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プロフィール
コメント数 112
性別 男性
自己紹介 10点---- 個人的ツボ。欠点なんて知ったこっちゃない映画。
9点---- 完成度高し。人にすすめたくなるような映画。
8点---- 良作。ちょっと気になる点も。

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1.  いまを生きる 《ネタバレ》 
キーティングの教えは、人間とは自由であるということだったと思う。それは、嫌なことから逃げ出せ、嫌いなものからは逃げろというような自由ではなく、自分の中で吐き出される感情を、正しい形でアウトプットする方法を教えたかったのだろうと思う。  スポーツやバンドをやってる人は、何も考えずとも思春期特有の鬱屈した感情が蒸発していくもんだろうけど、そういう術を知らない子供達にとってはひどく重要な問題だ。環境的に束縛されていても、アウトプットする手法さえ知ってれば、そう簡単に追い詰められることはない。  芸術家は負のエネルギーを、創作活動にぶつけることができる。 内部にたまったものを形にするという方法さえ知っていれば、感情の捌け口として、内部のエネルギーを外に逃がすことができるのだ。ブログ、レビュー、SNSなんかも同じ。 どこまでも、自分の内なる世界にとどまっているだけでは何も生み出さない。 外に向かってアウトプットすることで、他者と出会い、他者の価値観に触れ、それを認識することで自分というものが分かってくる。新しい発見がある。この映画では詩作という方法で、友人同士が自分の内的世界を外に向かって吐き出し、ぶつけあっていく。何と平和的で生産的な方法だろうか。  では、なぜ友人は死んだのか。 彼の失望は、舞台での成功を褒められなかったことよりも、陸軍学校に送られることよりも、親に愛されていないことをはっきりと自覚したからだと思う。自分の中で、そんなはずはないと気づかないふりをしてきた感情、親のロボットになることで愛されていることを確認していた感情が、そうじゃなかったんだと、意識する形で現前と姿を現してきたのだと。子供たちにとっては、親の言いなりになることよりも、それを自覚する瞬間が一番の恐怖なんじゃないか。 キーティングは、感情を外に表現することを教えた。しかし、彼の根底は、両親という基礎によって形作られている為に、その感情を知ってしまったら、もう、自己表現することも、家を飛び出すことも、口論することさえ空虚なものに感じられてしまったのだろう。  親がやることは、安全な道を強制的に歩かせることではなく、安全な道を歩けるように上手に軌道修正させて導いていくことだと思う。この映画は、もちろん青春映画なのだけど、青春時代を過ぎ去った大人たちに向けられた映画でもあると思う。
[DVD(字幕)] 8点(2011-09-15 04:53:45)
2.  イースタン・プロミス 《ネタバレ》 
いまいち食い足りなさが残る作品でした。無駄がないというよりも、ドラマのお膳立を省きすぎているので、のめり込むことはできなかったというべきか。狙ってやっているのでしょうが、どの人物にも深く感情移入させる作りにしていないです。そういう浅いドラマでも作品の総体として何かが伝わってくるのならいいのですが、それも弱い気がします。人物描写は上手く自然に出来ているので、それを活かす局面が観たかったです。サウナでの死闘は一見の価値ありかと。
[DVD(字幕)] 6点(2010-02-10 19:39:19)(良:1票)
3.  イントゥ・ザ・ワイルド 《ネタバレ》 
パッケージの爽やかさとロードムービーという情報のみで借りたのだが、かなりヘビーな内容。主人公が口にすることは一見強くて意志のある人間にも見えるが、彼のとった行動は愛情欲求の裏返しでしかないのだと思う。彼に生の実感がないのは、安全が満たされすぎて生の実感がわかないという豊かな社会における特権的欲求というよりも、親からの愛情欲求が満たされてない所から生じているように見える。故に、荒野で死の危険と隣り合わせになっても解き放たれることはない。旅の過程で温かい心の交流もあり、心を開いていけるチャンスはあった。しかし、彼はいつもあと少しの所で踏みとどまってしまう。表層的な接触しかなく、深部ではつながっていない。嫌われるくらいなら、いっそのこと親密にならないほうがいいし、荒野に行けば訳の分からぬ物足りなさは満たされると思っている。だから逃げる。物語の最後、彼が出した答えには考えさせられた。生の実感というものは、人との関係性の中で見つかるもので、荒野で見つかるものではない。他人と共有する、楽しさや一体感などの見えない感覚の中にこそあるのだと思う。独りで身の危険を冒して得る生の実感は常に虚しさと隣り合わせなのですね。彼はアラスカで独りになるんじゃなくて、行く宛ても無い旅を続けて色々な人ともっと交流していくべきだったのだろう。彼が命を懸けて、親の愛情、そして人間の愛情に飢えていることを自覚したのがとても切ない。
[DVD(字幕)] 8点(2010-01-16 09:01:08)(良:1票)
4.  インファナル・アフェア 《ネタバレ》 
傑作。まず設定の段階から良い。善と悪のどちらにも大きな秘密が隠されているので、緊張感が生まれる。そして随所に渡って緊張感を保つように脚本が良く練られている。台詞も◎。問題は、やはりラストにウォン警部の死付近以上の盛り上がりが欲しかったのと、もっとどちらかのキャラクターに感情移入させても良かった所か。時間が短いので、人物の掘り下げをプラスしても良かったと思う。しかし、傑作であることに変わりはない。
[DVD(字幕)] 9点(2009-02-02 12:56:44)(良:1票)
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