を婿養子にする話を持ちかけられると結婚をすんなり承諾する。自立していないのではなく、受容的な性質なのだ。意志が弱いのではなく、番頭に帳簿を質すなど、芯の強さは持っている。相手が自分のことを愛しており、両親も勧める結婚ならば、反対する理由などない。その胸底には、昔ながらの商売の伝統を守ろうとする決意がある。 苗子は両親の元で育てられたが、物心がつく前に両親を亡くして孤児同然の身だ。北山杉の製材所で働き、自活している。彼女は、双子の姉妹・千重子を知って喜ぶが、育ちの違い、身分の違いを自認しており、千重子を「お嬢さん」と呼び、自分の存在が少しでも彼女の幸せに支障をもたらしてはいけないと考えている。だから西陣織職人の秀男から求婚されても断わろうと考えている。何故なら、、秀男は自分に八重子の幻を見ているのであり、万一結婚した場合、自分の存在が八重子の周囲に知られてしまうのを恐れているからだ。その背景には、双子を不吉とする迷信がある。 苗子が八重子を思い遣る気持ち、自分を勘定に入れずに献身的に相手に尽くす気持ちこそが「失われゆく美」だ。苗子が望んだのは、八重子の呉服屋で共に一夜を過ごすというだけのもの。それも周囲の目を慮って、夜に来て、早朝に帰るという慎重さ。雪の残る町屋を早足で去っていく苗子の姿こそ原作者の理想の姿で、「謙譲の美」とでも呼ぶべきか。幻想的ですらある。 音楽も映像も端麗で、四季を通じての古都の美を堪能できる秀作である。 ただし、スッポン料理は若い男女が食べるものではなく、不似合いだ。老年だった原作者の趣味を持ち込んだだけである。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-13 15:34:38)
2.  ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 《ネタバレ》 
予算をかけた迫力のある特撮場面が売り物だった「ゴジラ・シリーズ」が「低予算・子供向けもの」に堕してしまった作品。 特撮部分は、壊れる建物などない怪獣島でのプロレスごっこに終始し、しかも多くが過去の作品のフィルムの使い回しという体たらく。最大の期待であった新怪獣ガバラの造詣に美しさは微塵も感じられない。愛嬌あるミニラが救いだが、人間と会話できてしまのはいかがなものかと思う。しかも大きくなったり、小さくなったりする。子供の夢の中という設定に甘えている。映画作りに対する自尊心、特撮魂、ゴジラ愛等は微塵も感じられない。 人間劇では、いじめられっ子が、夢でみた怪獣ランドのミニラに勇気づけられていじめっ子に立ち向かうという話に、間抜けな銀行強盗による子供誘拐未遂事件をこじつける。この強盗犯は首尾よく五千万円強奪に成功したにも関わらず、何をもたついているのだろうか?タクシーかバスか電車等を利用して、さっさと逃走すればよいではないか。予定では、どう逃走する段取りだったのか。敢えて車を盗む危険を負う必要は無いはずである。いじめっ子達との軋轢も、ガキ大将にぶつかっていってすぐ勝利、あっさり解決だ。ペンキ屋へのいたずらは、いたずらできる程元気になった、子供らしさを取り戻したという意味だろう。 このように全体を見渡して、観るべきものは無いといってよい。おかっぱのヒロインにも魅力がなかったと言い添えておこう。 唯一心証に残ったのは「怪獣マーチ」だ。「魔神バンダー」と同じ、佐々木梨里が力唱する。昭和の泥臭さが妙味になっている。映画にはないが三番の歌詞は「怪獣サマが泣いたとさ どうして地球は住みにくい ゴー、ゴー、ゴジラもおどろいた ミ、ミ、ミニラもブールブル ドッスン、ガッタン、ドッスン、ガッタン みんなこわしてしまうけど メガトン、スモッグ、排気ガス これが本当の怪獣だ」となっており、当時の子供の生活を脅かしていた排気ガス、工場排煙等の公害を批判している。「公害」「いじめ」「鍵っ子」「銀行強盗」という当時の社会問題を怪獣映画の中に盛りこもうとした意欲は買うが、無謀に帰した感がある。
[インターネット(字幕)] 4点(2014-08-26 13:45:32)
3.  荒野の七人 《ネタバレ》 
「オールスター・キャストによる痛快西部劇」「西部劇の代表作」と言われているが、厳しい眼でみれば、随所に甘さが目につく。 ガンマン7人の人物像は個性があり、描きわけができていて合格点。特に若者チコは秀でている。彼は農民出身だが、銃に運命を変えられガンマンとなり、クリスに憧れて「7人」に加わったが、最後は村に留まる決意をする。未熟と大胆の共存する若武者ぶり、警戒する村人と7人とをつなぐ役割、村娘との恋など、おいしいところ取りで、この人がいないと面白みは半減するだろう。ベルナルドと子供達の挿話は文句ない出来。ナイフ投げの名人が、敵に対してナイフを使わないのは理解不能。あれだけの伏線をしておいて。山師ハリーは一旦袂を分かつが舞い戻ってくる。その心の機微を描いていない。戻ったものの瞬く間に射殺されてしまう。もっと活躍させてやるべき。賞金稼ぎのリーは最も影が薄い。腕に自信を無くしており、悪夢に悩まさせるのはよいが、どうやって立ち直ったかが判りづらい。山賊のボスはいかにもバカそうだが、もっと悪賢く、残虐な人物にしないと肝心の”正義””英雄行為”が際立たない。一網打尽にした7人を開放してやるなんて、甘い甘い。手下を何人も殺されており、手下に示しがつかないではないか。復讐が怖い?そんならボスなんてやめちまいな。銃の腕が立つわけでもなく、悪玉として魅力に欠ける。チコがメキシコ人に扮して山賊の元に潜入する場面があるが、安易すぎる。お互いの顔を知らないわけがない。脚本の工夫が足りない。死人が出るのを嫌った農民が7人を裏切って山賊を手引きするが、その直前の場面では皆で戦うと意思確認している。このあたりの物語の流れがスムーズでない。それに山賊が7人に気づかれずに戻れたのも不自然だ。ガン・ファイトはさすがに絵になっている。しかし注意深く見ると、7人に隙があるのに、敵方が撃っていない場面が散見される。村人が敵に農器具などを持って躍りかかるが、敵は何故か撃たないで、一方的にやられる。これは見逃せない瑕疵だ。折角の良い映画が絵空事に思えてしまう。村人にもそれなりの死傷者が出てこそ、現実味が増し、勝利の重さも違ってくる。犠牲があってこそ、最後にクリスが言う「勝ったのは村人たちだ」の台詞が活きてくるというもの。
[DVD(字幕)] 7点(2012-12-15 19:37:15)(良:1票)
4.  御用金 《ネタバレ》 
武士の世界の不条理を描いた作品。藩の財政難を救うために、佐渡の金を運ぶ幕府の船を沈め、その金を横領するという策謀。そのために目撃者である集落の漁民を全員抹殺し、「神隠し」と呼ばれる。孫兵衛はそんな侍暮らしに嫌気がさして脱藩したが、三年後江戸で藩の刺客に狙われる。問いただせば再び「神隠し」を行うという。孫兵衛はこれを阻止するために帰郷する。途上で神隠しに遭った漁民の娘おりはに遇う。きな臭さを嗅ぎつけた隠密もついてくる。奇縁で結ばれた孫兵衛、おりは、隠密の三人で船の遭難を回避。巨悪の根源である老中も倒す。◆随所で監督の映像美が堪能できる。構図、背景、殺陣が美しい上に、俳優陣に個性があり、重厚感ある時代劇に仕上がっている。また人間が能く描けている。特に村娘から転落して、鉄火肌の賭博師となり、孫兵衛を助け、助けられ、密かに孫兵衛を慕うおりはという役どころは秀逸。特に神隠しに遭った漁村に帰って、それを発見して絶望する場面は実に丁寧で好感が持てる。孫兵衛にしても決して正義感が強く無垢な男ではなく、意図しなかったとはいえ、自分に立ち向かってきた漁民を殺している。この挿話により彼の人間としての苦悩が描けている。そしていつまでも自分を慕ってくれている愛妻との再会。これならクールな彼にも感情移入できようというものだ。◆一方で脚本構成は荒っぽい。財政難を救うためというが、その実態が描けていない。どれほど困っているのか不明なので、「神隠し」は短絡的な強奪・殺戮にしか思えない。又船を遭難させる方策だが、そう簡単にいかないと思う。そもそも都合よく夜に岬を通過するとは限らない。満月だったらどうする?沖で沈没したら金の回収はどうするのか?などと疑問点が湧く。老中の手下に囲まれた孫兵衛をおりはが救う場面もしかり。町のやくざを敵対するやくざがそこにいるとけしかけて、侍とヤクザを闘争させるが、やくざと侍の区別は容易につく筈だ。そして隠密の扱い。最後にあっさり、もう隠密はやめるというオチはしっくりこない。この人の苦悩が伝わってこない。もうひと波乱あってしかるべだ。この人物だけ妙に明るくて、浮いている。。三船敏郎と仲代達也がケンカして三船が降板、急きょ代役として三日間だけ出演という背景がそうさせたのだろう。残念である。ちなみに御用金は出雲崎で荷揚げされ、北国街道で江戸に運ばれた。
[インターネット(字幕)] 7点(2011-10-25 15:19:58)(良:1票)
5.  絞殺魔 《ネタバレ》 
【事実】1931年ボストンでデサルヴォ誕生。両親堕落、アル中、暴力、娼婦を連れてくるような悲惨な家庭環境。17歳で軍隊入り。5年間ドイツに赴任。結婚して娘(障害者)誕生。毎日5,6回性交する性欲過多。1956年9歳女子への性犯罪で軍隊除隊。1960年モデルのスカウトマンと偽り、部屋に侵入し、サイズ測量する犯罪300件。不法侵入罪で逮捕、強制猥褻としては裁かれず。11ケ月服役。妻から「あなたが真人間になるまで」と性交渉停止宣言。1962年6月から1964年1月までボストン絞殺魔事件発生。被害者11~13人、19歳~85歳。基本的に紐状のもので絞殺し蝶結び、強姦、性器露出。1964年11月別件の連続強姦事件で逮捕。被害者300人。1965年精神病院。その言動によりデサルヴォが犯人ではないかと怪しんだ同室の男が弁護士に通報。弁護士にあっさり自白。犯人しか知らない事実を知っていた。司法取引。1967年絞殺魔としては裁かれず、強姦罪で終身刑。1968年映画製作。1973年刑務所の独房で刺殺される。犯人不明。40年後最後の事件の精子DNA鑑定で無罪が確認。次の理由で犯人の可能性大。①性犯罪を繰り返す。②全事件でアリバイ無し。③犯人しか知らない事実の自白。④逮捕後事件が止む。【感想】不思議な事件だ。被害者の年齢の幅が極端に広く黒人も犠牲者。女性そのものへの憎悪があるようだ。警察のプロファイルも「母親を憎悪している若い白人男性」だった。最初の事件では部屋が物色されている。映画では二重人格説を採用。オランダの「超能力探偵」が事件に挑んだのも事実。◆物証が無いと言うが、いくつかある。先ず歯型を較べれば簡単に判定がつく。犯人の遺留品と思われる定規、箒、瓶、ドアノブなどの指紋、現場のススと靴のススの照合。◆次々起る殺人と性犯罪者を片っ端から逮捕する様子を描く前半部分。実験的なマルチ画面を多様しているが効果は薄い。画面に集中できないのだ。それでも次々起こる連続殺人には誰でも自ずと興味が湧く。犯人が判明してからは少々退屈。彼の過去に触れられていないのが不満。動機が提示されない。「人格が変わると殺人者」では誰も納得しない。その理由を示して欲しい。ジギル博士とハイド氏じゃないのだから。彼が裁かれた強姦にも触れていないのはどうしたことか。迫真の演技は良いが、密室でのカメラアングルが平凡で画面から緊迫感が伝わらない。
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-12 00:37:41)
6.  コレクター(1965) 《ネタバレ》 
男は社会的不適格者でも病的変質者でもない。元銀行員であり、通常の社会生活は営める。両親がおらず、貧乏で育ち、孤独な青年。人見知りが強く、対人関係が苦手で、人から嘲笑される人生をおくってきた。美人画学生Mに片思いしているが、声をかけることもできず、遠くから眺めて、崇拝しているだけだ。趣味は蝶の採集。そんな男にクジが当り、金持ちになる。地下室のある家を購入。蝶の採集をまねてMを捕獲し、自分への愛が育つのを待つことにする。◆男が欲しかったのは性的関係ではなく、愛だ。あるいは性的不能者なのかも知れないが。いずれにせよ、人間を虫のように扱って監禁し、人間らしく愛してくれというのは無茶な要求だ。愛されずに育ったせいで、愛というものを理解できず、人を真に愛することが出来ない。「ライ麦畑でつかまえて」を読んでも人の心の痛みが分らない。ピカソの画集を見ても、その創造性を理解できない。人に愛されたかったら、愛される人間にならなければならない。男はMを愛しているといってもそれは上辺のことだけに過ぎない。◆好きな女を監禁して、自分の思うようにしたいと妄想するのは珍しくない。この作品では、性的関係は強制せず、「自然に愛が芽生えてくるまで待つ」というところが新しい。愛欲よりも愛情に飢えている。妄想の視点が違うのだ。どのような成育歴により、このような歪んだ精神になったのか、また男が昔からどんなにMを崇拝していたかなどが十分に描かれていないので、単なる変質者に観られてしまう恐れがある。男は常に無表情で不気味、その内面でどれほど愛に飢えているのかを描いていないのが最大の欠点だろう。男の苦悩、心の叫びが見えてこない。不条理、理解不能を前提としながらも、いつしか男に同情してしまうほど人間が描けていれば成功しただろう。男を罰する終わり方にすれば少しは共感できた。◆虚弱な男なので、隙を見て鈍器のようなもので後頭部を殴って逃げ出せば良いと思う。お風呂に入ったとき熱湯をぶっかけるとか、暖炉の焚火を利用して放火するのも良い作戦。廊下を突き落すのもグッド。こういう男は懲らしめて矯正しないとタメ。もっと知的に攻略したいのなら、散歩したいとか、ドライブしたいとか、仮病を使うとかして外に出る機会をつくること。相手は気弱で、すでにかなり譲歩しているので強気に出れば可能。自殺未遂という手もある。
[DVD(字幕)] 7点(2011-01-18 19:46:40)
7.  ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 《ネタバレ》 
◆南海で難破した漁船の乗務員の息子は生きているというイタコの宣託を聞く母。母の言葉を信じて弟の彌太は東京に出て警察に再捜査を依頼。しかし聞き届けられない。そこへヨットが優勝賞金の「耐久ラリーダンス大会」を知る。会場で知り合った大学生仁田、市野とヨットを見にゆく。豪華なヨットに無断で乗り込むとオーナーの吉村がいた。吉村の好意で一晩泊めてもらうことになったが、翌朝目を覚ますとヨットは出港していた。彌太が勝手に帆を上げていたのだ。仁田、市野はヨットの操縦を知らず、吉村はオーナーではなく銀行強盗犯だった。 ◆やがてヨットは暴風雨に巻き込まれる。さらに海から巨大なハサミが出てきて、ヨットを叩き壊す。四人は奇跡的に島に漂着した。四人がそこで見たのは、秘密の核兵器工場、エビラの嫌いな黄色い汁を絞るインファント島の奴隷、逃走した娘ヨダ。彌太はヨダから兄がインファント島で生存していることを聞く。眠るゴジラも発見。 【感想】エビラの食料は人間のようだ。普段は船が来るまで、じっと海底で眠っているのだろうか。ゴジラは落雷が発生するまで眠っている。モスラはもっと眠っている。当然観ている側も眠くなるというものだ。大コンドルや戦闘機ぐらいじゃ眠気は覚めない。そうこうしている間にエビラ退散、自爆装置作動。やっとモスラ登場。「逃げろゴジラー!」島爆発。 ◆仲間が出来るまでの導入部はスピーディで意外性があり、冒険物語としては成功だろう。島についてからは途端につまらなくなる。革命軍団「赤い竹」がまぬけなのだ。何度も吉村たちを取り逃がす。彌太が風船にからまって偶然インファント島に到着するに至っては、脚本家の良識を疑う。ゴジラとエビラのキャッチボールには辟易。あの恐いゴジラはどこへ。「赤い竹」とエビラとの関係も不明確のまま終了。それにしても、インファント島の島民は民度が低そうだ。
[ビデオ(邦画)] 3点(2010-10-16 22:51:52)
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