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1.  GOEMON
この監督は前作で、映像表現である映画に台詞で説明させる、というダサイ事やってましたが、今作は緩和されていて良かった。史実を描くつもりはなく、設定説明の省略に実在人物を用いる手法は深作監督もやっていた。五右衛門が煮えたぎった油(釜ゆで刑は熱湯ではない)に入れられ処刑された時、息子も放りこまれたのは事実(無視されがちな史実)内容はベタである。ゲームである。ゲームとしてプレイすれば大感激の嵐だろう。映像美も超一級だもの。この監督の欠点は「個人の絶望」と「世界の狂気」を同一のように描いているところだと思う。だから人物象が薄いのだ。まさか一人の人間が世界を変えられる、みたいに思ってんじゃないだろうな?(共和制の否定にでもなりかねん)ヌルイぞ、甘いぞ、若造だぞ。深作監督は戦中を生き抜き、世界と人が絶望と狂気に陥る様を体験している。やはりこの差は大きい。好みの問題かもしれんが、この欠点が無くならない限り、私にとってキリヤ監督は映画監督ではない。ゲームクリエイターである。
[地上波(邦画)] 6点(2010-12-06 09:32:48)
2.  コール 《ネタバレ》 
「もしかして、この母親は継母で娘を誘拐犯に殺させようとしているのか?」なんて冗談で疑うぐらい無茶な母親の行動ぶり;旦那のところに謎の美女が現れた時「この女は仲間じゃないけど、誘拐を知っていてそれに乗じて父親から金を奪おうとしているのか?」と思ったら違った;何の為に父親のところに?見張るにしても風呂入ったり銃を放って眠ったり…;何やってんだ?旦那も銃を奪ったんなら誘拐犯と「女房と娘を引き換えだ」ぐらい交渉すれば?「もしかして誘拐犯の黒幕は父親か?妻の金である身代金奪って謎の美女と逃避行とか?」こ、これも違う;復讐目的なら前の4件の誘拐の意味は?予行練習?ケイティの治療費?「じゃ、じゃあケイティは実は生きていて、内臓移植が必要で適合者が娘だとか。だから死なれちゃ困るし身代金は手術費用。両親を見張っているのは逃げるまでの時間かせぎとか?」え、違うの?;でも、それじゃあストレートすぎるだろ…ってそのまんまかい~!;私の頭の中が一番忙しかったような気がします…;ことごとく展開の期待を裏切られ、脱力…;三ケ所で1対1という対峙設定を用意しているなら、それを活かした脚本が欲しかったです;(娘が自力で誘拐犯の元から逃げても両親はなかなか気づけない、とか;)疲れる映画でした…;
[DVD(字幕)] 5点(2010-07-27 10:39:26)
3.  ゴーストライダー 《ネタバレ》 
え~と…;「こんなもんだろうな」って予想通りに「こんなもん」でした。ある意味、期待を裏切らない?;ニコラス・ケイジとヒロインの再会は「恋人の~」というより「親子の再会」に見えました;差がありすぎだろう!見た目的にも、知名度的にも…;キャストは中途半端に大物そろえてます。が、俳優の撮影はため撮りが多かったんじゃないでしょうか?メフィストとかブラック・ハートは衣裳変えも必要なかったろうし;ニコラス・ケイジにしても半分は骸骨姿なんだから撮影時間は短かったでしょう(ギャラが安く押さえられたかもしれない;)ある意味、上手くやった映画?って言えますでしょうか( ̄▽ ̄;)
[地上波(吹替)] 4点(2010-05-17 14:25:05)(良:1票)
4.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 
子供の頃にチラ見したものをこの程ちゃんと鑑賞。残念ながら手放しの賞賛は出来ず。独特の映像美、俳優の存在感は素晴らしいが、共感も感情移入も出来にくかった。時代というものが大きいと思う。時代の象徴としてビトーとマイケルという二人のゴッドファーザーが描かれているように感じた。米国は今も昔も差別社会。イタリア系移民も家畜並の扱いをされてきた。昔の方が差別はひどく、冒頭の娘の暴行事件みたいなのは掃いて捨てる程あっただろう。その中で自分達の矜持と暮らしを守る為にマフィアに頼る。それ以外に選択肢はない時代があった(そういった背景をもっと感じさせて欲しかったかな)「殺人はいかん」と言い、息子を殺されても「平和協定を守る」と誓ったビトーはそんな時代に生まれた「守る為のゴッドファーザー」であった。が、時代は変わり「麻薬」も金になる、と手をだし、邪魔な者を次々と暗殺する「悪のマフィア」の時代がやってくる。マイケルはその時代の頂点に君臨したのだ。彼はどんな世界に生きても、手段を選ばず伸し上がる男に違いない。だからこそ「表」の舞台に立つべきだった。「裏」の世界で彼は容赦なく邪魔者を排除する。妻を欺き、義弟を殺し、義弟の子供の名付け親に平気でなれる。この映画は、今の時代にふさわしい「悪のゴッドファーザー」誕生の物語だと思う。そうならざる得なかった部分がもう少し欲しかった。マイケルが「皆を守る為」にやっている事が、結局は大切な人を苦しめているのだともっと強調して欲しかったと思う。「頂点の男の孤独と苦悩」と解釈するには、マイケルのやっている事がむごすぎる。
[DVD(吹替)] 4点(2009-09-17 16:49:54)(良:1票)
5.  恋におちて 《ネタバレ》 
二回目の観賞ですがやっぱり素敵な映画。今回の方が深く観れました。冒頭の電話の会話のシンクロ度から、二人が同じ感性を持っているのが分かります。モリーは失った子供や病気の父親の心配など、気を使って夫に話せない。我慢しているが夫は気づかない。父親の御葬式で泣きそうになるモリーを人前から連れ出すのを見て「この旦那、妻の気持ちを分かってない」と思いました。ああいう時は泣きたいだけ泣かせあげて支えてやるべき。最後のお別れの場から連れ出すなんて駄目。フランクは妻が一番愛しているのが自分ではなく、子供になったのが淋しい。が、自分も子供を愛しているし、と我慢している。自分に似ている長男の性格を話す時に口籠るシーンでそれが分かります。同じ感性と心の隙間を抱えた二人が出会って恋に落ちるのはまさに運命。ラストの本屋で再会した二人が「私は愛しているけど、この人はどうなんだろう?」とお互いときめきながらも不安がっているのを感じる。フランクはモリーが本屋にいたのは自分と同じ気持ちだったからだ、と気づき追い掛ける。二人は「魂が共鳴」して惹かれ合っている。そんな相手に出会える人が世界に何人いるだろう?遅い出会いで周りも自分も傷ついたが、恋に落ちるのは必然だった。だから二人には幸せになってほしいです。「魂の共鳴」をこうも自然に演じるメリルとデニーロの演技力は見事としか言い様がない。無駄のない会話(だからリアル)自然な演出、大物になる前の瑞々しい名優の演技(脇役含む)地味かもしれないけど、職人技のような傑作だと思います。今のハリウッドでは「おしゃれな映画」は作れるけど、このような「品の良い映画」は作れないかも?
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-05-29 09:23:40)(良:3票)
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