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プロフィール
コメント数 28
性別 男性
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1.  怒り 《ネタバレ》 
 三人の不審者と、それを取り巻く人々の物語。三人のうちの誰かが殺人犯だが、謎解きは実はどうでもよかったりする。千葉編・東京編・沖縄編に分かれていて、前の2つには雨や夜のシーンがあり、陰鬱なシーンが続くが、若い二人が無人島に渡る沖縄編は、田中の開放的性格もあって、昼の快晴のシーンが続く。沖縄の青い海と空はひときわ美しく、人を疑うことを知らない濁りのない二人の心を表しているかのようだ。   泉が星島に着いたとき、米軍機が爆音とともに沖縄の青い空を切り裂くように飛ぶのは、後に彼女の心と体を貫く衝撃のメタファーだ。  辰哉は、父の反基地運動に理解がない。それで泉に「あんなことして、何か変えられるのかな」と言う。だがその同じ問いはほどなく「辰哉君言ったよね、あんなことして何が変わるのかって」という形で、自身に降りかかる。辰哉は、どうあがいても泉の心に寄り添えないという現実に打ちのめされる。この後辰哉は一人でボートに乗り、星島に行く。これは二人で過ごす最後のシーンで、おそらく二人は一生会うことはないのだろう。  辰哉の事件を知った泉は、引きこもりを脱し一人で星島に渡る。田中のいた廃屋には「米兵にヤラれてる女を見た 知ってる女だった ウケる」という消された文字があった。辰哉は田中を殺した動機を問われるから、泉を守るため文字を消したのだ。  泉は海に向かって駆けだす。自分の心の傷にとらわれ、辰哉の心の傷に寄り添うことができず、取り返しのつかない事態へと追い込んでしまった。彼女は浜辺で一人叫ぶ。無人島だから、彼女の苦しみと痛みは誰にも届くことはない。しかし彼女は自分の殻から抜け出し、外の世界に向かって叫んだ。沖縄の青い海は、どこまでも美しい。
[インターネット(邦画)] 7点(2025-05-25 09:44:41)
2.  市子 《ネタバレ》 
 妹月子の呼吸器を意図的に外して殺した市子は、母なつみに叱られるはずだった。それで母に「目を離しているうちに呼吸器が外れていた」などの巧妙な言い訳をするつもりでいた。だが母は全部見抜いて、市子に過大な負担を強いていたと察知し、市子の話に聞く耳も持たず「ありがとうな」と言って、全部受け容れた。  このとき、市子の心は壊れてしまったのだろう。母もまた、童謡「虹」を歌うことで平静を保つのがやっとだった。そして母の内縁の夫小泉に死体を隠蔽させたことで、3人の暮らしも壊れてしまう。  市子が夏の道を一人で歩くシーンは、全ての時系列の最後に当たる。歩くだけでしんどそうだが、人の姿はなく、彼女は孤独に一人で歩いて行かねばならない。ここで市子は「虹」を歌う。  庭のシャベルが一日濡れて 雨があがってくしゃみをひとつ 雲が流れて光が差して 見上げてみれば ラララ 虹が虹が空にかかって 君の君の気分も晴れて きっと明日はいい天気   大仕事を無事に終えた市子の脳内には、アドレナリンが出まくっているのだろう。彼女を苦しめた忌まわしい事件も、新しい人生を手に入れた今の彼女にとっては、ただの通り雨に過ぎない。人生大荒れの日があっても、きっと明日はいい天気だろう。
[インターネット(邦画)] 10点(2024-08-04 16:16:28)(良:1票)
3.  イングリッシュ・ペイシェント 《ネタバレ》 
ハナとカラバッジョの二人がカナダ人という設定は、イギリスの分国であるからなのはもちろんだが、カナダの持つ国際貢献のイメージをハナに重ねたものと思われる。主要な登場人物である二人が、フランス語を母語とするケベック人であることがさりげなく示され、国家の枠組みにとらわれないコスモポリタンとして登場していることは、元カナダ在住の小生には興味深い。■恋人キャサリンの命が危機に晒されているのに、彼がイギリス国籍でなく姓がドイツ風だという理由で必要な援助を受けられず、それどころか捕らえられ連行までされれば、裏切りたくもなるだろう。ところがキャサリンが死んだことで、裏切りは意味を失くす。自分も死のうと決意するが、飛行機が墜落したあとも死に切れず、記憶をなくした彼は皮肉にも「イギリス人の患者」と呼ばれる。■本作は「不倫を美化しているから受け容れられない」という意見が多いが、主人公らの恋を不倫に設定したのはわざとだろう。なぜなら、不倫は二人にとって夫と友人を裏切る行為であり、それが国を裏切る行為と対比されているからだ。■戦争は国家のために命を捧げる行為だが、アルマシーは不倫相手の命を救うために国家機密を売り、その結果多くの市民と軍人を戦禍に巻き込み、友人と不倫相手の夫を自殺に追い込み、その部下もスパイ容疑で拷問されるという惨事を招く。だがそれほどの犠牲を払ったにもかかわらず、キャサリンは息絶えてしまう。それが、作者が背徳者の二人に与えた報いである。■キャサリンは遺書に「いとしい人、あなたを待っている。外に出れば日差しが強すぎる」と綴った。背徳者の二人には、日の当たる世界に出るのは厳しすぎ、日陰に隠れる生活が相応だと暗示している。だがアルマシーを許したカラバッジョと、誰にでも無償の愛を注いだハナは、最後にアルマシーが見ることのなかったまぶしいばかりの朝を見た。恋人との仲を修復したカラバッジョと、その車に乗り込むハナが、全身に日の光をいっぱいに浴びる映像が大変美しく、彼らに輝かしい未来があることを強く予感させる。それから車は画面の右へ、そして飛行機は画面の左へと消えてゆく。ハナとカラバッジョには現実世界での幸福が、そして背徳者の二人には「地図のない世界」での自由が示される。対称的な両者の人生は、偶然にただ一度交差し、そして反対方向へと向かったのだ。
[地上波(字幕)] 6点(2014-07-06 10:20:30)(良:4票)
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