41. イノセントワールド
桜井亜美の原作は過激で危なっかしくて面白かった。 映画は小説にあった危険でダークな薫りが消えて、気の抜けた炭酸水のようになっている。 [ビデオ(邦画)] 2点(2013-01-07 00:21:45) |
42. E.T.
子供から楽しめるSFファンタジー。自転車で飛ぶシーンなど、スピルバーグは盛り上げ上手。ただ、今見直すと印象は落ちてしまう。 [ビデオ(吹替)] 5点(2012-12-30 00:20:05) |
43. 1980(イチキューハチマル)
1980年を舞台にした群像劇だが、その時代の雰囲気がよく出ている。 監督はナイロン100℃を主宰するケラリーノ・サンドロヴィッチ。 やっぱり映画より舞台のほうが面白いし向いているようだ。 [映画館(邦画)] 5点(2012-12-29 00:03:40) |
44. インファナル・アフェア 終極無間
《ネタバレ》 時系列が頻繁に前後し、ラウの妄想シーンも入るので、非常にわかりにくい。 Ⅰも説明が少なかったが、Ⅲはさらに少なくて、解釈に手こずるところが結構ある。 ラウが精神に異常をきたして、ヤンとシンクロするのも共感しにくい。 善人になりたかったラウが自己矛盾を処理しきれなくなって、ヤンに同化していくという筋立てはわかるけど。 異常をきたすのが少し唐突に感じるのは、ラウの心理的葛藤の深さが伝わりきらないせいだろうか。 Ⅰは潜入捜査官の心理戦と警察とマフィアの攻防がスリリングに描かれていた。 Ⅱではわかりやすい一般的なギャング映画の方向に振り子が振れた。 そして、Ⅲでは振り子が逆に振れて、病的な深層心理にまで焦点を当てたシュールなサスペンスに。 ヤンと精神科医のエピソードは切なくてよかったが、他が凝りすぎたせいで作品のまとまりとしては今ひとつ。 時系列やミスディレクション等で策を弄しすぎて、ストーリーに入り込めないのだ。 サスペンスは謎が解明されるスッキリ感が醍醐味のひとつなのに、あまりにも説明不足で解明されないシーンが多くてモヤモヤが残る。 もっとシンプルに整理していれば、ラウがヤンになり切ってしまうクライマックス場面で、背筋の凍るようなインパクトがあったかもしれないのに。 実にもったいない。 三部作の中では、Ⅰが最もバランスがとれていて良かった。 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲとまるで違った作風で違和感があったので、三部作であるならばテイストは統一してほしかった。 [DVD(吹替)] 5点(2012-12-26 00:20:27) |
45. インファナル・アフェア 無間序曲
《ネタバレ》 時系列がⅠより前になるが、Ⅰとの関連で考えれば、キャラ設定にブレを感じる。後付けでⅡの設定を考えたのだろうか、違和感を感じてしまうところが幾つもある。 ウォン警部がマフィアの大ボスであるクアンの暗殺教唆する設定には無理がある。暗殺したところで黒社会を潰せるわけでもなく、警部が殺人に踏み込むとは思えない。 サムの妻に迫るラウも韓流メロドラマのようでがっかり。 てっきりⅠで主役だった二人が今回も主役かと思ったが、ウォン警部が中心でその兄弟分である Ⅰは潜入捜査官同士の息詰まるような心理戦があったが、Ⅱは普通のギャング映画になっている。Ⅰのほうがスリリングで面白いが、Ⅱもそれなりには楽しめる。4人のボスを同時襲撃する場面などはゴッドファーザーを彷彿させて面白い。 メロドラマ要素がなかったらと惜しまれる。 [DVD(吹替)] 6点(2012-12-26 00:19:18)(良:1票) |
46. 異人たちとの夏
《ネタバレ》 一風変わった怪談風ファンタジー。 12才のとき事故で亡くなった両親に、浅草で再会した孤独なシナリオライター(風間杜夫)。 懐かしい両親の家に通いつめるうちに、精気が吸い取られるように衰弱していく。 胸に傷のある女・桂(名取裕子)は男を心配するが、男は通うことをやめられない。 片岡鶴太郎と秋吉久美子の両親が下町夫婦のいい味を出していて、ノスタルジーを刺激する。 桂との結末では、冒頭に男の部屋を初めて訪ねたシーンを振り返らせ、女の孤独感が浮かび上がってくる。 両親とのファンタジーと、桂との怪談は、それぞれまとまっているが、まったく異質なもの。 なので、二つの物語を無理に一つにしたような違和感はある。 あくまで両親との話がメインで、女との話を入れるならテイストを統一したほうがいい。 化け物変化する仰々しくてチープなホラーシーンを変えて、両親とのテイストに合わせてファンタジー色を強くしたなら、違和感はなかったかも。 原作は読んでないけど、山田太一の作風から、あのホラーシーンは考えられない。 そこは大林監督の演出の問題だろうが、傑作になりそこねた気がする。 [ビデオ(邦画)] 6点(2012-12-18 21:48:25) |
47. インファナル・アフェア
《ネタバレ》 スパイ同士の裏のかき合いが面白い。 意外な展開の連続で、スリリングで目が離せない。 潜入捜査の映画にしては珍しく、無駄に派手なアクションシーンがないのも気に入った。 必要最小限に抑え、心理戦に重点を置いているのがいい。 ワン警視がタクシーの屋根に墜落したのはインパクト有り。 説明を極力省いて、含みを持たせた場面が多い。 そのため、くどくならずにテンポがよくなっている。 その反面、うっかりすると含まれた意味を見逃してしまう。 たとえば、ヤンの元恋人が子供の年を一つ間違えた理由など、最初はわからなかった。 マイナス点としては、省力されている部分が多くて、わかりにくい点も。 ラウがボスを殺した理由も明確には描かれていない。 シリーズ三部作なので、Ⅱ、Ⅲと観ればわかる部分もあるが、単体では処理されないまま投げ出された印象。 また、二人の青年時代を演じた役者が全然似てないので、あれはわかりにくい。 どっちがどっちだっけ?となかなか現在の姿と一致せず、観直して確認した。 [DVD(吹替)] 9点(2012-12-06 00:47:41) |