1. ゴジラvsコング
まず驚いたのは、基本ストーリーが1962年の「キングコング対ゴジラ」だけじゃなく「キングコングの逆襲」とのミックスだったこと。 円谷英二の東宝特撮作品をリスペクトする私は、もうそれだけで興奮が止まらなかった。 ゴジラ・シリーズへのオマージュは他にも随所に見られ、(たぶん)エヴァをイメージしたシーンまで。 ある意味で単純=シンプルな、子供でも理解できるスートーリーも“昭和ゴジラ的” 着ぐるみ特撮では不可能なド派手なバトル=怪獣プロレス(←死語復活!)スケールの大きい世界観、大人も子供も楽しめる娯楽映画の決定版!(←これも死語復活) レジェンダリーの《モンスターバース》第1フェーズ最終作!堪能させていただきました。 具体的に語りたいのは山々ですが、公開前なのでここまで。 昭和ゴジラのファンなら、このシーンは○○のオマージュ、この設定は○○と、ニヤニヤしながら楽しめるはず。 是非リングサイドで・・・いや大スクリーンで!3Dや4DXで観るもよし!親子で観ればより楽しい!エンターテイメントです。 [映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2021-04-14 15:28:03) |
2. ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
《ネタバレ》 人間は、知恵で地球の覇者となった以上、 核の問題も、知恵で乗り越えるしか道はないのか・・ 「ゴジラ/KotM」にも、核のテーマが描かれてる。 しかし、今回は過去の「東宝ゴジラ」へのオマージュが多すぎ、まるで最新のVFXで作った、東宝ゴジラのパッチワークを見ているような気にった。 もちろん、見知った三大怪獣+ギドラの大迫力映像、伊福部昭&古関裕而の音楽、追悼クレジットには高揚させられた。ストーリーも、怪獣伝説、核と地球環境の問題、家族の問題、終末的大災害などがテンコ盛り状態で、もうお腹いっぱいだ。 でも、それが逆に映画のテーマを散漫にし、過去作を拡大再生産し消費するだけの、オリジナルの創意工夫に欠けた印象=後味となった。 オマージュに徹するなら、音楽も変にアレンジせず大音量で流してくれれば、どれだけ燃えただろうか。 まあとは言え、それも東宝ゴジラファンならではの贅沢な意見で、日本ではまず作れない《超ゴジラ映画》を楽しんだ事は確か。 蘇った怪獣も、まだ半数しか登場してないし、まだまだこれからって感じだろう。 次作「コングVSゴジラ」は、もっと明るい画面で、コング派とゴジラ派に別れて応援できるような映画にして欲しいな! [映画館(吹替)] 6点(2019-06-04 11:16:37)(良:1票) |
3. GODZILLA ゴジラ(2014)
《ネタバレ》 久々に鑑賞。やはりこの映画は『平成ガメラ』と『未知との遭遇』Remixに見える。 原発事故の裏にある謎を追うあまり孤立し疎外されるジョー・ブロディのキャラは、もろUFOの謎にとり憑かれて孤立する『未知との遭遇』のロイ・ニアリーで、そう思って見ると同じ描写だらけだと気付く。立入り禁止区域に侵入し汚染がないとマスクを脱ぐ。政府機関に尋問され自説を否定されるが一人の学者(渡辺謙=フランソワ・トリフォー)だけが理解者となる。 主人公フォードの息子撮り方もバリー少年のそれと同じでクライマックスの後に母と再会するシーンもまんま。砂漠に船=ジャングルに潜水艦。等々きりがない。 怪獣関連は、ほとんど『平成ガメラ』。コジラの設定からして地球の守護者のようで、ラストでゴジラを見る人類のまなざしは完全にレギオン襲来やイリス覚醒と同じ。ムートーの設定も空飛ぶ脅威ギャオス、電波系レギオン、光る魔物イリスの特徴をミックスしたもの。 ゴールデンゲートブリッジのスクールバスはドナー版『スーパーマン』のオマージュだろうが、子供達を(偶然だが)守ったようにも見えるという絶妙な演出は樋口真嗣監督が『イリス覚醒』の渋谷シーンで少年を守ったように見える演出のトレースだろう。他にも船上から海中の巨大怪獣を見るカットなど ビジュアルの引用はまだまだ沢山。 だからと言ってギャレス・エドワーズ監督を批判する訳ではない。 よく日本の優れた怪獣映画に学び、それを実践して全体を手堅くまとめ上げ、レジェンダリー版ゴジラを怪獣映画の王道として確立させたと評価している。次作、次々作が楽しみで仕方がない! [ブルーレイ(吹替)] 7点(2018-01-24 03:29:05)(良:1票) |
4. ゴースト・イン・ザ・シェル
《ネタバレ》 公開初日に吹替版にて。 予告を見て、ダメだこりゃと思ったが、似せようとして失敗した作品ではなく…よく頑張って作った感は伝わってきた。 だが、マンガ原作をソリッドに再構築した押井アニメが先に存在している以上、そのままでは驚きがない。 ドラマに共感させる為に世界観もコンパクト化されており、後半はもうサイバーパンクとは言えなくなってしまう。 原作が持っている未来考察の多様性や、押井アニメには残されていた哲学性・カルトな魅力を削り、 解りやすく底の浅い自分探しに帰結させたのは如何なものか… 邦画とは比較にならない大予算を投じたにも関わらず、 映画の顔である光学迷彩で主人公が消失するシーンに驚きがなく、多脚戦車のVFXもレトロに見え、全体に小粒な感じが否めない。 この規模でハリウッド映画になった意義が大きいと思うだけに、もっと、目新しいビジュアルを連発して欲しかった… 吹替に関しては、それで観て正解だと思った。ただ、大木民夫氏の不在だけが残念。 荒巻役=ビートたけし本人の声そのままというのは正当ではあるが・・他が全員アニメのオリジナル声優では、どうしても浮いてしまう。 吹替版でも字幕が出るので、字幕版でも荒巻はたけしが日本語で話してるんでしょう。桃井かおりは吹替えでしたが… Blu-ray用に追加録音して、完全なアニメキャストの吹替バージョンを特典にしては如何でしょう。 [映画館(吹替)] 6点(2017-04-07 21:52:20) |
5. この世界の片隅に(2016)
《ネタバレ》 ほんの2、3世代前…こんな時代こんな日常があったという真実。 試写の評判をTwitterで知り、初日の午後 映画館へ。 テアトル梅田のロビーには人がいっぱい。上映中は立ち見の人までいて驚き。 舞台は戦時中。明るくふんわりと生きる主人公すずと一緒に、 私は、その時代の暮らしを体験した。 広島から軍港の呉へと嫁ぎ、新しい土地で新しい家族との生活が始まる。 物が無く食べる物にも苦労するが、失敗したり笑ったり。 それは今の私たちとさして違わない普通の暮らし。 私たちは、すずと一緒にくすくす笑い、家族とのふれ合いにホッコリし、時に涙する。 2時間の映画が、すずの生きる数年間にも感じられ…そして。 映画が終わった時、色々な感情があふれ、しばし言葉を失った。 片渕須直監督が現地で綿密に調査し再現した風景や暮らしは、全て当時の本当の姿だという。 祖父母から断片的に話を聴いたり、日本史の一部として知っていたその時代。 しかしこれは、どんな歴史書やドキュメンタリーよりもリアルな、VRのような時代体験だった。 すずさんの思いは、当時を生きた多くの普通の人たちの思いに相違ない。 ある意味、隠し、忘れてしまいたい過去。その良いところ悪いところ両方を 原作者の こうの史代さんも、片渕監督も知って欲しかったんだろうと思う。 これは、よく取材して丁寧に作られた、厳しくも優しい〝幸せのあり方〟を描いた最高の映画です。 [映画館(邦画)] 10点(2016-11-16 01:57:53)(良:1票) |
6. GODZILLA ゴジラ(1998)
《ネタバレ》 エメリッヒ版 GODZILLA(〝ゴッ、ドジラ〟と呼称) 明らかに、R.ハリーハウゼンが特撮を担当した1953年の「原子怪獣現る」が創作のベースとなっている。ただ、日本の1954年のゴジラ第1作も同作に触発されて製作されたと言われていているので、エメリッヒ&デブリンのコンビは日本のゴジラの原点が「原子怪獣現る」であると考えた上での深いリスペクトだった…とも考えられる。だがしかし、そんな映画マニアックな背景に誰が気づくの?そもそもそ誰が喜ぶの? それに水爆が爆発するイントロはシリアスな展開を予感させるのに、反して以後の展開は実に能天気というチグハグ感。さらには、モロ巨大トカゲで米軍から逃げ回るという、怪獣王らしからぬ体たらくで〝こんなのゴジラじゃねー!〟と(笑)日本中から反感を喰らい、興行収入は31億でも〝総スカン〟に終わった。そりゃ、しかたないのである。 しかしですね、単品の映画として見れば決してクオリティは低くないしイベント性が高くて楽しく、世界的に見れば興行的にも成功している。これがゴジラを名乗る映画で無ければ良かったのにねぇ…である。 余談だが、雄叫びとともに博物館の天井を踏み抜いて、T-rexの骨格標本を踏みつぶすという90秒の「劇場予告編」は、検索してでも見るべき秀逸の出来である。なので+1点とさせて頂きます。 [映画館(字幕)] 7点(2016-08-20 10:12:05)(良:1票) |
7. ゴーストバスターズ(2016)
《ネタバレ》 祝・復活!単純に楽しめる映画です(笑) ご存知「ゴーストバスターズ」がリブートされて帰って来た。 ただ、かなり早い時期に海外での低評価を聞いていたので不安でしたが、笑い所も多いし、テンポもよく案外楽しめました。 当然、1984年の旧作と比較して見てしまうのですが、ゴーストバスターズ達の性別を女性にしたことが良く、観ているうちに段々と〝似て非なるもの〟として受け入れられるようになりました。女性ゴーストバスターズ達の会話は下ネタギャグも多い(配給側の配慮なのか字幕ではソフトな表現にされている)。ドタバタの多さは海外テレビのよくしゃべるホームコメディの豪華版といった様相。旧チームのトボケタ味わいとは正反対。 ただ、その個性が〝嫌味にならない程度な派手さ〟で白けないところ。 ゴーストバスターズはこうでなくちゃダメ!という先入観さえ無ければ、十分楽しめる。 シリーズ化されたら各キャラにも愛着がわきそう…とも思える。特に、見た目がパンクな科学者兼エンジニアのジリアン・ホルツマンは言動が理解不能で 笑、いい味を出している。私見ですが、BTTFのドク・ブラウンを美人にしたらこんな感じだろうかと思いながら見ました。 ストーリー展開は旧作をほぼトレースしているため、物語的に新鮮味は正直ありませんが、ビジュアルは今風にリフレッシュされて派手にスケールアップ。マーベルではマイティ・ソー役クリス・ヘムズワースの馬鹿っぷりも微笑ましい。旧キャストのサプライズ出演もあり、エンドロールのラストメッセージには思わず…涙。旧作への愛も十分感じる映画でした。 旧ゴーストバスタースを〝サイエンティスツ・ミーツ・ゴースト・イン・NY〟と呼ぶとすれば、本作は〝アンチゴーストウイメン・ストライクス・バック・NY〟とでも呼ぶべきか。 私は、素直に「今度のゴーストバスターズも面白いじゃん!」と言いたい。少なくともゴーストバスターズ2よりは・・・ [映画館(字幕)] 7点(2016-08-19 19:37:19)(良:1票) |