1. 依頼人(1994)
実際、レンフロのクソ生意気さにはかなりのインパクトがあって、これによって見応えのある映画になっていることは間違いのないところ。一番の見所はあの1ドル紙幣をばしっと出すところですね。まあストーリーはなんだか粗いんだけど(皆さんのレビュー見てると原作読んだほうが良さそうですね)、サランドン、リー・ジョーンズも流石にいい仕事をしており、レンフロ共々役者で見せる映画でした。レンフロが演じたようなガキんちょが実際に近くにいたら絶対殴りたくなるだろうなあ、なのに感情移入できる、、ううむ上手い、天才子役の名を欲しいままにしたのはやはり納得です。その後典型的な“堕ちた子役”になったレンフロだけれど、やはり演技力には確かなものがあったので、薬漬けになって太って見る影なくなっても、まだ若いんだから(願うらくはスリムになって)再起してくれることを願ってたんですが。残念でした・・・。 [地上波(吹替)] 7点(2009-05-29 13:40:46) |
2. 1408号室
《ネタバレ》 予備知識なしで、密室ものホラーっぽいタイトルに惹かれてなんとなく観た。最初はただのお化け屋敷映画だと思ったが、中々にひねってあって、後味の残るオチもいいじゃん、と思ったらなるほど、キングだったんだ…。宿泊者のトラウマをほじくって自殺に追い込むという呪いの部屋の設定は面白いし、必死で止めつつ実は巧妙に宿泊を促している支配人の見せ方も上手い。さあ1時間もったぞーってところで、全てが元通りになってまた60分からカウントダウンする、ドグラマグラな無限ループもいい。ラストにつながる娘とのシーンは不覚にもホロッとなった。でもお化け屋敷的描写はいいとこも悪いとこも。良かったのは、隣の部屋までの歩幅をカウントしてから思い切って窓から出て、隣の窓を手探りで探すくだり。高所の壁伝いはアクション映画でもよくあるハラハラシーンだけど、この映画は怖い怖い、見当をつけたあたりに手掛かりがなく、ハッと見ると一面どーんとただの壁になってるんだもん。あと向かいのビルに助けを求めるシーンや、いきなりかかるカーペンターズと共にカウントダウンするデジタル時計もなかなか怖くてGood。だが、幽霊というか自殺した宿泊者たちの幻影?や、ブギーマンみたいな天井裏の怪物?はかなり興冷めだし、部屋がどんどんぐちゃぐちゃになっていくのも、なんかいまいち。壁の割れ目から血?が出てくるとこなんか、死霊のはらわた2思い出しちゃったよ。でも破滅的になっていってラストに向けて急展開するパターンの面白さは、やはりキングの真骨頂。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-05-21 13:59:32) |
3. イーオン・フラックス(2005)
シャーリーズ・セロン、CGと見まがう美しさです。これって完全にゲーム・キャラだよなあ、きっと「ゲームの映画化」というヤツに相違ない!と予想したのですが、元ネタはコミックだそうですね。まあ、世界観はよく出来てたと思います。内容は・・・コミック相手にあまり突っ込んでも仕方ないんでしょうが、やっぱりSFとしての設定・展開にかなり無理があり、それはちょっとねーだろ、という部分が多すぎます。ま、バイオ系のSFって難しいので、そこは目をつぶったとしても、忍者を意識したアクション・シーンの動きが時々見てて恥かしくなるのが、かなりマイナス。セロンの美しさは際立っているけど、「かっこよく」は見えないんですよね~。余談:あの足が手の改造人間を演じた女優さん、ホテル・ルワンダの主人公の奥さんに似てるなあ、と思ったら、本人だった。彼女が悪いわけではないが、ちょっと萎えてしまった。本作のレビューとは関係ないが、あちらはやはりルワンダ人を使うべきだったのでは、とつくづく・・・。 [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 4点(2009-05-08 13:39:43) |
4. 硫黄島からの手紙
いい作品だった。硫黄島戦は「父たちの~」の方で題材になったあの写真は有名だが、歴史の教科書では数行触れるにとどまってる程度だった。栗林大将もアメリカでの知名度が割とあるのに比して、日本では本作品以前はそれほど注目されてなかったという。私も栗林大将のことは知らなかったし、激戦地とか最後の砦とかいっても沖縄戦のように民間人を巻き込んでいないこともあり、あまり興味もなかった。しかし本作を観て、これは語り継がれるべき歴史であることを実感した。硫黄島戦を多くの人に知らしめる、意味のある映画である。「手紙」をテーマにおき、兵士(一兵卒から士官まで)の家庭人たる面を描くことで、優れた反戦映画にもなっている。栗林大将、バロン原という少し日本軍では異質の存在が同時にあの地にあって、絶望的状況の中善戦して最期を遂げたというのは意外史とも言えるのではないか。米国通、騎兵隊出身という共通点からの意気投合は興味深かった(出自の違いから、本当は対立もあったらしいが)。渡辺謙、伊原剛志は適役だったと思う。一兵卒の西郷、あの子はジャニタレだったのか…なるほどね。でも悪くなかった。言葉使いはもう少し気を使って欲しかったが(彼でなく脚本に)、新婚の若き商店主という設定は良かった。ささやかな商売を始めた矢先に憲兵隊に商品や商売道具を持っていかれてしまい、戦争を内心苦々しく思っていた男が徴兵される、実際にそんなようなことだってあったろう。塹壕掘りにうんざりしながら、妻に手紙を綴るキャラには共感がもてた。演技は上手ではないけれど、映画の流れに支障をきたすほど酷い、というわけでもないし。若い世代に観やすい作品にするにも、このキャラ、キャスティングはありと思った。 ただ本作に関し、米国人が日本人の視点で撮ったことでの過大評価はどうかな、と思う。確かに、本作は確かに今までの日本の作品になかった切り口も見られ、優れた映画であることは事実だが、今までの二次大戦を扱った邦画にだって、本作と同等、またはそれ以上の名作は多々ある(愚作もあるけど)。日本軍の非行を描いたものや原爆映画などの「左系」とされる反戦映画にも、軍上層部の煩悶や悲劇を描いて戦争美化との非難もある「右系」とされる反戦映画にも。私は本作を観たからといって、それらを貶める気は起こらない。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-04 13:59:24) |
5. 5つの銅貨
《ネタバレ》 心温まるジャズマンの伝記映画。ジャズをよく知らない私でも面白いのだから、スタンダード・ジャズのファンにはたまらない映画なんじゃないだろうか。ダニー・ケイの芸達者ぶりには感心させられる。前半はサクセス・ストーリーだが、音楽シーン以外もこじゃれているのがいい。私のお気に入りは、練習する父の周りをうろちょろして中々寝ない、まだ幼い娘とポーカーをする場面。しらっとした顔で掛け金代わりのピーナツを追加する娘の、こまっしゃくれぶりのかわいいことかわいいこと。この後、バンド人気の絶頂期に娘は病気から障害を負ってしまい、主人公はジャズをやめる。そこから再起するまでの物語が後半の核となっているが、子役が変わってしまったのが(時の経過から娘は大きくなっていなくてはおかしいので、むろん仕方ないのだが)少し残念だった。久しぶりに手にしたコルネットから出た調子はずれな音。落胆。取り戻せない自信。ここから娘や仲間の励ましで再起していく過程は少し出来すぎの感もあり、実話がどうだったのか気になるところだが、やはりラストのコンサートは感動的だった。口ずさみたくなる主題曲がいい。 [地上波(字幕)] 7点(2009-03-25 13:06:11) |
6. イン・ザ・カット
推理物としては、日本のテレビの2時間ドラマでありそうな筋立て。いや、2時間ドラマでもこれより上のミステリーも沢山あるか。惨殺死体もドラマでもあの位は見せるし、本当にわざわざ映画でやる内容じゃないよな…。そもそもエロティック仕立てである必然性ってあるのか?それともこれって中年の欲求不満女のお話で殺人はおまけなのか?私はメグ・ライアンには思い入れはない(ラブコメ観ない)ので、見せるほどの体じゃないな、と思った位だけど、ファンは間違いなく嫌悪しそうだ。マーク・ラファロのエロセリフも、ひたすらキモいのみ。 [DVD(字幕なし「原語」)] 3点(2009-03-05 13:09:38) |
7. E.T. 20周年アニバーサリー特別版
こっちに投稿するってことは、オリジナルとの差に触れないといけないのかな?申し訳ない、細かいとこは忘れちゃってたので、違いがわかんなかった。無線機が銃だった・・・そうだったっけか。とにかく子供に見せてあげたいと思い、入手したらこの版だったというだけなので。 いや~小2のわが子、本当に気に入ってくれた。子供向けとしては満点でしょう。 私は劇場公開時、既に生意気盛りの中学生になってたので、今観た方がかえって素直にじんときてしまった。まあ当時も面白くないことはなかったし、やはり自転車のシーンは鳥肌もんだったけどね。でも中坊ってのは、不思議な力を沢山持つETの設定や生き返るところなんかに、つい突っ込んじゃうからな。「SFというよりファンタジーだから、それは言わないお約束」と思えるのはかえって大人になってからなのね。 名シーンが多いというのも上質映画の証拠かと。私の好きなのは、「ガーディの悲鳴(ドリューちゃん立派!)」とか「エリオットの嘘泣き」とか笑える場面。コメディセンスも光っている。 “子供&異種の交流もの”というのは一つのパターンだと思うんだけど、原則をきっちり守りつつ、かつ退屈させない面白さを出すというのは実は大変なことなのだと思う(だから、奇をてらって原則を破り、破綻した失敗作になってしまうものも多い)。やっぱりスピルバーグは凄い。あとあのテーマ曲がめちゃめちゃ効果的!映画音楽の名曲になったのもうなずける。 [DVD(字幕)] 8点(2009-02-16 13:10:52) |
8. インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
《ネタバレ》 大好きな映画です。世界観がきっちり描かれていて、女性作家の作品らしく程よい耽美さがあるのに、吸血表現など意外にリアルだったり。今では考えられない豪華キャストの競演と言われてますが、私のイチオシは何といってもクローディアを演じたキルスティン・ダンストですね。バンパイヤになった瞬間の、上目遣いにI want some more.と血を更に求めるところに始まり、見境なく吸血して殺しまくったり、大人と激しく口論したり・・・12歳でこれだけ迫力のある演技が出来るのは大したもの。レスタトの首を掻っ切るシーンは特にゾクッときました。ルイとの絆の描き方にも無理がなく、日光に晒され灰と化したクローディアをルイが見つけるシーンは、一緒に泣いてしまいました。ブラピもトムもバンデラスもスレーターもいいんですけど、私としてはこの映画はキルスティンの映画です。 [ビデオ(字幕)] 9点(2008-12-15 13:48:31) |