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1.  イノセンス
前作を基準にしての感想です。不満ばかりなので、イノセンスが好きな人は見ないでください。 見終わった後の正直な感想は「随分と古い映画になったなぁ、、」です。とにかく時代感覚が古臭く感じた。前作では、体をサイボーグ化し脳の情報さえハッキングして書き換えられる、つまりパソコンのデータと同じ様に初期化、コピー&ペースト、さらにネットを繋いでデータ転送や外部からのコントロールも可能という、かなり恐ろしいが絶対に起こらないとも言い切れない設定だった。さらに人形使いに「生命とは~」と存在論っぽいことまで言わせていたのに。イノセンスではただ、人間と機械(人形)の話まで戻ってしまった。映画の時代設定も、情報技術が進歩しつくしてしまった程の発展振りだが、人々の生活現在と変わらない、というか中国などの混沌と乱雑さに吸収されてしまった世界という、ブレードランナーの世界観の継承していた。が、このイノセンスではそれすら吹っ飛ばしてしまった感がする。異様な形の超高層ビルが立ち並び、そのふもとは人間の生活の気配を全く感じない、まさに現実味を何も感じさせないただ異様なだけの風景。 前作の、人々の雑然とした生活空間の上に成り立っていた異様だが味わいのある世界観はどこへ行ったのか。それに人間の登場人物が少なすぎるし、登場しても全く動かない、、、。人間らしい動きをしたのは最後の女の子くらい。わざとそうしてるのは分かるが、あれでは映画に魅力が出ないと思う。屋敷での、あのバイオハザードそっくりの動きもちょっと、、、。前作ではそれぞれがかなりの水準だったのに、イノセンスでは映像と音楽以外はそれぞれが一線を超えて破綻してしまった感がする。あと致命的なのは、やはりバトーに主人公をやらせるのは荷が重かったです。あのおっさんに2時間人を惹きつけるだけの魅力は無いかったです、、、。 いろいろ不満を書いたが、監督がわざと、敢えてこの様に描いてるのだから、まあそれはそれでいいのかな。絵も凄いし、あれには本当にビックリしました。
4点(2004-03-14 19:42:23)(良:1票)
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