1. イノセンス
《ネタバレ》 ★ジブリ鈴木氏推奨の「イノセンス」ってタイトルにして正解というか。●抜け殻のバトー、生身のトグサ、そして犬。生命の定義としてのコントラストが活きていたかな。そういう意味では前作よりもSACチック。●前作から3年後、広大なネットにその身(つーかゴースト)をダイヴした素子。友(最愛なる相棒)と呼べる唯一の存在を失い、犬のように素子を待ち続けるバトー。●すべての押井作品は、夕闇(夜)から始まって朝に終わるのですが、前作のみ唯一夜で終わります。さてこの作品は「朝」で終わるか「夜」で終わるか、確かめに行って下さい。★で、あー、あれだよ、ハッキリ言って「イノセンス」つーか「攻殻機動隊」は「未来あぶない刑事」だと思えば全然むずかしい話しじゃない(笑)。●バトー(舘ひろし/タカ)は、トグサ(中村トオル/トオル)と新コンビを組んで事件にあたるものの、失踪した元相棒の少佐(柴田恭平/ユージ)にずっと思いを馳せているっつー、実に単純な友情と愛の物語。で、ユージとの日々を忘れられず、寂しくて犬とか飼っちゃう訳よ、あのハードボイルドで刑事マシーンの鷹山がさ。それがまたかわいい訳よ。●公安9課なんか、横浜港暑捜査刑事課だし荒巻は中条静夫(近藤)だろ(笑)。イシカワやサイトーはベンガルだったり、秋山武史じゃん。そんなもんだよ。で、未来の話しだから、ネットが発達していて「外付け機器」も発達していて、そうすっと生身の人間(器)なんかいらなくなっちゃって、じゃ、自己や人としての器って何?生命って何?魂の住処ってどこ?みたいな堂々巡りをしちゃうから、その迷える魂がさ、それに絡んだ犯罪を起こしちまったり、事件にあたった刑事がつべこべ考え込んじゃったりするのさGET UP!(めぐる) GET ON!(いつも~)★この作品では、ほんと、犬の存在が上手く使われているなあと感心します。●犬って愛玩物としてこれまでに各種交配を繰り返し、それこそ人間が人工的に作った生物でもある訳じゃん。しかしまごうことなき「生命(魂)」のある存在な訳ですよね(当たり前ですけれど)。●脳の一部以外すべて機械であるバトーが、最愛の相棒を失い“自分以外の何か”つまり、新しい相棒、生身のトグサでなく「生命(魂)ある外付け機器」の“犬”にアクセスし、自己を確認したくなる気持ちってなんか自然に理解できるぜTAKE ON! 8点(2004-03-13 04:08:49)(笑:2票) (良:3票) |