1. インビクタス/負けざる者たち
《ネタバレ》 実話ベース&スポーツ物という、いかにも失敗しそうなテーマにもかかわらず、ほんとに上手にドラマに仕上がってます。差別問題も、細かく描写しようとしたら切りがなさそうなところを控えめにして、ラストの決勝戦のシーンに収束させるのに成功していて、気持ちいいです。その決勝戦も、思い切り時間を使ってたっぷりと見せており、スタジアムの興奮を見事に再現してくれています。フリーマン氏も、キャラが濃すぎるかなあと心配してましたが、実際に映像で見るマンデラ氏と違和感ない演技をみせてくれます(そっくりだと思います)。一方で、ラグビーサイドから観ると、気になるところが多々あり。(1)そもそも南アが弱小チームだったというストーリーが実話と違うので、WCでの勝利がうそっぽい(2)NZ戦はロムーの突進シーンばかりで変(3)体当たりのアップが多くスピード感がない(4)ピナールとチェスター以外の選手はほとんど名前も呼ばれないのでチーム自体に感情移入しにくい(車中で名前を当てるシーンは、メンバ全員やって欲しかった)、等々。ほんとはもっと複雑な背景があるのを省いた上で、作り話を極力避けた結果、その辺は中途半端になってしまったのでしょうか。最後のクレジットも「あの曲」だけで終わって欲しかったです。ちなみに決勝シーン、選手の立ち位置、キックの角度、インタビューのやりとり、マンデラ氏の仕草まで、かなり当時そっくりに撮ってます。別の意味でおもしろかったです。 [映画館(字幕)] 7点(2010-02-09 22:41:15)(良:2票) |