4. インビクタス/負けざる者たち
《ネタバレ》 どうやらイーストウッドは映画というジャンルで悟りの境地を開いたようですね。ここ数年、傑作ばかり作り続けてる気がします。きっと彼はもう、どう撮れば伝えたい事を一番表現できるのか、手に取るように分かってるんでしょう。この映画でも南アの人々、黒人白人が一つになっていく様を見事なまでに上手く描いてます。自分を殺そうとした白人を赦し国を一つにしようとするマンデラ、彼の期待(ワールドカップ優勝)に応えようとするピナール。彼らが心の内で持ってたもの、それはインビクタス。決して屈しない彼らの行動によって徐々にまとまり始める国。このまとまって行く速度が丁度いい。実際はもっと色んないざこざがあったんでしょうが、そこに脱線してしてしまうとテンポが悪くなってしまいます。そして最後の決勝戦、ラグビーの知識が無い自分でもよく分かるように複雑な展開は省いてくれたようです。こういう配慮がベテラン・イーストウッド。決して余計な知識を必要としない映像を見せてくれます(まぁラグビーファンには不満があるかもしれませんが)。徐々に高まっていた感情が観客の大喝采と共に爆発。多分この涙はイーストウッドの思惑通りなんだろうな。そう感じながらエンドロールを眺めていました。 [映画館(邦画)] 9点(2010-02-11 17:30:20)(良:3票) |