1. イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
《ネタバレ》 うーん、何が足りないのだろう…… ものすごく丁寧に作っているし、俳優たちもがんばっている。(予告見たときは「無駄に綺麗なキーラが鼻についてしまうかも」と危惧した彼女だって決して悪くなかった。)交差する過去と現在だっていい感じ混ざり合い、決して混乱させるようなヘマはやっていない。暗号解読後の冷徹な判断も常人ならざる主人公らしさをよく表していると私には感じられた……。 しいて言えば、やっぱ「数学の足りなさ」なのかなぁ。暗号を解く仕組みやクロスワードパスルと確率の関係、その気が遠くなるような作業をどうやってコンピュータにさせるのかなど、そんなところがただ会話で説明されるだけではなく、もう少し突っ込んで表現してほしかった。 でもウィキペディアでちょっと調べたぐらいじゃなかなか理解できないようなしくみをド素人相手に映画でさらっと匂わせるなんて考えてみればかなり無理な話なわけ。それを求めた私が悪かったんだろう。うんうん、きっとそうだ……そう反省しつつも、何とかして天才数学者の頭の中のちょっとでも覗きたかった私には、本作は結局「秀作だろうとは思うが取り立てて印象に残らないまあ普通の映画」、といったところです。平均点下げてすみません。 [映画館(字幕)] 5点(2015-03-25 12:16:56) |
2. インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
《ネタバレ》 私は別にインディー・ジョーンズシリーズのファンってわけではないので、思い入れなんかも特にないので結構冷静に観られたと思うのですが、それでも「今作はなんか安易すぎるぞ?」との感想は否めませんね。 例えば最初の核実験のエピソード。多分これは米ソ冷戦時代っていうのを印象付けるつもりで入れたモンなんでしょうが、その後のスパルコの様子からみてこれがソ連軍人の敵だっていう必然性をストーリー上あまり感じないんですよね。たまに出てくる「同志」って言葉がなきゃ、あ、そっかーこの人ソ連の悪役なんだなっていうこと忘れちゃいそうになる。それくらい「ソ連」って存在が薄い。薄いにもかかわらずしょっぱなにあんなエピソードをもってくるから「???」って感じになる。 そのほかにも行方不明の探検家たちの墓を守っていた原住民とか、スカルの神殿を守っていた部族とか、この辺で格闘をちょっくら入れとこうという目的だけで投入されたショッカーのヒラ戦闘員並みの登場キャラたち、大した謎解きもなく開かれる神殿の扉(骸骨をただあてるなんて考古学者のジョーンズ博士でなくたって客席でポップコーンほおばってる私たちにも思いつきそうな安易さだ)、そしてマックとかいう裏切り者なんだか二重スパイなんだかワケのわからん中途半端なキャラ、(何故コイツがインディに信用されうる役として描かれてるのか全く説明不足!ただの金の亡者ならそれなりの扱いをしておかないとインディがだたの間抜けになってしまうのがわからないのだろうか?)などなど、数え上げればきりがない。 こういう気持ちの悪さがいっぱい詰まった映画なんですよね、この映画。 実はこの映画を観ようかなと思った理由の一つが、ヒロイン(?)が第1作目のカレン・アレンだったからってのもあったのですが、ちょっとその体型の変化にショックを受けました。ダイエットしている時間はなかったのかしらね……好きな女優さんだっただけに少し悲しかったです。 [映画館(字幕)] 5点(2008-07-08 17:14:24)(良:2票) |
3. イングリッシュ・ペイシェント
《ネタバレ》 ・・・美しい映画です。オープニングのただひたすらに描かれる壁画の写し・・・それが何を表わしているのか、何も分からないからこそ観客たちを幽玄で心地よい世界にいざなう。この出だしは素晴らしい。流れる音楽も悠久の時を感じさせるような甘美でけだるい調べ、実にぴったり。・・・でもそれだけじゃ、ね。雰囲気があっても美しくても主人公たちの愛に共感がなけりゃ、映画としては台無しです。不倫だからとかいう問題じゃない。唐突すぎるんです。何故彼が彼女を愛し、彼女も彼を愛するようになったのか、全然丁寧に描かれていないじゃないですか?スキー場で知り合った男女のように、厳かなる先人の遺産を前にしてついフラっときちゃったってとこなんですか? 個人的にはデフォーが好きだからもっと彼の存在意味を示して欲しかった、あんな程度の扱いだなんて、あんまりです(涙) [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-05-28 15:35:44) |
4. 硫黄島からの手紙
おととい遅ればせながら観てきました。 …観る前、実はちょっと心配でした。 「よく終戦の日あたりにテレビでやっている特別ドラマと大して違っていなかったらどうしよう」とか、「『アメリカ人が撮ったわりにはよくできているじゃないか』なんていうのが主な感想になる程度の出来だったらどうしよう」とか。…でもそんな心配は杞憂なものでした。この作品がアメリカ映画であるということとかイーストウッド作品だということ、そういうのを抜きにしても私にとっては十分楽しめる作品、そして心に残る作品だったのですから(実際映画が始まるとイーストウッドのことはほとんど思い出すに鑑賞できたくらいです)。 …私は今楽しめる作品と書きましたよね。 このような戦争における部隊の全滅を描いた作品、いわば生と死の極限状態を描いた作品でありながら「楽しめる」という言葉に抵抗をもつ人もいるかもしれません。でも正直「戦争の悲惨さを考えさせる」とか「命の尊さを考えさせる」とか「日米のあらゆる違いを考えさせる」という啓蒙的要素よりも、あんなにも悲惨を極めた「硫黄島の戦い」を映画という娯楽として多くの人々に観せることができたことが、この映画の特筆すべきことではないでしょうか(イーストウッドという色眼鏡なしにこの作品を鑑賞したつもりの私ですが、今思ってみるとそういう点では「許されざる者」にも通じたものがあるのかもしれません)。およそ目を背けたくなるような悲惨なシーンも色のトーンの工夫などで上手く美しく表現しているところなど、心憎いようです。2時間半にも及ぶ時間を、ときおり回想を含ませているとはいえほとんど地味な戦場ドキュメンタリーのような様相を見せながら最後まで観客を引っ張っていく力は一体何によるものなのか?シナリオなのか役者なのか監督の手腕なのか、そんなことすら私にはわかりませんでしたが、とにかくあっというまの2時間半だったことは確かでした。 本来ならば10点を献上したいところですが、2部作の片割れ「父親たちの星条旗」を未見であること、あと鑑賞直後の一過性の陶酔である可能性、そしてやはり外国作品であるがゆえのほんの些細な「言葉の不自然さ」(とくに雑音として入ってくるセリフの端々に見られました)のため1点マイナスさせてもらいます。今度は「父親たち・・・」を鑑賞後すこし時間を置いたうえでまたこのレビューを書かせてもらいたいものです。 [映画館(字幕)] 9点(2007-02-19 17:41:18)(良:2票) |
5. インサイド・マン
《ネタバレ》 うーん・・・思いっきりひっぱっといて、オチはこれだけかい!ってのが正直なとこです。もうひとつふたつどんでん返しがないとちょっと納得いかない・・・まあデンゼル・ワシントンがいつもより俗人っぽかったとこと、ジョディ・フォスターの高飛車ぶりにはちょっと楽しませてもらいましたが・・・全体的見れば「なるほど・・・確かに「インサイド・マン」なわけですな、座布団一枚!」って程度の映画です。 [DVD(字幕)] 4点(2007-01-29 12:59:51) |